オール電化のメリット・デメリットを徹底解説!上手な活用方法とは?

オール電化のメリット・デメリットを徹底解説!上手な活用方法とは?

オール電化は、光熱費の削減や火災リスクの軽減などのメリットがあり、現代の住宅で注目される設備の一つです。

一方で、初期費用の高さや停電時の備えが必要といった課題もあり、導入を検討する際には慎重な判断が求められます。

本記事では、オール電化の特徴やメリット・デメリットを詳しく解説し、適している家庭の特徴や、効率的な活用方法までご紹介します。

オール電化の導入を検討している方や、光熱費や住宅設備を見直したい方は、ぜひ参考にしてください。

mokuji目次

  1. オール電化の特徴をおさらい
    1. オール電化住宅とは
    2. オール電化の設備
  2. オール電化のメリット
    1. 光熱費を抑えられる
    2. 火災のリスクを減らせる
    3. キッチンのお手入れがラクになる
    4. 災害対策になる
  3. オール電化のデメリット
    1. 初期費用が高額
    2. 停電時の対策が必要
    3. 昼間の電気代は高くなりやすい
    4. エコキュートの設置場所を考えなくてはならない
  4. オール電化住宅が向いているのはどんな家庭?
  5. オール電化で電気代は節約できる?上手な活用法とは
    1. 使い方や設定を工夫する
    2. 住宅の断熱効率を上げる
    3. 太陽光発電を導入する
    4. 定期的に料金プランの見直しをする
  6. オール電化の導入はライフスタイルに合わせて検討を

オール電化の特徴をおさらい

オール電化の特徴をおさらい

環境への配慮やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)への取り組みが進み、近年オール電化住宅が注目を集めています。

光熱費の負担軽減や安全性の向上などのメリットがある一方で、導入時の初期費用や停電時の備えなどが課題です。

ここでは、オール電化の特徴や必要な設備を詳しく解説します。

オール電化住宅とは

オール電化住宅とは、調理や冷暖房、給湯など生活に必要なエネルギーをすべて電力でまかなう住宅です。

一般的な住宅では調理や給湯にガス(都市ガス・プロパンガス)を使用するのに対し、オール電化住宅ではガスを使用せず、すべてのエネルギーを電気で供給します。

とくに給湯や暖房においては、深夜電力を活用することで光熱費を抑えられます。

ガス併用住宅では電気とガスそれぞれに基本料金が発生しますが、オール電化住宅では電気料金のみとなるため、基本料金を一本化できる点も特徴です。

オール電化の設備

オール電化住宅を実現するためのおもな設備とそれぞれの特徴は、以下のとおりです。

設備

特徴

高効率給湯器
(エコキュート)

・室外機で取り込んだ外気の熱を利用してお湯を沸かす
・深夜電力を使用してお湯を沸かし、お湯を溜めておけるため電気料金の節約になる
・災害時にタンク内の水を生活用水として利用できる
・ヒートポンプ技術により、少ない電力で効率よくお湯を沸かせる

