2015年11月05日 09時50分

知っておくべき自動車保険の基礎! 「対人・対物賠償」の幅広い“補償範囲”

事故時に適用される「対人・対物賠償」。補償範囲はあらかじめ抑えておこう [拡大する]

事故時に適用される「対人・対物賠償」。補償範囲はあらかじめ抑えておこう

 自動車保険で最も重要といえる「対人賠償」と「対物賠償」。文字通り、“人のケガ”と“物”の損害を補償してくれる保険だが、実はその範囲は幅広い。詳しく見ていこう。
 
■「対人賠償」の補償範囲

 対人賠償は、事故でケガをさせてしまったり、死亡させてしまった場合、被害者に対して支払われる。対象は事故相手で、車を運転していた人は補償されない(相手方の対人賠償で補償される場合を除く)。

 任意保険では、保険金額は通常「無制限」となる。上限を設けていない理由は、ケガの程度や治療費などを前もって想定できないためだ。

 対人賠償の補償といえば、上述のようなケガの治療費や入院費、死亡による逸失利益などを思い浮かべる人が多いが、実はそれ以外にも幅広く支払われる。その一部が以下の通りだ。

・通院交通費
・看護、介護費用
・介護設備費、介護専用車両購入費
・車椅子購入費
・休業補償
・慰謝料
・葬儀費用

 このほか、事故内容によっては、自宅に手すりや昇降用エレベーターを取り付けるといった「改築費」などが必要になる場合もある。こういったケースでも対人賠償は適用される。

■「対物賠償」の補償範囲

 対物賠償では、車で壊してしまった物が補償される。こちらも範囲は幅広い。

・車の修理費
・車の積載物、運搬物
・車の購入費
・建物の修理費
・店舗休業補償
・従業員給与
・ガードレール
・信号
・標識

 保険金額は自分で選択可能だが、「相手が高級車でも1000万円あれば大丈夫だろう」「自分は軽自動車だから500万円で充分」と甘く考えるのはおすすめしない。

 車や建物の修理、購入、ガードレールなどは金額を想定しやすいが、相手の車両がトラックなどの場合、運搬している物によっては億単位の賠償になることも考えられる。また、家屋なら直接の損害に対して賠償となるが、店舗の場合には修理費のほか休業補償、従業員の給与なども補償する必要があるのだ。

■保険金額は「無制限」にすべき

 対人賠償はもちろん、対物賠償であっても、損害賠償額の上限は想定できない。過去の判例では、1億2千万円(電車)、1億3千万円(パチンコ店)、2億6千万円(貨物運搬・呉服)となったケースもある。

 事故は誰しも起こそうと思っているわけではない。それだけに、被害者である先方と加害者である自分に余分な負担が発生しないよう、いずれも無制限で加入するべきだ。

(文/西村有樹)

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