2015年06月04日 09時50分
保険料を抑えられる“新自動車保険” 利用者のメリットはいかに!?
運転次第で保険料を抑えられる「テレマティクス保険」って、どんなもの?
自動車保険は、近い将来、通信システムを使って運転状況を収集・分析し、保険料を算出する「テレマティクス保険」が主流になるかもしれない。欧米ではすでに加入者が急増中で、5年後には3割を超す勢いだ。自身の運転次第で保険料を抑えられるメリットがあるため、日本での一般化も大いに期待できる。そこで、すでに進んでいる日本企業の取り組みをいくつか見ていこう。
■あいおいニッセイ同和損保は個人向けに販売中
日本のテレマティクス保険は、今年から各社の動きが活発になっている。あいおいニッセイ同和損害保険は、トヨタのナビゲーションシステムと連動して保険料を算出する走行距離連動型の商品「つながる自動車保険」を4月に発売した。同社は、イギリスのテレマティクス自動車保険大手のボックス・イノベーション・グループを買収しているため、今後より一層、同保険の商品開発に力を入れることは必須であろう。
■損保ジャパン日本興亜は法人向けに展開
損害保険ジャパン日本興亜は、昨年12月に法人向けサービス「スマイリングロード」の提供を試験的に開始。今年3月から全国展開を始めた。自動車事故損害による経営リスクを減らしたいという法人向けにも、テレマティクス保険は展開されているのだ。
このサービスでは、東芝製の通信機能付ドライブレコーダーを社有車に貸与し、データの分析結果をスマートフォンなどにフィードバックすることで、安全運転をサポート。同社のフリート契約に加入している法人が全車両に導入すると、保険料が5%割引になる。自動車保有数が多い法人にとっては大きなメリットがあるだろう。
■ヤフーとアクサ損保も前向きに構想
ヤフーは今年3月、自社のアプリ「Yahoo!カーナビ」と三井住友海上火災保険のアプリ「スマ保『運転力』診断」を今夏より連携するとともに、カーテレマティクス事業「ヤフーカーナビプラス(仮称)」を構想すると発表した。
「スマ保『運転力』診断」は、加速度センサーを用いてドライバーの運転技能を客観的に評価するアプリ。「Yahoo!カーナビ」は、「VICS」情報対応で、渋滞予測からガソリン価格までわかる多様性アプリ。両者連携で、自動車運転時に発生するあらゆるリスクを軽減するための第一歩が始まった。これからの動きが楽しみだ。
アクサ損害保険は、テレマティクスサービスの解析や構築を主軸にビジネスを展開するスマートドライブ社との業務提携を今年4月に発表。さらに、サービス基盤にインテルのテレマティクス向けサービス・プラットフォームを採用することも発表された。今後、どのような高付加価値商品を誕生させるのか、注目していきたい。
保険料の割引もさることながら、ドライバーの運転意識向上による事故率の低下も期待できる「テレマティクス保険」。利用する側も積極的に活用していきたいところだ。
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