死亡保障はいくら必要?平均額や死亡時にかかるお金を解説!

死亡保障はいくら必要?平均額や死亡時にかかるお金を解説!

生命保険を検討する際「死亡保障はいくら必要なのだろうか」と悩む人は少なくありません。

死亡保障額は、家族構成や毎月の支出などで異なります。生命保険に加入する際は、万が一の際にいくらあれば家族が安心して生活できるのかをよく考えることが大切です。

この記事では、生命保険の死亡保障を検討する際のポイントや世帯構成別の平均額などを解説します。生命保険の加入を検討している方はもちろん、すでに加入している方もぜひ参考にしてみてください。

mokuji目次

  1. 死亡保障はいくら必要?
    1. そもそも「死亡保障」とは?
    2. 死亡保障の必要額の相場は?
  2. 死亡時に必要になるお金とは?
    1. 葬儀にまつわる費用
    2. 残された家族の生活資金
    3. 住居にまつわる費用
    4. 子どもの教育費
  3. 【ライフステージ別】死亡保障の平均額はいくら?
    1. 夫婦で二人暮らしの場合
    2. 子どもがいる場合
    3. 子ども独立後の場合
  4. 死亡保障がいくら必要になるかシミュレーションしてみよう
    1. 死亡保障の必要額の基本的な考え方
    2. 現在の家族構成から考える
  5. 生命保険の保障内容を見直す4つのタイミング
    1. 親からの独立
    2. 結婚・出産
    3. マイホーム購入
    4. 子どもの独立・退職後
  6. 死亡保障金額はライフステージの変化にあわせて見直そう

死亡保障はいくら必要?

死亡保障はいくら必要?

まずは、死亡保障とは何を指すのか、金額の相場とあわせて解説します。

そもそも「死亡保障」とは?

死亡保障とは、被保険者(保険の対象となる人)が亡くなったときに、残された家族などが受け取れる保険金のことを指します

例えば、一家の大黒柱に万が一のことがあったとき、残された家族は死亡保険金を受け取ることで、引き続き生活を送るための資金を確保できます。

死亡保険金額を高くすると万が一の事態に手厚く備えられる一方で、保険料は高くなります。

そのため、残された家族の生活費や子どもの教育費、住居費用などから、国から支払われる遺族年金や勤務先の死亡退職金、保有資産額などを差し引き、必要な保障額を算出することが大切です

生命保険に加入する際は「死亡保障はいくら必要なのか」をよく検討しましょう。

死亡保障の必要額の相場は?

では、生命保険に加入している人は、死亡保険金額をいくらに設定しているのでしょうか。

公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、世帯主の普通死亡保険金額の平均は1,386万円でした。年齢の区分別に死亡保険金額の平均をまとめると、下記の通りとなります。

年齢区分

世帯主の普通死亡保険金額
(世帯主の年齢別)単位:万円

29歳以下

1,440

30〜34歳

1,793

35〜39歳

1,945

40〜44歳

1,964

45〜49歳

2,040

50〜54歳

1,650

55〜59歳

1,545

60〜64歳

1,215

65〜69歳

772

70〜74歳

788

75〜79歳

592

80〜84歳

580

85〜89歳

557

90歳以上

353

※参考:公益財団法人 生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査

世帯主の死亡保険金額がもっとも高いのは45〜49歳の2,040万円でした。次いで高額なのは、40〜44歳の1,964万円であり、35〜39歳の1,945万円がそれに続きます。

30代前半〜40代後半は、一般的に家族を築いて生活や子どもの教育などにお金がかかる人も多い年代です。世帯主に万が一にことがあっても、配偶者や子どもの生活が苦しくならないよう、死亡保険金額が高い生命保険に加入している世代が多いと推察されます。

一方、50歳を超えると死亡保険金額の平均は減少傾向にあります。これは、子どもが独立をして生活や教育などにかかる支出が減り、手厚い死亡保障が不要になったことが主な要因でしょう。

死亡時に必要になるお金とは?

死亡時に必要になるお金とは?

