学資保険の代わりにNISAの利用はあり?メリット・デメリットを解説

学資保険の代わりにNISAの利用はあり?メリット・デメリットを解説

教育資金を準備する方法として、根強い人気のある「学資保険」ですが、そのほかにも2024年に制度が新しくなった「NISA」の活用も考えられます。それぞれの性質や特徴、メリット・デメリットを理解することで、子供の教育資金を蓄える際の有力な選択肢となります。ご家庭にあった準備方法を検討してみてください。
ファイナンシャルプランナー/経済ジャーナリスト 酒井富士子

監修者 ファイナンシャルプランナー/経済ジャーナリスト 酒井富士子

金融メディア専門の編集プロダクション・株式会社回遊舎 代表取締役。日経ホーム出版社(現日経BP社)にて「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。

mokuji目次

  1. 学資保険とNISAの違い
    1. 学資保険とは
    2. NISAとは
  2. 学資保険を利用するメリット・デメリット
    1. 学資保険のメリット
    2. 学資保険のデメリット・注意点
  3. NISAを活用するメリット・デメリット
    1. NISAのメリット
    2. NISAのデメリット・注意点
  4. 学資保険とNISA、どちらがおすすめ?
    1. 学資保険がおすすめの人
    2. NISAがおすすめの人
    3. 学資保険とNISAの併用がおすすめな人
  5. 学資保険とNISA以外の選択肢
  6. 選択肢を広げて賢く教育費を準備

学資保険とNISAの違い

学資保険とNISAの違い

学資保険とNISAでは、資産形成の性質が異なります。

学資保険は、リスクに備えながら教育資金が準備できる保険商品です。毎月一定の保険料を支払い、子供が高校や大学などへ進学する際の教育資金を将来受け取る保険金で補うことができます。

一方のNISAは、自分で資産運用して教育費を準備できる投資制度です。運用商品を選び、その結果得た運用益を教育資金に充てることができます。

学資保険とは

学資保険は教育資金を準備することに特化した生命保険であり、タイプは大きく「貯蓄型」と「保障型」の2種類に分けられます。

「貯蓄型」は貯蓄性を重視した商品で、将来的に多くの保険金を受け取ることができる商品。「保障型」は、死亡保険金や育英年金などをはじめ、保障内容を重視した商品となっています。

いずれのタイプも、親が契約者となり子供の進学に備えて加入するのが一般的で、大学進学時などを満期に設定しておくことで、まとまった教育資金が必要な時期に受け取れます。

なお、保障型の商品は、育英年金や子供の医療保障など、様々な保障がセットになっている商品のため、貯蓄型の商品に比べ返戻率は低めです。

NISAとは

NISAとは、政府が用意した投資制度です。

通常、株式や投資信託の配当金や分配金、値上がりで得られた売却益には約20%の税金がかかりますが、NISAでは非課税になります。税金がかからない分、資産形成を後押ししてくれる制度です。
2024年1月からは新NISAとして、制度が見直されています。

学資保険を利用するメリット・デメリット

学資保険を利用するメリット・デメリット

ここからは、学資保険に加入するメリットとデメリットについて、それぞれ解説していきます。

学資保険のメリット

学資保険のメリットは、大きく次の2点です。
1.必要な教育資金を確実に準備できる
2.親に万が一の事態が起こっても教育資金を確保できる

必要な教育資金を確実に準備できる

学資保険では将来受け取れる金額が決まっているので、必要な教育資金を確実に準備できる点が大きなメリットです。

加入する学資保険の返戻率が100%を超えていれば、将来、払い込んだ保険料総額よりも多い金額が受け取れ、銀行口座の預金などよりも高い利率で教育資金を準備できます。

学資保険で受け取れる保険金として代表的なのが、契約終了時点で受け取れる保険金「満期学資金」と、中学校や高校に進学したタイミングで受け取れる一時金「進学祝い金」です。

満期学資金や進学祝い金として受け取る金額は、契約時にあらかじめ設定します。それをもとに、保険料の払い込み期間や、満期金を受け取るまでに支払う保険料の総額などが決まる仕組みです。

親に万が一の事態が起こっても教育資金を確保できる

学資保険は分類的には生命保険ですから、親に万が一の事態が起こっても教育資金を確保できるのもメリットです。
ほとんどの学資保険に、払込免除の特約が付いていて、契約した親・保護者の死亡などで支払い不能となった場合にそれ以降の支払いが免除されます。

