長期優良住宅で後悔する理由は?メリットと後悔しないための対策を解説

長期優良住宅で後悔する理由は?メリットと後悔しないための対策を解説

長期優良住宅とは、国が定めた基準を満たし、長く快適に暮らせる高性能な住宅のことです。

耐震性が高く資産価値が保ちやすい一方で、「申請や維持管理が大変」「費用が思ったよりもかかる」と後悔する人もいます。

ただし、税制優遇補助金を受けられるなど、コストパフォーマンスを考えればお得に建てられる場合もあります。
矢野 翔一

監修者矢野 翔一

有限会社アローフィールド代表取締役社長。
不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。

mokuji目次

  1. 長期優良住宅は国の基準を満たした高性能住宅
    1. 長期優良住宅の認定に必要な条件は5項目
    2. 長期優良住宅とZEH住宅の違いは創エネ設備
  2. 長期優良住宅を建てて後悔する理由
    1. 認定時の申請費用がかかる
    2. 認定申請のために工期が長くなる
    3. 認定基準を満たすため設計の自由度が下がる
    4. 工事途中で計画変更するには再手続きが必要
    5. 増改築やリフォームには行政の許可が必要
    6. 10年に1回の定期点検が義務づけられている
  3. 長期優良住宅のメリット
    1. 資産価値が保たれ売却しやすい
    2. 税金の控除が受けられる
    3. 住宅ローンの金利優遇がある
    4. 補助金の対象になる
    5. 地震保険の割引を受けられる
  4. 長期優良住宅で後悔しないための4つの対策
    1. 維持管理や点検を継続できるか考える
    2. 実績豊富で信頼できる住宅メーカーを選ぶ
    3. 維持費や優遇制度も含めてコストを把握する
    4. 確定申告時に税金控除の申請が必要
  5. 長期優良住宅の申請方法
    1. 注文住宅で申請する場合の流れ
    2. 建売住宅で申請する場合の流れ
  6. 長期優良住宅で利用できる主な優遇制度
    1. 所得税の特別控除がある
    2. 登記の登録免許税の軽減される
    3. 不動産取得税の控除額が増える
    4. 固定資産税の減額期間が延長される
    5. フラット35の金利が引き下がる
  7. 長期優良住宅のよくある質問
    1. 長期優良住宅で得する人はどんな人?
    2. 長期優良住宅を10年点検しないとどうなる?
    3. 長期優良住宅とZEH住宅はどちらがいい?
  8. 長期優良住宅を建てる時は十分な対策が必要

長期優良住宅は国の基準を満たした高性能住宅

長期優良住宅は国の基準を満たした高性能住宅

長期優良住宅は、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅のことです。

国が定める基準を満たした住宅を長期優良住宅として所管行政庁(都道府県知事または市町村長)が認定し、税制面での優遇などを受けることができます。

長期優良住宅の認定に必要な条件は5項目

長期優良住宅認定制度は、戸建てと共同住宅のどちらでも利用できます。

認定を受けるには、所管行政庁による審査を通過する必要があり、新築の戸建て住宅の場合は主に以下の5項目を満たさなくてはなりません。
・長期に使用するための構造及び設備を有していること
・居住環境等への配慮を行っていること
・一定面積以上の住戸面積を有していること
・維持保全の期間、方法を定めていること
・自然災害への配慮を行っていること
参考:一般社団法人住宅性能評価・表示協会「長期優良住宅について
長期優良住宅は、数世代にわたり住み続けられるように構造の劣化対策、高い耐震性、メンテナンスのしやすさ、高い省エネルギー性能が求められます。

