自転車走行中や歩行中にでも使える自動車保険の活用方法
一方、自転車に乗ることを覚えたお子様がいる方にとって、自動車との事故はもちろん心配ですが、歩行者などにケガを負わせてしまい加害者になることも考えられます。
自動車と自転車、自転車と歩行者など、交通事故では様々なケースが考えられますが、自動車保険でどこまで補償されるのか、どのような自動車保険に加入すれば補償されるのか、事前に知っておくことで保険をより上手に活用することができます。
次に自動車保険の内容について確認しておきましょう。自動車保険には大きく分けて3〜4つの補償があります。それは「相手方への補償」「自分や同乗者の補償」「自分の車の補償」「その他(オプション)の補償」です。具体的な補償内容と交通事故との関係は次の通りです。
<自動車保険の補償の種類と内容>
・相手方への補償・・・対人賠償保険、対物賠償保険
・自分や同乗者の補償・・・人身傷害保険、搭乗者傷害保険
・自分の車の補償・・・車両保険
・その他(オプション)の補償・・・個人賠償責任特約、自転車傷害特約
<事故と自動車保険との関係>
1. 自動車を運転しているとき
・走行中の自転車にぶつけてしまった場合(加害者になるケース)・・・対人賠償保険や対物賠償保険
2. 自転車に乗っているとき
・歩行者や走行中の自転車とぶつかった場合(加害者になるケース)・・・個人賠償責任特約
・走行中の自動車にぶつけらた、または、自転車で転倒した場合(被害者になるケース)・・・自転車傷害特約
では、どのような自動車保険に加入すれば補償されるのか、一つずつ具体的に確認していきましょう。
・対人賠償保険
契約車両の事故で、他人にケガをさせたり死亡させたりして、法律上の損害賠償責任を負った場合に、1名ごとに保険金額を限度に保険金が支払われます。ただし強制保険である自賠責保険が優先され、自賠責保険を超えた分が対象となります。
・対物賠償保険
契約車両の事故で、他人の財物に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負った場合い、1回の事故ごとに、保険金額を限度に保険金が支払われます。
なお、対人賠償保険、対物賠償保険ともに、相手方が本人や親族の場合は補償の対象外となりますので注意が必要です。
<個人賠償責任特約の補償内容>
・自動車事故以外の日常生活の事故で、他人にケガをさせたり、他人の所有物に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われます。
<自動車保険 A社>
・国内で発生した事故 無制限
・国外で発生した事故 1事故につき1億円
また、個人賠償責任特約は、日常生活中の事故に対応していますので、以下のような場合でも保険金が支払われます。
・買い物しているときに、あやまって商品を落として壊してしまった。
・飼い犬と散歩中に、他人にかみついてケガをさせてしまった。
・ゴルフ中に打ったボールが他人に当たりあやまってケガをさせてしまった。 など
個人賠償責任特約は比較的安い保険料で幅広い日常での補償を受けられる点に魅力があります。
<自転車傷害特約の補償内容>
自転車に乗っているときに自動車にぶつけられてケガをした。
自転車に乗っているときに転倒してケガをした。
このような場合に補償の対象となります。保険金は、ケガにより死亡した場合、後遺障害を負った場合、入院した場合に支払われます。
<自動車保険 B社>
死亡保険金 1名につき500万円
後遺障害保険金 1名につき20万円〜500万円
入院一時金 10万円(入院5日以上)
入院保険金 入院1日に月5,000円
このように、自転車傷害特約は、保険対象の自動車以外の事故にも対応できる補償となっています。
一方、個人賠償責任特約や自転車傷害特約も、家族が対象となります。なお、自動車保険には保険料を安くするために運転者の範囲を限定することができますが、個人賠償責任特約や自転車傷害特約は自動車の運転に関わる補償ではないので、運転者限定特約を付けていたとしても家族も補償範囲となります。特に相手への損害賠償では高額になるケースも考えられますので、具体的に発生しそうな事故や必要な補償額を想定し、特約が必要ではないか検討してみましょう。
なお、自動車を持たない方はこれまでに紹介しました自動車保険に付ける個人賠償責任特約や自転車傷害特約の特約には単独に加入することができません。そこで候補にあがるのが自転車保険です。自転車保険には個人賠償責任特約や自転車傷害特約と同じような補償となっています。気になる方は取扱いの保険会社に問い合わせしてみてください。
自動車運転中では、自分や家族のケガは「人身傷害保険」や「搭乗者傷害保険」、相手のケガは「対人賠償保険」で補償されます。自動車運転中以外では、自分や家族のケガは「自転車傷害特約」、相手のケガは「個人賠償責任特約」の加入がそれぞれ必要です。
事故はいつ、どこで、誰に起こるかわからないものです。もしものために備えておくことによって、さまざまなトラブルの際に適切な対応を取ることが可能です。特に自転車は免許不要で気軽に乗れますが、スピードが出ているときの事故による損害は大きくなると想定されます。自動車運転中の事故だけでなく、日常で起こりうる様々な事故について、保険で準備する必要はないか検討してみてください。