受け取れる保険金については、満額保障が付いているケースが多く、本来払い込みを終えて受け取るはずだった金額を、予定通り子供に残すことができます。

不測の事態が起こっても、子供の学資金をしっかりと用意することができるのです。

学資保険のデメリット・注意点

学資保険のデメリットとしては、次の2点が挙げられます。
・他の投資と比べるとリターンが少ない可能性がある
・途中解約すると元本割れの可能性がある

他の投資と比べるとリターンが少ない可能性がある

学資保険は他の投資と比べるとリターンが少ない可能性があります。
払い込んだ保険料は保険会社が運用し、その運用益が将来支払われる保険金の原資となります。当然ながら保険会社では人件費や運用などのコストがかかります。銀行口座に預けておくより利率は高いですが、そのほかの投資と比べるとリターンの魅力は少ないでしょう。

途中解約すると元本割れの可能性がある

学資保険は、途中解約すると元本割れの可能性もあります。学資保険は、満期まで解約しない前提で契約する保険商品であり、加入期間が10年以上に及ぶことも少なくありません。途中解約もできますが、受け取れる「解約返戻金」は、保険料を支払った期間が短いほど、払い込んだ保険料総額を下回る可能性が高くなります。
学資保険は、計画的に家計に無理のない範囲で加入することがとても大切です。

NISAを活用するメリット・デメリット

NISAを活用するメリット・デメリット

ここからは、NISAを活用するメリット・デメリットについて、それぞれ解説していきます。

NISAのメリット

NISAのメリットは次の通りです。
・運用で得た利益が非課税になる
・新NISAでは併用も可能
・非課税保有期間が無期限

運用で得た利益が非課税になる

NISAを活用するメリットは、まずはなんといっても運用で得た利益が非課税になる点です。

例えば、資産運用で10万円の売却益が出たとします。通常の投資だと、およそ2万円が税金として引かれてしまい手元に残るのは8万円だけですが、NISAではまるまる10万円が自分の利益になります。

新NISAでは併用も可能

NISAは2018年に誕生した制度ですが、2024年の制度変更により、使い勝手が向上しました。これまでのNISAは、買付方法や対象商品が異なる「一般NISA」か「つみたてNISA」のどちらかしか選択できず、投資できる期間は前者が5年間、後者が20年間という縛りのある制度でした。

新しいNISAでは、従来の一般NISAにあたる「投資成長枠」、つみたてNISAにあたる「つみたて投資枠」という2つの枠ができ、併用も可能となりました。年間の投資可能額は成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円、合計で年間360万円までです。

非課税保有期間が無期限

新NISAでは、非課税保有期間も無期限となり、生涯にわたり利用できる制度となりました。

非課税で投資できる上限金額(非課税保有限度額)は1,800万円(成長投資枠はそのうち1,200万円)と決まっていますが、保有資産を売却すれば翌年には売却した分の枠を再利用できます。値上がり益が大きくなったときや、まとまったお金が必要になったときなど、資金は好きなタイミングでいつでも引き出して柔軟に活用できます。

このように、非課税の恩恵を受けながら資産運用ができるNISAを利用すれば、効率よく教育資金を準備することができます。

NISAのデメリット・注意点

NISAのデメリットについては、次の通りです。
・損失が出る可能性がある
・損益通算ができない

損失が出る可能性がある

NISAは投資制度であり、自分で運用商品を選んで運用する以上、損失が出る可能性があります。
購入できる商品は投資信託、ETF、株式などで、元本保証型の商品はありません。

NISAで教育資金を準備する場合、必要な金額を用意できない可能性があることを認識しておきましょう。

損益通算ができない

また、「損益通算」ができない点も注意が必要です。
通常の投資では、複数の投資口座間の損失と利益を相殺し、その結果かかる税金を減らすことが可能です。

しかし、NISA口座では損失が出たとしても、他の投資口座ででた利益と相殺することができず、純粋な損失となります。

NISAでは、運用益非課税という特典がある代わりに、損益通算での節税効果は得られないことを覚えておきましょう。

学資保険とNISA、どちらがおすすめ?

学資保険とNISA、どちらがおすすめ?

