坪単価の計算方法は?平米単価との違いや相場を知ってハウスメーカーを検討しよう

坪単価の計算方法は?平米単価との違いや相場を知ってハウスメーカーを検討しよう

家を建てる際にはさまざまな情報を照らし合わせて計画を立てる必要がありますが、その中でも重要な情報のひとつが「坪単価」です。

これは、「一坪あたりの土地や建物の価格」を指しますが、ハウスメーカーや工務店によっても計算の仕方が異なるなど、やや使いづらい部分もあります。

そこでこの記事では、これから家を建てる予定がある人が知っておくべき坪単価の計算方法について解説します。ぜひ参考にしてください。

mokuji目次

  1. 坪単価とは何か?
    1. 坪単価は一坪あたりの土地や建物の価格
    2. 「坪単価」と「平米単価」は異なる
    3. 平米単価を坪単価に換算する方法
  2. 注文住宅の坪単価はいくらなら安い?
    1. 注文住宅における坪単価の目安
    2. 地域ごとの坪単価相場
    3. 構造ごとの坪単価相場
  3. 住宅会社によっても坪単価は異なる
    1. 大手ハウスメーカー
    2. ローコスト住宅メーカー
    3. 工務店
    4. 設計事務所
  4. ハウスメーカーの坪単価を見るときのポイント
    1. 延床面積か施工床面積か
    2. 諸経費や消費税が含まれているか
    3. 「本体価格」に何を含むか
    4. 住宅の形状や仕様はどうなっているか
  5. 注文住宅の坪単価を抑えるポイント
    1. 総二階のシンプルな外観デザインにする
    2. 間取りを工夫する
    3. 設備のグレードを検討する
  6. ハウスメーカーを検討するときの注意点
  7. 坪単価の計算方法を知ってハウスメーカーを正しく検討しよう

坪単価とは何か?

坪単価とは何か?

坪単価という言葉自体は知っていても、正確な意味まではわからない、という人もいるかもしれません。そこで最初に、そもそも坪単価とは何かについて、詳しく解説します。

坪単価は一坪あたりの土地や建物の価格

坪単価とは「一坪あたりの土地や建物の価格」のことです。土地であれば一坪あたりの価格、建物であれば建物一坪あたりの建築費を指すと考えましょう。次の式で計算することができます。
土地や建物の価格÷坪数 = 坪単価
例えば20坪の土地の価格が4,000万円だった場合、坪単価は200万円です。また、20坪の建物を建てるための建築費が1,800万円だった場合、坪単価は90万円になります。

無料で利用できる坪単価の計算アプリやサイト、ツールもあるので、手軽に計算したい場合は使ってみましょう。

「坪単価」と「平米単価」は異なる

「坪単価」と「平米単価」は異なることにも注意してください。不動産広告は原則メートル表示と定められているため、建物の延べ床面積に「坪」ではなく「平米」や「u」という単位で表されるケースがあります。

「坪」は日本古来の尺貫法による面積の単位ですが、「平米」は国際的な度量衡法によるメートル法による面積の単位であり、両者はまったく違うことに留意しましょう。なお、1坪=およそ3.3平米(u)となるため、平米単価を求める際の参考にしてください。

平米単価を坪単価に換算する方法

平米単価から坪単価に換算する場合、建物や土地の価格と平米数がわかれば、平米単価から坪単価に換算できます。前述したように、1坪=およそ3.3平米(u)であるため、1u=0.3025坪であると言い換えることも可能です。

これを踏まえると、坪単価は「平米単価 ÷ 0.3025」という計算式で求められます。例えば、ある土地の平米単価が15万円だった場合、坪単価は約49.6万円になる計算です。

注文住宅の坪単価はいくらなら安い?

注文住宅の坪単価はいくらなら安い?

