土地探しのコツは?理想の土地の探し方・購入のポイント・注意点を解説
多くの方にとって、土地探しは人生で初めての経験であり、どこから手をつければ良いのか戸惑うことも少なくありません。
この記事では、土地探しをスムーズに進めるための事前準備や進め方、具体的に探す方法を解説します。
さらに、良い土地を見極めるポイントや注意すべき点、失敗を避けるための対策も紹介します。
理想の暮らしを実現できる最適な土地を見つけるためにも、ぜひ参考にしてください。
目次
土地探しの事前準備|決めておきたいこと
理想の土地選びで失敗しないために、以下のポイントを確認しましょう。
土地探しの目的と理想の暮らしを明確にする
土地を探す目的と実現したい暮らしのイメージを具体的に書き出してみましょう。以下のような整理の仕方が効果的です。
目的の例 | 暮らしのイメージ例 |
子育て | 公園や学校が近い環境 |
老後の備え | バリアフリーな住環境 |
資産形成 | 将来的な価値の維持 |
30年後、40年後といった長期的な視点で、将来の家族構成やライフスタイルの変化も考慮に入れることが大切です。
土地購入の予算を設定し資金計画を立てる
全体の予算を把握し、具体的な資金計画を立てましょう。
予算を考える際は、希望エリアの坪単価や平米単価を確認します。住宅の建築費用も考慮に入れる必要があります。
不動産仲介手数料、契約時の印紙代、司法書士への登記費用、固定資産税など、予想以上に費用がかかることがあります。
諸経費を含めた総額で予算を組み立てることが重要です。
土地選びの優先順位を決める
立地や周辺環境の希望条件に加え、注文住宅で実現したい暮らしも考慮して検討しましょう。
駅からの距離、土地の広さ、日当たり、在宅ワークのための環境など、各条件に優先順位をつけておくことで、土地を見つけた際の判断がしやすくなります。
土地探しにかかる期間を把握する
- 土地探し
- 買付証明書の提出
- 住宅ローンの事前審査
- 土地の売買契約締結
- 住宅ローンの本審査
- 金銭消費賃貸契約
- 土地の引き渡し
- 所有権移転登記
入学や転勤などの期限がある場合は、逆算して計画を立てることをおすすめします。
土地探しのコツ|効率的に進める3つのポイント
土地探しを成功に導くための重要なポイントは、以下のとおりです。
現地調査は必ず自分の目で確認する
土地の状況は、写真や図面だけでは把握しきれない要素があるためです。
現地では、土地の高低差や境界線といった物理的な確認に加えて、周辺の生活環境も詳しくチェックしましょう。
スーパーマーケットやコンビニエンスストア、病院、銀行などの生活利便施設との位置関係は、将来の暮らしやすさを左右する重要な要素となります。
平日・休日や昼夜で異なる雰囲気を把握するため、複数回の訪問がオススメです。
通勤・通学時間帯の道路の混雑状況や、夜間の街灯の明るさ、騒音の有無なども重要なポイントです。
不動産会社やハウスメーカーに相談する
地域の不動産会社は、土地の歴史や周辺環境、最新情報まで把握しています。市場に出回っていない非公開物件の紹介を受けられる可能性もあります。
一方、ハウスメーカーは注文住宅の建築を前提とした土地探しをサポートしてくれる存在で、希望する間取りやプランを実現できる土地を探してもらえるほか、土地と建物を合わせた総予算のバランスも考慮してくれます。
相談の際は、土地の希望条件や建てたい家のイメージ、予算などの情報を整理して伝えましょう。
建築条件付き土地の場合は、指定されたハウスメーカーでの建築が条件となる点にも注意が必要です。
情報収集を怠らない(ネット・役所の活用)
エリアや価格、土地面積、駅からの距離など、さまざまな条件で絞り込んで探すことが可能です。
しかし、インターネット上の情報は更新が遅れている可能性もあるため、実際に問い合わせてみると既に契約済みということもあります。
市区町村の窓口やホームページで公開されているハザードマップなどの公的な情報とあわせて確認することが大切です。
とくに、災害リスクの確認は重要です。
土地が洪水や土砂災害の危険区域に指定されていないか、過去に被害があった場所ではないかなど、役所で提供される情報を確認しましょう。
土地探しの方法|自分に合った探し方を見つける
主な土地探しの方法には以下のような特徴があります。
方法 | メリット | デメリット |
・ 情報量が多い | ・ 情報が最新でない可能性がある | |
・地域の詳しい情報が得られる | ・ 担当者の予定に合わせた調整が必要 | |
・ 土地と建物を一括で検討可能 | ・ 建築を依頼することが前提 | |
・希望エリアを実際に確認できる | ・情報収集に時間がかかる |
インターネット:土地探しサイト・ポータルサイト
エリアや価格、土地面積、駅からの距離などの条件で物件を絞り込めます。
情報を見る際は、更新日時に注目しましょう。最新の情報かどうかを確認し、気になる物件があれば早めに問い合わせることをおすすめします。