また、地域の景観や居住環境の維持・向上に配慮し、地区計画や景観計画などのルールを守らなくてはなりません。

快適な居住スペースを確保するため、一定以上の床面積(戸建ての場合は75平方メートル以上など)が必要です。

建築時から将来を見据え、定期的な点検や補修に関する計画(維持保全計画)を策定し、少なくとも10年ごとに点検することも求められます。

土砂災害や洪水など、災害リスクの高い区域に建築する場合、安全性を確保するための措置が講じられていることも求められます。

長期優良住宅とZEH住宅の違いは創エネ設備

長期優良住宅とZEH(ゼッチ)住宅は、どちらも高性能な住宅ですが、その目的と創エネ設備の必要性が異なります。

長期優良住宅は、耐久性・耐震性・維持管理のしやすさなどを重視し、世代を超えて長く快適に住み続けることが目的です。

ZEH住宅は、高い断熱性(省エネ)に加え、太陽光発電といった創エネ設備を必須とし、年間のエネルギー消費量をおおむねゼロにすることを目的としています。

長期優良住宅も高い省エネ性能(断熱等級5以上)が求められますが、ZEH(断熱等級6以上など)とは基準が異なり、創エネ設備は必須ではありません。

ただし、両方の基準を満たす長期優良住宅かつZEH住宅として設計することも可能です。

これにより、利用できる補助金や税制優遇の選択肢が広がる場合もあります。

長期優良住宅を建てて後悔する理由

長期優良住宅を建てて後悔する理由

長期優良住宅は、未来の住宅の在り方を体現するものであり、国も取り組みを推進していますが、申請費用がかかることや設計の自由度が下がることが、後悔することが多い理由として挙げられています。

以下、それぞれの後悔する理由について解説します。

後悔する理由

認定時の申請費用がかかる

長期優良住宅として認定を受けるには、一定の基準を満たしていることを審査で証明する必要があり、申請には費用がかかります。

長期優良住宅を申請する際は、認定申請書や添付図書、申請に伴う費用などを添えて行政所管庁に審査の依頼をします。

行政によっても費用が異なりますが、申請を個人で行う場合は5万〜6万円程度、ハウスメーカーなどに代行を依頼する場合は10万〜30万円程度かかることを想定しておきましょう。