死亡保障額を決める際は、万が一のときにいくら必要になるのかを試算することが大切です。ここでは、死亡保険金額を決める際に考慮すべき、万が一のときにかかる費用と相場を紹介します。

葬儀にまつわる費用

自身に万が一のことがあったときは、通夜や告別式を開くための葬儀費用がかかるのが一般的です。葬儀費用は、種類や規模、地域などで異なります。

株式会社鎌倉新書が行った調査によると、葬儀費用の平均額は下記の通りです。
● 一般葬:161.3万円
● 家族葬:105.7万円
● 一日葬:87.5万円
● 直葬:42.8万円
※参考:株式会社鎌倉新書|第6回お葬式に関する全国調査(2024年)

一般葬や家族葬の平均額は100万円を超えていますが、通夜を行わずに告別式と火葬を1日で執り行う「一日葬」や、火葬のみを行う「直葬」は100万円を下回る結果となりました。

また、亡くなったあとにお墓を用意する場合は別途費用がかかります。株式会社鎌倉新書の調査によると、お墓の平均購入金額は以下の通りです。
● 一般墓:149.5万円
● 納骨堂:80.3万円
● 樹木葬:63.7万円
※参考:株式会社鎌倉新書「第15回 お墓の消費者全国実態調査(2024年)

一般墓の平均額は約150万円であるのに対し、納骨堂や樹木葬の場合は100万円未満です。

葬儀やお墓に関する考え方は人それぞれであるため、自身や家族の希望をもとに万が一の際の葬儀費用を計算するとよいでしょう。

残された家族の生活資金

残された家族が生活を送るために必要な金額を考えることも重要です

特に、世帯の生計を支えていた方が亡くなると世帯収入が大幅に減るため、残された家族の生活が苦しくならないよう、万が一のことがあったあとの生活資金をしっかりと準備しておきましょう。

生命保険の必要保障額を計算するときは、現在の生活費を基準として遺族が生活を送るために必要な金額を考えます。例えば、配偶者と未成年の子どもがいる世帯の場合、残された家族の生活費は以下を目安に算出するのが一般的です。
● 子どもが独立するまでの期間:現在の生活費の70〜80%程度
● 子どもが独立してから配偶者が平均余命を迎えるまでの期間:現在の生活費の50%程度
以上を基準として、配偶者の就業状況や希望などに応じて残された家族の生活を見積もります。

生活費は世帯ごとの差が大きいため、残された家族の生活資金を求める際は、まず現在のひと月あたりの支出額を正確に把握しましょう。

住居にまつわる費用

必要保障額を決める際の住居費用は持ち家と賃貸で異なります

賃貸の場合は、亡くなったあとも残された家族は家賃を支払い続けることになるでしょう。そのため、生命保険の必要保障額を検討する際は、家賃の支払いも考慮する必要があります。

一方、持ち家の場合は住宅ローンや維持費などを考慮して必要保障額を決めます。住宅ローンを組む際に団体信用生命保険に加入していた場合、万が一のことがあったときは、保険金でローンが完済されるため、遺族は返済をする必要がありません。

持ち家が戸建て住宅であれば、外壁や屋根などの修繕・メンテナンス費用を見込んで必要保障額を決めるとよいでしょう。マンションの場合は、管理費や修繕積立金、駐車場代など、住宅ローン以外に支払う費用をもとに必要保障額を計算します。

子どもの教育費

子どもがいる家庭の場合、子どもの教育費も踏まえて必要保障額を考える必要があります。

文部科学省の調査によると、子ども1人が幼稚園(3歳)から高校の卒業までの学習費総額は、公立の場合は約574万円私立については約1,838万円です。 調査の対象となる学習費は、入学金・入園料、授業料、給食費、塾・習い事の費用などです。
※参考:文部科学省|「令和3年度子供の学習費調査

また、日本政策金融公庫の調査によると、大学に進学する際の入学費用(入学金・受験料など)と在学費用(授業料・通学費・教科書代など)の合計金額は下記の通りです。
● 国公立大学:481.2万円
● 私立大学文系:689.8万円
● 私立大学理系:821.8万円
※参考:日本政策金融公庫「令和3年度 教育費負担の実態調査結果

以上の調査結果をもとに考えると、子どもが幼稚園に通い始めてから大学を卒業するまでの金額は少なくとも1,000万円、場合によっては2,000万円以上かかることもあるといえます。

万が一のことがあったときも、子どもの進学に支障が生じないように死亡保険で教育費を準備しておくことが大切です。

【ライフステージ別】死亡保障の平均額はいくら?

【ライフステージ別】死亡保障の平均額はいくら?