実際のところ、注文住宅の坪単価はいくらなら安いとは一概には言い切れません。しかし、大まかな傾向を知っておくと、ひとつの判断材料にはできます。

ここでは、注文住宅の坪単価の目安について、地域や構造など影響を及ぼす要素と絡めながら解説します。

注文住宅における坪単価の目安

注文住宅における坪単価の目安として、住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査」のデータに基づき計算した数値を紹介します。

同調査によれば土地付き注文住宅の場合、建設費が3405.8万円、土地取得費が1497.6万円なので、所要費用は4,903.4万円になりました。土地で考えると、敷地面積208.1uなので、平米単価が約7.2万円(1497.6 ÷ 208.1)で坪単価は約23.8万円(7.2 ÷ 0.3025)です。

一方、建物で考えると、住宅面積は111.2uなので、平米単価が約30.6万円(3405.8 ÷ 111.2)で坪単価は約101.2万円(30.6 ÷ 0.3025)となりました。

参照:2023年度 フラット35利用者調査|独立行政法人住宅金融支援機構
ただし、この金額はあくまでフラット35(住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する金利固定型住宅ローン)利用者のデータに基づき算定した数値です。

他の金融機関の住宅ローンを用いて家を建てた人については考慮していないため、あくまで参考程度に考えてください。

地域ごとの坪単価相場

国土交通省が行っている建築着工統計調査をもとにすれば、地域ごとの坪単価を割り出すことができます。参考までに、2023年における地域ごとの坪単価は以下のようになっていました。

都道府県

1uあたり単価(万円)

坪単価(3.3uとして計算)(万円)

北海道

23

75.9

青森

21

69.3

岩手

22

72.6

宮城

21

69.3

秋田

21

69.3

山形

22

72.6

福島

22

72.6

茨城

21

69.3

栃木

22

72.6

群馬

21

69.3

埼玉

21

69.3

千葉

22

72.6

東京

29

95.7

神奈川

24

79.2

新潟

23

75.9

富山

22

72.6

石川

23

75.9

福井

22

72.6

山梨

23

75.9

長野

26

85.8

岐阜

22

72.6

静岡

23

75.9

愛知

23

75.9

三重

23

75.9

滋賀

21

69.3

京都

24

79.2

大阪

23

75.9

兵庫

23

75.9

奈良

21

69.3

和歌山

20

66

鳥取

23

75.9

島根

23

75.9

岡山

23

75.9

広島

23

75.9

山口

23

75.9

徳島

22

72.6

香川

23

75.9

愛媛

21

69.3

高知

23

75.9

福岡

21

69.3

佐賀

20

66

長崎

22

72.6

熊本

21

69.3

大分

21

69.3

宮崎

21

69.3

鹿児島

22

72.6

沖縄

24

79.2

全国市部

23

75.9

出典:2023年度建築着工統計調査|国土交通省総合政策局情報政策課建設経済統計調査室

構造ごとの坪単価相場

構造によっても坪単価の相場は異なります。一般的な戸建ての場合に用いられる構造は、大きくは木造・鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造に分類することが可能です。先ほどと同様、2023年の建築着工統計をもとに坪単価をまとめました。

構造

1uあたり単価

坪単価(3.3uとして計算)(万円)

木造

20

66

鉄骨鉄筋コンクリート造

25

82.5

鉄筋コンクリート造

37

122.1

出典:2023年度建築着工統計調査|国土交通省総合政策局情報政策課建設経済統計調査室

予算を重視するなら木造、丈夫さを重視するなら鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造にすることを前提に考えると良いでしょう。

住宅会社によっても坪単価は異なる

住宅会社によっても坪単価は異なる

依頼する住宅会社によっても坪単価は異なるのが実情です。依頼先を選ぶ際は、それぞれの住宅会社の特性を知ったうえで、自分や家族の希望に叶う家を作ってくれるところに依頼しましょう。

ここでは、以下の4種類の住宅会社について、坪単価の違いや傾向について解説します。

大手ハウスメーカー
ローコスト住宅メーカー
工務店
設計事務所

大手ハウスメーカー

大手ハウスメーカーの坪単価の相場は70万円〜90万円とやや高めです。ブランド力発信の広告や人件費がかかることも、相場が高くなる原因の1つとなっています。

ハウスメーカーに発注する際に注意したいのが「ある程度内装や外装が規格化されている」ことです。そのため、高いデザイン性を求める場合はやや適さない部分もありますが、顧客の要望によって変更できる部分もあるので、担当者に相談してみましょう。

坪単価は高めではあるものの、社会的な信頼性が担保されるうえに、高性能な設備も導入しやすいので「家を買うなら質重視で」という人におすすめです。

ローコスト住宅メーカー

ローコスト住宅メーカーで家を建てる場合の坪単価の相場は30万円〜50万円とリーズナブルです。ローコスト住宅メーカーでは、同じ材料を大量に一括仕入れするうえに、デザインもほぼ統一された家を建てることで、費用を抑える仕組みを作り上げています。

