保険と共済の違いは?メリット・デメリット・比較ポイントをわかりやすく解説

保険と共済の違いは?メリット・デメリット・比較ポイントをわかりやすく解説

自分が亡くなった際や高度障害の状態になったとき、または事故や病気で入院・手術をした際の経済的な不安に備えるために保険に加入している人は多いでしょう。

もちろん保険でなく共済でも同様な不安に備えることが可能です。
ただ、保険と共済はそれぞれ異なる性質を持っており、その違いを理解したうえで加入することが大切です。

今回は保険と共済のどちらに加入したらいいのか迷っている人に向け、保険と共済の違いについて解説します。
また、それぞれのメリットやデメリットについても紹介しますので参考にしてください。

mokuji目次

  1. 保険と共済とは?基本的な違い
    1. 運営主体の違い
    2. 加入対象の違い
    3. 保障内容の違い
    4. 根拠法の違い
    5. 使用する用語の違い
  2. 4大共済の種類と特徴
  3. 共済のメリット・デメリット
    1. 共済のメリット
    2. 共済のデメリット
    3. 共済が向いている人
  4. 生命保険のメリット・デメリット
    1. 生命保険のメリット
    2. 生命保険のデメリット
    3. 生命保険が向いている人
  5. 保険と共済はどっちがいい?比較のポイント
    1. 必要な保障は何か
    2. 保険料(掛け金)は予算内か
    3. 現在の自分の状況で加入できるか
  6. 自分に合った保障を!保険と共済を賢く選ぼう

保険と共済とは?基本的な違い

保険と共済とは?基本的な違い

実際、保険と共済にはどのような違いがあるのでしょうか。大きな違いとして挙げられるのは以下の5つです。
● 運営主体
● 加入対象
● 保障内容
● 根拠法
● 使用する用語
それぞれの違いについて、以下で詳しく解説します。

運営主体の違い

「保険」の運営主体は保険会社です。
つまり民間の保険商品は利益を得ることを目的として販売されています。

そのため、保険会社によって保障内容の充実度が異なるほか、必要に応じて多くの特約が付加できるようになっています。

「共済」は協同組合連合会などが運営主体となっており、利益は追求しません。

組合に加入している人それぞれが助け合う目的で構成されているため、掛け金などができるだけ加入者に負担にならないよう低く設定されている点が特徴です。

ただ、保障内容の充実さが保険に劣る点は否めません。

共済の運営主体として代表的なものに、「県民共済」「コープ共済」「JA共済」「こくみん共済」などがあります。

加入対象の違い

「保険」は、その保険会社が決めている加入要件を満たせば、加入できます。

しかし、誰でも加入できるわけではなく、加入の際には加入時の体況を告知し、問題なければ加入できる仕組みです。

「共済」に加入するためには、原則として加入したい共済組合の組合員でなければなりません。

組合員になるためには、協同組合に出資することが条件です。
また、保険と異なり、組合員なら誰でも加入できます。

保障内容の違い

「保険」は保険会社が営利目的で行っています。

そのため、保障内容も充実しており、特約も付加できるため、より自分に合った保障内容にできます。
共済に比べ、選択肢が多い点が保険の特徴です。

「共済」は、組合員同士を助け合う考えが基本となっており、保障内容や保障される範囲が限られています。

加入する際には、決められた商品の中から選択することになり、必ずしもその保障内容が自分に合っているとは言い切れないケースも考えられます。

根拠法の違い

保険と共済では、根拠となる法律が異なります。

保険は「保険業法」に基づいて行われ、監督官庁は金融庁です。

共済は運営主体によって根拠法が異なります。

JA共済は「農業協同組合法」が根拠法となり、農林水産省が監督しています。

県民共済やこくみん共済、コープ共済などは「消費生活協同組合法」が根拠法で、監督官庁は厚生労働省です。

使用する用語の違い

使用する用語も保険と共済では異なります。

以下の表のように、保険では保険料というのに対し、共済では掛け金という言葉をつかいます。
そのほか、保険金や契約者などの用語も異なりますので、違いを覚えておきましょう。

