自動車保険の必要書類は?加入手続きに必要な書類や流れを解説
特に、新規加入や契約変更、他社からの乗り換えを行う場合は、適切な書類を揃えておくことで手続きをスムーズに進めることができます。
しかし、どのような書類が必要なのか分からず、手続きに戸惑うこともあるかもしれません。
本記事では、自動車保険の加入に必要な基本書類や、契約内容の変更時に求められる書類について解説します。
また、代理店型とダイレクト型での手続きの違いや、乗り換え時に必要な書類、提出のタイミングについても紹介します。
必要な手続きを正しく理解し、スムーズに自動車保険を契約できるよう、ぜひ参考にしてください。

監修者 トータルマネーコンサルタント 新井 智美
マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。
現在年間200本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。
目次
自動車保険加入に必要な基本書類
保険料は車種や型式、運転免許証の色、等級などによって決まるため、これらの情報を確認できる書類を準備しましょう。
ここでは、新規加入時や等級引継ぎに必要な書類、さらに支払方法によって異なる追加書類について説明します。
新規加入時に準備する書類と情報
必要書類 | 主な確認項目 | 備考 |
自動車保険加入申込書 | ・氏名 | 保険代理店が用意 |
車検証(自動車検査証) | ・車両型式 | 新車の場合は販売店からコピーをもらっておく |
運転免許証 | ・免許証の色(ゴールド/ブルー/グリーン) | 記名被保険者の免許証が必要 |
オドメーター情報 | ・走行距離数値 | 保険会社によって必要な場合あり |
現在の保険証券 | ・証券番号 | 他社からの乗り換え時のみ必要 |
もし前所有者のままだと、保険加入ができない場合があります。
また、法人契約では会社の印鑑証明書などの追加書類が求められることもあります。
保険料の支払方法によっては、銀行口座情報やクレジットカード情報なども必要となるため、支払方法を決める際に必要書類を確認しておくと良いでしょう。
等級引継ぎに関する書類
等級引継ぎには、以下の書類が必要です。
- 現在の保険証券
- 中断証明書(該当する場合)
これを新しい保険会社に提示することで、等級の引継ぎが可能となります。
車を手放して一時的に保険を解約する場合は「中断証明書」を発行してもらうことで、最長10年間は等級を保持できます。
ただし、中断証明書の発行には解約日から1ヶ月以内に手続きが必要です。
等級引き継ぎには期限があり、現在の契約満了日または解約日の翌日から7日以内に新しい保険を開始する必要があります。
この期間を過ぎると、原則として等級はリセットされ、保険料が高くなるため注意が必要です。
支払方法により追加で必要となる書類
以下の表で各支払方法の特徴と必要書類をまとめました。
支払方法 |
特徴 |
必要書類・情報 |
注意点 |
口座振替(年払い) |
・年間保険料を一括で支払う |
・口座情報(金融機関名、支店名、口座番号) |
・引落日の残高確認が必要 |
口座振替(月払い) |
・保険料を毎月分割で支払う |
・口座情報(金融機関名、支店名、口座番号) |
・毎月の引落日に要注意 |
クレジットカード払い |
・年払い/月払いの選択可能 |
・クレジットカード情報 |
・カードの有効期限切れに注意 |
払込票払い |
・コンビニエンスストアなどで支払い可能 |
・払込票 |
・支払期限を厳守 |
分割払いを選択する場合は、一括払いと比較して5〜10%程度の割増金が発生することが一般的です。
また、支払いが遅れると契約が解除される可能性もあるため、特に分割払いの場合は引落日に口座に残高不足がないよう注意しましょう。
自動車保険の加入手続きの進め方
必要な書類を事前に準備しておくことで、加入手続きをスムーズに進めることができます。
ここでは、見積り時に用意するべき書類と情報、そして申込みから契約成立までの具体的な流れを解説します。
保険見積もり時に用意するもの
自動車保険の見積もりを取る際の必要書類
- 運転免許証
- 車検証
- 現在の保険証券(他社契約がある場合)
免許証の色によって保険料が変わるため、正確な情報が求められます。