個人で申請したほうがコストは抑えられますが、手続きは煩雑です。

条件や地域によっても費用に差があるため、あらかじめ施工業者などに確認しておきましょう。

認定申請のために工期が長くなる

長期優良住宅を建てる場合、着工前に必要書類を集めて所管行政庁へ提出する必要があります。

一般の住宅と比較すると、工事に着手してから引き渡しまでの期間が、少なくとも数週間から1ヵ月程度は延びることが多いでしょう。

審査に必要な書類を集めるのに手間取ると、さらに長引くことも考えられます。

スケジュールが遅れた分、住んでいた賃貸住宅の家賃が余分にかかることもあるため、余裕を持って準備することが大切です。

認定基準を満たすため設計の自由度が下がる

長期優良住宅は、高い安全基準や維持管理基準を満たす必要があるため、一般的な住宅に比べて設計の自由度が下がることがあります。

特に、高い耐震性を確保するため、建物の構造を支える耐力壁を一定量以上、バランスよく配置する必要があります。

これによって「リビングに大きな吹き抜けを設けたい」「壁一面の大きな窓が欲しい」といった間取りやデザインの希望が一部制限される場合があるので注意が必要です。

また、将来の点検が容易にできるように床下や屋根裏などへアクセスするための点検口の設置が義務付けられています。

これらの点検口が、希望する収納スペースや居住空間のレイアウトに影響を与え、デザイン面で妥協が必要になることも後悔のポイントです。

工事途中で計画変更するには再手続きが必要

長期優良住宅は、着工前に細部まで計画を決めて認定申請をします。

したがって、認定を受けた後で変更をする場合、変更に関わる工事が始まる前に所管行政庁へ申請をしなければなりません。

軽微な変更であれば、簡単な変更届の提出や状況報告で済む場合もあります。

しかし、例えば確認書等を取り直したり、認定計画実施者を単名から連名(または連名から単名)に変更したりすると、変更認定申請が必要になる場合があります。

また、新築の基準で認定された計画を変更する際は、必ず新築の基準に適合させなければなりません。

増改築やリフォームには行政の許可が必要

長く暮らしていると、家族構成やライフスタイルに変化が生まれ、増改築やリフォームを検討することがあります。

しかし、厳しい認定基準をクリアする必要がある長期優良住宅の場合、自由に住宅に手を加えることができません。

リフォームをする場合は、工事後も長期優良住宅の基準に適合する必要があるのです。

リフォームや増改築の際には、申請・手続きをして許可を得た上で行いましょう。

こうした手続きの煩雑さにより、長期優良住宅を建てたことを後悔する人は少なくありません。

長期優良住宅は、ライフスタイルの見通しを持って建てることが大切です。

10年に1回の定期点検が義務づけられている

長期優良住宅は、建てた後の維持管理が法的に義務付けられています。

認定を受ける際に、住宅の所有者は維持保全計画を作成し、これに基づいて少なくとも10年に1回の間隔で点検や必要に応じた修繕を行わなければなりません。

点検や修繕にはもちろん費用が発生します。

また、点検の記録(住宅履歴情報)を作成・保存する義務もあります。

もし所管行政庁からの報告の求めに応じない、点検を怠って改善命令に従わない場合は、認定が取り消されることもあります。

さらに、虚偽の報告または報告を怠った場合には、30万円以下の罰金が科される可能性もあり、この長期的な負担が後悔につながるかもしれません。

長期優良住宅のメリット

長期優良住宅のメリット

長期優良住宅を建てて後悔する声がある一方で、家族が長く安心して過ごせる住居が手に入ることや税金の控除や補助金といったメリットも多くあります。

長期優良住宅のメリットを5つ紹介します。

長期優良住宅のメリット

資産価値が保たれ売却しやすい

長期優良住宅は、長く安心して住むための条件をクリアした住宅です。

築年数を経ても良好な状態で使用できることが証明されている上、定期的な点検による補修が義務づけられるため、長期にわたって資産価値を維持することができます。

築年数が経過すると、建物の資産価値がほとんどなくなる一般的な住宅に比べて、長期優良住宅は将来的に売却する際も、比較的高値で売却できる可能性が高いといえます。

税金の控除が受けられる

長期優良住宅の認定を受けて新築した場合、所得税登録免許税不動産取得税固定資産税の4つの軽減措置が適用されます。

たとえば、住宅ローン控除による所得税の控除や、登記時に支払う登録免許税の軽減、さらに不動産取得税の減額や固定資産税の減額期間延長など、複数の優遇制度を組み合わせて利用可能です。

これらの制度を活用することで、初期費用や維持費の負担を大幅に軽減できるケースもあります。

各制度の適用条件や控除額の詳細については、下記の「長期優良住宅で利用できる主な優遇制度」をご覧ください。

住宅ローンの金利優遇がある

長期優良住宅は、住宅ローン金利の優遇措置を受けられる点も大きな魅力です。

代表的なのが、住宅金融支援機構が提供する「フラット35」と「フラット50」です。

フラット35は長期固定金利型の住宅ローンで、長期優良住宅は質の高い住宅の取得を支援する「フラット35S」の対象となり、借入金利を当初5年間、0.75%引き下げることができます。

また、フラット50は最長50年の返済期間が設定できるローンで、住宅を売却する際には、借入金利を維持したまま購入者へローン返済を引き継ぐことも可能です。

補助金の対象になる

長期優良住宅は、各種補助金制度の対象となる点も魅力です。

ただし、補助金制度は年度ごとに名称や内容、予算が大きく変わるため注意が必要です。

例えば、2024年度には「子育てエコホーム支援事業」が実施されましたが、2025年度はその後継事業として「子育てグリーン住宅支援事業」が実施されています。

この制度は、物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯や若者夫婦世帯が長期優良住宅を取得した場合、1戸あたり最大160万円の補助金を受け取ることが可能です。

