学資保険満期時には確定申告が必要?保険金にかかる税金や具体例を紹介
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また、契約者が途中で亡くなった場合に相続税が発生するケースもあります。
今回記事では、満期保険金にかかる税金の種類や課税されるケースと課税されないケースの違い、具体例などをまとめていきます。
学資保険に加入したばかりという方も、数年後に保険金を受け取り予定の方も是非ご一読ください。
目次
学資保険満期時に確定申告が必要なケースも
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課税関係は、この契約者と受取人の関係性によって決まります。
かかる税金の種類も、所得税・住民税、贈与税、相続税といった具合に変わり、場合により確定申告が必要になってきます。
また、同じ契約者・受取人であっても、「満期保険金を一括で受け取る」か「年金形式で受け取る」かによって所得の種類がかわるため税金の計算式も変わっていきます。
順に、確認していきましょう。
学資保険の満期保険金にかかる税金の種類
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あなたが現在加入中の保険がどのパターンなのか、保険証券などでご確認のうえ読んでくださいね。
参考:国税庁|No.1755 生命保険契に係る満期保険金等を受け取ったとき
保険料負担者と受取人が同一で一括受取り
この場合、満期保険金は「一時所得」に該当し、所得税(住民税)がかかることがあります。
参考:国税庁|No.1490 一時所得
ただし、「一時所得」といっても、満期保険金がまるっとそのまま一時所得になるわけではありません。
必要経費にあたる払込保険料を引き、特別控除額(50万円)をさらに引いたうえでプラスがあった場合に「その半分の金額」が課税対象となります。
計算式は下記の通りです。
一時所得の金額=「満期保険金の金額」-「払込保険料の総額」-「特別控除額 最高50万円」
保険料負担者と受取人が同一で年金形式による受取り
このパターンでは、所得税(住民税)がかかる点では同じですが、所得の種類が変わります。
一時所得ではなく「雑所得」扱いとなり、計算方法も変わります。
雑所得の金額=「その年に受取った保険金額」-「受取った金額に対応した払込保険料総額」
※特別控除額なし
また、もし一定以上の雑所得があると満期保険金から源泉徴収されて振り込まれることもあります。
合わせてご注意ください。
保険料負担者と受取人が別
よくある例としては、親や祖父母が契約者(保険料負担者)となり、お子さまを受取人として保険契約を結ぶ場合がこのパターンにあたります。
参考:国税庁|No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
贈与税の金額=(「受取った保険金」-「基礎控除額110万円」)×「贈与税率」-「控除額」
※同年中に他の贈与がなかった場合
「特例贈与」は、親、祖父母など直系尊属から18歳以上の子や孫に贈与した場合。
「一般贈与」はそれ以外のケースとなります。
適用される税率が異なりますのでご注意ください。
満期保険金を一括で受取る場合の具体例
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具体的に考えてみましょう。
課税されないケース
(計算例1を参照)
満期保険金180万円/払込保険料の総額1,716,048円/控除額50万円
一時所得の金額=1,800,000-1,716,048-500,000=-416,048
※マイナスとなるため所得は発生しない
課税されるケース
下記の条件で具体的に計算してみましょう。
満期保険金180万円/払込保険料の総額90万円/特別控除額50万円
一時所得の金額=1,800,000-900,000-500,000=400,000
ただし、一時所得は1/2が課税対象となります。
よって、所得税の課税対象額は20万円(=40万円÷2)です。
※同年中に他の一時所得がなかった場合
満期保険金を年金形式で受取る場合の具体例
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よくある学資プランとして、18歳から毎年学資年金が複数回受け取れる商品がありますよね。
その初回分の雑所得について計算してみましょう。
払込保険料の総額:264.6万円(18歳払済)
18歳時学資年金150万円、その後22歳まで毎年30万円(計120万円)受け取る
初回学資年金年額150万円
受取った金額に対応した払込保険料総額(必要経費の金額)
=「その年に受取った保険金額」×(「払込保険料の総額」÷「満期保険金の総額」)
=1,500,000×(2,646,000÷2,700,000)=1,470,000
雑所得の金額
=「その年に受取った保険金額」-「受取った金額に対応した払込保険料総額」
=1,500,000-1,470,000=30,000
特別控除などはありませんので、この年の雑所得は3万円ということになります。
ただし、ふるさと納座や副業との兼ね合いで他の所得を確定申告する場合は金額の多少を問わず、雑所得の申告も合わせて行う必要があります。
また、このケースでは当てはまりませんが、雑所費が25万円以上になった場合、源泉徴収後の金額が保険会社から振り込まれることがあります。
案内の書類などで明細をしっかり確認するようにしましょう。
参考:国税庁|No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
参考:国税庁|No.1610 保険契約者(保険料の負担者)である本人が支払を受ける個人年金
贈与税が発生する場合の具体例
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一般贈与の税率・控除額と具体例
