2016年03月28日 07時30分
「自分年金」作りの大本命! 確定拠出年金って何がすごい?
自分の“年金作り”に最適な「確定拠出年金」のメリットを紹介!
2015年から、年金額が実質的に目減りする「マクロ経済スライド」という制度がスタートしているのをご存じだろうか。現役世代は公的年金にプラスして自分でも老後資金を備える必要性が高まっている。
老後資金の形成というと、預貯金や投資信託の積立などをイメージされることも多いが、まず検討したいのが確定拠出年金だ。英語では「Defined Contribution Plan」ということから、頭文字を取ってDCと呼ばれることも多い。
DCは、「年金」といっても、国に保険料を支払う国民年金や厚生年金とは異なり、自分名義の口座に毎月一定額を投資信託などに積み立て投資するしくみ。つまり、基本的に投資である。結果が成功であれば資金は増え、失敗すれば減ることになるが、すでに投資をしている人ならむしろなじみやすいだろう。
■掛金は全額所得控除でき、運用益も非課税!
DCの最大のメリットは、積み立てる掛金の全額が税金の計算対象から差し引かれる(所得控除)ため、節税しながら老後の資産形成ができることだ。
会社員なら年末調整の際に、積み立てた金額にかかる分の所得税が還付され、翌年に給与から天引きされる住民税も安くなる。
たとえば、年収680万円の会社員が毎月2万3000円を積み立てると、所得税と住民税合わせて年間で8万2800円も軽減できる(国民年金基金連合会試算)。しかも、運用益は事実上非課税である(通常の株式投資の場合、売却利益にも、配当金にも課税される)。
そして、スイッチングという方法使えば、事実上の利益確定をして別の商品に乗り換えることも可能だ。さらに、積み立てた資金を老後に年金として受け取るときにも公的年金等控除という税制優遇を受けられる。
■DCとNISAはこう使い分けよう
運用益が非課税といえば、NISA(少額投資非課税制度)を思い出す人も多いだろう。この非課税メリットは、NISAでも大いに強調されている。
では、NISAとDCのどちらをチョイスすれば良いのだろうか?
DCの場合、積立金を支払う際にも非課税で、利益を受け取るときにも非課税だから、まさに大盤振る舞い。節税メリットの点では、NISAより有利である。さらに、投資先を何度でも乗り換えられる点でも、投資が得意な人にとっては、NISAより好ましいと感じるだろう。
ただし、DCはあくまで「年金」であるから、60歳までは原則として引き出すことはできない。その不自由さの代わりに、税制上の大きな特典が与えられていると考えよう。
つまり、DCは、100%完全に老後資金専用の制度であり、一方のNISAは、老後資金に使うかもしれないが、現役時代にも使うかもしれない、自由度の高い目的のお金を運用するものだ。
どのような目的でお金を積み立てるのかによって、DCとNISAをうまく使い分けよう。
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