住宅ローン借り換えの注意点は?タイミングや失敗しないためのポイントを解説
ここでは、住宅ローンの借り換えの仕組みやメリットと注意点、借り換えを行うときの注意点を解説します。さらに借り換えを検討すべきタイミングについても説明していますので、住宅ローン借り換えの検討をする際の参考にしてください。
目次
住宅ローンの借り換えとは?
借り換え以降は、新しい金融機関に対して住宅ローンの返済を行っていきます。詳しくは後述しますが、毎月の返済額や返済総額を減らせるなどの理由から、検討する方も多いのが実情です。
住宅ローン借り換えのメリット
毎月の返済額、返済総額を減らせる可能性がある
例えば、以下の条件で住宅ローンを借りたとしましょう。
・借入元金:3,000万円
・返済期間:30年
・借入金利:年2.0%
・ボーナス月の加算額はないものとする
・手数料、税金は考慮しないものとする
この場合、返済額は次のようになります。
・年間返済額:133万0,620円
・返済総額:3,991万8,600円(うち、利息分991万8,600円)
この場合、返済額は以下のようになります。
・11年目からの年間返済額:121万5,132円
・返済総額:3,772万4,328 円(うち、利息分772万4,328円)
借り換えにより、実際にどれだけの効果が見込めるかは個々のケースにより異なるので、数パターンのシミュレーションをして検討してみましょう。
団信(団体信用生命保険)の見直しができる
がんや脳卒中等、特定の疾患に罹患した場合でも対象となる団信に加入すれば、経済的な心配をせずに治療に取り組めるというメリットがあります。なお、団信への加入は住宅ローンの契約と同時に行わないといけません。このため、住宅ローンの借り換えをすれば、そのタイミングで改めて内容を見直すことができます。
金利タイプの変更ができる
金利タイプ | 特徴 |
変動金利型 | 返済期間中、情勢の変化により金利が変わることがある |
全期間固定金利型 | 借入時の金利が返済終了時まで適用される |
固定金利期間選択型 | 「当初10年間は年1.0%」といったように、一定の期間のみ固定金利が適用される。期間終了後は改めて固定金利を選ぶか、変動金利を選択する |
逆に、金利が上昇局面にあるなら、あえて固定金利の住宅ローンに借り換えることで、変動リスクを抑えて安定した返済計画を立てることが可能です。
住宅ローン借り換えの注意点
手続きの諸費用が掛かる
なお、諸経費には以下の項目が含まれます。
・ローン手数料
・ローン保証料
・印紙税
・火災保険料
・地震保険料
・団体信用生命保険料
・登記費用(登録免許税、司法書士報酬)
金利差、残債、返済期間によっては効果が得にくい場合がある
・金利差:年1%以上
・住宅ローン残高:1,000万円以上
・完済までの残年数:10年以上
借り換えには手数料がかかるうえに、審査書類の準備や手続きに手間もかかるため、十分な効果が得られるかは慎重に検討しましょう。
金利動向によっては減額効果が得られない場合もある
例えば、「変動金利が上昇すると見込んで固定金利に変更したが、予測通りにならなかった」ということは往々にしてあり得ます。想定の金利動向にならなかった場合に、シミュレーション通りの減額効果が得られなくなるので注意しましょう。金融機関の担当者とよく相談したうえで、金利タイプの特徴を理解して選択するのが大事です。
再度の審査を受ける必要がある
新規でローンを組んだ当初から健康状態や経済面での状況が変わっている可能性も高いため、状況によっては審査に通らないかもしれません。不安な要素があるなら、無理に借り換えを進めないのも1つの選択肢です。
住宅ローン控除の対象外となる可能性がある
住宅ローン控除とは、住宅ローンを組んで持ち家を購入した場合、「年末時点での住宅ローンの残高の0.7%」が、入居時から最長13年間、所得税および住民税から控除を受けられる制度です。正式名称は「住宅借入金特別控除」と言いますが、通称の「住宅ローン控除」がよく知られています。
住宅ローン控除を受けるためには、さまざまな条件を満たさなくてはいけません。その中に「住宅ローンの返済期間が10年以上」という条件があるため、借り換えによってこの条件を満たせなくなった場合、住宅ローン控除は受けられなくなります。
同じ銀行での借り換えは基本的にできない
また、借り換えはできなくても、繰り上げ返済をしたり、金利タイプの変更をしたりなど、契約内容の変更はできます。ただし、具体的な扱いは金融機関によって異なるので、都度確認しましょう。
借り換えで失敗しないためのポイント
目的を決める
目的は人それぞれですが、一般的には以下のようなものが考えられるでしょう。
・返済総額を減らしたい
・毎月の返済額を減らしたい
・団信の内容を見直したい
・金利タイプを変更してリスクを軽減したい
住宅ローン控除対象かを確認する
シミュレーションするときは、諸費用も含めて効果を比較
手続きに時間がかかるものと想定して動く
借り換えを検討すべきタイミングは?
金利差1%、残債が1,000万円以上、残りの返済期間が10年以上のタイミング
ただし、借り換えにより負担が軽減できるかは、金利動向などその他の条件によっても左右されるので、総合的に判断しましょう。なお、完済までの残年数が10年を切る場合は、住宅ローン控除の適用対象外になるため、あえて借り換えをしないのも1つの選択肢です。
固定金利特約期間が終了した
当初の固定期間が終了して再び固定金利を選んだ場合も、新しく選択した時点での金利が適用されますので、金利動向によっては、当初よりも金利が高くなることはあり得ます。そうした場合に負担を減らすために、より条件の良い住宅ローンを探しても良いでしょう。
金利タイプを変更したい時
現在返済中のローンが変動金利の場合、固定金利への変更が可能なこともあります。ただし、固定期間選択型ローンの固定期間中は、金利タイプの変更ができないのが一般的です。このように現在のローンで金利タイプを変更できない場合でも、別の金融機関に借り換えることで変更が可能です。
ローンの返済は20年~30年以上の長期間に渡って続きますので、金利が変わるとそれだけ返済額への影響も大きくなります。シミュレーションを活用して、慎重に検討しましょう。
住宅ローンの借り換えは、注意点を知った上で目的に合った会社を選ぼう
返済計画について数パターンのシミュレーションをするとともに、金融機関の担当者にも質問し、疑問を解消したうえで進めるのをおすすめします。そのためにも、まずは信頼できる住宅ローン提供会社を見つけることが第一歩でしょう。
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