2016年04月25日 07時30分
違いは「約100万円」!? 住宅ローン、実は知らないオトクな返済法
差額は“100万円”にもなる!?「元金均等返済」が「元利均等返済」よりお得な理由とは?
住宅ローンの返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」がある。漢字では1文字違いだが、中身には大きな違いがあるのだ。そこで今回は、住宅ローンの総返済額に着目し、「元金均等返済」が「元利均等返済」よりお得な点についてお伝えする。
■毎月の返済金額がずっと同じ「元利均等返済」
元利均等返済は、毎月支払う「元金と利息の合計金額」が同じもの。つまり、毎月の返済がずっと同じ金額となる。
特徴は、返済当初に近いほど利息が大部分を占めるため、元金均等返済と比べると住宅ローン残高の減りが遅い。借入期間中の返済金額が一定なので、ライフプランに合わせた長期の返済計画が立てやすい返済方法だ。
■毎月返済する元金がずっと同じ「元金均等返済」
元金均等返済は、毎月支払う元金の金額が同じ返済方法。返済当初は利息負担が大きく、返済が進むにつれて利息が減っていくため毎月の返済金額も減っていく。元利均等返済に比べて支払い利息が少なくなるため、総返済額も少ないのが特徴でありメリットでもある。
■総返済額にどれくらい差があるのか?
元金均等返済が元利均等返済よりも総返済額が少なくなると述べたが、実際どれだけの差があるのだろうか?
暮らしと生活設計に役立つマネー情報を中立公正な立場から提供するサイト「知るぽると」の借入返済額シミュレーションで試算してみると下記になる。
例えば、3000万円を35年固定金利(金利1.75%)で借り入れしたとすると、「元利均等返済」は総返済額が4014万660円、「元金均等返済」では総返済額が3920万8851円となり、総返済額は元金均等返済の方が93万1809円少なくなった。
この試算では、「元金均等返済」は「元利均等返済」に比べて利息分が約93万円節約できるということになった(※)。住宅ローンを借りる上で、支払うべき利息の存在はかなり大きい。
シングルの人や共働き夫婦で早いうちにどんどん返済したい人、子どもの教育費がかかる前に多めに返済したいなど、何よりも利息を節約したいという人であれば、何はともあれ『元金均等返済』での借り入れをこの機会に検討してみてはどうか。
※本文中の事例は効果についてわかりやすくしたものであり、借入金額や期間、金利の状況により、本文のような効果がない場合もある。
<記事/江原さとみ>
ファイナンシャル・プランナー、FPオフィスなでしこ代表(http://www.fp-nadesiko.com/)。システムエンジニアとして働きながらFP資格を取得。その後の証券会社や生・損保代理店での勤務経験を活かし、セミナーや執筆、個人相談など積極的に活動している。「お金の話を身近に、わかりやすく」がモットー。
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