国立・私立大学の学費はいくら?授業料や入学費の平均・相場を解説

大学の費用はいくら?

大学に必要な費用について、入学前や在学中などの時期別に解説。
進学に必要な費用感についてチェックするとともに、大学費用を準備する方法もあわせてご紹介していきます。

大学入学までに必要な費用

大学入学までに必要な費用

大学入学までに必要な費用としては、予備校代などを含めた「受験勉強費用」、大学の入試テストを受ける際に支払う「受験費用」、合格してから希望する大学に通うために必要な「入学金」といったお金が代表的です。

まずは入学前の段階で必要な費用について、相場感を把握しておきましょう。

受験勉強にかかる費用

受験勉強にかかるお金は、子どもの学習進捗度や学習方法によって大きく左右されます。

独学の場合
自学自習で大学受験に臨むケースでは、自分で購入する参考書や問題集、模擬試験を受けるためのお金が必要で、数万円〜10万円前後とみるのが一般的と言えるでしょう。
※想定金額
参考書代:1科目5,000円〜10,000円、5科目で25,000円〜50,000円程度と想定。
模擬試験代:1回5,000円〜10,000円、年間5回程度の受験で25,000円〜50,000円程度と想定。
予備校に通う場合
一方、予備校(塾)に通う場合は独学よりも多くの費用が発生します。

文部科学省による「令和3年度子供の学習費調査」によると、年間で支出する学習塾費用の平均額は、公立高校で約36.3万円、私立高校で約44.7万円となっています。
※文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」-調査結果の概要P17をもとに必要項目を抜粋し表を作成

学校区分

学習塾費
年間平均額

公立高校(全日制)

36万3,000円

私立高校(全日制)

44万7,000円

また、学習塾費の金額分布図を見てみると、「0円」と回答している方を除いた支出者の中では、「40万円以上」と回答している人の割合が最も高い結果となっています。
※ 参照:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」-調査結果の概要P17をもとに必要項目を抜粋し表を作成

区分

公立高校
(全日制)

私立高校
(全日制)

0円

66.8%

61.7%

〜1万円未満

1.6%

1.5%

〜5万円未満

3.3%

3.4%

〜10万円未満

2.8%

3.7%

〜20万円未満

4.7%

5.0%

〜30万円未満

4.9%

4.6%

〜40万円未満

4.4%

3.5%

40万円以上

11.6%

16.7%

受験費用

大学の入学試験を受ける際に発生する費用としては、「共通テストの受験料」と「志望大学ごとの受験料」があります。
共通テスト
共通テストとは、センター試験の代わりに2021年度からスタートした試験です。

国立大学を受験する際には必須の試験であるとともに、私立大学でも共通テストの成績をもとにした「共通テスト利用(共テ利用)方式」を採用している学校が大半です。

試験は5教科30科目で構成され、志望する大学によって受験する教科と科目を選択します。
受験費用は選択する教科数によって異なり、成績開示を希望する場合は800円の手数料が発生します。

受験科目数

受験料

3教科以上

1万8,000円
成績開示は+800円

2教科以下

1万2,000円
成績開示は+800円

志望大学ごとの受験料
国立大学を志望する場合、共通テストの後に「2次試験」を受けます。
2次試験の受験料は1校あたり1.7万円程度です。
※受験料は志望する大学・学部によって変動します。

試験は「前期試験」「後期試験」の2回用意されており、前期で合格しなかった場合は後期を受けることになりますが、後期受験時にも前期同様に受験料が必要です。

国立2次試験

受験料

前期試験

1万7,000円程度

後期試験

1万7,000円程度

私立大学の場合は、共通テストを利用した試験の場合は1.5万円〜2万円程度、共通テストを利用しない「一般選抜」場合は3.5万円程度が相場です。
具体的な金額として、いくつかの大学の受験料を見てみましょう。
※各大学の公式HPを参考に必要項目を抜粋し表を作成

