2016年02月29日 09時00分
誰でもわかる【投資信託】(12) バランス型の魅力はどこ?
【図表】タイプ別にみる“投資対象”
投資信託の魅力のひとつは、1本の投信を買うだけで、たくさんの銘柄に分散投資したのと同様の効果が得られること。さらに「バランス型」の投信なら、株式や債券、リートなど、さまざまな資産に分散投資ができる。さまざまなタイプがあるので、詳しく見ていこう。
■1本の投信で幅広いエリア、資産に分散投資
バランス型ファンドとは、複数の資産、エリアに幅広く分散投資する投信で、投資対象、投資エリアは個々の投信によって異なる。
投資対象の中心は、株式と債券、REITで、一部コモディティに投資するタイプもある。REITやコモディティは株式や債券とは異なる値動きをする性質があるため、併せ持つことで分散効果が期待できる。
エリアは国内、先進国を対象としたもののほか、新興国を含むタイプも少なくない。インデックスファンドを組み合わせて分散投資するといった方法もあるが、バランス型なら1本で幅広い分散投資が可能だ。
■バランス型にもさまざまなタイプ
各資産やエリアにどのような比率で投資するかも投信によって違いがあり、「どこの」「何に」「どのような比率で」で投資する投信なのかをチェックすることが、バランス型投信を選ぶ際のポインとなる。
わかりやすいのは、各資産に同じ比率で投資するタイプで、国内と先進国の株式、債券に25%ずつ、などの例がある。
対して、過去の値動きなどを参考に比率を決めているタイプもある。運用会社が、過去のデータなどを参考にしながら「リスクを抑えながら効率的にリターンを得ること」を目指して基本的な比率を決定。市場環境に応じて、一定の範囲で比率を調整する例もある。
このタイプでは、投資家がリスク許容度や期待するリターンに応じて投資できるよう、複数のタイプを用意しているケースもある。たとえば、債券や国内への投資比率が高めの「安定型」、株式や海外に積極的に投資する「成長型」、その中間の「安定成長型」といった具合で、成長型から安定型へなど、手数料なしで乗り換えられる例もある。
■値下がりを避けることを目標にしたタイプも
多くの資産に分散投資することで、値動きが抑えられる効果が期待できるが、絶対に値下がりしないというわけではないことは認識しておきたい。
とくに、近年では世界同時株安、株式と債券の同時安といった現象が起きることもあり、分散効果が得にくい局面もある。
最近では、値下がりしないことを運用目標に掲げるバランス型投信もある。先行きが不透明な局面では、株式や債券などの売却し、資産のほとんどを預金にシフトして待機する、といった手法がとることで値下がりを避ける、というものだ。
預金よりは有利に増やしたいが値下がりは避けたい、といった場合などに選択肢となるだろう。
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