【年収別で比較】住宅ローンの借入額の目安はいくら?無理のない借入額も解説

【年収別で比較】住宅ローンの借入額の目安はいくら?無理のない借入額も解説

住宅ローンを借り入れるとき、「自分の年収ではいくらまで借りることができるのか」「家計に無理のない返済額はどのように考えればよいのか」などについては、住宅の資金計画の中では気になる点ではないでしょうか。

この記事では、年収に対する住宅ローンの借入額の目安や、無理のない借入れを実現するためのポイントなどについて解説します。

mokuji目次

  1. 【年収別】住宅ローンの借入可能額の目安
    1. 住宅ローン借入額の目安は「年収の5〜7倍以内」
    2. 【年収300万〜700万円】借入額目安のシミュレーション
  2. 借入額の目安は返済負担率からもシミュレーションが必要
    1. 返済負担率とは?
    2. 返済負担率の目安は?
    3. 【年収別】返済負担率20%、25%の借入額目安のシミュレーション
  3. 住宅ローンを無理なく組むためのポイント
    1. 頭金(自己資金)を増やして借入額を抑える
    2. 将来のライフイベントを考慮した返済計画をたてる
    3. 家賃との比較は諸費用も含める
    4. 収入合算やペアローンを活用する
  4. 住宅ローンの借入額は年収だけでなく、返済負担率やライフプランにも考慮して決めよう

【年収別】住宅ローンの借入可能額の目安

【年収別】住宅ローンの借入可能額の目安

住宅ローンを借り入れる際には、金融機関の審査があり、借入額(融資額)についても審査を通じて決定されます。審査の内容は、年齢・勤続年数・年収・他のローンの借入状況など複数の要素があります。

住宅ローン借入額の目安は「年収の5〜7倍以内」

住宅購入予算の目安になる指標のひとつに「年収倍率」があります。年収倍率とは、購入予定の住宅価格(または住宅ローン借入額)が年収の何倍になるのかを示したものです。

調査結果を見ると、年収倍率は住宅の種類により、世帯年収(税金・社会保険料天引き前の額面)の5.3〜7.6倍となっています(下表参照)。

ただし、この調査における年収倍率は、住宅ローン借入額と頭金(自己資金)を合計した所要資金を元にした倍率です。そのため、実際の借入額の目安は年収の5〜7倍程度と考えた方が良いでしょう。

また、表で示した倍率はあくまでも目安です。必ずしも下表のような年収倍率のとおりに借り入れできるわけではありません。実際の借入額は、金融機関の審査によって変わります。

住宅種類別の年収倍率
出典:住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査

住宅の種類

年収倍率

土地付注文住宅

7.6倍

マンション

7.2倍

注文住宅

7.0倍

建売住宅

6.6倍

中古マンション

5.6倍

中古戸建

5.3倍

【年収300万〜700万円】借入額目安のシミュレーション

年収に対する倍率5〜7倍で見た場合に、借入限度額がどの程度になるのか、下表にまとめました。これから物件の購入をするという方は、物件選びの際の目安の一つとして参考にしてください。

年収倍率で見る借入額の目安
年収 年収倍率 5倍 年収倍率 6倍 年収倍率 7倍
300万円 1,500万円 1,800万円 2,100万円
400万円 2,000万円 2,400万円 2,800万円
500万円 2,500万円 3,000万円 3,500万円
600万円 3,000万円 3,600万円 4,200万円
700万円 3,500万円 4,200万円 4,900万円

借入額の目安は返済負担率からもシミュレーションが必要

借入額の目安は返済負担率からもシミュレーションが必要

住宅ローンの審査項目の一つに「返済負担率」があります。返済負担率は、無理なく返済を続ける上でも重要な指標です。ここでは、返済負担率とは何か、適正な目安とともに、年収ごとの返済負担率と返済額について見ていきます。

返済負担率とは?

