生命保険を解約するデメリットは?途中解約した方がいい人やタイミングを解説
しかし、解約後は保障を受けられなくなり解約返戻金が払い込んだ保険料よりも少ない場合があるなどさまざまなデメリットがあるため、慎重に検討することが大切です。
この記事では、生命保険を解約できるタイミングや解約のデメリット、保険料負担を軽減できる他の方法などについて解説します。
目次
生命保険はどんなときに解約できる?
解約をすると、契約から経過した期間に応じた解約返戻金を受け取れることがあります。
基本的に解約は自由
解約時に違約金やペナルティが課せられることもありません。
生命保険の解約手続きができるのは、契約者本人です。
被保険者(保障の対象となる人)や保険金受取人は解約できません。
生命保険の契約者と保険料を支払う人が異なる場合、契約者のみが解約の手続きができます。
解約返戻金の仕組みや受け取れないケース
解約の際に戻ってくるのは、支払った保険料のうち、保険金や解約返戻金などの支払いに充てるために積み立てられている「責任準備金」の一部です。
そのため、払い込んだ保険料のすべてが戻ってくるわけではありません。
ただし、解約返戻金の受取額は、払い込んだ保険料と契約期間に比例して増えるのが一般的です。
解約のタイミングによっては、払い込んだ保険料の総額を上回る解約返戻金を受け取ることも可能です。
一方、生命保険の種類によっては、解約をしても解約返戻金を受け取れないことがあります。
例えば、掛け捨て型の生命保険は、保険料が割安である代わりに解約返戻金はないか、あってもごくわずかです。
また、無解約返戻金型の保険は、解約のタイミングにかかわらず解約返戻金はありません。
生命保険解約のデメリット
● 先払いした保険料が返ってこないことも
● 解約すると保障がなくなる
● 再加入が難しくなる可能性がある
● 無保険の期間が生じることがある
● 再加入時に保険料が上昇する場合がある
元本割れする可能性
特に、契約から数年で解約すると、解約返戻金が払込保険料の総額を大幅に下回るでしょう。
また「低解約返戻金型」の生命保険を契約している場合、保険料の支払期間中に解約すると元本割れが生じます。
解約を検討する際は、解約返戻金の金額や払い込んだ保険料に対する割合(解約返戻率)を必ず確認しましょう。
先払いした保険料が返ってこないこともある
2010年3月31日以前に契約した生命保険は、半年払や年払で保険料を払い込んでいた場合、解約をしても未経過の月数に応じた保険料は戻ってきませんでした。
しかし、2010年4月1日から保険法が施行されたことで、解約をしたときに未経過分の保険料が戻されるようになりました。
そのため、生命保険の契約日または直近で主契約の更新を迎えた日が2010年3月31日以前であると、解約時に未経過分の保険料が戻ってこないかもしれません。
また、2010年4月以降に契約した場合でも商品によっては、未経過分の保険料が返還されない場合もあります。
解約すると保障がなくなる
また、主契約に付けていたがん特約や三大疾病特約なども失効します。
たとえ解約の翌日に万が一のことがあっても、保険金や給付金は一切支払われません。
死亡や病気、ケガなどのリスクを、他に加入している生命保険や保有資産などでカバーできるかよく考えたうえで解約をすることが大切です。
再加入が難しくなる可能性がある
生活習慣病で薬を服用している場合や過去3〜5年以内に重い病気を患っていた場合、保険会社による審査で加入を断られることがあります。
加入できたとしても、保険金の削減や保険料の割増が適用されたり、特定の疾病や部位が不担保となって保障の対象外となったりすることがあります。
無保険の期間が生じることがある
そのため、加入している保険を解約して新しい保険に乗り換える場合、保障の空白期間が生じることがあります。
空白期間がたとえ数日や1週間ほどであっても、その間に万が一のことが起こると保障は受けられません。
生命保険を乗り換える際は、空白の期間が生じないよう、新しい保険の契約が成立してから既存の保険を解約するのも1つの方法です。
再加入時に保険料が上昇する場合がある
年齢を重ねるほど死亡や病気のリスクが高まるためです。
解約をした数年後に生命保険を新規で契約する場合、年齢が上がっているために保険料が高くなることがあります。
解約を検討する際は、将来的に生命保険を再度契約する際に保険料が上がる可能性があることも考慮することが大切です。
損しないための生命保険解約のタイミング
加入している生命保険に解約返戻金があり、保険料の支払総額を上回る金額が戻ってくるのであれば、金銭的には損をしないといえます。
返戻金の有無や具体的な金額は、保険商品や契約内容などで異なります。
保険会社の担当者に問い合わせたり、毎年届けられる「契約内容のお知らせ」を見たりするなどして、解約返戻金を確認したうえで解約をすべきか検討するとよいでしょう。