私立大学

一般選抜
1出願あたり

共テ利用
1出願あたり

早稲田大学
参照:早稲田大学公式HP

3万5,000円

2万円

慶応大学
参照:慶応大学公式HP

3万5,000円
※医学部は6万円

-

明治大学
参照:明治大学公式HP

3万5,000円

1万8,000円

中央大学
参照:中央大学公式HP

3万5,000円

1万5,000円

東洋大学
参照:東洋大学公式HP

3万5,000円

2万円

駒澤大学
参照:駒澤大学公式HP

3万5,000円

1万5,000円

入学金

合格発表後にかかる費用が入学金です。
金額は大学により異なりますが、20万円以上かかる場合が大半です。

入学金は、状況によっては、入学する1校のみに支払えば済むというわけではありません。
第1志望の学校の合否発表が、先に合格の出ている併願校の入学金支払日より後であるケースも考えられます。
併願校の入学金を納めない状態で、万が一第1志望の大学に落ちてしまった場合、浪人となってしまうため、併願校にも入学金を納めておく必要があります。

国立の入学金
国立の場合は、文部科学省の定めた標準額に準じて28.2万円という金額設定となっています。
※一部大学は標準額と異なる場合があります

私立の入学金
私立の場合も、20万円ほどの金額設定となっています。
※各大学の公式HPを参考に必要項目を抜粋し表を作成

大学

入学金

早稲田大学
参照:早稲田大学公式HP

20万円

慶応大学
参照:慶応大学公式HP

20万円

明治大学
参照:慶応大学公式HP

20万円

中央大学
参照:中央大学公式HP

24万円

東洋大学
参照:東洋大学公式HP

25万円

駒澤大学
参照:駒澤大学公式HP

20万円

大学在学中にかかる授業料

大学の授業料はいくら?

大学に在学中には、授業料(学費)が必要です。
学費は1年ごとに必要で、金額は国立よりも私立の方が高く、私立では文系よりも理系の方が高い傾向にあります。

国立(文系、理系)の授業料

国立大学の授業料の標準額は年間約53万円4年間で約214万円です。

国立大学では、入学金同様に文部科学省で授業料の標準額が定められており、基本的にはそれに準じた金額となります。

ただし、標準額から20%を上限として各大学が自由に授業料を定めることができるため、すべての国立大学が一律の授業料という訳ではありません。

国立大学

授業料(標準額)

年間

53万5,800円

総額(4年間)

214万3,200円

私立(文系、理系)の授業料

私立大学の授業料は、年間100万円前後4年間で400万円前後が相場です。
また、学部によっても授業料は異なり、文系学部よりも理系学部の方が高い傾向にあります。

代表的な私立大学の具体的な年間金額は下記の通りです。
※各大学の公式HPを参考に必要項目を抜粋し表を作成

私立大学

年間授業料
文系

年間授業料
理系

早稲田大学
参照:早稲田大学公式HP

109万1,000円
文学部ほか

158万4,000円
基幹理工学部ほか

慶応大学
参照:慶応大学公式HP

90万円
文学部ほか

131万円
理工学部

明治大学
参照:明治大学公式HP

84万6,000円
文学部

119万9,000円
理工学部ほか

中央大学
参照:中央大学公式HP

82万3,400円
文学部ほか

117万5,700円
理工学部

東洋大学
参照:東洋大学公式HP

71万円
文学部ほか

99万円
理工学部

駒澤大学
参照:駒澤大学公式HP

75万9,000円
文学部ほか

80万円
医療健康科学部

そのほか、大学・学部によっては実験実習費施設設備費などを授業料とは別に納める必要があります。

6年制大学(医学部・薬学部)の授業料

医学部や薬学部などに進学する場合は、6年制となるため、その分授業料が必要です。

国立の場合は、授業料の標準額を6年分で見積もっておくと大まかな相場が見えてきます。

私立の場合は、大学により授業料がことなるため、具体的な金額を例に費用感を把握しておきましょう。
※各大学の公式HPを参考に必要項目を抜粋し表を作成

総授業料

国立6年制

321万4,800円

慶応大学医学部
参照:慶応大学公式HP

1,824万円
※上記以外では、施設設備費37万円、実験実習費20万円などが年間で発生

東京慈恵会医科大学
参照:東京慈恵会医科大学公式HP

1,500万円
※上記以外では、2年次以降は施設拡充費として130万円が年間で発生

在学中にかかる授業料以外の費用

授業料以外で必要な費用は?

