フラット35とはどんな住宅ローン?利用条件や向いている人・いない人の特徴を解説
本記事では、フラット35はどのような住宅ローンなのか、その特徴と利用条件、メリット・デメリットを説明します。さらに記事の後半では、フラット35に向いている人・向かない人の特徴や、上手に利用するためのポイントについても解説していますので、住宅ローンを検討中の方はぜひ参考にしてください。
目次
フラット35とは?
全期間固定金利型の住宅ローン
住宅金融支援機構は、国土交通省と財務省が所管する独立行政法人です。主な業務として、民間金融機関が融資した住宅ローン(債権)を、住宅金融支援機構が買い取ることで証券化し、投資家に販売しています。
長期固定金利型の住宅ローンは、金利が上昇しても、その分を借入者に転嫁することができないため、民間の金融機関では取り扱うことが難しいと言われています。そのため、住宅金融支援機構が債権の買取りというサポートをすることで提供する商品とも言えるでしょう。
返済期間は最長35年
ただし、ローン完済時の年齢が80歳になるまでというルールがあり、借入申込時の年齢から80歳になるまでの年数が、35年よりも短い場合は、その年数が最長返済期間となります。
例えば、申込時の年齢が61歳3ヵ月の人の場合は「80歳−62歳(1歳未満を切り上げ)」となりますので、18年が最長返済期間となります。
また、申込時の年齢については、収入合算者がいる場合や親子リレー返済を利用する場合については下記のような決まりもあります。
● 親子リレー返済を利用する場合、収入合算者になるかどうかに関わらず、後継者の年齢が基準となる
借入限度額は8,000万円
融資対象になる費用として、マンションや戸建住宅の購入費、注文住宅を建てる場合の土地の取得費や建設費、およびそれらに伴う諸費用(登記費用や融資手数料など)が該当します。
フラット35の利用要件
借入者について
借入者の年齢
資金の使途
返済負担率
例えば、年収500万円、ローンの年間返済額の合計120万円の場合は、(120÷500)×100=24%となり、基準に収まります。なお、ローンの年間返済額には、カードローンや車のローンなど他のローン返済額も含まれます。
建物について
住宅の床面積
適合証明書が必要
*フラット35の利用要件についての詳細は、取扱金融機関に確認するようにしてください。
フラット35のメリット
・契約時に保証人が不要
・繰上返済に手数料がかからない
・比較的審査に通りやすい
・オーバーローンにできる
固定金利で計画を立てやすい
契約時に保証人が不要
繰上返済に手数料がかからない
比較的審査に通りやすい
オーバーローンにできる
なお、民間の金融機関でも諸費用を住宅ローンの借入額に含める場合があります。住宅ローン組み込める諸費用の範囲は金融機関によっても異なるので、検討中の方は公式WEBサイトまたは窓口で最新の情報をご確認ください。
フラット35のデメリット
・自己資金が1割未満だと金利が高くなる
変動金利型より金利が高めに設定される
変動型の金利は、政策金利を基準にした「短期プライムレート」に、一定幅を上乗せした「店頭金利」をもとにして決まります。各金融機関はさらに金利優遇幅を設定していて、「店頭金利」に優遇幅を適用した「適用金利」が実際に貸し出すときの金利になります。
近年は金融機関同士の競争激化などで、変動型の適用金利は1%を切る水準が続き、フラット35との金利差は大きくなっています。
自己資金が1割未満だと金利が高くなる
融資率とは住宅価格に対する借入額の割合のことで、【融資率=フラット35の借入額/住宅の建設費または購入価額】で算出できます。なお、実際の金利設定は各金融機関で異なります。
フラット35の利用が向いている人
金利の上昇を避けたい人
返済額の上昇が家計に影響のある人
病歴があり健康状態に不安のある人
フラット35の利用をやめたほうがいい人は?
金利変動リスクがあっても低い金利を選びたい人
夫婦で収入があり安定的に返済できる見通しの人
貯蓄が十分あり金利上昇局面で操上返済できる人
フラット35をうまく利用するためのポイント
・家計の収支を踏まえたシミュレーションで借入額を決める
住宅や家族のライフスタイルに合わせて商品を選ぶ
これらの項目に該当すれば、金利引き下げ制度が適用されます。また、複数のメニューを併用できる場合もあり、該当する項目合計数に応じた金利設定が適用されます。
主なメニューは次のとおりです。
フラット35S
フラット20
フラット35リノベ
フラット35子育てプラス
なお、種類によっては受付の締切が設定されており、予算金額に達する見込みになると受付終了になるものもあります。
家計の収支を踏まえたシミュレーションで返済額を調整する
つまり、住宅ローンの借入額は「借りられる額」ではなく、「確実に返済できる額」で設定することが最も重要です。将来的な世帯収入やライフイベントへの支出を考え、今後数十年間の家計をシミュレーションしてみましょう。
このような「ライフプランニング」を行ったうえで、それを裏付けとして返済できる借入額を決めていけば、買いたいもの、やってみたいことを我慢することなく、無理のない返済が実現できるのではないでしょうか。
家計のシミュレーションには、下記のサイトが役に立ちます。
・金融庁 ライフプランシミュレーター(外部サイト)
・金融広報中央委員会 知るぽると(外部サイト)
フラット35の利用を検討するなら、複数の金融機関で比較することも大切
ただし、変動金利型に比べると金利水準は高くなりますので、借り入れにあたっては将来的な世帯の収入やライフイベントへの支出をシミュレーションし、最後まで確実に返済できる額で申し込むことが大切です。
なお、フラット35の適用金利は金融機関ごとに異なります。検討中の方は複数の金融機関を比較することも大切です。
オリコンでは、フラット35利用者へのアンケート調査に基づいて毎年、「住宅ローン【フラット35】顧客満足度ランキング」を発表しています。住宅ローンへの加入を検討される際はこちらもぜひご参考いただき、自分に合ったより良い選択肢を見つけてみてください。