こうした補助金を利用するには、施工業者が対象事業者として登録されている必要があります。

利用できる制度の最新情報や申請期限とあわせて、事前にハウスメーカーや工務店に確認しておくと安心です。

地震保険の割引を受けられる

地震保険の割引制度には、「免震建築物割引」「耐震等級割引」「耐震診断割引」「建築年割引」の4種類があります。

そのうち長期優良住宅で適用されるのは、「免震建築物割引(50%)」または「耐震等級割引(10〜50%)」のいずれかです。

長期優良住宅は原則として耐震等級3以上が求められるため、「耐震等級割引」による50%の保険料割引が適用される可能性があります。

認定を受けたら、地震保険を取り扱う損害保険会社や代理店に問い合わせて、割引の適用条件を確認しておくとよいでしょう。

長期優良住宅で後悔しないための4つの対策

長期優良住宅で後悔しないための4つの対策

長期優良住宅を建てる際や、建てた後に後悔しないためには、事前の準備が必要です。

長く快適に暮らし続けるために知っておきたい4つの対策を紹介します。

後悔しないための対策

  1. 維持管理や点検を継続できるか考える
  2. 実績豊富で信頼できる住宅メーカーを選ぶ
  3. 維持費や優遇制度も含めてコストを把握する
  4. 確定申告時に税金控除の申請が必要