車検証には車の正確な情報(車両型式、初度登録年月、車台番号など)が記載されており、これらの情報は保険料算出に不可欠です。
新車の場合は、販売店から事前にコピーをもらっておくとよいでしょう。
もし現在他社の自動車保険に加入している場合は、保険証券も用意しておきます。保険証券には現在の等級や事故歴などの情報が記載されており、これらは新しい保険料に大きく影響します。
オンライン見積りの場合はこれらの書類の情報を入力するだけで済みますが、保険代理店などでの店頭見積りでは実際に書類を持参する必要があることが多いです。
申込時の手続きの流れ
- 見積内容の確認
- 必要書類の提出
- 申込書の記入
- 支払方法の選択
特に車両情報や運転者情報に誤りがあると、事故時に補償を受けられない可能性があります。
次に必要書類の提出です。運転免許証や車検証、他社からの乗り換えの場合は現在の保険証券を提出します。
ダイレクト型保険の場合はオンライン上でこれらの情報を入力することが多いです。
申込書の記入では、契約者情報や車両情報、希望する補償内容などを記入します。
代理店型の場合は紙の申込書に記入し、ダイレクト型の場合はウェブサイト上で情報を入力します。
最後に支払方法を選択します。口座振替、クレジットカード払い、払込票払いなど、保険会社によってさまざまな支払方法があります。
選択した支払方法によって追加で必要となる情報(口座情報やクレジットカード情報など)を提供します。
契約形態による必要書類の違い
代理店型保険の場合の必要書類
対面での手続きとなるため、以下の書類を用意する必要があります。
・銀行口座情報(もしくはクレジットカード情報)
・その他代理店固有の書類
申込書に押印する場合や、口座振替を利用する場合には銀行届出印が求められます。
また、口座振替を選択する場合は、口座情報(金融機関名、支店名、口座番号など)や通帳も必要です。
代理店によっては独自の確認書類を求められることもあるため、事前に確認しておくと安心です。
最近では、代理店型保険でもクレジットカード払いに対応するところが増加しています。
クレジットカード払いを選択する場合は、カード情報(カード番号、有効期限、セキュリティコード)の情報が必要となります。
代理店型保険の大きな利点は、専門家からのアドバイスを受けながら自分に合った補償内容を決められることです。
特に初めて自動車保険に加入する方や、複雑な契約内容を希望する方にとっては心強いサポートとなります。
ダイレクト型保険の場合の必要書類
対面での手続きが不要なため、時間や場所を選ばず手続きができる利便性があります。
必要書類は基本的に代理店型と同じですが、実物の書類を提出するのではなく、書類に記載された情報をオンライン上で入力することが一般的です。
運転免許証の色や有効期限、車検証に記載された車両型式や初度登録年月などの情報を正確に入力します。
一部の保険会社では、契約後に書類のコピーをアップロードするよう求められることがあります。
その場合は、スマートフォンで書類を撮影するか、スキャナーでスキャンしたデータをウェブサイト上でアップロードします。
クレジットカード払いを選択する場合は、カード番号や有効期限、セキュリティコードなどの情報も必要です。
オンライン上で情報を入力する際は、セキュリティが確保された環境で行うよう注意しましょう。
契約内容変更時に必要な書類
住所や氏名の変更、車の買い替え、運転者の追加など、さまざまな変更に応じて必要となる書類も異なります。
ここでは、契約内容の変更種類別に必要な書類と手続きのポイントを解説します。
住所・氏名変更時の必要書類
この手続きに必要な書類は以下の通りです。
・住民票の写し
・車検証(ナンバー変更時)
保険会社によっては、住民票の写しの提出を求められる場合もあります。
引越しに伴いナンバープレートが変わる場合は、新しいナンバーが記載された車検証も必要となります。これは運輸支局などでの名義変更手続き後に発行されます。
住所変更は保険料に影響する可能性があるため、できるだけ早く手続きをすることをおすすめします。
多くの保険会社では変更が生じてから30日以内の手続きを求めていますが、万が一の事故の際に補償に影響する可能性も考慮し、変更が決まり次第すぐに連絡することが賢明です。
