学資保険は年末調整の生命保険料控除の対象!確定申告の方法も解説

学資保険は年末調整の生命保険料控除の対象!確定申告の方法も解説

学資保険の保険料は一般生命保険料控除の対象であり、年末調整や確定申告によって適用を受けられます。

この記事では学資保険の生命保険料控除の計算方法や、年末調整や確定申告の手続き方法について解説します。
学資保険に加入を検討している人は、節税効果についてしっかりと理解しておきましょう。

mokuji目次

  1. 学資保険は生命保険料控除の対象になる
  2. 学資保険の控除はいくら?控除額の見方
    1. 新制度の生命保険料控除額
    2. 旧制度の生命保険料控除額
    3. 新制度・旧制度の両方に加入している場合
  3. 学資保険による保険料控除の申請方法
    1. 会社員・公務員は年末調整で申請
    2. 個人事業主やフリーランスは確定申告で申請
  4. 学資保険による生命保険料控除を受ける際の注意点
    1. 保険料控除証明書は必ず提出
    2. 控除を受けられるのは契約者
    3. 控除対象外のケースとは
  5. 学資保険の年末調整、確定申告の記入をお忘れなく

学資保険は生命保険料控除の対象になる

学資保険は生命保険料控除の対象になる

学資保険の保険料は、年末調整や確定申告の際に生命保険料控除の対象となります。

生命保険料控除には次の3種類があり、学資保険の保険料は「一般生命保険料控除」の対象です。
■生命保険料控除の種類
1.一般生命保険料控除
2.介護医療保険料控除
3.個人年金保険料控除
生命保険料控除により、支払った保険料の一部を所得から控除でき、所得税や住民税の負担を軽減できます。

