住宅ローン控除の初年度には確定申告が必須!やり方や必要書類を解説

住宅ローン控除の初年度には確定申告が必須!やり方や必要書類を解説

住宅ローン控除を受けるためには、初年度に「確定申告」を行うことが必須です。この手続きを正しく行うことで、大きな節税効果を得られる一方、やり方や必要書類に迷う方も少なくありません。

本記事では、住宅ローン控除の基本から、初年度の確定申告のやり方や必要書類、2年目以降の手続きまでを詳しく解説します。

また、確定申告に関するよくあるトラブルへの対処法も紹介。住宅ローン控除を活用して賢く節税するための参考にしてください。

mokuji目次

  1. 住宅ローン控除の基本をおさらい
    1. 控除額と借入限度額
    2. 適用の条件
  2. 住宅ローン控除の初年度は「確定申告」が必要
    1. 初年度における確定申告のやり方
    2. 確定申告に必要な書類
    3. 確定申告書類の提出方法
    4. 還付金の振込時期
    5. 2年目以降の手続き
  3. 住宅ローン控除の確定申告に関するトラブル解決法
    1. 住宅ローン控除の確定申告を忘れてしまった!
    2. ふるさと納税のワンストップ特例制度が使えないって本当?
    3. 確定申告先の管轄税務署が分からない
    4. 住宅ローン控除の確定申告に必要な書類を紛失した
    5. 確定申告自体はしたが住宅ローン控除の適用を忘れた
  4. 住宅ローン控除の1年目は確定申告を忘れずに

住宅ローン控除の基本をおさらい

住宅ローン控除の基本をおさらい

最初に、住宅ローン控除の基本について押さえておきましょう。

住宅ローン控除は、正式には「住宅借入金等特別控除」という名称で、国が設けた税の優遇制度の1つです。一般的に「住宅ローン減税」と呼ばれることもあります。

この制度を利用すると、住宅ローンを10年以上の期間で借り入れて、住宅の新築や購入・増改築などを行った場合に一定の要件を満たすと、年末の住宅ローン残高に応じて所得税が控除され(所得税から控除しきれない場合には、住民税からも控除)、税金が軽減されます。

控除額と借入限度額

住宅ローン控除で、具体的に控除される額は、新築住宅では年末の住宅ローン残高の0.7%(最高35万円)、控除される期間は13年間です。中古住宅の場合は、同じく年末の住宅ローン残高の0.7%(最高21万円)、控除期間は10年間になります。

控除額が所得税よりも多い場合には、残った控除額は控除限度額の範囲内で、住民税額から差し引かれます。

住宅ローン控除を適用できる借入額については、住宅の種類や性能、入居年、家族構成などによって上限額が定められています。詳しくは下表で確認してください。

なお、買取再販住宅とは、宅地建物取引業者(不動産業者)が中古住宅を買い取り、リフォームやリノベーションを実施したうえで販売する住宅のことです。

また、子育て世帯・若者夫婦世帯とは、「19歳未満の子どもがいる世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」のことをいいます。

【新築・買取再販住宅】
住宅の環境性能等 借入限度額 控除期間 控除率
2024年入居 2025年入居
長期優良住宅
低炭素住宅
子育て世帯・若者夫婦世帯 5,000万円 4,500万円 13年間 0.7%
その他の世帯 4,500万円
ZEH水準省エネ住宅 子育て世帯・若者夫婦世帯 4,500万円 3,500万円
その他の世帯 3,500万円
省エネ基準適合住宅 子育て世帯・若者夫婦世帯 4,000万円 3,000万円
その他の世帯 3,000万円
その他の住宅 適用なし(※)
※2023年12月31日までに建築確認を受けた住宅、2024年6月30日までに建築完了した住宅は、借入限度額2,000万円、控除期間は10年

【中古住宅】
住宅の環境性能 借入限度額 適用期間 控除率
2024・2025年入居
長期優良住宅
低炭素住宅
ZEH水準省エネ住宅
省エネ基準適合住宅
3,000万円 10年間 0.7%
その他の住宅 2,000万円

適用の条件

住宅ローン控除の適用を受けるためには、定められた要件を満たす必要があります。要件は、住宅の種類などによって異なりますが、共通する主な要件は下記のとおりです。
住宅ローン控除の主な適用要件
・住宅の引渡しまたは工事完了から6か月以内に入居している
・控除を受ける年末まで引き続き住んでいる
・住宅ローンは返済期間10年以上で借り入れている
・住宅の床面積は50u以上で1/2以上が居住用になっている
・控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下である など
上記に加えて、耐震・耐久性能、省エネ・断熱性能などに優れた認定住宅の場合には、それぞれの性能基準を満たすことで、住宅ローン控除を受けることができます。

