子どもの教育費は平均いくら?幼稚園から大学までの教育資金の目安を解説

子どもの教育費は平均いくら?

子どもを好きな道に進ませたいと思う一方で、教育費がいくらかかるか不安な人も多いのではないでしょうか。

子どもの教育費を準備するためには、かかる費用の目安を早めに把握し、目標額を設定することが大切です。

この記事では、公的なデータによる幼稚園から大学までにかかる費用の目安と、教育費の準備方法を詳しく解説します。

出産を控えている方や小さなお子さまがいるご家庭は、教育費の準備に向けた目標設定の参考にしてみてください。

mokuji目次

  1. 子ども1人にかかる教育費の平均は?
  2. 年代別にみる子どもの教育費の内訳
    1. 未就学児(幼稚園)
    2. 小学校
    3. 中学校
    4. 高等学校
    5. 大学・大学院
  3. 教育費の準備方法|貯蓄・保険・投資など
    1. 貯蓄:銀行預金や積立預金
    2. 保険:学資保険の加入
    3. 投資:投資信託やNISA
    4. 教育ローンの利用
  4. 教育費負担を軽減する制度
    1. 給付型奨学金
    2. 私立高校授業料の実質無償化(東京都・大阪府)
  5. 子どもの教育費は早めの準備で安心

子ども1人にかかる教育費の平均は?

子どもの教育費は平均いくら?

子どもを大学まで出す場合、ひとりあたりにかかる費用は進学先が公立か私立かで大きく異なります。

以下は、文部科学省などのデータをもとにした、幼稚園から大学卒業までの進学パターン別子どもひとりあたりの教育費の平均額です。

■大学卒業までにかかる教育費の平均額
※表は横にスクロールできます
Flexible Table
進学ケース 総額 幼稚園 小学校 中学校 高校 大学
全て公立8,169,401円472,746円2,112,022円1,616,317円1,543,116円2,425,200円
全て私立23,571,440円924,636円9,999,660円4,303,805円3,156,401円5,186,938円
公立:小/中
私立:他
12,996,314円924,636円2,112,022円1,616,317円3,156,401円5,186,938円
公立:小/中/高
私立:他
11,383,029円924,636円2,112,022円1,616,317円1,543,116円5,186,938円
公立:小
私立:他
15,683,802円924,636円2,112,022円4,303,805円3,156,401円5,186,938円
参照元:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」 「2023年度学生納付金調査結果」「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果」国立大学等の授業料その他の費用に関する省令
幼稚園から大学まですべて私立に進学すると、すべて公立(国立)に進学した場合に比べて約3倍の学費がかかるとわかります。

比較的多いのが「幼稚園と大学が私立で他は公立」のケースと考えられますが、その場合でも大学卒業までに1,000万円以上の学費がかかります。

また、私立大学の学費は4年間で500万円以上となるため、早くからの準備が必要です。

年代別にみる子どもの教育費の内訳

幼稚園から大学までの教育費の総額に続いて、幼稚園や小学校など各年代別の子どもの教育費の内訳も見ていきましょう。

未就学児(幼稚園)

最初に、文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」より、「幼稚園で1年間にかかる子どもひとりあたりの教育費」を紹介します。

【幼稚園でかかる教育費の平均額】

費用項目

公立幼稚園

私立幼稚園

入学金等

382 円

15,828 円

修学旅行費等

785 円

1,584 円

学校納付金等

8,433 円

17,362 円

図書・学用品
実習材料費等

11,040 円

16,084 円

教科外活動費

482 円

4,131 円

通学関係費

22,346 円

39,106 円

授業料

5,533 円

27,972 円

その他

12,155 円

12,768 円

総額

61,156 円

134,835 円

参照元:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査
上記の費用には預かり保育の分や、習いごとなどの月謝は含まれていません。

また、2019年10月から幼児教育・保育の無償化制度により、3歳児クラスから5歳児クラスまでのすべての子どもの利用料が無料になっています。

施設別の無償化の上限額は、以下のとおりです。
施設別の無償化上限額
〇認可保育所:全額無償
〇幼稚園:月額25,700円
〇認定こども園:全額無償
〇認可外保育施設:月額37,000円
ただし、通園送迎費、食材料費、行事費などは、実費負担が必要です。

