障害年金の金額はいくら?種類や等級ごとに受け取れるお金や申請方法を解説

障害年金の金額はいくら?種類や等級ごとに受け取れるお金や申請方法を解説

日本の年金制度の中には、障害年金があります。これから生命保険に加入しようとしている人のなかには、障害年金が受け取れる場合、いくらの金額が受け取れるのか気になる人もいるのではないでしょうか。

今回は障害年金の概要について解説するとともに、障害年金を受け取るために必要な申請の流れについて紹介します。

合わせて生命保険の障害給付金についても説明しますので、これから生命保険に加入しようとしている人は参考にしてください。

mokuji目次

  1. 障害年金の役割をおさらい
  2. 障害年金の種類と受け取れる条件は?
    1. 障害基礎年金
    2. 障害厚生年金
    3. 障害手当金
  3. 【障害の等級別】令和6年度の障害年金の金額
  4. 障害の程度を表す障害等級
    1. 障害等級1級
    2. 障害等級2級
    3. 障害等級3級
  5. 障害年金のシミュレーションをしてみよう
    1. 国民年金加入者の場合
    2. 厚生年金加入者の場合
  6. 障害年金支給申請の流れ
  7. 生命保険の障害給付金にも注目
  8. 障害年金の金額を把握して、もしもに備えよう

障害年金の役割をおさらい

障害年金の役割をおさらい

障害年金とは、国民年金もしくは厚生年金に加入している間にケガや病気なので障害を負った際に、生活を支援するために支給される年金です。

対象となる障害には、視覚障害や肢体不自由だけでなく、ガンや糖尿病などといった内部疾患や、統合失調症もしくはうつ病などの精神障害があり、障害によって仕事や日常生活に制限が生じる場合に受け取れます

また、20歳になるまでに障害を負った場合は国民年金に加入していませんが、20歳になったときから「20歳前傷病による障害基礎年金」が受け取れます。

障害年金の種類と受け取れる条件は?

障害年金の種類と受け取れる条件は?

障害年金は、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」に分れており、それぞれで障害年金がもらえる条件や種類が異なります。

障害基礎年金および障害厚生年金は、原則として国民年金もしくは厚生年金に加入している時に負った病気やケガなどが理由で障害の状態になり、かつ保険料の納付期間の要件を満たしいていなければ受給できません。

それぞれの要件については後述しますが、その中に出てくる「初診日」や「障害認定日」の意味について知っておきましょう。

「初診日」とは、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師の診察をうけた日のことを言います。

そして「障害認定日」とは、障害の原因となった病気やケガの初診日から1年6ヶ月を過ぎた日、もしくは1年6ヶ月以内に障害の症状が固定した日です。
参考:日本年金機構|障害年金ガイド 令和6年度版

障害基礎年金

国民年金の被保険者は、以下の条件を全て満たすことで障害基礎年金を受け取れます。
1.国民年金に加入期間中、もしくは20歳を向かえる前、または日本に在住している60歳以上65歳未満で、任意加入など年金制度に加入していない期間に初診日があること

2.障害認定日に障害等級表にある1級もしくは2級に該当する状態にあること

3.初診日の前日に、初診日がある月の前々月までに保険料納付済期間もしくは保険料免除期間が3分の2以上あること
3については初診日において65歳未満、かつ初診日の前日に、初診日のある前々月までの直近1年間において保険料の未納がなければよく、20歳を向かえる前に受診日がある場合における納付要件はありません。

障害厚生年金

障害厚生年金は、原則として厚生年金の被保険者に支給される障害年金です。厚生年金の被保険者は自動的に国民年金にも加入していることになっているため、障害の程度が1級もしくは2級に該当する場合、障害厚生年金と障害基礎年金を同時に受けられます

障害厚生年金が支給されるためには、以下に挙げる全ての条件を満たさなければなりません。
1.厚生年金保険の被保険者期間中に障害の原因となった病気やケガの初診日があること

2.障害認定日に障害等級表にある1から3級の障害の状態が該当すること

3.初診日の前日に、初診日のある前々月までの被保険者期間において、公的年金の保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上あること
3については、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日に、初診日のある前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと。

障害手当金

障害手当金は障害厚生年金にだけ用意されているものです。厚生年金の被保険者期間中に、障害の原因となった病気やケガの初診日がある場合に、一時金として支給されます。

また、障害の原因となった病気やケガの初診日から5年以内に症状が固定した場合に、障害厚生年金を受け取れるよりも軽い障害の状態である場合にも支給されます。

障害手当金を受給するためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
1.初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間において、公的年金の保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上あること

2.初診日において65歳未満の場合、初診日の前日に、初診日のある前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと

【障害の等級別】令和6年度の障害年金の金額

【障害の等級別】令和6年度の障害年金の金額

障害年金を受け取れる場合、いくらの金額が受け取れるのでしょうか。

障害年金の金額は、年金の種類や障害の程度、さらには配偶者の有無やこどもの数などで変わります。2024年度の具体的な金額について、以下に表にしておきますので参考にしてください。

また、障害年金の額は受け取りはじめたら一定ではありません。毎年物価の影響を考慮しながら、年金額が変更されます。
参考:日本年金機構|障害年金ガイド 令和6年度版
参考:日本年金機構|障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額
参考:日本年金機構|障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額
障害等級 生年月日 障害基礎年金 障害厚生年金
1級 昭和31年4月2日以後生まれ 1,020,000円 報酬比例の年金額
×1.25
昭和31年4月1日以前生まれ 1,017,125円
2級 昭和31年4月2日以後生まれ 816,000円 報酬比例の年金額
昭和31年4月1日以前生まれ 813,700円
3級 昭和31年4月2日以後生まれ なし 報酬比例の年金額
最低保証額:612,000円
昭和31年4月1日以前生まれ なし 報酬比例の年金額
最低保証額:610,300円
障害基礎年金には「子の加算額」が用意されており、子ども2人目までは1人につき234,800円、3人目以降では1人につき78,300円が加算されます。

ただし、ここで言う子どもとは「18歳になった後の最初の3月31日までの子」もしくは「20歳未満で障害等級1級または2級の障害の状態にある子」です。

障害厚生年金には「配偶者の加給年金額」があり、障害等級が1級または2級に該当し、65歳未満の配偶者がいる場合に234,800円が加算されます。

また、障害基礎年金を受け取る場合、条件によっては「障害年金生活者支援給付金」の対象になります。
・障害基礎年金の受給者であること
・前年の所得が 4,721,000円以下であること
この両方を満たなければなりませんが、条件を満たす場合、障害等級が1級の場合月額6,638円、2級の場合は5,310円を受け取れます。

障害年金生活者支援給付金は申請しないと受け取れませんので、条件に合っていれば忘れないように申請しましょう。手続きは年金事務所もしくは市区町村役場の窓口で行えます。

障害の程度を表す障害等級

障害の程度を表す障害等級

障害の程度を表す障害等級は、身体障害者手帳の等級とは異なる点にまず注意しておきましょう。障害年金は仕事や生活を支援するために支給されるものですので、障害年金がもらえる条件として等級の程度についても知っておくことが大切です。
参考:日本年金機構|障害年金ガイド 令和6年度版

障害等級1級

障害等級1級とは、他人による介助を受けなければ、日常生活のことがほとんどできない障害の状態であることを指します。

身のまわりのことはかろうじてできるものの、それ以上の活動はできないケースや、制限されているケースのほか、入院や在宅介護を必要とするケースが該当します。

具体的な例としては、以下のものが挙げられます。
・両眼の視力レベルがそれぞれ0.03以下の場合
・両耳の聴力レベルがそれぞれ100デジベル以上
・両上肢の機能に著しい障害がある
・両下肢の機能に著しい障害がある など

障害等級2級

障害等級2級に該当するのは、他人の助けが必須というわけではないものの、日常生活は極めて困難で、労働による収入を得られない障害の状態にある場合です。

例えば、家庭内で食事を作るなどの活動はできても、それ以上重い活動はできない、または制限されているケースや、入院や在宅で活動の範囲が病院内もしくは家屋内に限られるなどが挙げられます。

具体的には、以下の状態に該当する場合に、障害等級2級と認められます。
・両眼の視力がそれぞれ0.07以下である
・両耳の聴力レベルが90デシベル以上である
・平衡機能に著しい障害がある
・そしゃく機能を欠く
・言語機能に著しい障害がある など

障害等級3級

障害等級3級は障害厚生年金のみにある等級です。そして、3級に該当するのは、労働に対して著しい制限を受ける状態であることや、制限を加えることが必要な状態であることが該当します。つまり、日常生活にはあまり支障はないものの、労働については制限があるケースが該当します

具体的には以下の状態に該当する場合に、障害等級3級とみなされます。
・両眼の視力がそれぞれ0.1以下である
・両耳の聴力が、40センチメートル以上では通常の話声を理解できない程度であること
・そしゃくまたは言語機能に相当程度の障害を残していること など
なお、障害手当金に該当するのは、

・両眼の視力がそれぞれ0.6以下になったこと
・片眼の視力が0.1以下になったこと
・脊柱の機能に障害があること

などです。

障害年金のシミュレーションをしてみよう

障害年金のシミュレーションをしてみよう

では実際に障害年金を受け取れる状態になった際には、いくらの金額が受け取れるのでしょうか。ここでは、国民年金加入者の場合と厚生年金加入者の場合に分けて試算します。

国民年金加入者の場合

【試算条件】
42歳、自営業
妻と子ども2人(どちらも18歳以下)の4人家族
障害等級:2級
国民年金加入者の場合は障害基礎年金を受け取れます。

障害基礎年金2級の金額は、障害老齢年金の額と同じ、つまり2024年度の老齢基礎年金額である816,000円に子どもの加算額(234,800円×2)の合計、1,285,600円が受け取れます。

