死亡保険の受取人になれるのは誰?契約形態によって変わる税金に注意!
これは受取人の立場の違いによって適用される税制が変わり、結果的に手元に残る実質的な保険金額が変わってくるからです。
本記事では、生命保険の契約者・被保険者・受取人の基本的な仕組みから、死亡保険金にかかる税金の種類、さらには受取人を選ぶ際のポイントや注意点について解説します。
家族の未来を守るために、契約内容を見直す重要性についても触れていきますので、ぜひ参考にしてください。
目次
生命保険の契約者・被保険者・受取人とは?
契約者は保険会社と契約を結ぶ人のことです。契約内容の変更などの権利や保険料の支払い義務を持っています。被保険者は保険の対象となる人のことです。死亡保険の場合は、被保険者が亡くなることで死亡保険金が支払われます。
受取人は、被保険者が亡くなった際に保険会社から死亡保険金を受け取る人のことです。契約者が被保険者の同意を得たうえで、受取人を指定します。
契約者と被保険者が同一人物になることは可能ですが、被保険者と受取人が同一人物になることはできないという点に注意が必要です。
よくあるケースとして、夫が契約者と被保険者となり、妻を受取人に指定することがあります。この場合は夫が保険料を支払い、夫に万が一のことがあった際には妻が死亡保険金を受け取ることができます。
死亡保険金受け取りにかかる税金
【所得税】契約者と受取人が同じ
この場合、死亡保険金は一時所得として課税され、計算式は以下となります。
【相続税】契約者と被保険者が同じ
さらに相続税の基礎控除として以下が適用されます。
【贈与税】契約者・被保険者・受取人がすべて異なる
贈与税の計算式は以下となります。
なお、贈与税は10%から55%の税率が適用される累進課税となっています。
死亡保険金が「非課税枠」に適用されるケース
具体的な計算方法は以下となります。
そのため、大きな資産を持っていない場合は、結果的に死亡保険金が非課税となる可能性があります。ただし、生命保険金の受取人が相続人以外の場合は、この非課税枠の対象外なので注意が必要です。
死亡保険金の受取人に指定できる人の条件
一般的には配偶者や近親者が指定されることが多いですが、具体的にどのような人が受取人になれるのか、その条件を見ていきましょう。
基本的には2親等以内の血族
具体的には、1親等にあたる親または子、2親等にあたる祖父母、兄弟姉妹、孫が該当します。保険の本来の目的である遺族の生活保障を実現するため、近親者に受取人が限定されているのです。
第三者を指定できるケースもある
保険会社では保険金の不正取得を目的とした道徳的危険(モラルリスク)を防ぐため、契約内容登録制度を実施して保険金の適正な支払いを確保しています。
受取人は複数名指定できる
例えば50%ずつの均等配分や、70%と30%といった異なる割合での配分も可能です。また、法定相続人全員を受取人として指定することもできます。
死亡保険の受取人がすでに亡くなっていたら?
法定相続人が受け取る
血族については優先順位が定められています。第1順位が子(死亡している場合は孫などの直系卑属)、第2順位が父母(死亡している場合は祖父母などの直系尊属)、第3順位が兄弟姉妹(死亡している場合は甥・姪)です。複数の法定相続人がいる場合は、死亡保険金は均等に分配されます。
国庫に帰属する
例えば、配偶者を亡くした後に一人暮らしをしている高齢者で、他に身寄りがないような場合です。裁判所が選定した相続財産管理人が、財産を整理した後、国庫へ帰属する手続きが行われます。
死亡保険の受取人を見直すべきタイミング
・死亡保険の受取人が亡くなった
・ライフステージが変わった
・定期保険の更新時
定期的に受取人の設定を見直さないと、本来保険金を遺したい人に遺せなくなる可能性があるので、機会を見て見直しを検討しましょう。
死亡保険の受取人が亡くなった
例えば、受取人であった妻が亡くなり、夫婦に子どもがいない場合、妻の法定相続人である妻の両親や兄弟姉妹が新たな受取人となります。
本来、自分の両親や兄弟姉妹に遺したかった保険金が、配偶者の親族に渡ってしまう事態を避けるためにも、受取人が亡くなった場合は速やかに変更手続きをすることが大切です。
ライフステージが変わった
結婚や出産、子どもの独立など、ライフステージの変化に伴い、保険金を遺したい相手も変化します。特に独身時代に加入した保険で、両親を受取人にしている場合は、結婚後に配偶者への変更を検討する必要があります。
離婚した場合も要注意です。元配偶者を受取人にしたままにしておくと、被保険者が亡くなった際に元配偶者が保険金を受け取ることになります。
子どもに遺したい場合は、離婚時に受取人を子どもに変更しておくことで、子どものための財産であることが明確になり、税負担も軽減できます。
定期保険の更新時
定期保険は10年、20年など保障期間に区切りがあり、満期を迎えると更新の手続きが必要です。この期間中に家族構成が変化している可能性が高いため、更新時には受取人が現在の状況に適しているか確認しましょう。
死亡保険の受取人を見直して、大切な人への備えを万全に
そのため定期的に受取人の設定を見直し、現在の状況に合わせて変更することが大切です。特に受取人が亡くなった場合は、すみやかに新しい受取人への変更手続きを行うことで、本来遺したい人に確実に保険金を届けることができます。
大切な人への思いを実現するためにも、受取人の設定は慎重に検討しましょう。
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