下記の表は、「一般贈与」のケース、つまり特別贈与ではない場合に使用されます。
一般贈与の贈与税早見表:
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | なし |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
3,000万円超 | 55% | 400万円 |
17歳の姪への贈与のケース。満期保険金300万円の場合
基礎控除後の課税価格=3,000,000-1,100,000=1,900,000
贈与税額=1,900,000×10%=190,000
※控除なし
特別贈与の税率・控除額と具体例
特別贈与の贈与税早見表:
基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | なし |
400万円以下 | 15% | 10万円 |
600万円以下 | 20% | 30万円 |
1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
4,500万円超 | 55% | 640万円 |
祖父から18歳の孫への贈与。満期保険金400万円の場合
基礎控除後の課税価格=4,000,000-1,100,000=2,900,000
贈与税額=2,900,000×15%-100,000=190,000
相続税がかかる場合の具体例
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多くの商品において契約者の万が一への備えとして「保険料払込免除特約」があります。
保険料払込免除特約が付帯していれば、契約者が亡くなった後は学資保険の保険料支払いは免除となります。
支払わずとも既定の満期保険金や祝い金は受け取れます。
不謹慎な言い方になってしまいますが、少ない保険料支払いで保険金が満額受け取れるため、遺族の多くが困る学費の工面ができる、ありがたい特約と言えます。
ただし、受け取る予定の保険金は相続財産となり、相続税が発生する可能性があります。
相続税の算出手順
仮に、亡くなった夫が契約した学資保険を配偶者である妻が契約引継ぎを行ったとして考えてみます。
具体的には、相続発生時点の学資保険の解約返戻金を保険会社に計算してもらい、その解約返戻金相当額を相続人である配偶者が受け取ったものとして相続財産にカウントされる、というわけです。
まず全般的な流れをまとめておきます。
1.預貯金や有価証券、不動産など相続財産の合計金額を算出。
(学資保険の権利も含まれます)
2.そこから被相続人の債務や葬儀費用などを差し引きます。
3.もし、相続開始前3年以内に贈与があった場合、その資産は相続財産に戻されます。
(2024年1月1日以降の生前贈与に対しては7年ルールが適用)
4.配偶者や子など法定相続人の数に応じ基礎控除額を計算して差し引き、課税遺産総額を計算。
5.法定相続通りに遺産を分配したと仮定して、課税遺産総額から相続税を計算。
6.各々の分配遺産額に応じて相続税を案分負担して納税。
相続税における基礎控除額の計算方法
課税遺産総額=相続税の対象となる財産(相続財産)-基礎控除
相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数
相続税総額=「課税遺産総額」×税率-控除額
課税遺産総額=6,000万円-4,800万円=1,200万円
相続税の基礎控除額=3,000万円+600万円×3人=4,800万円
相続税総額=1,200万円×15%-50万円=130万円
■相続税早見表
税率 | 控除額 | |
1,000万円以下 | 10% | なし |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
参考:国税庁|No.4155 相続税の税率
相続税を対象とした控除の例
ここでは「配偶者控除」「未成年者控除」「障害者控除」3つの控除についてまとめていきます。
1. 配偶者控除
この控除は、配偶者に多くの財産を残しても相続税がかからないようにすることで、残された配偶者が生活に困らないようにする目的があります。
配偶者は「1億6,000万円」または「法定相続分相当額」のいずれか多い額まで非課税になります。
つまり、相続財産が配偶者分として1億6,000万円以下であれば、相続税はかかりません。
2. 未成年者控除
未成年者が相続を受けることで、将来の生活や教育費用を支援することを目的としています。
特に両親を早くに亡くした子どもが、経済的に困らないよう配慮されています。
未成年者控除は「10万円×(18歳-相続時年齢)」で計算されます。
つまり、相続人が成人するまでの年数ごとに10万円ずつ控除を受けられます。
3. 障害者控除
障害者控除は、「10万円×(18歳-相続時年齢)」で計算されます。
また、特別障害者(重度の障害がある方)の場合は10万円→20万円と、控除額は倍になります。
これらの控除を活用することで、特定の条件に該当する相続人は相続税の負担を軽減できますが、細かな要件などありますので、必要に応じて税理士などに相談するとよいでしょう。
学資保険は受取り方法も考慮して加入しよう
NISAなどで資産運用しつつ準備するも良し。
ですが、やはり扱いやすく解約しにくいことから、家計から切り出して確実に貯める手段のひとつとして学資保険も広く使われています。
とは言え、学資保険の契約関係によって保険金にかかる税金の種類が変わるなど知らなかった方もいらっしゃるはずです。契約者や受取人を確認する、満期保険金の受け取り方法を考えるなど事前に出口をイメージしてみてください。
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学資保険への加入を検討される際はこちらもぜひご参考いただき、自分に合ったより良い選択肢を見つけてみてください。
※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。