ただし、子どもが18歳の年の3月31日に達すると1人ずつの加算額が減ってしまう点に注意しておきましょう。

厚生年金加入者の場合

【試算条件】
32歳、会社員(勤続年数10年)
妻と子ども(3歳)の3人家族
平均標準報酬額:30万円
障害等級:1級
まず、厚生年金加入者の場合、障害基礎年金も受け取れます。今回は障害等級が1級ですので、816,000×1.25=1,020,000円に子どもの加算額234,800円を合わせた1,254,800円が障害基礎年金額です。

そして障害厚生年金の額は平均標準報酬額×(5.481/1,000)×2003年4月以後の被保険者期間月数(最低300月)で求めるため、493,290円、それに1.25を乗じた616,600円に配偶者の加給年金額である234,800円の合計841,400円です。

障害基礎年金と合計すると、2,096,200円が受け取れる障害年金額です。

障害年金支給申請の流れ

障害年金支給申請の流れ

障害年金を受給するためには、必要書類を揃え、申請(請求)しなければなりません。また請求手続には2ヶ月〜3ヶ月程度かかりますので、受給要件に該当したと分かった時点で早めに申請するようにしましょう

申請は年金事務所にて行います。障害基礎年金だけの申請なら市区町村役場の窓口でも構いません。

ここでは障害年金の支給申請の流れについて説明します。
1.初診日がいつかを確認する
2.保険料の納付要件を満たしているかを確認する
3.初めて診察を受けた医療機関で「受診状況等証明書」を取得する
4.医師に診断書を書いてもらう
5.病歴・就労状況等申立書を作成する
6.年金請求書や住民票、年金を受け取る口座番号が分かるものと合わせて、これまで準備した書類(受診状況等証明書など)を年金事務所に提出する
ただし、障害年金は申請したからといって必ず受け取れるものではありません。審査を経て、受給が妥当と認められた場合に受け取れます。その際には、「年金証書」と「決定通知書」が送られてきますので、大事に保管しておきましょう。

また、決定までには2ヶ月〜3ヶ月程度かかりますが、支給が決定された場合には、申請時にさかのぼった金額が支給されます。

生命保険の障害給付金にも注目

生命保険の障害給付金にも注目

加入している生命保険の種類や契約内容によっては、障害を認定された場合に障害特約によって障害給付金を受け取れる可能性があります。

ただし、保険会社が定めている等級と障害年金の等級は異なる点に注意しておきましょう。場合によっては給付金を請求しても給付金全額を受け取れないケースもあります。

もし、障害特約を付加している場合は、1度保険会社に相談してみましょう。

また、多くの保険会社では給付金の支払いを「不慮の事故を原因として障害の状態になった場合」に限定している点にも注意が必要です。1度自分が加入している生命保険の保障内容を確認してみましょう。

障害年金の金額を把握して、もしもに備えよう

公的年金保険に加入している間に病気やケガが原因で障害の状態になった際には申請することで障害年金が受け取れます。加入している保険制度や障害の等級、家族構成などによって受け取れる年金額が異なりますので、事前に自分だったらいくら受け取れるのか把握してみましょう。

また、障害年金以外にも加入している生命保険で障害給付金を受け取れるケースもあります。給付金をいくら受け取れるかは保険会社が決めている規約によって異なります。

ただ、もしもの時に備え、加入している生命保険の保障内容を1度確認しておくことをおすすめします。

オリコン顧客満足度ランキングでは、生命保険の加入者へのアンケート調査をもとに算出した「生命保険 顧客満足度ランキング」を発表しています。生命保険への加入を検討される際はこちらもぜひご参考いただき、自分に合ったより良い選択肢を見つけてみてください。
※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。

生命保険オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

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  • 3位

    70.9

    アフラック

  • 3位

    70.9

    プルデンシャル生命

  • 5位

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  • 6位

    69.6

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  • 7位

    69.5

    メットライフ生命

  • 8位

    69.4

    アクサ生命

  • 9位

    69.3

    大樹生命

  • 9位

    69.3

    東京海上日動あんしん生命

  • 11位

    69.2

    ジブラルタ生命

  • 11位

    69.2

    はなさく生命

  • 13位

    69.1

    FWD生命

  • 13位

    69.1

    太陽生命

  • 15位

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  • 16位

    68.6

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  • 16位

    68.6

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  • 18位

    68.5

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  • 18位

    68.5

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  • 18位

    68.5

    住友生命

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  • 22位

    68.3

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  • 23位

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  • 24位

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    67.9

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