入学後は、入学金や授業料以外にも、様々な諸経費が発生します。
在学中にかかる代表的な費用について、それぞれの相場感を把握しておきましょう。

設備費や実習費などの諸経費

大学在学中は、「施設設備費」「実習費」「会費(学友会・学員費など)」などの諸経費が必要で、いずれも授業料と同じく年間で納めるケースが一般的です。

金額は大学や学部ごとに大きく異なります。
一部大学・学部でかかる諸経費から、大体の相場を参考にしてみてください。
※各大学の公式HPを参考に必要項目を抜粋
慶応大学(文学部)
在籍基本料:6万円 施設設備費:21万円 その他費用:3,350円〜7,250円
参照:慶応大学公式HP

慶応大学(理工学部)
在籍基本料:6万円 施設設備費:23万円 実験実習費:10万円 その他費用:3,350円
参照:慶応大学公式HP

早稲田大学(基幹理工学部)
実験実習費:6万円 学生健康増進互助会費:3,000円
参照:早稲田大学公式HP

中央大学(法学部)
施設設備費:26万8,900円 諸会費:1万5,000円
参照:中央大学公式HP

交通費

実家や下宿先などから大学に通う場合、交通費が発生します。
日本学生支援機構が発表している「令和2年度学生生活調査」によると、大学(昼間部)における年間通学費は44,700円です。

大学生の場合、定期券の学割が適用されますが、年間で数万円近い出費であることを踏まえると、考慮しなければいけない費用の1つと言えるでしょう。
出典:日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査」-「年間学生生活費」から必要項目を抜粋して表を作成

区分

通学費

大学(昼間部)

44,700円

大学(夜間部)

39,400円

生活費

大学入学と同時に1人暮らしを始める場合には、家賃をはじめとする生活費を用意する必要があります。
自宅(実家)から通う場合よりも、学生寮やアパート暮らしの方が金額は高く、こちらも毎月支払う必要のある費用です。

日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査」によると、住居形態別の生活費は次のようになっています。
出典:日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査」-「男女別・居住形態別学生生活費」から必要項目を抜粋して表を作成

区分

生活費

国立大学(昼間部)
自宅

男性:33万5,600円
女性:37万8,600円

国立大学(昼間部)
学寮

男性:80万3,800円
女性:78万7,700円

国立大学(昼間部)
アパート等

男性:111万2,100円
女性:118万7,100円

私立大学(昼間部)
自宅

男性:39万2,000円
女性:39万1,000円

私立大学(昼間部)
学寮

男性:75万8,800円
女性:94万5,000円

私立大学(昼間部)
アパート等

男性:103万8,200円
女性:114万7,200円

部活・サークルなどの課外活動費

部活やサークルなどの課外活動を行う際には、備品購入などの費用が発生します。
学費のような大きな金額になることはありませんが、必要経費として把握しておきましょう。
出典:日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査」-「年間学生生活費」から必要項目を抜粋して表を作成

区分

年間課外活動費

大学(昼間部)

20,300円

大学(夜間部)

