逓減定期保険とは?仕組みとメリット・デメリットを解説

逓減定期保険とは?

大きな保障を安い保険料で調達できる定期保険。逓減定期保険とは保険料が一定なものの、加入期間が進むにつれて保障額が徐々に減っていく定期保険のことです。保険金が減ることから「損じゃないかな?」と思うかもしれませんが、保険料は通常の定期保険の約半分!どうしてこんなに安い保険料となるのでしょうか。
新井智美

監修者 トータルマネーコンサルタント 新井智美

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マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。

現在年間200本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。

(保有資格)
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
・CFP®
・DC(確定拠出年金)プランナー
・住宅ローンアドバイザー
・証券外務員

mokuji目次

  1. 逓減(ていげん)定期保険とは?読み方と基本的な定義
    1. 「逓減」の読み方と意味
    2. 逓減定期保険の基本的な仕組み
    3. なぜ保険金が減っても合理的なのか
  2. 逓減定期保険の種類(逓減タイプ)
    1. 毎年一定の割合で保険金が減少するタイプ
    2. 保険期間を2期以上に分けて逓減率を変えるタイプ
  3. 逓減定期保険のメリット
    1. 平準定期保険より保険料が割安
    2. ライフステージの変化に合わせた合理的な保障
  4. 逓減定期保険のデメリット・注意点
    1. 掛け捨てで貯蓄性がない
    2. 逓減割合の確認が必要
    3. 取り扱う保険会社が少ない
  5. 逓減定期保険と収入保障保険の違い
    1. 保険金の受取方法の違い
    2. 保険金にかかる税金の違い
  6. 逓減定期保険が向いている人
    1. 子育て世帯の家計を支える人
    2. 住宅ローンを組んでいる人(団信の代替として)
  7. 逓減定期保険への理解を深めて、自分に合った保険を選ぼう

逓減(ていげん)定期保険とは?読み方と基本的な定義

逓減(ていげん)定期保険とは?読み方と基本的な定義

逓減定期保険とは、保険期間が経過するにつれて死亡保険金額が段階的に減少していく定期保険です。

「保障が減る保険」と聞くとデメリットのように感じるかもしれません。しかし、死亡保障は常に同じ金額が必要とは限りません。必要な保障額は年齢や家族構成によって変化するため、その変化に合わせて保障額も減らしていく合理的な保険として利用されています。

まずは「逓減」という言葉の意味や、保険の仕組みについて見ていきましょう。

「逓減」の読み方と意味

「逓減」は「ていげん」と読みます。逓減とは、「徐々に減少する」「段階的に少なくなる」という意味です。
そのため、逓減定期保険とは、契約時には大きな保障額を確保しながらも、保険期間が進むにつれて死亡保険金額が一定のルールに従って減少していく定期保険を指します。

例えば、契約時の死亡保険金額が3,000万円であっても、数年後には2,700万円、さらにその後は2,400万円というように、保険金額があらかじめ決められた割合で減少していきます。

このように、必要保障額の変化に合わせて保障額を減らすことを前提とした保険であることが大きな特徴です。

逓減定期保険の基本的な仕組み

逓減定期保険では、保険期間中に死亡保険金額が徐々に減少します。一方で、多くの商品では保険料は契約時から保険期間満了まで変わりません。

つまり、
・保険料は一定
・保険金額は年々減少
というシンプルな仕組みになっています。イメージすると次のようになります。

逓減定期保険の仕組み

保険金額は契約時に決められたルールに沿って減少するため、途中で保障額が急に変わることはありません。契約時に将来の保障の推移があらかじめ決まっているため、ライフプランに合わせて設計しやすい保険といえるでしょう。ただし、具体的な減少方法や保険料の仕組みは商品によって異なります。加入を検討する際は、契約時の保険金額だけでなく、5年後や10年後、満了直前などにいくら受け取れるのかまで確認することが大切です。

なぜ保険金が減っても合理的なのか

逓減定期保険が合理的といわれる理由は、必要な死亡保障額も時間の経過とともに減少するケースが多いためです。例えば、子どもが生まれたばかりの頃は、教育費や生活費などを考えると、多額の死亡保障が必要になります。しかし、子どもが成長して独立すれば、教育費が必要となる期間や、遺族の生活費を準備すべき期間は短くなっていくでしょう。