また、先の表で示した通り、基本的に認定住宅以外は住宅ローン控除を受けられなくなりました。

認定住宅以外で住宅ローン控除を受けられるのは、「2023年12月31日までに建築確認を受けた住宅」か「2024年6月30日までに建築完了した住宅」のみです。その場合の借入限度額は2,000万円、控除期間は10年になります。

住宅ローン控除の初年度は「確定申告」が必要

住宅ローン控除の初年度は「確定申告」が必要

住宅ローン控除を受けるためには、所得税の確定申告が必要です

ただし、会社員や公務員などの給与所得者の場合、確定申告が必要なのは初年度のみで、2年目以降は勤務先の年末調整で住宅ローン控除を受けられます。自営業者の場合は、毎年確定申告で控除を受けることになります。

初年度における確定申告のやり方

それでは、住宅ローン控除の、初年度における確定申告の流れを見ていきましょう。具体的には、次のような手順で進めていきます。

1.確定申告に必要な書類を準備する

必要書類の詳細については次の項目で説明しますが、自分自身で用意するもの、金融機関から送られるものなどさまざまな書類が必要です。もれのないように準備しましょう。

2.確定申告書を作成する

確定申告書などは、税務署や国税庁のウェブサイトから入手し記載します。また、パソコンやスマートフォンを利用して、国税庁の「確定申告書作成コーナー」で作成し、提出することも可能です。

3.管轄の税務署に提出する

作成した確定申告書は、その他必要書類とともに税務署に提出します。提出期限は、住宅ローン控除を受ける年の翌年2月16日から3月15日までです。ただし、住宅ローン控除など税金の還付申告に特化したものは、1月から申告を受け付けています

確定申告に必要な書類

新築・中古、増改築、認定住宅などによって必要書類は異なりますが、確定申告に共通して必要になる書類は下表のとおりです。

これらの書類を見ながら、「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」と「確定申告書の第一表、第二表」に必要事項を記載していきます。

書類

種類・内容

入手先

確定申告書

確定申告の基本となる第一表、第二表

税務署または国税庁のウェブサイト

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書

控除を受ける年の住宅ローン控除の金額を計算するための書類。計算した額を確定申告書に転記

税務署または国税庁のウェブサイト

本人確認書類

a.マイナンバーカードのコピー
b.マイナンバー通知カードまたはマイナンバー記載の住民票のコピー+運転免許証などの本人確認書類
※aまたはbのいずれか

マイナカードや免許証は手元にあるものをコピー。ない場合は市区町村役所・役場に申請

借入金の年末残高等証明書

住宅ローンの年末時点の借入残高を証明する書類。10〜11月頃に借り入れた金融機関から送付

金融機関

建物・土地の登記事項証明書

住宅の床面積などを証明する資料

法務局

建物・土地の不動産売買契約書(請負契約書)のコピー

住宅の取得日や取得対価(購入金額)などを証明する書類

不動産会社

源泉徴収票(会社員の場合)

年間の給与所得など収入を確認する書類。提出の必要はなし

勤務先

確定申告書類の提出方法

確定申告書や控除額の計算明細書を記載し、必要書類に不備がないかを確認したら、原則として自分の住所地を管轄する税務署に提出します。

提出方法は、「郵送」「税務署に持参」「e-TAX」があります。それぞれ特徴もありますので、自分に合ったやり方で提出しましょう。

提出方法

特徴

郵送

・住所地を管轄する税務署に郵送で提出する
・税務署へ足を運ぶ時間や手間が省ける

税務署に持参

・住所地を管轄する税務署の窓口に直接持参する
・記入の仕方が不明な場合は税務署で相談しながらそのまま提出できる

e-TAX(電子申告)

・国税庁のウェブサイトで確定申告書を作成しインターネットで申告できる
・24時間都合のよいタイミングで申告できる

還付金の振込時期

確定申告の書類を提出して、概ね1か月程度で、指定した金融機関の口座に還付金が振り込まれます。別途、還付金についての通知書も自宅に郵送されます。

2年目以降の手続き

2年目以降の住宅ローン控除の手続きですが、先述の通り、会社員などは勤務先の年末調整で住宅ローン控除が受けられます。自営業者の場合は、毎年申告が必要です。提出書類は、それぞれ以下の2種類になります。
会社員 自営業者
1 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書兼(特定増改築等)住宅借入金等特別控除計算明細書 (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
2 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
「1」の書類は税務署から、「2」の書類は住宅ローンを借り入れた金融機関から、それぞれ10〜11月頃に届きます(自営業者の場合「1」の書類は、税務署か国税庁のウェブサイトより入手)。

必要事項を記入し、会社員は勤務先に、自営業者は管轄の税務署に提出することで、住宅ローン控除が受けられます。

住宅ローン控除の確定申告に関するトラブル解決法

住宅ローン控除の確定申告に関するトラブル解決法

ここまで見てきたように、住宅ローン控除は必要書類を集めて、確定申告や年末調整を受けることで初めて控除が受けられ、税金の還付が受けられます。とはいえ、申告を忘れたなどのトラブルがあったときのことも確認しておきましょう。

住宅ローン控除の確定申告を忘れてしまった!