IHクッキングヒーター

・火を使わないので安全性が高い
・ガス火より熱効率がよく高火力である
・天板がフラットで掃除が簡単である
・空気を汚さず、キッチン回りが熱くなりにくい

床暖房

・エコキュートと連携して効率的に部屋全体をあたためられる
・深夜電力で温水を作り、床下に通すことで快適な暖房環境が実現できる
・快適な暖房環境を実現

蓄熱暖房機

・深夜電力で蓄熱レンガをあたため、日中に熱を放出して暖房する
・電気料金が安い時間帯に熱を蓄えることで、暖房費を節約できる

それぞれの特徴を理解することで、より効率的な活用が可能になります。

オール電化のメリット

オール電化のメリット

オール電化住宅には、光熱費の削減や安全性の向上など、多くのメリットがあります。

ここでは、オール電化ならではの4つの大きな利点をご紹介します。

光熱費を抑えられる

オール電化住宅では、電気料金の基本料金のみで済むため、ガス料金の基本料金が不要になります。

また、深夜電力を利用することで、さらなる節約が可能です。

エコキュートをはじめとするオール電化にかかわる設備は、電気料金が安い夜間に熱を蓄え日中に活用することで、効率的にエネルギーを使用できます。

実際の光熱費を比較すると、オール電化住宅の方が一般住宅より光熱費をおさえられる傾向です。

例えば、2人家族の場合、オール電化住宅の平均光熱費は約13,400円です。

一方、電気・ガス併用住宅の場合、2人家族で約15,900円と、オール電化住宅のほうが約2,500円安くなっています。

火災のリスクを減らせる

IHクッキングヒーターを使用するオール電化住宅は、火を使わないため火災のリスクが低減されます。

ガスコンロでは、消し忘れや燃え移りなど不注意による火災の可能性がありますが、IHクッキングヒーターならその心配はありません。

また、ガス漏れや不完全燃焼による一酸化炭素中毒のリスクもなく、安全性が高いと評価されています。

一部の損害保険会社では、オール電化住宅向けの火災保険料の割引プランを提供しています。

キッチンのお手入れがラクになる

IHクッキングヒーターは、ガスコンロと比べて表面が平らなため、お手入れが簡単です。

油汚れや焦げつきなども拭き取りやすく、家事の負担を軽減できます。

火を使わないため、調理時の水蒸気や上昇気流が少なく、換気扇やキッチンまわりも汚れにくい点が特徴です。

災害対策になる

エコキュートや電気温水器のタンクには常時水が貯められており、災害で断水した場合でも生活用水として活用できます。

主流の機種で370L〜460Lほどの水が貯められており、洗濯やトイレなどにも使用可能です。

また、災害時のライフライン復旧においては、ガスよりも電気の方が早い傾向にあります。

東日本大震災では、発災後3日で約80%、8日で約94%の家庭で電気が復旧しました。

一方、ガス管は地中に埋設されているため、破損箇所の特定に時間がかかり、復旧までに時間を要することがあります。

内閣府防災情報「3.11の地震により東北電力で発生した広域停電の概要」

オール電化のデメリット

オール電化のデメリット

オール電化住宅には多くのメリットがある一方で、検討すべき課題もあります。

導入を決める前に、以下の4つのデメリットについてしっかりと理解しましょう。

初期費用が高額

オール電化住宅への移行には、各種設備の導入とそれにともなう工事費用が必要です。

とくにエコキュートは、本体価格に加えて基礎工事費用、水道関連工事費用、電気工事費用などが発生します。

床暖房を導入する場合は、工事費用がさらに高額になる可能性があります。
オール電化住宅の設備の初期費用

設備

設置費用(円)

給湯器(エコキュート)

20万〜150万

IHクッキングヒーター

10万〜50万

床暖房(12畳の場合)

70万〜120万

蓄熱暖房機

20万〜40万

ただし、これらの初期費用は長期的に見ると、光熱費の削減により回収できる可能性があります。

とくに、夜間の割安な電気料金を活用が、ランニングコストをおさえることにつながるでしょう。

停電時の対策が必要

オール電化住宅は電気に依存しているため、停電が発生すると住宅内のすべての熱源が使えなくなります。

調理や冷暖房など、日常生活に大きな支障が出る可能性があります。

停電への備えとして、以下の対策を検討しましょう。
・カセットコンロやボンベを常備する
・太陽光発電システムを導入している場合、停電時での自立運転機能を活用して最低限の電力を確保する
・冬場は石油ストーブをはじめとした非常用暖房器具を準備する
いざというときに困ることのないよう、事前に準備しておきましょう。

