坪単価の計算方法は?平米単価との違いや相場を知ってハウスメーカーを検討しよう
これは、「一坪あたりの土地や建物の価格」を指しますが、ハウスメーカーや工務店によっても計算の仕方が異なるなど、やや使いづらい部分もあります。
そこでこの記事では、これから家を建てる予定がある人が知っておくべき坪単価の計算方法について解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
坪単価とは何か?
坪単価は一坪あたりの土地や建物の価格
「坪単価」と「平米単価」は異なる
「坪」は日本古来の尺貫法による面積の単位ですが、「平米」は国際的な度量衡法によるメートル法による面積の単位であり、両者はまったく違うことに留意しましょう。なお、1坪=およそ3.3平米(u)となるため、平米単価を求める際の参考にしてください。
平米単価を坪単価に換算する方法
これを踏まえると、坪単価は「平米単価 ÷ 0.3025」という計算式で求められます。例えば、ある土地の平米単価が15万円だった場合、坪単価は約49.6万円になる計算です。
注文住宅の坪単価はいくらなら安い?
ここでは、注文住宅の坪単価の目安について、地域や構造など影響を及ぼす要素と絡めながら解説します。
注文住宅における坪単価の目安
同調査によれば土地付き注文住宅の場合、建設費が3405.8万円、土地取得費が1497.6万円なので、所要費用は4,903.4万円になりました。土地で考えると、敷地面積208.1uなので、平米単価が約7.2万円(1497.6 ÷ 208.1)で坪単価は約23.8万円(7.2 ÷ 0.3025)です。
一方、建物で考えると、住宅面積は111.2uなので、平米単価が約30.6万円(3405.8 ÷ 111.2)で坪単価は約101.2万円(30.6 ÷ 0.3025)となりました。
参照:2023年度 フラット35利用者調査|独立行政法人住宅金融支援機構
他の金融機関の住宅ローンを用いて家を建てた人については考慮していないため、あくまで参考程度に考えてください。
地域ごとの坪単価相場
都道府県 | 1uあたり単価(万円) | 坪単価(3.3uとして計算)(万円) |
北海道 | 23 | 75.9 |
青森 | 21 | 69.3 |
岩手 | 22 | 72.6 |
宮城 | 21 | 69.3 |
秋田 | 21 | 69.3 |
山形 | 22 | 72.6 |
福島 | 22 | 72.6 |
茨城 | 21 | 69.3 |
栃木 | 22 | 72.6 |
群馬 | 21 | 69.3 |
埼玉 | 21 | 69.3 |
千葉 | 22 | 72.6 |
東京 | 29 | 95.7 |
神奈川 | 24 | 79.2 |
新潟 | 23 | 75.9 |
富山 | 22 | 72.6 |
石川 | 23 | 75.9 |
福井 | 22 | 72.6 |
山梨 | 23 | 75.9 |
長野 | 26 | 85.8 |
岐阜 | 22 | 72.6 |
静岡 | 23 | 75.9 |
愛知 | 23 | 75.9 |
三重 | 23 | 75.9 |
滋賀 | 21 | 69.3 |
京都 | 24 | 79.2 |
大阪 | 23 | 75.9 |
兵庫 | 23 | 75.9 |
奈良 | 21 | 69.3 |
和歌山 | 20 | 66 |
鳥取 | 23 | 75.9 |
島根 | 23 | 75.9 |
岡山 | 23 | 75.9 |
広島 | 23 | 75.9 |
山口 | 23 | 75.9 |
徳島 | 22 | 72.6 |
香川 | 23 | 75.9 |
愛媛 | 21 | 69.3 |
高知 | 23 | 75.9 |
福岡 | 21 | 69.3 |
佐賀 | 20 | 66 |
長崎 | 22 | 72.6 |
熊本 | 21 | 69.3 |
大分 | 21 | 69.3 |
宮崎 | 21 | 69.3 |
鹿児島 | 22 | 72.6 |
沖縄 | 24 | 79.2 |
全国市部 | 23 | 75.9 |
構造ごとの坪単価相場
構造 | 1uあたり単価 | 坪単価(3.3uとして計算)(万円) |
木造 | 20 | 66 |
鉄骨鉄筋コンクリート造 | 25 | 82.5 |
鉄筋コンクリート造 | 37 | 122.1 |
予算を重視するなら木造、丈夫さを重視するなら鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造にすることを前提に考えると良いでしょう。
住宅会社によっても坪単価は異なる
ここでは、以下の4種類の住宅会社について、坪単価の違いや傾向について解説します。
・大手ハウスメーカー
・ローコスト住宅メーカー
・工務店
・設計事務所
大手ハウスメーカー
