低解約返戻金型終身保険
解約返戻金の基礎知識
一般的な定期保険だと、保険料が安く済む代わりに支払った額は契約を終わらせても返金されない(=掛け捨て)ですが、終身保険や養老保険の場合、保険料として支払ったお金は契約終了時に解約返戻金として受け取ることができます。
・定期保険 = 安い、ただし掛け捨て
・終身保険・養老保険 = 高い、ただし返戻金がある
という認識で相違ないでしょう。
ただし、ここでいう終身保険とは従来型のものを指します。近年では、返戻金を抑えた代わりに保険料も安く定められた「無解約返戻金型終身保険」、そして「低解約返戻金型終身保険」も主流になってきました。
解約返戻金の内訳
・契約者価格
契約者価格とは、契約者が支払うべき保険料総額のうち、すでに支払いが済んでいる額をいいます。(例えば保険料総額が100万円の場合、これまでに支払った額が60万であれば契約者価格は60万円)
・解約控除額
解約控除額とは、保険契約を行うにあたって要した初期費用(契約手数料など)をいいます。
この初期費用は、月々の支払い額を一定にするために分割して月々の保険料に組み込まれています。
そのため、全額支払いが終わっていない保険を中途解約すると、一部支払いが終わっていない初期費用が発生します。これが「解約控除額」となり、解約返戻金の総額から差し引かれるのです。
保険金を全額支払い終わっていれば当然この初期費用の支払いも終わっているので、解約返戻金からは何も差し引かれません。むしろ払込満了時から返戻金は保険金の上昇とともに増加し、元本を上回ります。
低解約返戻金終身保険の仕組み
「被保険者は『従来型』『低解約返戻金型』『無解約返戻金型』の中から好みの形態を選べるようになった」というより、「保険の種類によって適切な型が適応されている状態」と考えた方が適当でしょう。
例えば終身保険・学資保険は「貯蓄」に特化させるため低解約返戻金型、従来型。定期保険、収入保障保険・医療保険は「保障」に特化させるため無解約返戻金型を適用されることが多いです。
低解約返戻金型終身保険は保険料が安く、その分返戻金も少ないですが、従来型と同様に払込を満了すればそれ以降返戻金は上昇していき元本を上回っていきます。
無解約返戻金型、低解約返戻金型、従来型は、どれが損でどれが得という問題ではありません。それぞれの目的やスタイルにあったベストな形態があるのです。