昼間の電気代は高くなりやすい

オール電化向けの電気料金プランは、夜間の電気料金が安く設定されている一方で、昼間の電気料金は割高である傾向です。

以下の場合に多くの電力を消費するため、電気代が予想以上に高額になることがあります。
・エコキュートのお湯が不足して日中に「追い炊き」や「沸き増し」が必要な場合
・テレビや冷暖房など利用が日中に多い場合(とくにテレワーク世帯)
電気の使用時間帯によって料金が大きく変動するため、生活スタイルに合わせた電気料金プランの選択が必要です。

エコキュートの設置場所を考えなくてはならない

エコキュートは大型の設備で、貯水タンクとヒートポンプユニットの設置スペースが必要です。

機種によって異なりますが、タンク容量が370L〜460Lクラスの場合、設置には相応の広さが求められます。

さらに、エコキュートは作動時に騒音が発生するため、近隣住宅との距離が近い場合は騒音トラブルの原因となる可能性があります。必要に応じて防音グッズの使用を検討しましょう。

設置場所の選定時には、メンテナンスのための作業スペースの確保も必要であるため、安全性や利便性を確保した設置計画を立てることをおすすめします。

オール電化住宅が向いているのはどんな家庭?

オール電化住宅が向いているのはどんな家庭?

オール電化住宅は、生活スタイルや住宅の条件によってメリットを最大限に活かせる場合とそうでない場合があります。

オール電化に向いている家庭

オール電化に向いていない家庭

・日中家に誰もいない家庭
・光熱費を抑えたい家庭
・災害時に備えておきたい家庭
・火災などの安全性を重視する家庭
・太陽光発電を導入している家庭

・日中、電気を多く使用する家庭
・IHクッキングヒーターでの調理に不安がある家庭
・エコキュートなどの設備を設置するスペースがない家庭
・旅行や出張が多く、夜間の割安な電気代の恩恵を受けにくい家庭
・機器の作動音が気になる近隣住宅がある家庭

近年は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及とともにオール電化住宅の導入が進んでいます。ZEHとは、以下の特徴をもつ住宅のことです。

・高断熱な設備や高性能な省エネ機器を使用して消費エネルギーを極力おさえる
・太陽光発電などで創出したエネルギーにより、年間の一次エネルギー(自然界から得られるそのままのエネルギー)消費量の収支をゼロにすることを目指す