さらに、毎月の貯蓄や資産形成が進めば、自分で準備できる資産も増えていきます。

このように、
・教育費が必要となる期間の短縮、遺族の生活費を準備すべき期間の短縮
・貯蓄、資産の増加
によって、遺族に必要な保障額は徐々に少なくなるケースがあります。

逓減定期保険は、この「必要保障額の減少」に合わせて保障額も減るため、必要以上の保障を持ち続けることなく、保険料を抑えながら効率的に備えられる仕組みとなっています。

逓減定期保険の種類(逓減タイプ)

逓減定期保険の種類(逓減タイプ)

逓減定期保険には、保障額の減少方法によっていくつかのタイプがあります。それぞれ特徴が異なるため、自分のライフプランに合ったものを選ぶことが大切です。ここでは代表的な2つのタイプを紹介します。

毎年一定の割合で保険金が減少するタイプ

このタイプは、保険期間中に毎年一定の割合で死亡保険金額が減少していく仕組みです。商品によって減少割合は異なるものの、 保険期間中に毎年一定の割合で減少していくため、保障額の推移がわかりやすく、シンプルな設計になっています。

一方で、減少率が契約時に決まっているため、「子どもが独立するまでは保障を厚くしたい」「特定の時期までは保障額を大きく減らしたくない」といった細かなライフイベントには対応しにくい場合があります。

そのため、保障設計をシンプルにしたい人に向いているタイプといえるでしょう。

保険期間を2期以上に分けて逓減率を変えるタイプ

こちらは、保険期間を2期以上に分け、それぞれ異なる割合で保険金額が減少するタイプです。例えば、保険期間の前半は保障額の減少をゆるやかにし、後半で減少ペースを変えるといった設計が可能な商品もあります。子どもが小さい時期や教育費の負担が大きい時期には保障を残し、その後の必要保障額の減少に合わせて保障額を調整しやすい点も特徴です。

ただし、逓減率や保険期間の区分は商品ごとに異なります。希望する時期に自由に保障額を増減できるわけではないため、加入前に保険金額の推移表を確認することが大切です。

ライフイベントに応じて保障額の減少ペースをある程度調整できるため、より実際の必要保障額に近い保障設計を行いたい方に向いています。

逓減定期保険のメリット

逓減定期保険のメリット

逓減定期保険には、保険料を抑えながら必要な保障を確保できるという特徴があります。ここでは、代表的なメリットを2つ紹介します。

平準定期保険より保険料が割安

逓減定期保険は、一般的な平準定期保険よりも保険料を抑えられる傾向があります。その理由は、死亡保険金額が年々減少するためです。契約期間を通じて同じ保険金額が続く平準定期保険と比べると、逓減定期保険は保険期間の経過に応じて保障額が減っていくため、その分保険料も低く設定されやすくなっています。

例えば、契約期間を通じて3,000万円の保障が続く平準定期保険と比べると、逓減定期保険では必要保障額に合わせて保険金額が減少するため、合理的な保険料で保障を準備しやすいでしょう。

「一定期間だけ大きな保障が必要」という方にとっては、保険料を抑えながら必要な保障を確保しやすい保険といえます。

ライフステージの変化に合わせた合理的な保障

逓減定期保険は、家族構成や生活環境の変化に合わせた保障を準備しやすいこともメリットです。子どもが小さいうちは教育費や生活費などの負担が大きいため、多くの保障が必要になる場合があります。一方で、子どもが成長するにつれて教育費が必要となる期間や、遺族の生活費を準備すべき期間は短くなっていきます。また、貯蓄や資産形成が進めば、万一のときに遺族が使える資産も増えていくでしょう。

逓減定期保険なら、この必要保障額の変化に合わせて保障額も自動的に減少するため、必要以上の保障を持ち続けることを避けやすく、途中で保険を見直す手間を一定程度減らせます。

