2015年07月31日 08時10分
「ネット銀行+財形貯蓄」でメリット2倍!? “いいとこ取り”の方法とは…
「ネット銀行」と「貯蓄財形」のいいとこ取りでメリット2倍?
ここ数回にわたって、「財形貯蓄」についての記事を紹介し、基礎知識から種類、魅力について解説してきた(関連記事を参照)。前回では、財形貯蓄のデメリットがメリットにもなることを紹介したが、今回はネット銀行の自動積立と比較しながら違いなどを説明していく。ぜひ、自分に合った貯蓄の仕方をみつけてほしい。
■ネット銀行の自動積立と財形貯蓄の違いは?
これまで財形貯蓄が、給与からの天引きで行われる貯蓄制度で、選ぶ種類によって元本(預入額+元加利息)550万円まで利子などが非課税になること、勤務先によって財形加入者に奨励金を支給しているところがあるなどのメリットを紹介した。
ただ、金利面を見ると、一般の金融機関の金利とほぼ同等であるため、財形貯蓄はあまり有利とはいえない。少しでも高金利で積み立てたいのであれば、定期預金の金利が高い「ネット銀行」での自動積立を利用する方がいいだろう。
さらに、自動積立と比較した場合の財形貯蓄のデメリットとしては、余裕資金を好きなときに積み立てることができないという点もある。銀行の自動積立ならば、ちょっとした臨時収入などをいつでも追加入金することができる。“使い勝手”という点では、自動積立に軍配が上がるのだ。
財形貯蓄の場合、勤務先によっては、提携している金融機関が少なく、自分が預入したい金融機関を選べないケースもある。また、転職した場合に、新しい職場に財形貯蓄制度がなければ継続できないという点にも注意したい。制度によってデメリットがあることも覚えておいた方がいいだろう。
■それぞれの“いいとこ取り”も可能
財形貯蓄や自動積立のメリット・デメリットを説明したが、先取り貯蓄の方法は「財形だけ」「積立だけ」と決めてしまうよりも、財形貯蓄、自動積立、それぞれのいいところを利用すべく、どちらも利用するのがオススメだ。
たとえば、将来の“住宅取得のための資金”は、利息が非課税となる「財形住宅貯蓄」を利用し、急に必要になる可能性もある“病気などへの備え”、“結婚資金”などは、金利が高めで使い勝手の良い「ネット銀行」の自動積立を利用する手もある。
また、財形貯蓄とネット銀行とで分散して積み立てることは、ペイオフ対策にもなる。財形貯蓄で金融機関に預けている定期預金なども、ペイオフの対象となるのだ。財形で預けている額だけではなく、同じ金融機関に預けている他の預金商品と合わせて1000万円を超えることのないように、残高には注意しておいたほうがよい。その調整のためにも、財形とは別に、ネット銀行での自動積立を上手に活用するのがいいだろう。
数回にわたり、先取り貯蓄の方法、財形貯蓄や自動積立の特徴について解説してきたが、早めに始めることが何よりオススメだ。あれこれ迷って数ヶ月経ってしまえば、その月の給与からは先取り貯蓄できない。当たり前のことだが、それだけ貯まる額も少なくなってしまう。金利云々を考えているうちに、半年経ってしまったら、その半年分は積み立てられなくなってしまうのだ。
早めに始めれば、たくさん貯められるもの。まずは、迷わずに始めて、ぜひ“貯める楽しみ”を感じてほしい。
(記事/川口沙織)
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