小学校

次に、同じ文部科学省のデータから「小学校で1年間にかかる子どもひとりあたりの教育費」を紹介します。

【小学校でかかる教育費の平均額】

費用項目

公立小学校

私立小学校

入学金等

158円

66,046円

修学旅行費等

5,283円

18,864円

学校納付金等

8,113円

162,624円

図書・学用品
実習材料費等

24,286円

49,932円

教科外活動費

2,294円

8,709円

通学関係費

20,460円

104,467円

授業料

0円

536,232円

その他

5,380円

14,139円

総額

65,974円

961,013円

参照元:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査

上記から、公立小学校でかかる教育費はわずかですが、私立小学校では年間100万円近くかかることがわかります。

上記の費用には習いごとの月謝や、学童保育の保育料などは含まれません。

一般的な習いごとの月謝の相場は、以下のとおりです(いずれも週1回の場合)。
習い事の月謝相場
〇スイミングスクール:5,000円〜8,000円
〇英会話(グループレッスン):8,000円〜10,000円
〇ピアノ:5,000円〜10,000円
〇書道:3,000円〜5,000円
また、公立の学童保育の一般的な保育料の月額は4,000円〜8,000円が目安です。

その他、おやつ代が1,500円〜3,000円程度かかります。

中学校

以下は、同じ文部科学省のデータから「中学校で1年間にかかる子どもひとりあたりの教育費」の平均額です。

【中学校でかかる教育費の平均額】

費用項目

公立中学校

私立中学校

入学金等

507円

122,368円

修学旅行費等

15,824円

30,988円

学校納付金等

14,538円

163,233円

図書・学用品
実習材料費等

32,368円

68,578円

教科外活動費

24,172円

37,172円

通学関係費

39,516円

152,487円

授業料

0円

476,159円

その他

5,424円

10,365円

総額

132,349円

1,061,350円

参照元:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査

中学校の教育費は公立でも小学校の2倍以上ですが、私立は公立の10倍近くかかることがわかります。

中学生になると、部活や塾などの費用もかかるようになります。

部活の費用は、上記の教科外活動費に含まれます。

塾の月謝の年額は、同じ文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」より、以下のとおりです。
中学生の塾代(年額)相場
〇公立:250,196円
〇私立:175,435円

高等学校

以下は、同じ文部科学省のデータから「高等学校で1年間にかかる子どもひとりあたりの教育費」の平均額です。

【高等学校でかかる教育費の平均額】

費用項目

公立高校(全日制)

私立高校(全日制)

入学金等

16,143円

71,844円

修学旅行費等

19,556円

26,549円

学校納付金等

32,805円

115,808円

図書・学用品
実習材料費等

53,103円

64,259円

教科外活動費

39,395円

47,013円

通学関係費

91,169円

129,155円

授業料

52,120円

288,443円

その他

4,970円

7,291円

総額

309,261円

750,362円

参照元:文部科学省|令和3年度子供の学習費調査

高校生になると通学距離が長くなるケースも増えるため、公立でも通学関係費が増加します。

その他の費用も中学校に比べてかかるようになるため、公立と私立の費用の差が縮まります。

高校生の塾の月謝の年額は、同じ文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」より、以下のとおりです。
高校生の塾代(年額)相場
〇公立:120,397円
〇私立:171,149円

大学・大学院

最後に、文部科学省の大学の学費に関するデータをもとに、「国立・公立・私立大学別の初年度納付金」を紹介します。

このうち、入学金がかかるのは初年度のみで、その他の費用は各学年でかかります。

【大学でかかる教育費の平均額(初年度学生納付金)】
4x7 Table
費用項目 国立
標準額
公立 私立
入学金282,000円地域内
224,066円
地域外
374,371円
240,806円
授業料535,800円536,191円959,205円
施設設備費--165,271円
実験実習料--28,864円
その他--83,194円
総額817,800円地域内
760,257円
地域外
910,562円
1,477,339円
参照元: 文部科学省「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」「2023年度学生納付金調査結果」 「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果

国公立大学では、授業料以外の施設設備費や実験実習料は基本的にかかりません。
ただし、大学によってはかかる場合もあるため、個別に確認が必要です。

また、遠隔地の大学に通う場合は、親元を離れて下宿します。

自宅外通学にかかる費用は以下のとおりです。
参照:日本政策金融公庫「令和3年度教育費負担の実態調査結果
自宅外通学にかかる費用
〇自宅外通学を始めるための費用(アパートの敷金や家財道具の購入費用):38.7万円
〇年間仕送り額:95.8万円

教育費の準備方法|貯蓄・保険・投資など

教育費の準備方法|貯蓄・保険・投資など

教育費の準備方法には主に貯蓄保険投資があります。

それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選びましょう。また、複数の方法の併用も選択できます。