もしも、住宅ローン控除の確定申告手続きを忘れてしまい、期限が過ぎてしまったときはどうなるのでしょう。結論からいえば、5年以内であれば還付申告は可能です。

例えば、2024年に住宅を購入して確定申告を忘れてしまった場合は、2025年1月1日から2029年12月31日までに確定申告すれば、住宅ローン控除で税金の還付が受けられます。

ふるさと納税のワンストップ特例制度が使えないって本当?

ふるさと納税を利用している人は注意点があります。ふるさと納税には、確定申告不要で寄付金控除が受けられる「ワンストップ特例」という制度があります。

ただし、ワンストップ特例は「確定申告の不要な給与所得者等で、ふるさと納税を行う自治体の数が5団体以内」である場合のみ利用できる制度です。

そのため、初年度に住宅ローン控除の確定申告をする会社員(給与所得者)は要件に当てはまらず、ワンストップ特例は利用できません

確定申告先の管轄税務署が分からない

確定申告書など、住宅ローン控除を受けるための書類は、自分自身の住所地を管轄する税務署に提出します。管轄の税務署がわからない場合には、国税庁のウェブサイトに税務署を検索できるサービスがありますので利用しましょう。

住宅ローン控除の確定申告に必要な書類を紛失した

先述の通り、住宅ローン控除に必要な書類は、税務署や金融機関から送られてくるものありますので、税金の還付を確実に受けるためにも、送られてきた書類は大切に保管したいものです。

とはいえ、年に一度の申告ですから、中には紛失してしまうことがあるかもしれません。そのようなときでも、証明書や申告書は、金融機関や税務署に遠絡すれば再発行してもらえます

「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」は、借入先の金融機関の窓口やウェブサイトなどで手続きします。基本的には無料で発行してもらえるものですが、場合によっては再発行手数料がかかることもあるようです。

「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」については、2年目以降については税務署にから申告に必要な分がまとめて送付されますので(新築なら12年分)、控除期間の途中で紛失の可能性もあります。紛失に気がついたら、すぐに税務署に出向き、再発行の手続きをしておきましょう

確定申告自体はしたが住宅ローン控除の適用を忘れた

自営業者の場合、所得の種類に応じて毎年確定申告を行い、税金の納付や還付を受けます。そのため、毎年の確定申告は通常通り行ったものの、住宅ローン控除の適用手続きを忘れることがあるかもしれません。

こういったケースでは、確定申告期間内に気がつけば、あらためて住宅ローン控除を含めて申告し直すことは可能です

一方で、申告期間が過ぎてしまった場合は、控除の適用を受けることは難しいといわれています。申告期間後に、住宅ローン控除の適用を忘れたことに気がついた場合は、早めに税務署に相談するようにしましょう

住宅ローン控除の1年目は確定申告を忘れずに

住宅ローン控除は、新築住宅で最長13年間、中古住宅で10年間所得税が控除される制度です。税金の還付が受けられるため、住宅ローンを借り入れてマイホームを購入したら、必ず利用するべき税の優遇制度です。

住宅ローン控除の適用を受けるためには、1年目は必ず確定申告が必要になります。2年目以降は、会社員や公務員などの給与所得者は年末調整で、自営業者は引き続き確定申告で控除の手続きをします。

申告に必要な書類はさまざまありますので早めに手元に準備し、期限内に確定申告を済ませるようにしましょう。

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  • 1位

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  • 2位

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    住友林業

  • 2位

    78.7

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  • 4位

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    積水ハウス

  • 5位

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  • 6位

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    パナソニック ホームズ

  • 7位

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  • 7位

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  • 9位

    76.6

    大和ハウス

  • 10位

    76.1

    ミサワホーム

  • 11位

    76.0

    イシンホーム

  • 12位

    75.8

    住友不動産ハウジング

  • 13位

    75.5

    トヨタホーム

  • 14位

    74.9

    クレバリーホーム

  • 15位

    74.6

    アイ工務店

  • 16位

    73.4

    富士住建

  • 17位

    73.3

    アキュラホーム

    ※公式サイトへ遷移します。

  • 17位

    73.3

    イシカワ

  • 19位

    73.1

    アイフルホーム

  • 19位

    73.1

    桧家住宅

  • 21位

    73.0

    住宅情報館

  • 22位

    72.9

    ユニバーサルホーム

  • 23位

    72.5

    パパまるハウス

  • 24位

    72.3

    ヤマダホームズ

  • 25位

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    タマホーム

  • 26位

    71.3

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