ハウスメーカーに発注する際に注意したいのが「ある程度内装や外装が規格化されている」ことです。そのため、高いデザイン性を求める場合はやや適さない部分もありますが、顧客の要望によって変更できる部分もあるので、担当者に相談してみましょう。
坪単価は高めではあるものの、社会的な信頼性が担保されるうえに、高性能な設備も導入しやすいので「家を買うなら質重視で」という人におすすめです。
ローコスト住宅メーカー
予算を抑えることを重視する人には非常に向いている一方、家にオリジナリティを求める人や、人と同じ家が嫌だという人にはあまり向いていません。
工務店
安くできる理由として挙げられるのが、広告宣伝費の少なさです。テレビや紙媒体、Webでの広告やモデルハウスの建設など、大手ハウスメーカーで行っている広告活動を工務店が同程度で行うことはあまり多くありません。
広告宣伝費がかからないためその分コストを抑えて家を建てることができます。
また、顧客の希望に合わせて柔軟に家づくりができるのも大きな強みです。ただし、工務店によって技術力にバラつきがあるため、口コミを読んだり、親族・知人に紹介してもらったりなどして質が良い工務店を選びましょう。
設計事務所
ハウスメーカーの坪単価を見るときのポイント
ここでは、ハウスメーカーの坪単価についてチェックすべきポイントについて解説します。なお、不動産広告での確認が難しい場合は、担当者に直接確認してみましょう。
延床面積か施工床面積か
施工床面積のほうが延床面積よりも広いため、坪単価は安くなります。
諸経費や消費税が含まれているか
諸費用や消費税が含まれていない坪単価が広告に記載されていた場合は、担当者に含んだ場合の坪単価について聞いてみましょう。
「本体価格」に何を含むか
このような場合、工事費だけで坪単価を計算した場合よりも高くなる点に注意が必要です。何が含まれているかを確認したうえで、比較検討する際は、本体価格の範囲を同じにした数字(例:工事費だけで坪単価を計算する)を用いましょう。
住宅の形状や仕様はどうなっているか
複雑な形の方が、設計や工事が難しくなるため、工賃も高くなりがちだからです。
一見高いように思えても、複雑な形状を前提に坪単価を計算していた場合、シンプルな家の形状を前提にして計算しなおすと下がる可能性があります。
具体的な数字は個々のケースによって異なるため、ハウスメーカーの担当者に問い合わせてみましょう。
注文住宅の坪単価を抑えるポイント
総二階のシンプルな外観デザインにする
材料の無駄を省けるためコストが抑えられるうえに、上下階のバランスが良く耐震性を確保しやすいのがメリットです。
また、屋根は「片流れ」といって、片方から一方向だけに勾配がある形のものを使うとコストが抑えられます。シンプルな形状となるため、雨どいは片側一方のみに取り付ければ良いなど、初期費用がかからないためです。
間取りを工夫する
基本的な考え方として、部屋や窓、収納スペースの数や和室・洋室など部屋の種類が増えるほど、コストがかさみます。この点を踏まえて、コストダウンのために間取りを工夫する際は、以下の点に注目してみてください。
・和室を作らない
・玄関ホールは省く
・窓の数は少なくする
・リビング内に階段を作る
・収納スペースを少なくする
設備のグレードを検討する
例えば、浴室やキッチンなど水回りは傷みやすいので、将来の交換を見据えてグレードを下げてみましょう。そのかわり交換が難しい設備にお金をかけるなど、メリハリをつけて計画を立てるのが重要です。
ハウスメーカーを検討するときの注意点
もし、依頼を検討しているハウスメーカーが外構費や電気工事費を含まずに坪単価を計算していたなら、含んだ場合の費用も教えてもらいましょう。
また、家を建てるためには、住宅ローンの借り入れ費用や税金など、本体工事費以外にもさまざまな費用が必要になるため、坪単価で考えているよりも高額になる傾向があります。
注文住宅を考えるときには、坪単価だけではなくローン返済額を考慮しながら、現実的に資金計画を行うことが重要です。
ハウスメーカーや工務店、設計事務所の担当者の中には、ファイナンシャル・プランニング技能士など資金計画に関連した資格保持者がいることがあるため、積極的に相談してみましょう。
坪単価の計算方法を知ってハウスメーカーを正しく検討しよう
また、個々の坪単価は地域や家の構造、注文先の種別によっても大きく異なります。あくまで本記事で示した坪単価は参考に過ぎないため、依頼先を選ぶ際は都度確認するのが望ましいです。広告だけではわかりづらいこともあるため、積極的に担当者に相談しましょう。
オリコン顧客満足度ランキングでは、ハウスメーカー利用者へのアンケート調査をもとに算出した「ハウスメーカー 顧客満足度ランキング」を発表しています。 ハウスメーカーを検討される際はこちらもぜひご参考いただき、自分に合ったより良い選択肢を見つけてみてください。
※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。