22,300円

就職活動

一般企業へと就職する場合、大学4年生から就職活動が始まります。
インターンシップなどに参加する場合は、大学3年生頃からスタートするケースもあるでしょう。

就活では、複数の企業の説明会や面接などに参加する際の「交通費」、「リクルートスーツ代」などが発生します。

大学の学費を準備する方法

大学の学費を準備する方法

ここからは、大学の学費を準備する方法について解説していきます。

大学進学には少なくない金額が必要になりますので、事前の計画立てが重要です。

貯蓄から捻出する

最もシンプルで分かりやすいのが、すでにある貯蓄から捻出する方法です。

私立大学では入学金や授業料の初年度納付で年間100万円以上、2年次以降も同程度の金額を納める必要があります。

貯蓄から捻出する場合は、家族の生活費も考慮し、学費を支払ってもゆとりのある金額を準備しておきましょう。

学資保険に加入する

学資保険とは、将来の子どもにかかる教育費を準備するために加入する保険です。

毎月一定の保険料を支払うことで、子どもの進学のタイミングで満期金としてまとまったお金を受け取ることができます。

受け取れる金額は「返戻率」で表され、例えば「返戻率103%」の場合は、保険料として支払った金額に対して3%分多い金額が受け取れます。

子どもの教育資金を確実に用意できるとともに、子どもや親に対する保障が揃っている点がメリットとなります。

なお、学資保険には、妊娠6か月目頃〜子どもが小学校入学する前頃まで入ることが可能です。

教育ローンを利用する

貯金額では支払うことが難しい場合は、教育ローンの利用を検討するのも1つの選択肢です。

教育ローンには国が運営しているものと、金融機関が運営しているものがあります。

申し込み条件が異なり、国の教育ローンでは世帯年収が790万円以内(子ども1人の場合)の家庭であるのに対し、金融機関では返済能力があると証明できるだけの所得が必要です。

状況に応じて、申し込みを検討してみましょう。

奨学金制度を利用する

奨学金は、学生本人が借りるお金で、基本的には卒業後に自身で返還していくことになります。

奨学金には返済不要の「給付型」、返済が必要な「貸与型」など様々な種類があることに加え、申込期間が限られていることが多いため、借りる際は事前の情報収集が重要です。

大学無償化制度を利用する

大学無償化制度=「高等教育の修学支援新制度」とは、2020年4月からスタートした新たな制度です。

金銭的な理由で進学できない子どもを支援する目的で、給付型奨学金を拡充し、大学・短大・高等専門学校・専門学校への進学機会を提供します。

制度を利用するための諸要件については、文部科学省等からの情報を参考にご覧ください。

なお、2025年度からは新たな大学無償化制度がスタートする予定となっています。
参照:文部科学省「高等教育の修学支援新制度」

大学費用に関する気になる疑問

大学費用の気なる疑問

最後に、大学費用に関する気になる疑問を、Q&A形式でまとめてチェックしていきたいと思います。

留年、休学した場合の費用は?

留年の場合
必修単位を落としてしまうなどで「留年」となった場合は、基本的には通常かかる1年分の授業料を支払います。
ただし、必要な単位数によって通常の授業料から割り引かれるケースもありますので、各大学に確認しましょう。
なお、奨学金を借りている場合は、留年してしまうと受けられなくなってしまうケースが一般的ですのでご注意ください。

休学の場合
休学の場合も、かかる学費は大学によって異なります。
国立大学の場合は学費が全額免除となるケースが多いようです。
私立の場合では授業料の一部支払いや在籍基本料などがかかる場合もありますので、必要に応じて確認するようにしましょう。

大学4年間の学費はトータルでいくら?

これまで見てきた入学金や授業料、施設設備費などを合算したトータルの学費の相場感は下記の通りです。

国立大学(4年間):250万円前後
私立大学(4年間):400万円〜600万円前後

親が負担する金額はどの程度?

日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査」によると、大学の昼間部における家庭からの給付額は年間114万4,700円です。
これは、学生生活費のうちの63.1%を占める割合となっております。

大学の費用は計画的に準備しよう

大学の費用は余裕を持ってご準備を

今回は、大学進学にかかる受験費用や在学中の学費、生活費などについて解説しました。

トータルの金額は国立か私立でも大きく異なりますが、いずれにしても百万円単位の大きなお金が必要になります。

子どもの大学進学が一般的な時代となっているからこそ、計画的な準備が必要です。
貯蓄や学生ローン、学資保険への加入なども含め、家族にとって最適な選択を早めに進めておきましょう。
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