予算を抑えることを重視する人には非常に向いている一方、家にオリジナリティを求める人や、人と同じ家が嫌だという人にはあまり向いていません

工務店

工務店で家を建てる場合の坪単価の相場は、50万円〜60万円といったところです。大手ハウスメーカーより安く家を建てられるので、予算を重視する人にとっても良い選択肢の1つとなり得ます。

安くできる理由として挙げられるのが、広告宣伝費の少なさです。テレビや紙媒体、Webでの広告やモデルハウスの建設など、大手ハウスメーカーで行っている広告活動を工務店が同程度で行うことはあまり多くありません。

広告宣伝費がかからないためその分コストを抑えて家を建てることができます。

また、顧客の希望に合わせて柔軟に家づくりができるのも大きな強みです。ただし、工務店によって技術力にバラつきがあるため、口コミを読んだり、親族・知人に紹介してもらったりなどして質が良い工務店を選びましょう

設計事務所

設計事務所で家を建てる場合の坪単価は90万円を超えます。1から依頼者の要望に基づき家を設計していくので、自分たちのこだわりを詰め込んだ唯一無二の家を建てることが可能ですが、その分コストも高い点には注意が必要です。

「こういう家に住みたい」という明確なビジョンやこだわりがあり、ある程度予算を割ける人に向いているでしょう。

ハウスメーカーの坪単価を見るときのポイント

ハウスメーカーの坪単価を見るときのポイント

ハウスメーカーによって坪単価の定義が異なるため、表示されている坪単価で高いか安いか判断できない点には注意が必要です。

ここでは、ハウスメーカーの坪単価についてチェックすべきポイントについて解説します。なお、不動産広告での確認が難しい場合は、担当者に直接確認してみましょう。

延床面積か施工床面積か

まず、坪単価の計算に用いる面積が延床面積と施工床面積のどちらかを確認する必要があります。 建物各階の床面積の合計である延床面積ではなく、バルコニーや玄関ポーチなどが含まれた施工床面積を採用している場合もあるためです。

施工床面積のほうが延床面積よりも広いため、坪単価は安くなります。

諸経費や消費税が含まれているか

計算式に諸費用や消費税が含まれているかどうかでも金額が異なる点に注意が必要です。当然、含まれていないほうが坪単価は安くなります。

諸費用や消費税が含まれていない坪単価が広告に記載されていた場合は、担当者に含んだ場合の坪単価について聞いてみましょう

「本体価格」に何を含むか

「本体価格」に何を含むかについても確認しましょう。ハウスメーカーによっては、本体価格に工事費だけでなく、カーテンや照明などの住宅備品を本体価格に含めている場合があります。

このような場合、工事費だけで坪単価を計算した場合よりも高くなる点に注意が必要です。何が含まれているかを確認したうえで、比較検討する際は、本体価格の範囲を同じにした数字(例:工事費だけで坪単価を計算する)を用いましょう

住宅の形状や仕様はどうなっているか

住宅の形状や仕様はどうなっているかによっても、坪単価が変わる点に注意が必要です。総二階のシンプルな家の形状よりも複雑な形状のほうが、坪単価が高くなる傾向にあります

複雑な形の方が、設計や工事が難しくなるため、工賃も高くなりがちだからです。

一見高いように思えても、複雑な形状を前提に坪単価を計算していた場合、シンプルな家の形状を前提にして計算しなおすと下がる可能性があります。

具体的な数字は個々のケースによって異なるため、ハウスメーカーの担当者に問い合わせてみましょう。

注文住宅の坪単価を抑えるポイント

注文住宅の坪単価を抑えるポイント

注文住宅は決して安い買い物ではない以上、費用を抑える工夫も必要です。ここでは、注文住宅の坪単価を抑えるポイントを開設するので、ぜひ参考にしてください。

総二階のシンプルな外観デザインにする

1つ目のポイントは「総二階のシンプルな外観デザインにする」ことです。総二階とは、一階と二階がほぼ同じ作りになっている住宅を指します。

材料の無駄を省けるためコストが抑えられるうえに、上下階のバランスが良く耐震性を確保しやすいのがメリットです。

また、屋根は「片流れ」といって、片方から一方向だけに勾配がある形のものを使うとコストが抑えられます。シンプルな形状となるため、雨どいは片側一方のみに取り付ければ良いなど、初期費用がかからないためです。