オール電化は、高効率なエコキュートやIHクッキングヒーターなどの設備により、使用するエネルギー量を減らせるため、ZEHの実現に重要な役割を果たします。

また、太陽光発電と組み合わせることで昼間の割高な電気料金を相殺し、より効率的なエネルギー利用が可能になります。

2021年度には、新築の注文戸建住宅の約26.8%※ がZEHとなっており、環境に配慮した新しい住まいの形として広がりを見せています。

とはいえ、政府の掲げる目標の達成には、さらなる取り組みが必要と言われています。

※内閣府「省エネ住宅(ZEH)の選択に係る要因とその普及促進による経済的影響」

オール電化で電気代は節約できる?上手な活用法とは

オール電化で電気代は節約できる?上手な活用法とは

オール電化住宅では、設備の効率的な活用方法を知ることで、さらなる電気代の節約が可能です。

電気代を賢く抑えるための4つのポイントをご紹介します。

使い方や設定を工夫する

深夜電力の活用や設備の設定を工夫することで、電気代を大きく節約できます。

具体的には、以下のとおりです。

節電方法

具体例

深夜電力の活用

洗濯機や食器洗い機、炊飯器など、タイマー機能がついた家電は電気料金が安い夜間に稼働するよう設定

設備の設定の工夫

例:エコキュート
夏場はエコモードや省エネモードを使用し、冬場は湯切れを防ぐため余裕を持った設定にする

日々の工夫を積み重ねることで、より効率的な電気の使用が可能になります。

住宅の断熱効率を上げる

蓄熱暖房機や床暖房、エアコンなどの空調設備は、外気の影響を受けにくい住宅であるほど効率よく機能するため、住宅の断熱性を高めることが効果的です。

断熱効果の高い材料の使用や断熱カーテンの設置など、住宅の断熱性を向上させる工夫で、暖房や冷房にかかる電力消費をおさえつつ、快適な室内環境を維持できます。

太陽光発電を導入する

オール電化住宅に太陽光発電システムを導入することで、日中の高い電気料金という課題を解決できます。

自宅で発電した電力を使用することで、電力会社から購入する電力量(電気料金)を抑制できるためです。

太陽光発電による電力は、昼間の家電使用や追加の湯沸かしなどに活用でき、電気代の大幅な削減につながります。

さらに余った電力は売電することも可能です。

初期費用は必要ですが、長期的に見ると光熱費の削減効果が期待できます。

定期的に料金プランの見直しをする

ライフスタイルの変化に合わせて、定期的に電気料金プランを見直すことも重要です。
  • 家族構成が変わったとき(人数の増減)
  • 日中の在宅時間が増えたとき
  • 引越しをしたとき
  • 太陽光発電を導入したとき
  • 機器の購入、買い替えのとき
なかでもオール電化専用プランは、電気代の節約につながるメリットがあります。

生活スタイルの変化に応じて適切なプランを選択することで、より効率的な電気の使用が可能になるでしょう。

オール電化の導入はライフスタイルに合わせて検討を

オール電化住宅は、光熱費の削減や安全性の向上など、多くのメリットがある一方で、高額な初期費用や停電時の対策など、考慮すべき課題もあります。

最大の特徴である電気代の節約効果は、深夜電力の活用や設備の使い方によって大きく変わります。

家族構成や生活スタイル、住宅条件を考慮し、オール電化のメリットを十分に活かせるかどうかの判断が重要です。

また、太陽光発電との組み合わせや住宅の断熱性向上など、さらなる省エネ効果を得られる工夫も検討してみましょう。

ZEHの普及とともに注目が高まるオール電化ですが、導入を決める際は、自身のライフスタイルに合わせた慎重な判断が求められます

オリコン顧客満足度ランキングでは、ハウスメーカーの利用者へのアンケート調査をもとに算出した「ハウスメーカー 顧客満足度ランキング」を発表しています。ハウスメーカーの利用を検討される際はこちらもぜひご参考いただき、自分に合ったより良い選択肢を見つけてみてください。

※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。
また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。

ハウスメーカー 注文住宅オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    81.0

    スウェーデンハウス

    ※公式サイトへ遷移します。

  • 2位

    78.7

    住友林業

  • 2位

    78.7

    ヘーベルハウス

  • 4位

    78.5

    積水ハウス

  • 5位

    77.5

    一条工務店

  • 6位

    77.2

    パナソニック ホームズ

  • 7位

    76.9

    セキスイハイム

  • 7位

    76.9

    三井ホーム

  • 9位

    76.6

    大和ハウス

  • 10位

    76.1

    ミサワホーム

  • 11位

    76.0

    イシンホーム

  • 12位

    75.8

    住友不動産ハウジング

  • 13位

    75.5

    トヨタホーム

  • 14位

    74.9

    クレバリーホーム

  • 15位

    74.6

    アイ工務店

  • 16位

    73.4

    富士住建

  • 17位

    73.3

    アキュラホーム

    ※公式サイトへ遷移します。

  • 17位

    73.3

    イシカワ

  • 19位

    73.1

    アイフルホーム

  • 19位

    73.1

    桧家住宅

  • 21位

    73.0

    住宅情報館

  • 22位

    72.9

    ユニバーサルホーム

  • 23位

    72.5

    パパまるハウス

  • 24位

    72.3

    ヤマダホームズ

  • 25位

    72.2

    タマホーム

  • 26位

    71.3

    秀光ビルド

  • 27位

    69.7

    アイダ設計

  • 28位

    69.0

    オープンハウス・アーキテクト

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