保険用語

共済用語

保険料

掛け金

保険金

共済金

契約者

組合員

4大共済の種類と特徴

4大共済の種類と特徴

共済は、4大共済と呼ばれる以下の4つの共済が主要です。

種類

概要

こくみん共済

全労済とも言われ、各都道府県の共済生協や協力団体、地区共済会で構成されています。生保、損保ともに提供するサービスが幅広く用意されている点が特徴です。

都道府県民共済

全国生協連によって運営されており、全国の金融機関の窓口などで加入できます。掛け金が比較的やすく設定されているといった特徴があります。

コープ共済

地域のコープ取り扱い生協にて、加入できます。取扱商品が充実しており、中でも女性や子どもの保障が充実しています。

JA共済

農業協同組合が主体となっており、JAの准組合員に加入しなければなりません。また、加入できる年齢が75歳までと長く設定されている点が特徴です。

共済のメリット・デメリット

共済のメリット・デメリット

共済のメリットそしてデメリットは以下のとおりです。

メリット

デメリット

● 掛け金が安い傾向がある
● 決算次第で割戻金がある
● 掛け金が一律の商品もある

● 共済金が少ない傾向がある
● 選択肢が少なくカスタマイズしにくい
● 終身タイプの商品が多くない

共済のメリット

共済に加入することで得られるメリットには以下のものがあります。

● 掛け金が安い傾向がある
● 決算次第で割戻金がある
● 掛け金が一律の商品もある

掛け金が安い傾向がある

保険と共済を比較すると、共済のほうが掛け金が安い傾向にあります。

なぜなら、共済は営利を目的としていないからです。

組合員同士を助け合うという考えのもとで掛け金を決めていることや、基本的に掛け金は掛け捨てとなっているため、掛け金は1,000円から2,000円程度に設定されています。

保険だと最低でも3,000円など共済と比べて高くなることからも、家計への負担を少なくしながら保障を得られる点は大きなメリットでしょう。

決算次第で割戻金がある

割戻金がある点も共済の大きな特徴です。

共済は営利目的でない以上、決算時に余剰金が発生した場合、その余剰金が割戻金として加入者に戻ってきます。

戻ってくる額は加入者の掛け金や決算状況によって異なりますが、保険にはない仕組みなので魅力に感じる人も多いでしょう。

払った掛け金が無駄にならないシステムは共済だからこそのメリットです。

掛け金が一律の商品もある

通常、保険商品は加入しようしている人の性別や年齢によって保険料が異なります。

一般的に年齢が高くなるにつれ、保険料も高くなるしくみです。

しかし共済の場合、年齢は関係なく、同じ掛け金で同じ保障を受けられる商品もあります。

年齢による加入のタイミングを心配する必要がない点も共済ならではのメリットです。

共済のデメリット

共済に加入する際には以下の注意点や制限事項について理解しておきましょう。

● 共済金が少ない傾向がある
● 選択肢が少なくカスタマイズしにくい
● 終身タイプの商品が多くない

共済金が少ない傾向がある

共済は掛け金が安い点がメリットですが、その分共済金額が低めに設定されています。

そのため、自分が必要としている保障までの金額を受け取れない可能性がある点に気をつけておきましょう。

さらに掛け金が一律の商品でも、一定の年齢以上になると共済金額が半分になるものもあります。

選択肢が少なくカスタマイズしにくい

共済の商品ラインアップは保険と比べると少なく、限定されています。

そのため、自分に合った商品が選びにくい点がデメリットです。

終身タイプの商品が多くない

共済では、終身タイプの保険が少なく、保障を受けられる年齢が80歳や90歳までと限定されているケースが多く見られます。

平均寿命が延びている今だと、年齢によっては保障を受けられない可能性があります。

共済が向いている人

共済のメリットそしてデメリットを踏まえたうえで、共済が向いている人とは、以下に該当する人です。

● 掛け金をできるだけ少なくしたいと思っている人
● 保障は少なくてもいいと思っている人
● 既に生命保険に加入しており、そのうえでさらに保障がほしいと考えている人
● 死亡に対する保障よりも、事故や病気に対する保障を重視したいと思っている人