返済負担率とは、税込年収に占める、ローンの年間返済額の割合のことです。住宅ローン審査では、返済負担率が基準の範囲内になることが必要で、金融機関ごとに定められています。

注意しなければいけないのは、「ローンの年間返済額」には住宅ローンだけではなく、その他のローン(自動車ローンやカードローンなど)の返済額も含まれることです。多くのローンを借り入れていると返済負担率が上がって審査に影響しますので、住宅ローン借入れの前に、他のローン返済を終わらせておくことも大切になります。

返済負担率の目安は?

返済負担率は金融機関ごとに設定されています。一般的に、上限の目安は25〜35%程度と言われています。住宅金融支援機構のフラット35(全期間固定金利型の住宅ローン)では、借り入れる人の年収によって返済負担率が設定され、「400万円未満30%以下」「400万円以上35%以下」という基準になっています。

ちなみに、フラット35を利用した人の返済負担率を見ると、「25%以上30%未満」が26.6%で最も多く、次いで「20%以上25%未満」が22.0%となっています(※)。この結果から見ると、概ね20%から30%程度の返済負担率が、実情に近い範囲と言えるかもしれません。

※出典:住宅金融支援機構「2023年度 フラット35利用者調査

【年収別】返済負担率20%、25%の借入額目安のシミュレーション

それでは、返済負担率を考慮した時の借入額の目安を見てみましょう。返済負担率を20%と25%として、年収別に年間返済額と毎月返済額、およびその返済額になる借入額を、金利を変えて試算しました。

金利を変えて試算するのには理由があります。住宅ローン審査に用いられる金利は、「適用金利(実際に貸し出す時の金利)」と「審査金利(ローン審査のための金利)」の2つがあり、どちらの金利で審査するのかは金融機関によって異なるためです。

適用金利については、ほとんどの金融機関はウェブサイトで公表していますが、審査金利については公表されていません。ただし、一般的に審査金利は3%程度と言われ、適用金利よりも高い金利になっています。

金融機関が、高めの審査金利を用いるのは、返済余力を超える借入れを防ぐためです、特に金利タイプが変動型の場合、返済期間中に金利が上がって返済額も上がることも考えられるため、金利上昇時の返済が無理のないようにという側面もあります。
試算の前提
●借入期間:35年
●適用金利:0.5%(変動型※)
 ※適用金利は変動型の金利水準で試算しています。今後の金利情勢や借入時期によって変わります
●審査金利:3.0%
●返済方法:元利均等返済(ボーナス返済なし)
返済負担率が20%、25%の借入額目安のシミュレーション
参照:住宅金融普及協会「住宅ローンシミュレーション 借入可能額の計算
年収 返済負担率 年間返済額
(毎月返済額※)
※1円未満切り上げ
借入可能額
適用金利(0.5%) 審査金利(3.0%)
300万円 20% 60万円
(5万円)
約1,926万円 約1,299万円
25% 75万円
(6万2,500円)
約2,408万円 約1,624万円
400万円 20% 80万円
(6万6,667円)
約2,568万円 約1,732万円
25% 100万円
(8万3,334円)
約3,210万円 約2,165万円
500万円 20% 100万円
(8万3,334円)
約3,210万円 約2,165万円
25% 125万円
(10万4,167円)
約4,013万円 約2,707万円
600万円 20% 120万円
(10万円)
約3,852万円 約2,598万円
25% 150万円
(12万5,000円)
約4,815万円 約3,248万円
700万円 20% 140万円
(11万6,667円)
約4,494万円 約3,031万円
25% 175万円
(14万5,834円)
約5,618万円 約3,789万円
このように、適用金利と審査金利では、金利水準の違いから借入可能額に大きく差が出ます
前述したとおり、金利水準は各金融機関で異なるため、住宅ローンの借り入れ検討時には複数の金融機関に審査の申し込みをするとよいでしょう。

住宅ローンを無理なく組むためのポイント

住宅ローンを無理なく組むためのポイント

住宅ローンの借入れで最も大切なポイントは、「借りられる額」ではなく「無理なく返済できる額」で借り入れることです。その方法についても押さえておきましょう。

頭金(自己資金)を増やして借入額を抑える

住宅ローンの借入額は、当然のことながら少ない方が返済にゆとりが生まれます。そのためには、頭金をできるかぎり多く準備しましょう。頭金とは、自分自身で用意する「自己資金」のことです。