車両入替時の必要書類
この手続きには以下の書類を準備します。
・クレジットカード情報または銀行口座情報(追加保険料が発生する場合)
・銀行口座情報(返還保険料が発生する場合)
車検証に記載されている車の型式や初度登録年月などの情報をもとに、新しい保険料が算出されます。
新車の場合は、販売店から事前にコピーをもらっておくとスムーズです。
車種が変わると保険料も変動するため、追加保険料が発生する場合は支払い方法に応じてクレジットカード情報または銀行口座情報が必要となり、逆に返還保険料が発生する場合は返金先の銀行口座情報が必要となります。
なお、車両入替には条件があり、一般的には「新しく取得した車の所有者が契約者もしくは配偶者であること」「入替前後の車が同一用途・車種区分であること」などがあります。
これらの条件を満たさない場合は新規契約となる可能性があるため、事前に保険会社に確認しておくことが大切です。
運転者の追加・変更時の必要書類
例えば、子どもが免許を取得して家族の車を運転するようになった場合、運転者の範囲を「本人・配偶者限定」から「家族限定」や「制限なし」に変更する必要があります。
この場合、追加する運転者の氏名や生年月日などの情報が必要となります。
また、最も若い運転者の年齢に合わせて「運転者年齢条件」の変更も検討しなければなりません。
21歳の子どもが運転するなら「21歳以上補償」、19歳なら「年齢条件なし」に変更するといった具合です。
運転者の範囲や年齢条件の変更は保険料に大きく影響します。
範囲を広げたり年齢条件を下げたりすると保険料は上がる傾向にありますが、事故時に補償を受けるためには正確な情報に基づいた契約内容にしておくことが重要です。
補償内容変更時の必要書類
補償内容を変更する際には、基本的に身分証明書(運転免許証など)の提示が求められます。そのほか、特に追加の書類は必要ないケースが多いですが、保険会社によって対応が異なる場合があります。
例えば、車両保険の補償範囲を広げる場合や、弁護士費用特約などを新たに追加する場合は、追加保険料が発生します。
この支払いのためにクレジットカード情報または銀行口座情報が必要になることがあります。
反対に、特約を削除する場合や補償限度額を下げる場合は、保険料が返還されることがあります。その場合は返金先の銀行口座情報を準備しておくとよいでしょう。
なお、契約内容の変更は即日で反映されるわけではなく、変更手続きの完了には数日かかることがあります。余裕を持って手続きをすることをおすすめします。
保険会社の乗り換え時に必要な書類
保険料の節約や補償内容の充実を目的とした乗り換えを検討する際、適切な書類を準備することで等級の引き継ぎやスムーズな手続きが可能になります。
以下では、他社からの切り替え時に必要な書類や、一時的に車を手放す場合の解約・中断時に必要な書類について解説します。
他社からの切り替え時の必要書類
・車検証
・運転免許証
保険証券には現在の等級や事故有係数適用期間、契約車両の情報など、新しい契約に引き継ぐべき重要な情報が記載されています。
証券番号だけでも手続き可能なケースもありますが、正確な情報を伝えるためにも保険証券を用意しておくことが理想的です。
また、契約車両の車検証と運転免許証も必要となります。これらは基本的な契約情報を確認するために使用されます。
等級を引き継ぐには条件があり、現在の契約満了日または解約日の翌日から7日以内に新契約を開始する必要があります。
この期間を過ぎると等級がリセットされ、新規契約扱い(6等級スタート)になってしまうため注意が必要です。
解約・中断時の必要書類
解約手続きには現在の保険証券が必要です。電話やオンラインで手続きできる場合もありますが、証券番号などの情報は手元に用意しておきましょう。
中断証明書の発行には、解約時に加えて中断理由を証明する書類が必要となることがあります。
例えば、車を廃車にした場合は抹消登録証明書、車を譲渡した場合は譲渡証明書などです。
中断証明書の有効期限は発行日から最長10年間です。
この期間内に新たに車を取得して自動車保険に加入すれば、中断前の等級を引き継ぐことができます。
ただし、中断証明書の発行申請は解約日から原則1ヶ月以内に行う必要があるため、解約を決めたらすぐに手続きを開始することをおすすめします。