ウェブサイトに掲載されている情報が古い場合、すでに契約済みになっている可能性があります。
不動産会社:地域密着型・大手不動産会社
地域密着型の会社は、土地の歴史や周辺環境を熟知しており、街の雰囲気や最新情報まで詳しく教えてもらえます。
不動産会社を選ぶ際は、売買仲介の実績が豊富な会社を選ぶのが重要です。過去の取引実績や、土地の売買仲介を得意としているかどうかを確認すると良いでしょう。
複数の不動産会社を比較検討することで、より多くの物件を見つけられます。
ハウスメーカー:建築条件付き土地・分譲地
特徴を理解し、自分に合った方法を選びましょう。
種類 | メリット | デメリット |
建築条件付き土地 | 土地と建物を一体で検討可能 | 建築会社が限定される |
分譲地 | インフラ整備済み | 価格が比較的高め |
分譲地も施工業者が決められている場合が多いですが、インフラが整備された状態で販売されるため、追加のインフラ整備費用を負担する必要がありません。
自分で探す:空き地・売り地情報
現地を歩くことで、インターネットには載っていない売り地を見つけられる可能性があります。エリアの雰囲気や利便性を実感として把握できます。
気になる土地を見つけたら、近隣の不動産会社に問い合わせてみましょう。
看板に記載された連絡先に直接問い合わせることも可能です。ただし、土地の評価や価格の妥当性の判断は専門家に相談することをオススメします。
土地選びのポイント|良い土地を見極めるチェックリスト
以下の項目を体系的にチェックすることで、将来に渡って快適な暮らしを実現できる土地かどうかを判断しましょう。
項目 | チェックする内容 |
周辺環境 | ・ 商業施設(スーパー、コンビニ、ドラッグストア)の有無 |
土地の形状・面積 | ・整形地か不整形地か |
土地の方角 | ・日当たりの状況確認 |
地盤・災害リスク | ・地盤改良の必要性と費用 |
法規制・インフラ整備 | ・用途地域の確認 |
建築・生活の障害になりそうなもの | ・電柱の位置 |
その他 | ・前面道路の幅員 |
周辺環境
現地に実際に足を運び、生活に必要な施設の有無や、治安の状況などを確認することが大切です。
商業施設や学校・病院の有無
病院や銀行、郵便局などの公共施設の場所も重要なポイントです。
子どもがいる家庭では、小学校や中学校までの距離、通学路の安全性を確認しましょう。
治安
近くに交通量の多い道路やパチンコ店、深夜営業の店舗などがあると、騒音に悩まされる可能性もあります。
ゴミの集積場が近い場合は、臭いが気になることもあるため、注意が必要です。
土地の形状・面積
整形地と不整形地では建築の自由度が異なり、建築計画に制約を与える可能性があります。
正方形や長方形の整形地は、設計の自由度が高く、建物を効率的に配置できます。
一方で不整形地は、三角形や台形、旗竿地などの特殊な形状のため、デッドスペースが生まれやすく、間取りに工夫が必要です。
建ぺい率・面積率
建ぺい率は建物の敷地内での占有度を制限し、容積率は建物の規模を制限します。
数値は用途地域によって定められており、希望する規模の建物が建てられるか判断する重要な基準です。
希望する家の建築可否
整形地は設計上の制約が少なく自由度が高い一方、不整形地は特殊な間取りが必要になったり、デッドスペースが生まれやすくなったりします。
土地選びの際は、建てたい家のプランが実現可能かどうかを、建築の専門家に確認することが重要です。
地盤・災害リスク
地盤が弱い土地では、建物の沈下や傾きを防ぐための対策が必要です。
とくに、かつて湖や沼、河川だった場所を埋め立てた土地は、地盤が軟弱で地震時に液状化する危険性があります。
硬質地盤は、固い岩盤や砂礫を多く含み、地震に強いのが特徴です。土地の高さによって水害のリスクも異なります。
地盤改良費用
地盤が軟弱な場合、50万〜200万円前後の地盤改良費用が必要になることがあります。
売主の承諾が得られれば、土地購入前に地盤調査を実施できる可能性もあります。
承諾が得られない場合は、ハザードマップや古地図などで土地の履歴を確認しましょう。
ハザードマップ
過去の災害履歴とあわせて、土地の安全性を判断する材料とします。
完全に安全な土地は存在しませんが、リスクの高い土地や避難が困難な場所は避けることが賢明です。
法規制・インフラ整備
都市計画法に基づく用途地域の指定により、建てられる建物の用途や規模が定められているほか、建ぺい率や容積率による制限もあります。
上下水道、ガス、電気などの生活に必要なライフラインの整備状況も重要な確認ポイントです。
新興住宅地や新たな造成地では、すでにインフラが整備されているケースが多いものの、それ以外の土地では未整備の可能性があります。
用途地域
住居系、商業系、工業系など13種類の区分があり、各区域で建築できる建物の用途が異なる中、建ぺい率や容積率といった建築制限も用途地域ごとに基準が設けられています。
建築制限
斜線制限には、以下のようなものがあります。