頭金の額を増やすことで、返済負担率が下がり、住宅ローン審査に通りやすくなることに加え、借入額が少なくなれば毎回の返済額が軽減でき、返済開始後の家計にゆとりが持てるといったメリットがあります。

金融機関によっては、頭金なしで住宅価格のすべてを借り入れる「フルローン」も可能な場合があります。しかし、頭金がないと借入額が増えて返済負担率が上がり審査が厳しくなることや、金融機関によっては適用金利に影響することもあります。実際、住宅金融支援機構のフラット35では、頭金を1割以上用意できれば、低い金利で借入れできます。

とはいえ、貯蓄のほとんどを頭金に充当することは避けましょう。何らかの事情で収入が途絶えたとしても、住宅ローン返済などに支障が出ないよう、半年から1年分程度の生活費を、緊急予備資金として手元に残しておきたいものです。

将来のライフイベントを考慮した返済計画をたてる

住宅ローン返済は長期間になるため、最後まで確実に返済できることが最も大切です。そのためには、住宅ローン返済開始後のライフスタイルや家計の変化について考えておきましょう

なかでも「住宅資金」「教育資金」「老後資金」は、人生の三大資金と呼ばれています。小さなお子さんがいる子育て世帯なら、住宅購入後の大きな支出は、子どもの教育資金です。幼稚園から高校までの15年間(すべて私立)の費用総額は約1,840万円という調査結果もあります(※)

老後資金についても同様です。定年後は公的年金が生活のベースになりますが、一般的にはそれだけでは不安を感じる人がほとんどではないでしょうか。老後に備えた計画的な貯蓄や、iDeCo・NISAなどの国の非課税運用制度なども活用し、ローン返済と並行した資金作りも必要です。

このような、住宅費以外の支出についても想定し、確実に返済できる「身の丈にあった借入額」にすることがポイントです。そのためには、今後数十年間の家計収支や資産をシミュレーションする必要があります。

将来的にどの程度の収入が見込めるのか」「どのようなライフイベントが予想され、そのときの支出はどの程度なのか」などをシミュレーションして借入額を決めれば、返済開始後も無理な節約をすることなく、希望するライフプランが実現する可能性が高くなります。

家計のシミュレーションには、下記のサイトが役に立ちます。

金融庁「ライフプランシミュレーター
金融広報中央委員会「知るぽると

※出典:文部科学省「令和3年度 子供の学習費調査」をもとに試算

家賃との比較は諸費用も含める

住宅購入の資金計画の中で見落としがちなのが、新生活に関する費用です。住宅ローンの毎回返済額を見て、「今の家賃とたいして変わらないから返済は大丈夫」と考えて借り入れてしまうと、新居での生活が始まってから家計を圧迫することになるかもしれません。

持家になって新たに発生する代表的な支出が、「固定資産税・都市計画税」です。これは、毎年1月1日現在の土地・建物の所有者に対してかかる税金で、毎年納める必要があります。

また、マンションを購入すると、建物の共用部分の日常管理や定期的な清掃・点検に必要な「管理費」、修繕計画に基づいて実施される大規模修繕費用に備える「修繕積立金」を毎月支払います。戸建ての場合は、このような費用はありませんが、将来的な建物の修繕費用として、自分自身で準備する必要はあるでしょう。

さらに、「火災保険・地震保険」の保険料も一定期間ごとに発生します。火災保険は、住宅ローンを借り入れる際には原則として加入が必要ですし、近年の自然災害の多発傾向からも必須の保険と言えるものです。