ここからは、学資保険とNISA、どのような人がどちらを活用すればいいのか、それぞれのおすすめを解説していきます。

学資保険がおすすめの人

学資保険がおすすめの人は次の通りです。
1.定期的な貯蓄が苦手で、なるべく手間をかけたくない人
2.損をせず確実に教育資金を準備したい人

定期的な貯蓄が苦手な人

学資保険への加入がおすすめの人は、貯蓄が苦手な人です。
学資保険では、保険料の支払いは、クレジットカード払いや口座振替など、最初に支払いの手続きをしてしまえばあとは自動で引き落とされます。
手間をかけずに教育資金を積み立てることができるのは学資保険の優れた点です。

もし学資保険ではなく、銀行口座に教育資金を貯蓄していた場合、家計がピンチのときは手をつけてしまうかもしれません。
ですが、学資保険ならわざわざ解約する手間をかけてまで教育資金に手を出す人はまれでしょう。確実に教育資金の準備ができる学資保険は、ぴったりの方法なのです。

損をせず確実に教育資金を準備したい人

また、返戻率が100%以上のものを選べば、途中解約しない限り損をすることはありません。保険商品なので、親の万が一の事態にも備えられます。学資保険は、絶対に損をせず、確実に教育資金を準備したい人にはぴったりの手段です。

NISAがおすすめの人

NISAがおすすめの人は次の通りです。
1.投資に慣れており、資産管理が苦にならない人
2.投資初心者の方

投資に慣れており、資産管理が苦にならない人

NISAの活用がおすすめの人は、自分で資産管理ができる人です。
NISAは複数の商品の中から運用商品を選び、購入や売却のタイミングも自分で決めます。

また、時間が経過すると、相場の変動によって当初決めていた資産配分とズレが生じてきますから、比率を当初の計画どおりに修正する「リバランス」も必要です。

このように、定期的な見直しも全て自分でしなくてはなりません。ある程度投資に慣れていて、このような管理が苦にならない人にはNISAは非常におすすめです。

投資初心者の方

一方で、NISAは投資が初めての人にも使いやすい制度でもあります。
投資初心者の人は、つみたて投資枠で、積立投資をするのがおすすめです。

積立投資は、長期間積み立てるほど元本割れのリスクを低減でき、10年後、15年後などに必要となる教育資金を準備するにはぴったりの投資方法なのです。
つみたて投資枠では、積立投資に適した商品が厳選されていて、投資初心者でも商品選びで失敗しにくいのも特徴です。

反対に、NISAをおすすめできない人は、絶対に元本割れをしたくない人です。デメリットの項目でもお伝えした通り、元本保証型の商品はありませんから、運用成績次第で損をすることも考えられます。また、想定通りに資産形成できない可能性もあるので、一定以上の預貯金がない人にもおすすめできません。

学資保険とNISAの併用がおすすめな人

次のような方は、学資保険とNISAの併用がおすすめです。
1.資金に十分な余裕がある人
2. あらゆるリスクに備えたい人

学資保険とNISAの両方を使って教育資金を準備することもできます。
もちろん、併用することで金銭的な負担は増えるため、払い込みや積み立てを継続できる経済力が必要です。

繰り返しになりますが、学資保険とNISAは、性質が異なる資産運用の手段です。
利回りは低いけれど人生のリスクに備えつつ確実に教育資金が準備できる学資保険、投資で値上がりを狙いながらコツコツと資産形成できるNISA、両方のバランスをとり活用することで、より手厚い教育資金を準備することができます。

また、保険金の受け取り時期まで待たないといけない学資保険とは違い、NISAはいつでも資金の引き出しが可能です。
併用することで、予期せぬ進路変更などにも対応することができます。

学資保険とNISA以外の選択肢

学資保険とNISA以外の選択肢

教育資金の準備に適した学資保険やNISAですが、もちろん選択肢はこれだけではありません。
定期預金個人向け国債終身保険など、教育資金準備のために活用できる商品はほかにもたくさんあります。

これらの選択肢も比較検討し、それぞれの家庭や環境に応じた最適な教育資金の準備方法を見つけることが重要です。

選択肢を広げて賢く教育費を準備

選択肢を広げて賢く教育費を準備

親になれば、避けては通れない教育資金の問題。大切な子供の将来ですから、どのような道を選んだとしても進ませてあげられるよう、教育資金は計画的に用意しましょう。

オリコン顧客満足度ランキングでは、学資保険の加入者3,834名へのアンケート調査をもとに算出した2024年版の「学資保険 顧客満足度ランキング」を発表しています。

こちらもぜひご参考いただき、各ご家庭に合ったより良い選択肢を見つけてみてください。
ファイナンシャルプランナー/経済ジャーナリスト 酒井富士子

監修者 ファイナンシャルプランナー/経済ジャーナリスト 酒井富士子

金融メディア専門の編集プロダクション・株式会社回遊舎 代表取締役。
日経ホーム出版社(現日経BP社)にて「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長を歴任。
リクルートの「赤すぐ」副編集長を経て、2003年から現職。「お金のことを誰よりもわかりやすく発信」をモットーに、暮らしに役立つ最新情報を解説する。

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