2018年04月27日 08時50分

メリットは意外にもセキュリティ!? ATM“カードレス化”の安全面

カードレスATMサービス(通称、スマホATM)の使いやすさと注意点を解説(画像はイメージ) [拡大する]

カードレスATMサービス(通称、スマホATM)の使いやすさと注意点を解説(画像はイメージ)

 キャッシュカードを使わずにスマートフォン(以下スマホ)を利用して現金の出し入れができるカードレスのATMサービス。導入されてちょうど1年となるが、財布がカード類でふくらみがちな人への救世主となるのだろうか。今回は、このサービスについて解説しよう。

■ATMもスマホ時代に

 同サービスは、サービスを提供する銀行の全国約2万4000台のATMを利用して、スマホで現金の入出金ができる(2018年3月現在)。アプリを利用して取引を行うが、それ以外にもスマホの位置情報を利用して近くのATMの場所を表示することもできる。スマホの種類はiPhoneもAndroidにも対応しており、QRコードをスマホのカメラを利用して読み取るため誰でも利用できるのが便利な理由だ。

 出金のケースを例に、基本的な取引の流れを説明しよう。まずは取引会社で初回登録を行っておく。専用のアプリをダウンロード後、起動してログインを行う。次に、ATM画面で取引内容の「出金」を選択し、さらにアプリで取引金額を入力すると、スマホアプリのカメラが起動する。ATMの画面にQRコードが表示されるので、スマホアプリのカメラで読み取ると、スマホへ企業名番号(取引会社の番号)が表示される。表示された企業番号をATMで入力し、暗証番号も入力することで出金ができる。

■セキュリティ面でのメリットも

 キャッシュカードは、カードを持ち運ばないと利用ができず、紛失時の手続きに時間がかかることもある。その点、同サービスはカードが無くても現金の入出金ができる点がメリットと言える。もしスマホを紛失した場合でも、新しいスマホでアプリをダウンロードすればすぐさま現金の入出金が可能となる。キャッシュカードを紛失した場合とはかかる時間が大きく違うのだ。同サービスのメリットはそれだけでなく、意外にもセキュリティ面にある。ひとつはカード紛失の心配がない点。そして、アプリへのログイン(認証)と、口座の暗証番号入力など、アクションごとに暗証番号の入力を要求される点だ。さらに、スマホによっては起動時の暗証番号などの入力や生態認証対応も可能のため、二重三重でセキュリティ管理ができる点も挙げられる。

 最後にあえて言うと、キャッシュカードならカードを入れて暗証番号を入力するだけの出金のステップが、同サービスの場合は、アプリ起動時のログイン動作、ATM画面に表示されるQRコードの読み取り&表示された企業番号の入力作業などが増えるため、これを手間と感じる人は多いかもしれない。とは言え、今後、さらに普及はすすむだろう。財布の現金と電子マネーの使い分けをしているように、キャッシュカードと同サービスもシーンに応じて使い分けできそうだ。

【文・監修:SAKU株式会社】
しあわせな人生をデザインする会社、人生とお金をコンセプトとする編集制作プロダクション。これまでの金融・経済やマネーのイメージをくつがえす「発想力」を展開中。

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