2017年10月19日 09時20分

確認すれば防げたトラブルも 自動車保険の相談事例

自動車保険を利用するにあたり、知っておきたい相談窓口と事例 [拡大する]

自動車保険を利用するにあたり、知っておきたい相談窓口と事例

 自動車事故は人身など相手があるものも多い。だからこそ、解決するために時間もかかるし、時にはこじれてしまうこともあるだろう。また、納得のいかない解決結果もなかにはあるのかもしれない。それは当事者にしかわからない苦労だが、解決の糸口になる手助けをする窓口がある。自動車保険を利用するにあたり知っておきたい相談窓口と事例を紹介する。

■苦情減少であっても自動車保険の割合は63.6%に

 損害保証協会のお客様対応窓口「そんぽADRセンター」では、損害保険に関する一般的な相談に対応するほか、保険業法に基づく指定紛争解決機関として、顧客と保険会社の間に立って、損害保険会社とのトラブルが解決しない場合の苦情の受付や、損害保険会社との間の紛争解決のための業務を行っている。

 同協会の報告「統計号2017年度第1四半期」(2017年4月1日〜6月30日)によると、同期間に受け付けた件数は、8388件となった。前年同期受付分と比較すると、約15.30%である1515件減少した。受付件数の減少傾向に至る理由には、交通事故件数の減少とそれに伴う自動車保険に関する申出の減少等が影響していると考えられる。とはいえ、自動車保険、火災、傷害、新種・海上、その他保険のうち63.6%を自動車保険が占めている。

■両者ともに不備がないか確認する余裕が必要

 そんぽADRセンターでは、顧客または保険会社から紛争解決手続の申立てを受け付けた場合、紛争解決手続を実施している。第1四半期では、107件中72件が自動車保険だ。事例のうちのひとつが「契約の募集」に関する行き違いだ。契約者側の失念であったり、保険会社の内容の取り違えなどだ。

 例えば、次のような事例だ。どちらも当事者が自身のやるべき事項を確認していれば防げた内容のように見受けられる。

・通勤のみで使用している自動車を保険会社が誤って「業務使用」として申込みをした(保険会社の取り違い)
・自動車保険契約が更新されていない(契約者の確認漏れ)

 また、「契約の管理・保全」に関するものでは、契約者と保険会社との認識の違いからすれ違いが見られる。目についたのが等級関係だ。保険会社の乗り換えの際の等級引き継ぎや等級ダウンにより保険料アップとなったため、不服に思った契約者からの申し立てだ。

 例えば、自動車保険の解約を依頼したが、同日付でほかの保険会社と新たな保険契約を締結したが、前契約が保険料未入金を理由に解除となり、新たに契約した保険契約に前契約のノンフリート等級が継承できなくなった事例だ。ここでは保険料の未払があり等級継承できないということが焦点になる。契約者も自身に不備がないか確認する余裕があると安心だ。本来の目的である等級の継承ができないのは本末転倒だからだ。

 保険は契約のうえで成り立っている。契約者も保険会社も細心の注意を払い、不都合な契約にならないように心がけたい。また、万一の保険金の支払請求のときに、スムーズにすすめるように契約の内容についてしっかりチェックしておこう。

<文/竹谷希美子(ファイナンシャル・プランナーCFP)>
【監修/SAKU】

>>車を買ったら 満足度が高い【自動車保険】をチェック

>>自動車保険、「等級」を活用した便利な“節約術” 新車購入でよりお得に!

オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

当サイトで公開されている情報(文字、写真、イラスト、画像データ等)及びこれらの配置・編集および構造などについての著作権は株式会社oricon MEに帰属しております。これらの情報を権利者の許可なく無断転載・複製などの二次利用を行うことは固く禁じております。