間取りを工夫する

2つ目のポイントは「間取りを工夫する」ことです。

基本的な考え方として、部屋や窓、収納スペースの数や和室・洋室など部屋の種類が増えるほど、コストがかさみます。この点を踏まえて、コストダウンのために間取りを工夫する際は、以下の点に注目してみてください。
・部屋数を少なくする
・和室を作らない
・玄関ホールは省く
・窓の数は少なくする
・リビング内に階段を作る
・収納スペースを少なくする
ただし、コストダウンだけを考えて間取りを決めると、実際に住み始めた際に不便に感じるかもしれません。あくまでできる範囲で取り組みましょう。

設備のグレードを検討する

3つ目のポイントは「設備のグレードを検討する」ことです。予算がふんだんにあるならすべての設備のグレードを上げてもかまいませんが、そうはいかない場合は優先順位を考える必要があります。

例えば、浴室やキッチンなど水回りは傷みやすいので、将来の交換を見据えてグレードを下げてみましょう。そのかわり交換が難しい設備にお金をかけるなど、メリハリをつけて計画を立てるのが重要です。

ハウスメーカーを検討するときの注意点

ハウスメーカーを検討するときの注意点

ハウスメーカーを検討する際の注意点として「単純に坪単価だけで判断してはいけない」ことが挙げられます。前述したように、坪単価はハウスメーカーによって出し方が異なるため、外構費や電気工事費が含まれていないかもしれません。

もし、依頼を検討しているハウスメーカーが外構費や電気工事費を含まずに坪単価を計算していたなら、含んだ場合の費用も教えてもらいましょう。

また、家を建てるためには、住宅ローンの借り入れ費用や税金など、本体工事費以外にもさまざまな費用が必要になるため、坪単価で考えているよりも高額になる傾向があります。

注文住宅を考えるときには、坪単価だけではなくローン返済額を考慮しながら、現実的に資金計画を行うことが重要です。

ハウスメーカーや工務店、設計事務所の担当者の中には、ファイナンシャル・プランニング技能士など資金計画に関連した資格保持者がいることがあるため、積極的に相談してみましょう。

坪単価の計算方法を知ってハウスメーカーを正しく検討しよう

一口に坪単価といっても、何をもって計算しているかによって大きく異なります。家を建てる際は「坪単価はどうやって計算しているか」を確認したうえで、注文先となるハウスメーカーや工務店、設計事務所を選んでください。

また、個々の坪単価は地域や家の構造、注文先の種別によっても大きく異なります。あくまで本記事で示した坪単価は参考に過ぎないため、依頼先を選ぶ際は都度確認するのが望ましいです。広告だけではわかりづらいこともあるため、積極的に担当者に相談しましょう。

オリコン顧客満足度ランキングでは、ハウスメーカー利用者へのアンケート調査をもとに算出した「ハウスメーカー 顧客満足度ランキング」を発表しています。 ハウスメーカーを検討される際はこちらもぜひご参考いただき、自分に合ったより良い選択肢を見つけてみてください。

※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。

ハウスメーカー 注文住宅オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    81.0

    スウェーデンハウス

    ※公式サイトへ遷移します。

  • 2位

    78.7

    住友林業

  • 2位

    78.7

    ヘーベルハウス

  • 4位

    78.5

    積水ハウス

  • 5位

    77.5

    一条工務店

  • 6位

    77.2

    パナソニック ホームズ

  • 7位

    76.9

    セキスイハイム

  • 7位

    76.9

    三井ホーム

  • 9位

    76.6

    大和ハウス

  • 10位

    76.1

    ミサワホーム

  • 11位

    76.0

    イシンホーム

  • 12位

    75.8

    住友不動産ハウジング

  • 13位

    75.5

    トヨタホーム

  • 14位

    74.9

    クレバリーホーム

  • 15位

    74.6

    アイ工務店

  • 16位

    73.4

    富士住建

  • 17位

    73.3

    アキュラホーム

    ※公式サイトへ遷移します。

  • 17位

    73.3

    イシカワ

  • 19位

    73.1

    アイフルホーム

  • 19位

    73.1

    桧家住宅

  • 21位

    73.0

    住宅情報館

  • 22位

    72.9

    ユニバーサルホーム

  • 23位

    72.5

    パパまるハウス

  • 24位

    72.3

    ヤマダホームズ

  • 25位

    72.2

    タマホーム

  • 26位

    71.3

    秀光ビルド

  • 27位

    69.7

    アイダ設計

  • 28位

    69.0

    オープンハウス・アーキテクト

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