維持管理や点検を継続できるか考える

長期優良住宅は、認定を受けた後も定期的なメンテナンスや点検(維持保全)を継続して行うことが義務づけられています。

10年ごとの点検では、外壁・屋根・給排水設備・基礎・シロアリ対策などが対象です。

これらを怠ると所管行政庁から改善命令が出され、それに従わなければ認定が取り消される可能性があります。

また、所管行政庁からの報告要求に対して、記録を作成・保存していない、あるいは虚偽報告をした場合は、30万円以下の罰金が科されることがあります。

申請前の段階で「誰が・どのタイミングで・どの費用で」維持管理を行うのかを明確にしておくことが大切です。

ハウスメーカーや工務店によっては、点検サポートや長期保証を提供している場合もあるため、契約前に内容を比較し、無理なく継続できる体制を整えましょう。

実績豊富で信頼できる住宅メーカーを選ぶ

長期優良住宅の認定申請では、設計の段階で、耐震性・省エネ性・劣化対策など複数の基準をクリアし、詳細な書類を提出する必要があります。

これらをスムーズに進めるためには、制度の仕組みを正確に理解し、過去に申請実績を持つ住宅メーカーや設計事務所を選ぶことが重要です。

実績のない業者に依頼すると、申請書類の不備や設計基準の誤りにより、認定までの時間やコストが余計にかかるケースもあります。

契約前には「長期優良住宅の建築実績件数」や「担当者の申請経験」を必ず確認し、信頼性の高いパートナーを選ぶことが、後悔しない家づくりの第一歩になります。

維持費や優遇制度も含めてコストを把握する

長期優良住宅は高性能で資産価値が落ちにくい一方、建築時の初期費用や維持費が一般的な住宅より高くなる傾向があります。

構造材の品質向上、省エネ設備の導入、認定申請手数料など、追加コストが発生するため、長期的な支出を見据えて資金計画を立てることが大切です。

一方で、長期優良住宅は税制優遇や補助金制度の対象になる点も見逃せません。

所得税や固定資産税の控除、フラット35Sの金利優遇、子育てグリーン住宅支援事業の補助金などをうまく活用すれば、初期コストの負担を大幅に軽減できます。

建築費・維持費・税制優遇・補助金をすべて含めた「トータルコスト」で比較検討することで、長期優良住宅で後悔しない選択ができるでしょう。

確定申告時に税金控除の申請が必要

長期優良住宅の認定を受けると、税制優遇を受けられますが、これらは自動的に適用されるわけではなく、確定申告を通じて申請する必要があります。

特に住宅ローン控除は、1年目の申告を忘れると控除が受けられなくなるため注意が必要です。

申請時には、「長期優良住宅認定通知書」や「住宅ローンの年末残高証明書」などの提出が求められます。

申告書類は複雑になりがちなので、事前に税務署や住宅メーカーへ確認しておくとスムーズです。

また、補助金を受け取った場合は課税対象になるケースもあるため、税金面の取り扱いについても併せて確認しておくと安心です。

長期優良住宅の申請方法

長期優良住宅の申請方法

長期優良住宅の認定を申請する手続きは、注文住宅を新しく建てる場合と、既に建築されているまたは建築中の建売住宅を購入する場合で流れが異なります。

それぞれのケースについて解説します。

注文住宅で申請する場合の流れ

注文住宅の場合、工事の着工前に申請を完了させる必要があり、一般的に以下の流れで進みます。
■注文住宅で申請する場合
1. 計画・設計図書の作成
2. 技術的審査の依頼
3. 適合証の交付
4. 所管行政庁への認定申請
5. 認定通知書の交付・着工
6. 工事完了報告
まずはハウスメーカーや設計事務所が、認定基準を満たす設計図書(維持保全計画などを含む)を作成します。

次に登録住宅性能評価機関へ設計図書を提出し、技術的審査を依頼します。

適合証の交付は、技術的審査の結果、基準を満たしていると認められた場合に評価機関から交付されます。

交付された適合証を添付して、所管行政庁(都道府県や市町村)へ認定申請を行います。

行政の審査を経て「認定通知書」が交付された後、工事に着手することが可能です。

最後に所管行政庁に報告すれば完了です。

これらの申請手続きは、ハウスメーカーや設計事務所が代行するのが一般的な流れとなります。

建売住宅で申請する場合の流れ

建売住宅(分譲住宅)の場合は、建築主であるハウスメーカーやデベロッパーが着工前に認定申請を済ませています。

そのため、購入者が行う手続きは以下の確認が中心となります。
■建売住宅で申請する場合
1. 認定の確認
2. 関連書類の受領
3. 認定完了の確認
まず購入を検討する物件が長期優良住宅の認定を受けているかを販売担当者に確認します。

認定済みの物件であれば、契約時に認定通知書の写しなど、関連書類を受け取ります。

もし物件が建築中で申請中の場合には、引き渡しまでに認定が完了していることを確認しなくてはなりません。

長期優良住宅で利用できる主な優遇制度

長期優良住宅で利用できる主な優遇制度

長期優良住宅の大きなメリットの一つが税制優遇や住宅ローン金利の優遇措置です。

主な優遇制度の概要は以下の表の通りです。 それぞれの制度について、以下で詳しく解説します。

制度/税目

優遇内容

所得税

借入限度額は最大5,000万円
年末残高の0.7%を13年間控除

登録免許税

登記時の税率が軽減される

不動産取得税

課税標準から控除額が拡大
(1,200万円→1,300万円)

固定資産税

税額の1/2が軽減される
さらに期間が延長

フラット35S

金利が年0.75%引き下げ
長期固定金利で返済が安定

※制度の内容や上限額は年度によって変更される場合があります。最新情報は国土交通省や住宅金融支援機構などの公式サイトで確認しましょう。

所得税の特別控除がある

住宅ローンを利用して新築を建てた場合に、所得税や住民税の一部が控除される「住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)」が受けられます。