必要な死亡保障額は、ライフステージによっても異なります。

公益財団法人生命保険文化センターの調査によると、世帯構成ごとにおける世帯主と配偶者それぞれの死亡保険金額の平均は下記の通りです。

世帯構成

世帯主の死亡保険金額

配偶者の死亡保険金額

夫婦のみ(40歳未満)

1,282

701

夫婦のみ(40〜59歳)

1,326

645

未子乳児

1,945

944

未子保育園児・幼稚園児

1,961

885

未子小・中学生

2,093

904

未子高校・短大・大学生

1,709

639

未子就学終了

1,112

621

高齢夫婦有職(60歳以上)

873

619

高齢夫婦無職(60歳以上)

577

384

単位:万円
※参考:公益財団法人 生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査

以下では、世帯構成ごとの死亡保険金額について解説します。

夫婦で二人暮らしの場合

40歳未満の夫婦のみ世帯の死亡保険金額は、世帯主が1,282万円配偶者が701万円でした。子どもがいる世帯よりも養う家族の人数が少ない分、死亡保険金額の平均は低くなっています。

一方、40〜59歳の夫婦のみ世帯は、世帯主が1,326万円配偶者が645万円です。40歳未満の場合と大きな差はありませんが、一般的に働き盛りの年代でもあるためか、世帯主の死亡保険金額は少し増えています。

子どもがいる場合

子どもがいる世帯では、末子の年齢によって死亡保険金額の平均が変化しています

まず、末の子どもが乳児である世帯の死亡保険金額は、世帯主が1,945万円、配偶者が944万円であり、夫婦のみの世帯よりも高い結果となりました。末の子どもが、保育園や幼稚園に通う世帯の平均額は、世帯主1,961万円、配偶者885万円であり、大きな変動は見られません。

末の子どもが小・中学生になると、死亡保険金額の平均は世帯主が2,093万円、配偶者が904万円に上昇しています。子どもがまだ幼いときは教育費や生活費にかかる期間が長いこともあり、万一の際の保障を手厚くしていることがうかがえます

末の子どもが高校生や大学生である世帯の平均額は世帯主1,709万円、配偶者639万円です。末の子どもが中学校以下の世帯よりも低額なのは、残りの教育期間が短くなり、万一の際に必要となる保障も相応に少なくなるためと考えられます。

子どもの就学が終わっている世帯の場合は、世帯主1,112万円、配偶者621万円です。教育費という大きな支出がなくなった分、死亡保険金額の平均も下がっていることが見て取れます

子ども独立後の場合

60歳以上で夫婦ともに無職の世帯では、死亡保険金額の平均が世帯主577万円配偶者384万円です。一方、60歳以上で働いている人がいる夫婦世帯の場合は、世帯主が873万円配偶者が619万円です。

子育てをしておらず、万が一のときの教育費を確保する必要がない世帯も多いためか、保険金額は低い傾向にあります。

一方、同じ60歳以上の夫婦世帯でも、働いている人がいる方が死亡保険金額の平均は高い結果となりました。働いている人がいると収入が多くなる分、毎月の支出や生活水準が高くなるために、万が一の保障もそれに見合うだけの金額に設定していると考えられます。

死亡保障がいくら必要になるかシミュレーションしてみよう

死亡保障がいくら必要になるかシミュレーションしてみよう

生命保険に加入する際は、自身にとっていくらの死亡保障が必要なのかをシミュレーションすることが大切です。また、必要な保障額は自身の家族構成をもとに検討しましょう。

死亡保障の必要額の基本的な考え方

死亡保障額の基本的な考え方は下記の通りです。
「残された家族に必要となるお金」−「貯蓄額・残された家族の収入」=死亡保障の必要額
それぞれに該当する項目は、下記をご確認ください。

残された家族に必要となるお金
(支出見込額)

貯蓄額・残された家族の収入
(収入見込額)

・残された家族の生活費
・子どもの教育費
・住居費用(家賃・駐車場代など)
・自分自身の葬儀費用
・借入金などの負債の生産資金
・相続税の納税資金・相続費用
・予備費 など

・遺族年金などの公的保障
・死亡退職金や弔慰金
・預貯金・有価証券などの自己資産
・配偶者の労働で得られる収入

残された家族は「遺族年金」を受け取れる可能性があります。遺族年金の受取額は、亡くなった人が加入していた公的年金の種類や家族構成など、さまざまな要素で異なるため、必要保障額を検討する際は年金事務所に問い合わせて確認するとよいでしょう。

また、必要保障額は、残された家族の生活費や子どもの教育費、亡くなった人の勤務先から支給される死亡退職金なども考慮して決めるのが原則です。

死亡保障額を決めるときは、保険会社の担当者やファイナンシャルプランナーなどにも相談することをおすすめします

現在の家族構成から考える

家族構成が変わると、必要な死亡保障額が変わります。

例えば、独身であり自身が亡くなったあとも生活に困る人がいないのであれば、一般的には死亡保障の必要性は低いでしょう

一方、子どものいる夫婦世帯の場合、一家の大黒柱が万一のときの配偶者や子どもが生活をするための資金を確保する必要があるのなら、死亡保障を手厚くするのが望ましいです。