また、死亡保険金を一括で受け取れる商品であれば、葬儀費用や教育費など、一時的にまとまった資金が必要になった場合にも活用しやすいでしょう。

逓減定期保険のデメリット・注意点

逓減定期保険のデメリット・注意点

逓減定期保険には多くのメリットがありますが、加入前に知っておきたい注意点もあります。特に以下の3つの点には注意しておきましょう。

掛け捨てで貯蓄性がない

逓減定期保険は、基本的に掛け捨て型の生命保険です。そのため、保険期間中に死亡保険金の支払事由が発生しなければ、支払った保険料は戻りません。また、多くの商品では満期保険金がなく、解約返戻金もない、またはあってもごく少額です。

「保障を確保すること」が目的の保険であるため、資産形成や貯蓄を重視する方にはあまり向いていません。

保険と貯蓄は分けて考えたい方に適した保険といえるでしょう。

逓減割合の確認が必要

逓減定期保険は、商品によって保障額の減り方が異なります。

例えば、
・いつから保険金額が減少するのか
・毎年どのくらい減少するのか
・最終的にいくらまで減少するのか
などは、商品ごとに異なります。

契約時に「契約当初の保険金額」だけを見てしまうと、保険期間の後半で保障額が想定より少なくなっていることもあります。

特に、保険期間の終了間際に万が一のことがあった場合は、受け取れる保険金が契約当初より大きく減っている可能性があるため、保障額の推移は事前に確認しておきましょう。

取り扱う保険会社が少ない

近年は、逓減定期保険を取り扱う保険会社が以前より少なくなっています。これは、同じように必要保障額の減少に対応できる「収入保障保険」が普及したことも一因と考えられます。そのため、平準定期保険や収入保障保険と比べると、商品数が限られており、選択肢はそれほど多くありません。

保険会社によって保障内容や逓減の仕組みも異なるため、複数の商品を比較し、自分のライフプランに合ったものを選ぶことが大切です。

逓減定期保険と収入保障保険の違い

逓減定期保険と収入保障保険は、どちらも必要保障額の減少に合わせて設計された死亡保険です。そのため、よく比較される保険でもあります。

一方で、保険金の受け取り方や保険料、税金の取り扱いなどには違いがあります。まずは主な違いを表で確認してみましょう。
比較項目 逓減定期保険 収入保障保険
保険金の受取方法 一括受取(一時金) 年金形式(毎月)が基本
※一括選択可
保険金総額の変動 死亡時期が早いほど多い 死亡時期が早いほど多い
保険金にかかる税金 相続税(原則) 一括の場合 相続税

年金形式の場合
1年目:相続税、2年目以降:所得税(雑所得)
保険料水準 やや高い 低い(分割払いで保険会社が運用しやすいため)
向いているケース まとまった資金を一度に確保したい人 毎月の生活費として継続的に受け取りたい人
※税金の取り扱いは契約形態や受取人などによって異なる場合があります。ここでは、契約者=被保険者、受取人=相続人という代表的なケースを前提にしています。

保険金の受取方法の違い

逓減定期保険と収入保障保険の最も大きな違いは、保険金の受け取り方です。逓減定期保険では、被保険者が亡くなった場合に死亡保険金を一括で受け取るのが基本です。一方、収入保障保険では、契約時に定めた年金月額を、保険期間の満了まで毎月受け取るのが一般的です。商品によっては、一括で受け取ることを選択できるものもあります。

そのため、必要となる資金の使い方に応じて選ぶことが大切です。

例えば、
・葬儀費用や当面の生活立て直し資金、教育費など、まとまった資金を確保したい場合は逓減定期保険
・毎月の生活費を継続的に補いたい場合は収入保障保険
というように考えると選びやすいでしょう。

なお、住宅ローンに団体信用生命保険が付いている場合、被保険者の死亡により住宅ローン残高が弁済されることがあります。そのため、住宅ローン返済分を死亡保障に含める必要があるかは、団信の加入状況を確認して判断しましょう。

保険金にかかる税金の違い

保険金の受け取り方が異なるため、税金の取り扱いにも違いがあります。逓減定期保険では、一括で死亡保険金を受け取るため、契約者・被保険者・受取人の関係によって異なりますが、一般的には相続税の対象となります。相続税の対象となる場合には、生命保険金の非課税枠が利用できるケースがあります。

