学資保険が元本割れする理由は?元本割れしない為の対策も解説
学資保険は、子どもの将来の教育資金を計画的に貯蓄できる保険商品として人気ですが、 なかには元本割れする商品もあります。
この記事では学資保険の元本割れとはどのような状況か、元本割れを避ける方法、元本割れしない学資保険の選び方などを解説します。
目次
学資保険の元本割れとは
このケースで満期に受け取る保険金額が120万円未満の場合が、元本割れとなります。
特に中途解約をするケースでは、支払った保険料に対して、ほんのわずかしか戻らない可能性もある点に注意が必要です。
学資保険は子どもの教育資金を計画的に準備できるメリットがありますが、元本割れのリスクもあるため、慎重に商品を選ばなければなりません。
学資保険の元本割れが起こるケース
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
元本割れが起こるケース
途中解約をした
途中解約とは、保険契約期間中に保険を解約することです。
途中解約で元本割れが起こりやすい理由は、学資保険の保険料には将来の保障や満期金に備えるための積立部分だけでなく、保険会社の運営費のような諸費用も含まれているためです。
学資保険の加入を検討する際は、支払いが苦しくなり途中で解約する可能性も考慮し、無理のない保険料設定にする必要があります。
返戻率100%以下の商品を契約した
返戻率とは、払い込んだ保険料総額に対する受取金額の割合です。
>>学資保険の返戻率とは?高くするコツや計算方法を解説
返戻率(%) =満期保険金 ÷ 支払保険料総額 × 100
返戻率が100%を下回る可能性があるのは、保障を重視し様々な特約を付けた場合などです。
「保障」よりも「貯蓄性」を求めるのであれば返戻率を十分に確認し、少なくとも100%以上の商品を選ぶようにしましょう。
>>学資保険「貯蓄型」「保障型」の違いは?特徴やメリット・デメリットを解説
学資保険の元本割れを回避する対策
それぞれについて詳しく解説します。
元本割れを回避する対策
不要な特約は解約する
学資保険には、基本となる保障に加えて、さまざまな特約を付加できます。
しかし、必要以上の特約を付けてしまうと保険料が割高になり、結果として元本割れのリスクにつながります。
例えば、すでに医療保険に加入している場合、学資保険の医療特約は不要かもしれません。
また、保障内容が重複している特約や、必要性が低いと感じる特約は、思い切って解約を検討してみましょう。
不要な特約を判断する際は現在の家族構成やライフプラン、他の保険加入状況などを考慮し、本当に必要な保障の見極めが必要です。
不要な特約の解約によって保険料負担を軽減し、より効率的に学資保険を活用できます。
余裕を持った保険料を設定する
無理な保険料設定をしてしまうと、家計が苦しくなった際に、途中解約せざるをえなくなる可能性があります。
途中解約は多くの場合で元本割れにつながり、せっかく積み立ててきたお金が大きく目減りしてしまうリスクがあります。
例えば、毎月の収入に対して高すぎる保険料を設定してしまうと、急な出費や収入減があった際に保険料の支払いが困難になり、解約を選択せざるをえなくなるかもしれません。
保険料を設定する際は毎月の収入や支出をしっかりと把握し、無理なく支払える金額を検討しましょう。
また、将来的なライフイベントや家計の変化も考慮し、余裕を持った設定にする必要があります。
家計状況に合わせた無理のない保険料設定によって途中解約のリスクを減らし、安心して学資保険を継続できます。
保険料の払込方法は年払いや一括払いを選ぶ
学資保険も含め、生命保険の保険料は月払いに比べて年払いや一括払いほうが割安になり、結果として返戻率が向上するためです。
例えば、同じ保障内容の学資保険でも月払いよりも年払いにすると、年間の保険料総額が数%割引になる場合があります。
さらに、一括払いの場合は、一般的に年払いより大きな割引が適用されます。
ただし、年払いや一括払いを選択する際はまとまった資金が必要となるため、家計状況をよく考慮しなければなりません。
無理のない範囲で選択し、支払いが滞ってしまうことのないよう注意しましょう。
>>学資保険の一括払いはお得?メリット・デメリット、全期前納との違いを解説
祝い金の据え置きを検討する
祝い金を据え置くと、保険会社所定の据え置き利率により利息が付くためです。
また、据え置いた祝い金は、必要に応じて都合のいいタイミングで引き出せます。ただし、祝い金の据え置き利率は変更される可能性があり、期待したほどお金が増えない場合もあります。
>>学資保険の「祝い金」とは?「満期学資金」との違いを解説
元本割れしない学資保険の選び方
それぞれについて解説していきます。
元本割れしない学資保険の選び方
保障内容よりも貯蓄を重視して選ぶ
学資保険は貯蓄性と保障性を兼ね備えた商品ですが、保障内容が手厚くなるほど保険料は高くなり、結果として返戻率が下がり、元本割れのリスクが高まります。
一方、貯蓄性を重視したシンプルな学資保険は保険料が抑えられ、返戻率も高くなる傾向があります。
一方、貯蓄を重視した商品は保障内容が限定的ですが、満期保険金が高めに設定されるため、元本割れのリスクを軽減できます。
保険料払込期間が短い学資保険を選ぶ
保険料払込期間が短いほど、保険会社が保険料を運用できる期間が長くなり、より多くの運用益を期待できるためです。
保険料払込期間が10年であれば、保険料を払い込んでから残りの8年間を運用に充てられるからです。
保険料負担が重すぎると途中解約のリスクが高まります。
家計状況をよく見極め、無理のない範囲で保険料を設定し、継続的に支払っていけるようにしましょう。
学資保険加入時には無理のない支払いプランを
学資保険の元本割れを避けるには返戻率が高い商品を選び、なるべく保険料の払い込みを短くする方法などが考えられます。
ただし、その分保険料の負担が大きくなるため、家計を見直して、無理なく支払っていけるかの確認が重要です。
家庭に合った商品選びと保険料の支払いプランで、堅実に子どもの教育費を積み立てていきましょう。
オリコン顧客満足度ランキングでは、学資保険の加入者へのアンケート調査をもとに算出した「学資保険 顧客満足度ランキング」を発表しています。
学資保険への加入を検討される際はこちらもぜひご参考いただき、自分に合ったより良い選択肢を見つけてみてください。
※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。