特に、養う家族が増えたときは死亡保障を手厚くする必要がないかよく確認することが大切です。

生命保険は1度加入して終わりではなく、結婚や出産、住宅購入、子どもの進学、そして定年といった人生の節目ごとに見直しをしましょう。

生命保険の保障内容を見直す4つのタイミング

生命保険の保障内容を見直す4つのタイミング

最後に、生命保険の死亡保障を見直す代表的なタイミングを紹介します。

親からの独立

独立するまでのあいだ、親が契約者となって生命保険に加入してくれているケースは少なくありません。社会人になり、自身の収入で生活費をまかなうようになったら、親がかけてくれている生命保険の有無や契約内容を確認しましょう

親が契約者となっている生命保険の名義を変更して継続するのも1つの方法です。

親がかけてくれている生命保険がない場合や名義変更を希望しない場合は、新規加入を検討するとよいでしょう。

結婚・出産

結婚を機に生命保険を見直して死亡保障を手厚くする人は少なくありません。特に、配偶者が専業主婦(夫)の場合は、自身が万一のときに生活に困らないように十分な死亡保障を用意するのが望ましいです。

子どもが産まれたときは、生活費が増えるだけでなく、教育費もかかるようになるため、さらに手厚い死亡保障が必要になるケースが多いです。結婚や出産は、死亡保障の見直しを検討すべき重要なライフイベントといえます

マイホーム購入

住宅ローンを組んでマイホームを購入する際に団体信用生命保険に加入したのであれば、万が一の際はローン残高が保障されます。

賃貸住宅からマイホームに引っ越しをしたときは、団体信用生命保険の加入により万が一の際に必要となる住居費が減って死亡保障額を減額できる可能性があるため、見直しを検討するとよいでしょう。

子どもの独立・退職後

末の子どもが独立し、生活費や教育費をまかなう必要がなくなったときは、その分、死亡保障を減らして保険料を抑えられる可能性があります。

一方、高齢になると一般的に病気やケガのリスクが高まるため、死亡保障を減らす代わりに医療保障や介護保障を充実させるのも1つの方法です

死亡保障金額はライフステージの変化にあわせて見直そう

死亡保障額は、ライフステージによって大きく変化するため、いくらが必要とは一概にはいえません。結婚や出産をすると必要保障額が増える一方、子どもの独立や退職後は減額できます。

生命保険に加入する際は、自身の生活背景や今後のライフプランに応じた保障額を決めましょう。また、加入後もライフステージに変化があったときに保障額の見直しをすることも大切です。

オリコン顧客満足度ランキングでは、生命保険の加入者へのアンケート調査をもとに算出した「生命保険 顧客満足度ランキング」を発表しています。生命保険への加入を検討される際はこちらもぜひご参考いただき、自分に合ったよりよい選択肢を見つけてみてください。
※本記事では一般的な例をもとに情報をまとめています。各社の商品やプランによっては当てはまらないケースもあります。また、情報は公開日現在のものです。各種状況や法令情報等につきましては、公的機関等で最新情報をご確認ください。

生命保険オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    72.0

    ライフネット生命

  • 2位

    71.5

    ソニー生命

    ※公式サイトへ遷移します。

  • 3位

    70.9

    アフラック

  • 3位

    70.9

    プルデンシャル生命

  • 5位

    69.8

    三井住友海上あいおい生命

  • 6位

    69.6

    チューリッヒ生命

  • 7位

    69.5

    メットライフ生命

  • 8位

    69.4

    アクサ生命

  • 9位

    69.3

    大樹生命

  • 9位

    69.3

    東京海上日動あんしん生命

  • 11位

    69.2

    ジブラルタ生命

  • 11位

    69.2

    はなさく生命

  • 13位

    69.1

    FWD生命

  • 13位

    69.1

    太陽生命

  • 15位

    68.7

    マニュライフ生命

  • 16位

    68.6

    日本生命

  • 16位

    68.6

    メディケア生命

  • 18位

    68.5

    オリックス生命

  • 18位

    68.5

    かんぽ生命

  • 18位

    68.5

    住友生命

  • 18位

    68.5

    SOMPOひまわり生命

  • 22位

    68.3

    明治安田

  • 23位

    68.1

    富国生命

  • 24位

    68.0

    ネオファースト生命

  • 25位

    67.9

    第一生命

  • 26位

    67.7

    SBI生命

  • 27位

    66.0

    朝日生命

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