2017年06月11日 11時30分

トータル出費額はいくら? 見落としがちな“リボ払いのワナ”

【図表】20万円の買い物をして、金利15%、月々定額5000円のリボ払いで支払う場合の利息計算 [拡大する]

【図表】20万円の買い物をして、金利15%、月々定額5000円のリボ払いで支払う場合の利息計算

 クレジットカード会社から届くメルマガやパンフレットで、「今なら“リボ払い”でポイントが2倍!」などのキャンペーンを見たことがある人も多いのではないだろうか。「ポイントがたくさん付くなら、リボ払いにしてみようかな」と考える人もいるかもしれないが、実は要注意だ。付与されるポイント以上に、大きな利息を払うことになり、トータルの出費額では損をしているケースが多いからだ。今回は“リボ払いのワナ”についてお伝えしよう。

■知らず知らずのうちに出費額が膨らむ

 たとえば、リボ払いで20万円の買い物をして、元金を5000円ずつ定額返済していった場合、「毎月少しずつ支払えて便利」で「しかもポイントもたくさん付いてお得」と感じるかもしれない。だが、支払い回数分だけ利息(手数料)を払い続けることになる。仮に金利が15%なら、5万865円もの利息を支払うことになるのだ(図表参照)。

 もしポイントが5%ついたとしても、20万円では1万円分のポイントなので、利息で5万円以上を支払うことを考えると「お得ではない」ということがわかるだろう。リボ払いはお得なようで、実は大きな出費につながってしまうことを理解しておきたい。

■なるべく早めに“繰り上げ返済”

 では、リボ払いを利用するとどんなメリットがあるのだろうか。あえて挙げるとしたら、どうしても買わなくてはならないものがあるが手元にお金がない場合でも、手に入れることができるという点だ。ただし、前述のように大きな出費につながってしまうため、利用したときは、なるべく早めに“繰り上げ返済”することをおすすめしたい。

 繰り上げ返済とは、借りているお金を早めにまとめて返済すること。繰り上げ返済が早ければ早いほど、月々の利息分を支払わずに済むので、トータルの出費が抑えられる。カード会社によっても異なるが、提携ATMで支払うか、カード会社の指定口座へ振り込むことで、繰り上げ返済ができる。

■リボ払いの習慣化にも注意

 一度でもリボ払いをすると、習慣化してしまう点にも注意だ。「毎月数千円の返済で済むから楽」といって、20万円の支払いが終わらないうちに、さらに30万円の買い物をして、どんどん金額が膨らんでいく人もいる。どんなに大きな買い物を重ねても、リボ払いなら月々数万円の返済で済むため、“お金に困る”という実感がなくなって危険なのだ。

 リボ払いを繰り返して利息を支払っていると、自分のお金を本当に必要なものだけに使えなくなってしまい、非常にもったいない。自分のペースで本当に必要なものに使えるように、クレジットカードは「一括払い」が基本だと心得よう。

(ライター:西山美紀)
ファイナンシャルプランナー。2児の母。これまでに1万件以上のマネーデータを分析し、500人以上にマネーの取材を行うほか、女性の生き方などをテーマに取材・執筆・記事監修なども行っている。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)。公式サイト:http://www.nishiyamamiki.jp/

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