2015年04月21日 09時40分
【自動車保険】安く抑えるコツを知ろう! 価格設定の仕組みを紹介
わかりづらい保険料節約のコツ……まずは「仕組み」を抑えておこう
自動車保険にはさまざまな限定条件や特約があり、条件がひとつでも異なれば保険料は変わるもの。とはいえ、初心者にとっては、どのように組み合わせれば、必要な補償が得られて、保険料を安く抑えられるのかは非常にわかりづらい。そこで、自動車保険に詳しい“プロ”の意見を交えつつ、保険料の仕組みを解説していく。
■保険料がかわる条件とは?
自動車保険の保険料は、運転者の限定範囲(誰が運転するのか)や年齢条件、等級、車種・型式、車両保険、契約車の使用目的(主に日常やレジャー使用、業務用等)によって決まる。さらに、ダイレクト型の場合には、このほかに年間走行距離も保険料に反映される。
■保険料はどうやって決まる?
保険料率が算出される基礎となるのは「参考純率」というもので、損害保険会社を会員とする“損害保険料率算出機構”によって作成されている。会員から提供されたデータに基づいて、精度の高い保険統計を作成し、分析の後に適正な参考純率などを算出している。各会員保険会社は、この参考純率をベースとして自社の保険料率を修正して利用する。なかには、参考純率を用いずに、独自の純保険料率を算出する保険会社もある。
■保険料を決める要素は何?
では、実際にどんな要素で保険料は決まるのか。保険料が決まる要素には、「車の年式」「車種」「主な運転者の年齢」「等級」「運転者の範囲」などがあり、さらにその中で区分けされて明確化される。
では、実際に損害保険料率算出機構の参考純率の区分要素をもとにみていこう。ここでは自家用乗用車(普通・小型)の自動車保険を例にする。
▼年齢
年齢によって事故が起きるリスクが異なるため、保険料は契約の自動車を運転する者の年齢範囲に応じて「全年齢補償」、「21歳以上補償」、「26歳以上補償」の3区分にわかれている。10代から20歳が範囲の「全年齢補償」が最も保険料は高い。さらに、「26歳以上補償」が自家用乗用車(普通・小型)の9割を占めていることから、記名被保険者の年齢別に6つの区分(30歳未満、30歳以上、40歳以上、50歳以上、60歳以上、70歳以上)が設けられている(保険会社によって異なる場合がある)。
補足だが、「契約者」は保険を締結して保険料の支払いの義務を負う人を指し、「記名被保険者」は契約の自動車を主に使用する者を指す。
▼等級
契約者の過去の保険成績(無事故年数・事故件数等)に応じてリスクが異なるため、自動車1台ごとに、「前年契約の有無」、「適用等級」、「前年事故の有無・件数」に応じて等級が決定する。等級は通常1〜20等級にわかれており、新規契約の場合は6等級(2台目の場合は7等級からの場合も)から始まる。7等級(新規契約を除く)から20等級については、事故がなかった契約者と事故があった契約者でさらに区分(無事故・事故有)が設けられている。
▼保険金額および免責金額
支払われる保険金の最高限度額や事故時の自己負担分である免責金額の設定内容によって補償範囲が異なるため、保険金額や免責金額の額によっても保険料は変わる。
▼運転者限定
補償対象となる運転者の範囲によりリスクが異なるため、誰が運転すると保険の対象になるかによって保険料も変化する。補償対象とする運転者を「限定しない場合」、「家族に限定する場合」、「本人・配偶者に限定する場合」の3区分にわかれている。ここでの家族は「本人」「配偶者」「本人または配偶者の同居の親族」「本人または配偶者の別居の未婚の子」を指す。
▼型式別料率クラス
自動車の型式(車種)により保険成績が大きく異なるため、料率をクラス1から9に区分されている。
▼新車・新車以外
新車は、安全装置や車両構造等、安全性の改善や向上が図られ保険成績が良好となる傾向が強いため、車両保険以外について新車と新車以外に区分されている。
このほかにも、さまざまな特約や条件設定によって保険料は変わってくる。次回は、保険のプロが「必ずつけるべき」と勧める2つの特約、弁護士費用特約と個人賠償特約について紹介する。
取材協力:ファイナンシャルプランナー/FP技能士2級
東京サンコー株式会社代表取締役 長島良介氏
取材・文:寺本亜紀
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