一方、収入保障保険を年金形式で受け取る場合は、初年度に受け取る保険金は相続税の対象となる一方、2年目以降の年金については所得税(雑所得)の対象となる場合があります。

税金の取り扱いは契約形態によって異なるため、加入前だけでなく、実際に保険金を請求する際にも保険会社や税務署、税理士などに確認しておくことが大切です。

逓減定期保険が向いている人

逓減定期保険が向いている人

逓減定期保険が向いている人の特徴としては次のような人が挙げられます。

子育て世帯の家計を支える人

子育て中の家庭では、子どもが小さいほど教育費や生活費などの負担が大きくなります。万が一、家計を支えている人が亡くなると、遺された家族は長期間にわたって生活費や教育費を負担しなければなりません。そのため、子どもが小さい時期ほど大きな死亡保障が必要になります。

しかし、子どもが成長して就職・独立すれば、必要な保障額は自然と少なくなります。

逓減定期保険は、このようなライフステージの変化に合わせて保障額が減少するため、合理的に備えられる保険といえるでしょう。

住宅ローンを組んでいる人(団信の代替として)

住宅ローンを利用している方にも、逓減定期保険は向いています。住宅ローンは返済が進むにつれて残高が減少するため、必要となる保障額も徐々に少なくなります。そのため、保障額が段階的に減少する逓減定期保険は、住宅ローンの返済計画と合わせやすい特徴があります。

また、住宅ローンでは団体信用生命保険(団信)への加入が一般的ですが、フラット35など、一部では団信への加入が任意となっているケースもあります。

そのような場合には、万が一に備える方法の一つとして、逓減定期保険を検討することも選択肢となります。ただし、団信と逓減定期保険では保障内容や加入条件が異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで選ぶことを心掛けましょう。

逓減定期保険への理解を深めて、自分に合った保険を選ぼう

逓減定期保険は、保険期間の経過とともに死亡保険金額が徐々に減少する仕組みの定期保険です。

子どもの成長や住宅ローンの返済、貯蓄の増加などによって必要保障額が減っていくライフステージに適しており、合理的に保障を準備できる点が大きな特徴です。また、平準定期保険と比べて保険料を抑えやすいことも魅力といえるでしょう。

一方で、掛け捨て型であることや、商品によって保障額の減少ペースが異なること、取り扱う保険会社が限られることには注意が必要です。

また、同じように必要保障額の減少に対応する保険として収入保障保険もありますが、保険金の受け取り方や税金の取り扱いなどに違いがあります。ご自身や家族がどのような保障を必要としているのかを踏まえて比較・検討することが大切です。

具体的な商品を比較する際は、保障内容や保険会社のサポート体制なども確認しながら選びましょう。オリコンでは生命保険の顧客満足度ランキングを発表しています。記事の内容と合わせてぜひ参考にしてください。
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生命保険オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    72.7

    ライフネット生命

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  • 2位

    72.0

    ソニー生命

    ※公式サイトへ遷移します。

  • 3位

    71.6

    アフラック

  • 4位

    71.4

    プルデンシャル生命

  • 5位

    71.3

    三井住友海上あいおい生命

  • 6位

    71.0

    東京海上日動あんしん生命

  • 7位

    70.4

    アクサ生命

  • 8位

    70.3

    ジブラルタ生命

  • 9位

    70.0

    チューリッヒ生命

  • 10位

    69.9

    メットライフ生命

  • 11位

    69.6

    かんぽ生命

  • 12位

    69.2

    明治安田

  • 13位

    69.1

    住友生命

  • 14位

    69.0

    FWD生命

  • 14位

    69.0

    はなさく生命

  • 16位

    68.9

    オリックス生命

  • 16位

    68.9

    SOMPOひまわり生命

  • 16位

    68.9

    大樹生命

  • 16位

    68.9

    太陽生命

  • 16位

    68.9

    富国生命

  • 21位

    68.8

    日本生命

  • 22位

    68.5

    SBI生命

  • 22位

    68.5

    マニュライフ生命

  • 24位

    68.2

    第一生命

  • 24位

    68.2

    第一フロンティア生命

  • 26位

    68.1

    メディケア生命

  • 27位

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  • 28位

    66.6

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