長期優良住宅は、省エネ性能や耐久性などが国の基準を満たす高性能住宅として位置づけられており、一般住宅よりも借入限度額が高く設定されています。

2024年〜2025年に入居した場合、長期優良住宅の借入限度額は最大5,000万円 、年末残高の0.7%を13年間控除できます。

なお、所得税で控除しきれない分は、一定額まで住民税からも控除されます。

登記の登録免許税の軽減される

新築を建てた場合は、不動産登記にかかる「登録免許税」が課されます。

これは所有権保存登記や移転登記などの際に支払う税金で、登記簿上に自分の権利を登録するために必要なものです。

登記の際にかかる登録免許税は、長期優良住宅の認定を受けることで軽減されます。

登録免許税の税率が、本則の0.4%から0.1%まで引き下げられます。

所有権保存登記の税率は0.4%が通常ですが、長期優良住宅の場合は0.1%になります。

また、所有権移転登記の場合も通常2.0%が、戸建ての場合は0.2%まで引き下がります。

登記時には認定証の提出が必要となります。

不動産取得税の控除額が増える

新築住宅に課税される不動産取得税は、課税標準からの控除額が一般住宅より大きくなります。

一般住宅の控除額が1,200万円であるのに対して、長期優良住宅は1,300万円まで控除されます。

固定資産税の減額期間が延長される

新築住宅には、一定期間、固定資産税が1/2に軽減される優遇措置があります。

長期優良住宅の場合は、減額される期間が一般住宅より長く設定されています。

通常の戸建住宅では3年間軽減されるところ、5年間に減額期間が延長されます(マンションの場合は、通常5年間のところ7年間に延長)。

長期的に維持費の負担を抑えることが可能です。

フラット35の金利が引き下がる

長期優良住宅は、住宅金融支援機構が提供する長期固定金利型住宅ローン「フラット35」の優遇制度であるフラット35Sの対象となります。

この制度を利用すると、当初5年間の借入金利が年0.75%引き下げられます(2025年時点の金利Aプラン基準)。

また、返済期間を最長50年まで設定できる「フラット50」も選択可能で、将来住宅を売却する場合には、購入者が同じ金利条件でローンを引き継ぐこともできます。

これにより、住宅の資産価値維持や売却時のメリットも期待できます。

長期優良住宅のよくある質問

長期優良住宅のよくある質問

長期優良住宅を建てる前に、知っておきたいよくある疑問をQ&A方式で回答します。

長期優良住宅で得する人はどんな人?

長期優良住宅は、質の高い家に長く住み続けたい人税制優遇や補助金を最大限活用したい人が得をするといえます。

具体的には、以下のような人におすすめです。
・高い耐震性や耐久性など、安全、安心な家に住みたい人
・定期的なメンテナンスを計画的に行い、住宅の資産価値を維持したい人
・住宅ローン控除や固定資産税の軽減、補助金などを活用して、トータルのコストパフォーマンスを高めたい人
初期費用や維持管理のコストはかかりますが、それ以上に長期的なメリットを重視する人に向いています。

長期優良住宅を10年点検しないとどうなる?

法律で定められた点検や維持保全を怠った場合、所管行政庁から指導や改善命令が出されます。

万が一、この改善命令にも従わない場合、認定の取り消しに至る可能性があります。

認定が取り消されると、それまでに受けていた税制優遇(住宅ローン控除の優遇枠など)や補助金の返還を求められることがあります。

また、所管行政庁からの報告の求めに応じなかったり、虚偽の報告をしたりした場合は、30万円以下の罰金が科される可能性があるので注意が必要です。

長期優良住宅とZEH住宅はどちらがいい?

どちらが良いかは、住宅に何を最優先で求めるかによって異なります。

長期優良住宅は耐久性・耐震性・維持管理のしやすさを重視し、世代を超えて長く住み継ぐことを目的としています。

一方で、ZEH住宅は断熱性・省エネ・創エネを重視し、年間のエネルギー消費量をおおむねゼロにすること(光熱費の削減)が目的です。

資産価値や安全性を最重視するなら長期優良住宅、月々の光熱費削減や環境性能を最重視するならZEH住宅が一つの目安となります。

ただし、両方の基準を満たす長期優良住宅かつZEH住宅として設計することも可能です。

これにより、両方のメリット(耐久性と安全性、高い省エネ性)を享受でき、補助金制度の選択肢が広がる場合もあります。

長期優良住宅を建てる時は十分な対策が必要

長期優良住宅にはさまざまな制限がありますが、耐震性が高く安心して暮らすことができ、資産価値も維持しやすいといわれています。

さらに、税金の控除が受けられ補助金の対象となっていることも大きなメリットです。

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矢野 翔一

監修者矢野 翔一

関西学院大学法学部法律学科卒業。有限会社アローフィールド代表取締役社長。
不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。

■保有資格
2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)
宅地建物取引士
管理業務主任者

ホームページ:https://www.arrow-field-ltd.com/

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