・隣地斜線制限
・北側斜線制限
上下水道
上下水道やガス、電気が敷地内に引き込まれていない場合は、工事費用の負担が発生します。
新興住宅地ではインフラが整備されていることが多いですが、郊外の土地では要注意です。
その他
将来の維持管理や改修にも影響を与える可能性があります。
道路
建築基準法では原則として幅4m以上の道路に2m以上接していることが求められ、一定の条件下で幅4m未満の道路でも建築が認められます。
私道に面している土地の場合は、近隣住民の同意が必要となることもあるため、事前の確認が大切です。
境界線
境界が確定しているか、登記簿の情報や地積測量図、境界標の有無で確認します。
境界が確定していない場合は、売主に境界確定測量を依頼しましょう。
高低差
道路より低い土地では浸水対策として盛土を、高い土地では崖崩れ防止のための擁壁を設置する工事を検討しましょう。
工事には相応の費用がかかるため、事前に確認しておくと安心です。
土地購入の注意点|後悔しないための最終確認ポイント
契約前の重要事項の確認から、購入にかかる費用、将来的なリスクまで、しっかりとチェックしていきましょう。
契約前の確認事項:重要事項説明書、売買契約書
ハザードマップや土地の権利関係、土地にかかっている規制、ライフラインの有無などが主な確認項目です。
不明な点があれば、その場で宅地建物取引士に質問することが大切です。
売買契約書の内容も入念にチェックしましょう。
とくに、境界が確定していない場合や土地の瑕疵が見つかった場合の対応について、売主との責任の所在を明確にしておくことが重要です。
専門的な内容が多いため、不安な点は弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
土地購入にかかる費用:仲介手数料、税金
不動産会社への仲介手数料、印紙代、司法書士への登記費用、固定資産税など、予想以上に費用がかさむため、事前の把握が欠かせません。
自治体の補助金や助成金、減税優遇措置を活用できる可能性もあり、一定の条件を満たした住宅用地の取得では、不動産取得税の減税制度を利用できます。
とくに、土地取得から3年以内に住宅を新築する場合や、新築後1年以内の住宅を取得する場合には、不動産取得税の軽減措置の適用が考えられるため、資金計画の際に検討しておくと良いでしょう。
将来のリスク:都市計画道路、土壌汚染
都市計画道路予定地に指定されている土地は、建築できる住宅に制限があり、将来的に立ち退きを求められる可能性もあります。
購入を検討する際は、役所の都市計画課で事業決定の予定を確認しましょう。
土壌汚染も重要な確認ポイントです。工場跡地やガソリンスタンド、クリーニング店舗があった場所では、地歴調査が行われることがあります。
土壌汚染は人体への健康被害リスクは低いものの、風評被害により資産価値を下げる原因となり得るため、環境省指定の調査機関での確認をおすすめします。
土地探しでよくある失敗談|回避するための対策
良い土地がなかなか見つからない
将来の資産価値など、さまざまな要望が重なり合って、優先順位が曖昧になってしまうことも要因の一つです。
「私にとっての良い土地」の譲れない条件をあらかじめ決めておき、優先順位をつけることが大切です。
条件が良い土地ほどすぐに売れてしまうため、希望をすべて満たしていなくても、70〜80%程度満たしていれば決断することをおすすめします。
後から土地の欠点が見つかった
通勤経路に開かずの踏切があることに気付かず、毎日の通勤に支障をきたすといった事態も起こり得ます。
土地の見学を複数回、異なる時間帯や曜日で行うことが重要です。
夜の時間帯になって初めて気付く街の治安や、隣地の雰囲気の違いもあるため、平日・休日の両方で、昼夜の様子を確認することをおすすめします。
予算を大幅に超えてしまった
諸費用や税金、インフラ整備費用などの追加費用を見落としているからです。
予算超過を防ぐには、自分が実現したい暮らしをイメージし、必要な条件に優先順位を付けておくことが重要です。
予算をオーバーしそうな場合は、優先順位の低い条件から諦めていくことで、予算内での土地購入が可能になります。
購入した土地と建てたい家の条件が合わなかった
土地を購入する前に、必ずハウスメーカーや工務店の担当者に相談することが重要です。
不動産会社は土地の専門家ですが、建物については建築の専門家に意見を求めましょう。
希望する家が実現可能かどうかを事前に確認できます。
土地探しはハウスメーカーへの相談がおすすめ
土地と建物を一体的に検討できるハウスメーカーへの相談は、効率的な土地探しを実現する有効な手段です。
ハウスメーカーは、土地の価格や形状だけでなく、建築プランや予算のバランスまで考慮したアドバイスができます。独自の土地情報を把握しているため、希望に合った未公開物件を紹介してもらえる可能性もあります。
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