学資保険に加入する際は生命保険料控除を有効に活用すると、教育資金の準備と税負担の軽減を同時に実現できます。

学資保険の控除はいくら?控除額の見方

学資保険の控除はいくら?控除額の見方

生命保険料控除は、所得税と住民税の課税対象となる所得に適用されます。

生命保険料控除は2021年の税制改正により、契約時期によって「新制度」と「旧制度」に分かれ、それぞれ適用される控除額が異なります。

新制度の生命保険料控除額

2012年1月1日以降に契約した生命保険契約は、生命保険料控除の「新制度」に該当します。

新制度では旧制度になかった介護医療保険料控除が追加されました。

新制度の生命保険料控除の控除額は支払った保険料額によって、以下のように決められています。

■【所得税】の生命保険料控除額

年間の支払保険料等

保険料控除額

20,000円以下

支払保険料等全額

20,000円超40,000円以下

(支払保険料等×1/2)+10,000円

40,000円超80,000円以下

(支払保険料等×1/4)+20,000円

80,000円超

一律40,000円

参照:国税庁|No.1140?生命保険料控除

例えば、学資保険で毎月10,000円(年間120,000円)の保険料を支払った場合の、所得税の控除額は40,000円となります。

■【住民税】の生命保険料控除額

年間の支払保険料等

保険料控除額

12,000円以下

支払保険料等全額

12,000円超32,000円以下

(支払保険料等×1/2)+6,000円

32,000円超56,000円以下

(支払保険料等×1/4)+14,000円

56,000円超

一律28,000円

参照:公益財団法人生命保険文化センター|生命保険と税金

学資保険で毎月10,000円(年間120,000円)の保険料を支払った場合の、住民税の控除額は28,000円となります。

旧制度の生命保険料控除額

2011年12月31日以前に契約した生命保険契約は、生命保険料控除の旧制度に該当します。

学資保険の保険料は、旧制度の一般生命保険料控除の対象です。
旧制度の生命保険料控除の控除額は支払った保険料額によって、以下のように決められています。

■【所得税】の生命保険料控除額

年間の支払保険料等

保険料控除額

25,000円以下

支払保険料等全額

25,000円超50,000円以下

(支払保険料等×1/2)+12,500円

50,000円超100,000円以下

(支払保険料等×1/4)+25,000円

100,000円超

一律50,000円

参照:国税庁|No.1140?生命保険料控除

旧制度の学資保険で毎月10,000円(年間120,000円)の保険料を支払った場合の、所得税の控除額は50,000円となります。

■【住民税】の生命保険料控除額

年間の支払保険料等

保険料控除額

15,000円以下

支払保険料等全額

15,000円超40,000円以下

(支払保険料等×1/2)+7,500円

50,000円超70,000円以下

(支払保険料等×1/4)+17,500円

70,000円超

一律35,000円

参照:公益財団法人生命保険文化センター|生命保険と税金

旧制度の学資保険で毎月10,000円(年間120,000円)の保険料を支払った場合の、住民税の控除額は35,000円となります。

新制度・旧制度の両方に加入している場合

学資保険で新制度・旧制度の両方の契約がある場合、旧制度だけの控除、または新・旧制度の合計(上限4万円)のいずれか有利な方法で適用を受けます。

どちらが有利かは、旧制度の年間の支払保険料が60,000円を超えるかどうかが基準となります。

■新旧の両方に加入している場合の生命保険料控除額

旧生命保険料控除額の年間支払保険料等の金額

保険料控除額

60,000円を超える場合

旧制度の控除額(最高50,000円)

60,000円以下の場合

旧制度の控除額と新制度の控除額の合計(最高40,000円)

例えば、新制度で保険料が年額120,000円、旧制度で年額60000円の契約がある場合、新制度の控除額、旧制度の控除額はともに40,000円です。

新旧控除額の合計は80,000円となり、40,000円を超えるため、控除額は40,000円となります。

学資保険による保険料控除の申請方法

学資保険による保険料控除の申請方法

学資保険の生命保険料控除の適用を受けるには、会社員・公務員であれば年末調整個人事業主・フリーランスであれば確定申告による手続きが必要です。

手続きに必要な控除証明書は、通常、毎年10月から11月に保険会社から送付されるので、なくさないように保管しておきましょう。

会社員・公務員は年末調整で申請

会社員・公務員といった給与所得者は、年末調整によって生命保険料控除の適用を受けます。

勤務先へ「給与所得者の保険料控除申告書」に保険会社が発行した控除証明書を添えて提出します

書類上には、次の項目ごとに必要事項を記入していきます。
■生命保険料控除の記入項目
1.「一般の生命保険料」の記入
2.「介護医療保険料」の記入
3.「生命保険料控除額」の記入
具体的な記入方法を見ていきましょう。

1.「一般の生命保険料」の記入

学資保険の保険料は一般生命保険料に該当するため、下図のAの欄に必要事項を記入します。

「一般の生命保険料」の記入

出典:国税庁|令和4年分 給与所得者の保険料控除申告書

Aの欄の明細部分の記載内容は、以下のとおりです。
■保険会社等の名称
学資保険を契約している保険会社名

■保険等の種類・保険期間又は年金支払い期間
生命保険料控除証明書に記載された内容を転記

■保険等の契約者の氏名
学資保険の契約者名

■保険金等の受取人
満期保険金の受取人名

■新・旧の区分
生命保険料控除証明書に記載された内容を転記

■あなたが本年中に支払った保険料等の金額
生命保険料控除証明書に記載された申告額・予定額など
あなたが本年中に支払った保険料等の金額」欄には、年末まで支払った場合の保険料の総額を記入します。ただし、保険会社によって申告額・予定額など、呼び方が異なる点に注意しましょう。

明細の下の「(a)のうち新保険料等の金額の合計額」から「AとBのいずれか大きい金額」までの欄は、案内に沿って計算結果を記入しながら、一般生命保険料控除額を求めます。