新しい生命保険への乗り換えを検討している場合も、解約をすべきか考える代表的なタイミングです。
「乗り換えをするとより良い保障を得られるのか」「現在の健康状態で乗り換えは可能か」などをもとに、加入中の生命保険を解約しても問題ないかよく検討しましょう。
先述の通り保障の空白期間が生じないようにするためにも、乗り換えの際は新しく加入する生命保険の契約が成立したことを確認してから解約することをおすすめします。
生命保険を解約すべきタイミングは、一概にはいえません。
解約した生命保険をもとに戻すことはできないため、保険会社や保険代理店、ファイナンシャルプランナーなどの専門家とも相談し、慎重に検討することが大切です。
生命保険料負担を軽減する5つの方法
● 自動振替貸付制度を活用する
● 契約者貸付を利用する
● 払済保険に変更する
● 延長保険に切り替える
保険の見直しをする
見直しにより、必要に応じて保険金額の減額や特約の解約などを行うことで、解約をせずとも保険料負担を削減できる可能性があります。
例えば、子どもが幼いころに死亡保障を手厚くした生命保険に加入していたとしましょう。
月日が経ち、子どもが独立したために手厚い死亡保障が不要になったのであれば、保険金額を減らして保険料を抑えられるでしょう。
また、複数の生命保険に加入している場合は、見直しにより保障が重複している部分を整理するのも有効です。
例えば、がん特約が付いた医療保険とがん保険に加入している場合は、がん特約を解約して保険料の支払額を減らすのも1つの方法です。
自動振替貸付制度を活用する
自動振替貸付を利用すると、保険料の支払いが一時的に難しい場合でも、契約を続けることができます。
ただし、元金とあわせて利息を支払う必要があるため、長期間の利用は避けた方がよいでしょう。
また、解約返戻金がない生命保険では自動振替貸付を利用できません。
契約者貸付を利用する
カードローンやキャッシングなどとは異なり審査を受ける必要はなく、金利も低めに設定されています。
例えば、会社を退職したことで一時的に収入が減少し、保険料の支払いが困難になったときは、契約者貸付を利用しお金を借りて対処をするのも1つの方法です。
また、まとまった資金が必要になったときに契約者貸付を活用することもできます。
ただし、利用の際は、自動振替貸付と同様に元金とあわせて利息を支払わなければなりません。
また、借入金に利息を加えた金額が解約返戻金を上回ると、保険契約が効力を失ったり解除されたりする恐れがあるため、利用のしすぎは禁物です。
払済保険に変更する
解約返戻金をもとに、保険期間はそのままで保険金額を下げて、契約を継続します。
払済保険に変更すると、保険金額は減り特約もすべて解約となりますが、引き続き同じ期間の保障を受けられます。
延長保険に切り替える
保険期間は短くなりますが、解約をすることなく保険料の支払いをなくしながら、同じ保険金額の保障を継続することができます。
払済保険と同様に、保険料の支払いは難しいものの、一定の保障は確保しておきたい場合に有効な手段ですが、解約返戻金がないか少ない場合は利用できません。
また、延長保険に切り替えると特約はすべて解約となります。
生命保険の解約手続きの流れ
2. 解約書類に必要事項を記入する
3. 保険会社が指定する書類を添付して解約書類を返送する
4. 保険会社に到着した解約書類に不備がなければ解約が成立する
5. 解約手続きが完了したことを通知する書類が届けられる
6. 解約返戻金がある場合は指定の口座に振り込まれる
解約書類を返送する際は、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類の写しを求められる場合があります。
解約返戻金がある場合は、振込先の口座情報がわかる通帳やキャッシュカードなども準備しておきましょう。
生命保険の解約までにかかる期間は、数日〜2週間ほどです。
解約の手順や必要書類、手続きが完了するまでの期間は保険会社によって異なるため、連絡をする際に確認しておくとよいでしょう。
生命保険の解約はプロのも相談して慎重に検討しよう
保険料の負担を減らしたいときは、解約の他にも、保障内容の見直しや自動振替貸付・契約者貸付の利用、払済保険・延長保険の変更をする方法もあります。
保険会社や保険代理店、ファイナンシャルプランナーなど生命保険のプロともよく相談し、本当に解約をすべきかよく検討しましょう。
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生命保険への加入を検討される際はこちらもぜひご参考いただき、自分に合ったよりよい選択肢を見つけてみてください。
※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。