自動車保険加入時の重要な注意点
以下のチェックリストを参考に、加入前・申込時・契約後の各段階で確認すべき事項を漏れなくチェックしましょう。
特に納車日と保険始期日の調整や、運転者条件の設定は、将来のトラブルを防ぐために重要なポイントです。
タイミング | チェックポイント |
加入前の確認事項 | ・納車日と保険始期日の確認 |
申込時の確認事項 | ・補償内容と保険料の確認 |
契約後の確認事項 | ・保険証券の内容確認 |
納車日までに必要な手続き
ここでは、無保険で走行するリスクを避けるための具体的なスケジュールを紹介します。
まず、納車予定日の2週間前までには保険の見積もりを取得しましょう。
この時点で運転免許証を用意し、ディーラーから車検証のコピーをもらっておくと便利です。
車検証には車両型式や初度登録年月など、保険料算出に必要な情報が記載されています。
納車の1週間前までには保険の申込み手続きを完了させることをおすすめします。
申込み時には、見積りで確認した内容に間違いがないか再確認し、最終的な補償内容や支払方法を決定します。
口座振替を選択した場合、手続きには時間がかかることがあるため、納車日の10日前までには口座振替依頼書を提出するとより安心です。
クレジットカード払いであればより短期間で手続きが完了します。
納車日当日は保険が有効になっていることを確認してから車を受け取りましょう。
保険会社からの加入確認メールや保険証券が届いていることを確認し、万が一の事故に備えて連絡先情報を携帯しておくことが大切です。
書類の有効期限と提出タイミング
適切なタイミングで最新の書類を提出することで、スムーズな手続きが可能になります。
書類の種類 | 有効期限/確認タイミング | 提出タイミング |
運転免許証 | 更新期限まで有効 | 契約申込時 |
車検証 | 車検期限まで有効 | 契約申込時 |
保険見積書 | 通常15日間有効 | 契約申込時 |
保険申込書 | 申込日から30日以内 | 保険開始日までに提出 |
口座振替依頼書 | 記入日から3ヶ月以内 | 保険開始日の2週間前まで |
中断証明書 | 発行日から10年間有効 | 新契約の申込時 |
現在の保険証券(乗り換え時) | 契約満期日まで有効 | 新契約の申込時 ※ |
有効期限が切れた書類では契約手続きができない場合があるため、日付には十分に注意しましょう。
新規契約の場合は納車日の1週間前までに、更新契約の場合は満期日の1ヶ月前までに書類を揃えて提出することを目安にすると安心です。
契約内容の変更が生じた場合は、変更事由発生後できるだけ早く手続きを行うことが重要です。
保険会社によっては変更通知の期限が設けられている場合もあるため、変更が決まったらすぐに連絡するよう心がけましょう。
保険加入の必要書類は漏れなく確認しよう
この記事では、新規加入や更新、契約内容の変更時など、さまざまなシーンで必要となる書類や手続きの流れを詳しく解説しました。
運転免許証や車検証といった基本書類はもちろん、代理店型とダイレクト型の違いによる必要書類の違い、書類の有効期限や提出タイミングまで、漏れのないチェックが大切です。
保険料の支払方法や運転者条件の設定も、適切な書類を準備することで、トラブルなく手続きを完了できるでしょう。
万が一の事故に備え、自分に合った補償内容で自動車保険に加入することをおすすめします。オリコンでは実際に保険を利用したユーザーの声をもとに「自動車保険 オリコン顧客満足度ランキング」を発表していますので、保険選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。

監修者 トータルマネーコンサルタント 新井 智美
マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。
現在年間200本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。
(保有資格)
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
・CFP?
・DC(確定拠出年金)プランナー
・住宅ローンアドバイザー
・証券外務員
公式サイト:https://marron-financial.com/