このような、新生活で発生する費用を念頭に、住宅ローン返済額と合わせて家計に無理のない借入額を決めることも、住宅の資金計画では大切なポイントです。

収入合算やペアローンを活用する

購入予定の住宅価格に対して、頭金と住宅ローン借入額を合計しても不足するときには、「収入合算」や「ペアローン」を利用して、借入額を増やす方法があります。

収入合算は、借り入れる本人の収入に、配偶者などの収入を加えて「年収」とすることで、住宅ローンを借り入れる方法です。2人分の収入が年収となるため、返済負担率を計算する際に有利になり、借入額を増やすことができます。収入合算できる人の範囲(配偶者、親など)や、合算できる収入の上限は金融機関によって異なります。

ペアローンは、1つの物件に対して夫婦や親子など、それぞれが同じ金融機関で住宅ローン契約を結び、借り入れる方法です。2人の収入に応じた住宅ローンの借入れが可能になるため、どちらか1人で借り入れるよりも、借入額を増やせることがメリットです。また、金利タイプ(固定型・変動型など)についても、それぞれで選ぶことができます。

ただし、収入合算やペアローンを利用できたとしても、将来的に2人で安定した収入が見込めて、返済も無理なくできることが前提です。どちらか一方が転職や退職、起業などで働き方や収入に変化があるとローン返済に影響しますので、過大な借入額にならないよう注意してください。

住宅ローンの借入額は年収だけでなく、返済負担率やライフプランにも考慮して決めよう

この記事では、住宅ローンの借入額の目安について解説しました。借入可能額の目安は、年収の5~7倍程度を目安に考えるといいでしょう。ただし、無理のない返済計画を立てるためにも、返済負担率や今後のライフプランも考慮して借入額を決めていくことが重要です。住宅ローンを最後まで確実に返済できるよう、身の丈にあった借入額で住宅購入の資金計画を立てることが大切です。

なお、住宅ローンの借入可能額や金利水準は各金融機関で異なります。そのため、複数機関で審査に申し込むと良いでしょう。

オリコンでは、実際の住宅ローン利用者を対象にアンケート調査を行い、毎年「住宅ローン 顧客満足度ランキング」を発表しています。各社の評判・口コミも掲載していますので住宅ローン選びの参考にしてください。

住宅ローンオリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    72.3

    ソニー銀行

  • 2位

    72.0

    auじぶん銀行

  • 3位

    71.8

    イオン銀行

  • 4位

    71.3

    住信SBIネット銀行

  • 4位

    71.3

    SBI新生銀行(旧:新生銀行)

  • 6位

    71.0

    楽天銀行

  • 7位

    70.7

    三菱UFJ銀行

  • 7位

    70.7

    三井住友銀行

  • 9位

    70.2

    西日本シティ銀行

  • 10位

    70.1

    関西みらい銀行

  • 11位

    69.9

    愛知銀行

  • 11位

    69.9

    山陰合同銀行

  • 13位

    69.4

    りそな銀行

  • 14位

    69.2

    三井住友信託銀行

  • 14位

    69.2

    十六銀行

  • 16位

    69.1

    埼玉りそな銀行

  • 16位

    69.1

    福岡銀行

  • 16位

    69.1

    みずほ銀行

  • 19位

    69.0

    大垣共立銀行

  • 20位

    68.9

    横浜銀行

  • 20位

    68.9

    池田泉州銀行

  • 22位

    68.8

    静岡銀行

  • 23位

    68.7

    京都銀行

  • 24位

    68.6

    群馬銀行

  • 24位

    68.6

    常陽銀行

  • 26位

    68.5

    百五銀行

  • 26位

    68.5

    中国銀行

  • 28位

    68.4

    千葉銀行

  • 29位

    68.3

    八十二銀行

  • 29位

    68.3

    肥後銀行

  • 31位

    68.2

    広島銀行

  • 31位

    68.2

    北海道銀行

  • 33位

    68.1

    滋賀銀行

  • 34位

    67.9

    七十七銀行

  • 34位

    67.9

    日本住宅ローン

  • 36位

    67.5

    北洋銀行

  • 37位

    67.4

    北陸銀行

  • 38位

    67.0

    第四北越銀行(旧:第四銀行、旧:北越銀行)

  • 39位

    66.9

    ARUHI

  • 40位

    66.8

    足利銀行

  • 41位

    66.4

    京葉銀行

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