【質問】保険金や給付金が支払われない場合はありますか?

 いままで生命保険に加入したことがないのですが、親の知人から「ある医療保険に入っていたのだが、病気になったので保険金をもらおうとしたら、いろんな理由をつけて支払いを拒否された」という話を聞いたことがあります。生命保険の場合も、いざというときに保険金や給付金が支払われない場合はあるのでしょうか? もしあるとしたら、そういうことのない良心的な保険会社の選び方や、確実に保険金・給付金が受け取れるよう心がけておくべきことなどを教えてください。
 保険会社は、契約者から預かった保険料を運用し、適正な保険金や給付金を支払う金融機関であり、保険業法に基づいた免許を受けて事業を行っています。生命保険会社の監督省庁は金融庁(監督局保険課)となっており、不正な保険金不払いなどのないよう監督を行っています。このため、原則として「良心的でない保険会社」は免許を受けることができません。

 また、万が一保険会社が経営破綻した場合、保険契約はほかの救済保険会社もしくは生命保険契約者保護機構が引き継ぐため、契約が無効になってしまうような心配はありません。

 しかし、正当な理由があって保険会社が「支払い対象とならない」と判断し、保険金の支払いを拒否する可能性はあります。その主な事由は下記の3つです。

○告知義務違反
 生命保険に加入する際、契約者は現在までの健康状態を保険会社に正しく告知する義務があります。この告知書に虚偽の記載をすると、告知義務違反となり保険金の支払いを拒絶される可能性があります。
 たとえば喫煙者が保険料を安くするために非喫煙者だと告知したり、大きな既往歴を隠していたりすると、保険の一部または全部が契約解除され、保険金が支払われない可能性があります。
 この場合、支払った保険料は返還されません。ただし解約返戻金がある保険の場合、返戻金は返戻されます。

○免責事由に該当
 生命保険の約款には「保険金が支払われない事由(免責事由)」が規定されています。たとえば、契約開始から一定期間内に被保険者が自殺した場合や、契約者・受取人の故意で被保険者が死亡した場合などがこれにあたります。

○重大事由
 ここでいう「重大事由」とは、保険金目当てに故意に事故を起こしたり、病気・障害の程度を故意に過大に申請するなどの詐欺行為です。こうした重大事由が判明した場合、保険契約が解除され、保険金が支払われない可能性があります。
 生命保険に加入する際、保険会社には「重要事項の説明」が義務付けられています。その主な内容として保険金等が削減される場合、保険金が支払われない場合などに関する詳細な説明がなされているはずです。保険契約書や契約のしおりなどはどんなに面倒でも必ず目を通し、疑問点については説明を受け、納得してから内容に応じることで保険金の不払いトラブルを避けることができます。また保険証書だけでなく、契約の際に受け取った説明書・パンフレットなどは大切に保管しておきましょう。
 万が一保険金・交付金の支払いを巡って保険会社と見解の相違が生じた場合、最終的には司法の場で決着をつけることになりますが、その前に当該保険会社の相談窓口や生命保険協会の生命保険相談所に相談を申し入れてみましょう。

 生命保険協会は日本で認可を受けているすべての生命保険会社が加盟している社団法人です。生命保険相談所では、生命保険に対する苦情やトラブルの調停だけでなく、さまざまな相談に対して専門家が客観・中立の立場で助言をしてくれます。
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