2.「介護医療保険料」の記入

学資保険が医療保障特約付きの場合、条件を満たすと介護医療保険料控除も受けられる可能性があります。

介護医療保険料控除の内容は、控除証明書で確認が可能です。

介護医療保険料控除を受ける場合、下図のBの欄に必要事項を記入します。

「介護医療保険料」の記入方法

出典:国税庁|令和4年分 給与所得者の保険料控除申告書

Bの明細欄の記載内容は、Aと同様です。ただし、介護医療保険料控除には新・旧の区分はありません。

明細欄を記入したら、介護医療保険料控除の金額を計算し、「(a)金額の合計額」と「Cの金額を下の計算式T(新保険料等用)に当てはめて計算した金額」の欄に記入します。

「生命保険料控除額」の記入

最後に一般生命保険料控除と介護医療保険料控除から、生命保険料控除額を下図のCの欄に記入します。

「生命保険料控除額」の記入

出典:国税庁|令和4年分 給与所得者の保険料控除申告書

申告書の書面の計算式に従って生命保険料控除額を計算し、「生命保険料控除額計(?+?+?)」欄に記入します。

個人事業主やフリーランスは確定申告で申請

学資保険の契約者が個人事業主やフリーランスの場合、確定申告によって生命保険料控除の適用を受けます。

確定申告では、対象となる翌年の2月16日から3月15日までに、所轄の税務署へ申告書に控除証明書を添付して提出します。

確定申告書

出典:国税庁|申告書第一表・第二表【令和5年分以降用】

確定申告書の第二表の新・旧の生命保険料の欄に、それぞれの支払保険料金額を記入します。

学資保険による生命保険料控除を受ける際の注意点

学資保険による生命保険料控除を受ける際の注意点

続いて、学資保険の保険料で生命保険料控除を受ける場合の注意点を解説します。

保険料控除証明書は必ず提出

生命保険料控除を受けるには、保険料控除証明書の提出が不可欠です。

年末調整の際には、勤務先に提出する「給与所得者の保険料控除等申告書」に控除証明書の内容を転記し、書面を添付します。確定申告の場合も同様に、申告書に記入したうえで控除証明書を添付します。

ただし、e-Taxを利用する場合は、控除証明書の添付が省略可能です。

控除証明書を紛失した場合は、速やかに保険会社に再発行を依頼しましょう。

控除を受けられるのは契約者

学資保険の生命保険料控除を受けられるのは、原則として契約者です。

ただし、契約者と実際の保険料支払者が異なる場合は、保険料支払者が生命保険料控除の対象となります。

例えば、妻が契約者で夫が保険料を支払っているケースなどが該当します。

この場合、控除を受けられるのは保険料を実際に負担している夫となります。

生命保険料控除を受ける際には契約者と保険料負担者の関係を確認し、適切に手続きをしましょう。

控除対象外のケースとは

学資保険の生命保険料控除を受ける際、いくつかの控除対象外のケースがあります。

まず、満期保険金の受取人が親族以外の第三者である場合は控除の対象外です。
例えば、夫婦だった契約者と受取人が離婚したケースなどが該当します。
また、その年に実際に払い込んだ保険料のみが控除の対象となるため、保険料の未払分は控除対象外です。
保険料の支払いが遅れ、当年分の保険料を翌年に支払った場合、その保険料は当年の控除対象にはなりません。

さらに、保険期間が5年未満の契約も控除の対象外となります。

これらの点に注意し、適切に控除を受けられるよう契約内容を確認しましょう。

学資保険の年末調整、確定申告の記入をお忘れなく

学資保険の保険料は一般生命保険料控除の対象となり、年末調整や確定申告で適用を受けられます。

生命保険料控除によって税金の計算のもとになる所得を減らし、かかる税金を抑えられます。
控除額の計算方法や手続きを正しく理解し、漏れなく適用を受けましょう。

学資保険に加入する際は教育資金の準備だけでなく、税制上のメリットも考慮すると、より効果的な資金準備につながります。

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※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。

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