貯蓄:銀行預金や積立預金

貯蓄は、最も基本的な教育資金準備の方法です。

銀行預金や積立預金など、自分のライフスタイルや資金計画に合わせて、無理なく続けられる方法を選べます。

預貯金で教育資金を準備するメリットは元本保証があるため、安心して積み立てられる点です。

また、ATMやインターネットバンキングを利用すれば、いつでも手軽に預け入れや引き出しができます。

一方、デメリットは現在のように超低金利では、利息が期待できない点です。

預貯金だけで教育資金を準備しようとすると、長期間にわたって多額の資金を積み立てる必要があり、家計への負担が大きくなってしまいます。

そのため、預貯金は、他の方法と組み合わせて利用するのがおすすめです。

例えば、学資保険に加入してまとまった資金を確保しつつ、毎月の積立預金で計画的に貯蓄していく方法などが考えられます。

保険:学資保険の加入

学資保険は毎月の保険料を積み立てて、子どもの進学時期に合わせて教育資金を受け取れる貯蓄型の保険です。

一般的に、加入年齢が低いほど毎月の保険料負担が軽くなるという特徴があります。

最大のメリットは、契約者である親に万が一のことがあった場合、以降の保険料支払いが免除され、予定通りの満期保険金を受け取れる点です。

また、生命保険料控除の対象となるため、所得税や住民税の負担を軽減できます。

一方で、中途解約すると払込保険料よりも解約返戻金が少なくなる可能性があるため、長期継続を前提に検討する必要があります。

どの学資保険に加入するか迷う場合は、返戻率を比較してみるのが良いでしょう。

返戻率とは支払った保険料に対して、受け取れる金額の割合です。返戻率が100%以上であれば、支払った保険料より多くの保険金を受け取れることになります。

投資:投資信託やNISA

教育資金を準備する方法として預貯金や保険だけでなく、投資信託のような金融商品を活用する方法もあります。

投資信託は多くの投資家から集めたお金を、専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などに投資する金融商品です。

投資信託は少額から始められるため、初心者でも比較的取り組みやすいといえます。

さらに、NISA(少額投資非課税制度)を利用して投資信託を積み立てると、運用益が非課税になります。

投資信託で教育資金を準備するメリットは、預貯金や保険と比べて高いリターンを期待できる点です。

また、NISAを利用すれば非課税で運用できるため、効率的に資産形成ができます。

デメリットは元本が保証されていないため、価格変動によって損失が出る可能性がある点です。

着実に教育資金を準備するには、全額を投資信託に回すのではなく、預貯金や学資保険と組み合わせると良いでしょう。

教育ローンの利用

教育資金が不足する場合、教育ローンの利用も有効な選択肢です。

教育ローンには、日本政策金融公庫が扱う「国の教育ローン」と、銀行や信用金庫が提供する「民間の教育ローン」があります。

国の教育ローンには世帯年収の制限がありますが、金利が低めで最長18年の返済が可能です。

一方、民間の教育ローンは年収制限がなく、借入限度額も高めですが、金利は国の教育ローンより高くなる傾向にあります。

教育ローンは返済が長期にわたるため、家計への影響を慎重に検討する必要があります。

特に、年収に対する返済額の割合が高すぎると審査に通りにくく、また返済中の家計を圧迫する可能性もあるため、借入額は必要最小限に抑えましょう。

教育費負担を軽減する制度

教育費負担を軽減する制度

最後に、教育費の負担を軽減する制度を紹介します。

給付型奨学金

給付型奨学金とは、返済の必要がない奨学金です。

代表的な給付型奨学金としては、「日本学生支援機構の給付型奨学金」があります。

支給対象は住民税非課税世帯またはそれに準ずる世帯の学生で、世帯収入に応じて支給額が4段階に分かれています。

支給額は通学形態や学校種別によって異なり、私立大学の自宅外通学の場合、最大で月額75,800円が支給されます。
一方、国公立大学の自宅通学では最大で月額29,200円です。

学力基準は高校の評定の平均が5段階評価で3.5以上、大学ではGPA(平均成績)等が在学する学部等における上位2分の1以内が目安です。

また、給付型奨学金の対象者は、大学の授業料や入学金の減免も同時に受けられます。

ただし、支援継続には一定の学業成績が求められ、基準を下回ると支給が打ち切られる場合があります。

私立高校授業料の実質無償化(東京都・大阪府)

2024年度から、東京都と大阪府で私立高校授業料の実質無償化制度が大きく拡充されました。

両都府とも、これまでの年収910万円未満という所得制限を撤廃し、世帯収入に関係なく支援を受けられるようになっています。

東京都では、都内私立高校の平均授業料である年間484,000円を上限に支援を受けられます。
保護者が東京都在住であれば、都外の学校に通学する場合でも対象となります。

大阪府では完全無償化を目指し、2024年度の高校3年生から段階的に新制度を適用します。
全学年での完全実施は2026年度からとなり、2024年度と2025年度は経過措置として一部保護者負担が発生する場合があります。

子どもの教育費は早めの準備で安心

子どもの教育費は、進学先が公立か私立かで大きく変わります。

かかる費用の目安を早めに把握し、家計状況を考慮した現実的な教育費準備の目標を設定しましょう。

教育費の準備には、貯蓄・保険・投資など複数の方法を組み合わせると、リスクを分散しながら効率的に資金を確保できます。子どもが生まれてすぐといった早い時期からスタートすると、少ない負担で着実に教育資金を貯めていけるでしょう。

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※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。

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