生命保険のメリット・デメリット

生命保険のメリット・デメリット

生命保険の特徴を踏まえた総合的なメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット

デメリット

● 選択肢が多くカスタマイズしやすい
● 保障内容が充実している
● 運営元が安定している

● 保険料が高い傾向がある
● 加入条件が厳しい場合がある

生命保険のメリット

生命保険に加入することで得られる主なメリットは以下のとおりです。

● 選択肢が多くカスタマイズしやすい
● 保障内容が充実している
● 運営元が安定している

選択肢が多くカスタマイズしやすい

生命保険は、生命保険会社によってさまざまな保険商品が販売されています。

死亡保険や医療保険などそれぞれ分けて加入することもできるため、自分が本当に必要としている保障により近づいた保険に加入できる点がメリットです。

また、保障内容も時代によって変化するため、今の時代に合った保障内容が得られる点もメリットでしょう。

保障内容が充実している

生命保険の保障内容は、共済に比べて充実しています。

保険金額も高額に設定できるため、自分が亡くなった後の家族の生活を保障するための保険としても使いやすいでしょう。

また、特約も充実しており、必要な特約だけを選べるため、無駄のない保障内容に設計できます。

運営元が安定している

仮に加入している生命保険会社が経営破綻に陥った場合、生命保険契約者保護機構が保険契約を引き継ぐほか、資金の援助も行います。

そのため、保険会社が破綻したとしても、破綻したときの責任準備金の90%までは保障されます。

ここでいう責任準備金とは、保険会社が将来支払う可能性がある保険金や給付金に備えておくお金のことです。

生命保険のデメリット

生命保険に加入する際には、以下の点に注意しておきましょう。

● 保険料が高い傾向がある
● 加入条件が厳しい場合がある

保険料が高い傾向がある

生命保険は保険会社が営利目的で行っていることもあり、共済に比べると同じ保障でも保険料が高くなる傾向があります。

また、保険料は年齢が高くなるにつれ高額になることから、一律の掛け金で加入できる共済と比較すると倍以上の保険料を払うケースも珍しくありません。

加入条件が厳しい場合がある

生命保険に加入するには、告知が必要です。

加入時の体況(健康状態や過去の病歴など)を申告しなければならないため、持病がある人や直近に大きな病気をした人などは加入できない場合があります。

特にこれまでにがんになった経験がある場合は、がん保険に加入できないもしくは保障範囲が限定されるケースが多く見られます。

生命保険が向いている人

生命保険のメリットそしてデメリットを踏まえたうえで、生命保険への加入が向いている人とは、以下に当てはまる人です。

● 終身の保障が欲しいと考えている人
● 高額な保障が必要だと考えている人
● 貯蓄性の保険に加入したいと思っている人
● 自分のニーズにあう保障内容の保険に加入したいと考えている人

保険と共済はどっちがいい?比較のポイント

保険と共済はどっちがいい?比較のポイント

保険と共済のどちらを選ぶか、悩む人も多いでしょう。保険と共済の選択基準となる主要なポイントは以下のとおりです。

● 必要な保障は何か
● 保険料(掛け金)は予算内か
● 現在の自分の状況で加入できるか

必要な保障は何か

なぜ、保険もしくは共済に加入するのか、その目的や必要な保障額などを明確にすることで、どちらに加入するかの判断ができるでしょう。

一生涯の保障が欲しいなら生命保険を選ぶべきですし、保険が必要な時期は自分で決めたいと思っているなら共済のほうが掛け金を抑えられます。

保険料(掛け金)は予算内か

生命保険だと保険料が高いため、家計に負担を与えるケースもあります。

いくら保障内容が魅力的でも、保険料を支払えなければ契約は失効してしまいます。

まずは家計の支出を整理し、どのくらいの額を保険料もしくは掛け金にあてられるかを考えてみましょう。

現在の自分の状況で加入できるか

基本的に年齢が高くなるにつれ、病気になる可能性も高くなります。

生命保険に加入したいと思っても、その時の体況では加入できない可能性もありますので、持病がないか、直近に大きな病気をしていないかなどを確認しておきましょう。

ただ、生命保険の場合、直近に病気をしていても一定期間保証範囲を狭めることで加入できるケースもあります。

自分に合った保障を!保険と共済を賢く選ぼう

保険と共済には、運営主体を始めさまざまな違いがあります。どちらを選ぶか迷った際には、上で述べた内容を参考にし、最終的に自分にあったほうに加入すると良いでしょう。もちろん保険と共済を併用する考えも有効です。

ただ、生命保険にはさまざまな種類があり、どの生命保険を選んだらいいのか迷うケースも少なくありません。

オリコン顧客満足度ランキングでは、生命保険の加入者へのアンケート調査をもとに算出した「生命保険 顧客満足度ランキング」を発表しています。

生命保険への加入を検討される際はこちらもぜひご参考いただき、自分に合ったよりよい選択肢を見つけてみてください。

※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。

生命保険オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    72.0

    ライフネット生命

  • 2位

    71.5

    ソニー生命

    ※公式サイトへ遷移します。

  • 3位

    70.9

    アフラック

  • 3位

    70.9

    プルデンシャル生命

  • 5位

    69.8

    三井住友海上あいおい生命

  • 6位

    69.6

    チューリッヒ生命

  • 7位

    69.5

    メットライフ生命

  • 8位

    69.4

    アクサ生命

  • 9位

    69.3

    大樹生命

  • 9位

    69.3

    東京海上日動あんしん生命

  • 11位

    69.2

    ジブラルタ生命

  • 11位

    69.2

    はなさく生命

  • 13位

    69.1

    FWD生命

  • 13位

    69.1

    太陽生命

  • 15位

    68.7

    マニュライフ生命

  • 16位

    68.6

    日本生命

  • 16位

    68.6

    メディケア生命

  • 18位

    68.5

    オリックス生命

  • 18位

    68.5

    かんぽ生命

  • 18位

    68.5

    住友生命

  • 18位

    68.5

    SOMPOひまわり生命

  • 22位

    68.3

    明治安田

  • 23位

    68.1

    富国生命

  • 24位

    68.0

    ネオファースト生命

  • 25位

    67.9

    第一生命

  • 26位

    67.7

    SBI生命

  • 27位

    66.0

    朝日生命

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