【質問】生命保険の受取人は誰でもいいのですか?
父はある程度の資産を持っていますが、将来、遺産相続の際に「法定相続人に該当しない、ある人」に財産を分け与えたいと考えているようです。
しかし遺言状などを残して当人が相続争いに巻き込まれても気の毒なので、その人を受取人とした生命保険に加入することで、ある程度の資産を残してあげられないだろうか、と言っています。
父の遠縁にあたる人なのですが、そういう人でも生命保険の受取人にできるのでしょうか?
一般的には戸籍上の配偶者または2親等内の血族
・被保険者の戸籍上の配偶者
・被保険者の2親等内の血族
の範囲となっています。
ちなみに2親等内の血族とは、祖父母・兄弟姉妹・子・孫のうち自分と血のつながりがある人を指します。このため、いわゆる義父母や義兄弟、配偶者の子ども(血のつながりがない)などはここに含まれません。
ただし、養子縁組をした養子は「法定血族=法的な親子関係にある」とみなされるため含まれます。
また、保険によっては受取人の指定範囲をもう少し緩やかに設定しているものもあり、配偶者や2親等内の血族がいない場合はそれ以外の人を指定することも可能としている保険もみられます。
原則的には、受取人を誰にするかは保険契約者の自由
極端な例を挙げれば「隣家の方に長年お世話になったから死亡保険金を受け取ってもらいたい」と、赤の他人を受取人にするのも契約者の自由です。
しかし、現実には「確たる必然性もないのに、受取人を近しい人以外に設定するのは不自然であり、保険金目当ての犯罪が多発しかねない」として、保険会社が契約を受け付けないケースが大半でしょう。保険契約者が受取人を誰にするかは自由ですが、保険会社にもそうした契約を受け入れない自由があります。
保険の契約成立には双方の合意が必要ですから、結果的に「保険会社が認める相手しか死亡保険金の受取人になれない」ということになります。
個別に保険会社との交渉をしてみる価値あり
希望が叶うかどうかは、最終的に加入を希望する保険会社の裁量に委ねられます。保険会社に対して、保険契約者と希望受取人との関係や事情などを説明したうえで加入できるかどうか相談なさってみてはいかがでしょうか。
ただし、加入が可能な場合でも保険金額に上限が設定されるなど一定の条件が付与される可能性も考えられます。