2018年04月16日 08時20分

子育て費は総額どのくらい? 貯めるポイントは「割り算」

何かと出費の多い「子育て世代」。子どもの学習費を準備するためのポイントとは(画像はイメージ) [拡大する]

何かと出費の多い「子育て世代」。子どもの学習費を準備するためのポイントとは(画像はイメージ)

 春から保育園や小学校などに入園・入学したという家庭も多いだろう。子育て世代にとって、新生活は何かと出費が多い。子どもが独り立ちするまでに関わるお金はどれくらいあるのだろうか。また、効率よく貯めるためのポイントを紹介する。

■進学先によって学習費は大きく変わる

 「平成28年度子供の学習費調査(文部科学省)」によると、幼稚園から高校卒業までの15年間にかかる学習費総額(「学校教育費」「学校給食費」「学校外活動費」が含まれる)は、公立と私立でその金額に大きな差が生まれるという。幼稚園から高校卒業まですべて公立校に入学・卒業した場合は平均で約540万円かかるのに対し、すべて私立校の場合では平均で約1770万円にもなるという。

 また、高校卒業後の進学費用も進学先によって大きく異なる。同省の「平成29年度 学生納付金調査結果(大学昼間部)」および「平成28年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」によると、国立大(4年制)の学費は約250万円、私立大の文科系学部(4年制)が約390万円、理科系学部(4年制)は約530万円だ。私立大医歯系学部(6年制)の場合は約2369万円となる。

 この学費以外にも、受験までにかかる費用や教科書代等、入学式や新生活を迎えるための準備の費用がかかることになる。子どもにかかる費用を学習費という観点からみた場合、大学を卒業して就職し独り立ちするまで、おおまかだがこれぐらいの資金が必要になることを頭に入れておこう。

■いくら貯めるかを“割り算”早めの準備を

 子どもにかかるお金をどうやって貯めていけばいいのか、漠然とした不安を持つ人は多いだろう。だが、一般的に高校卒業までにかかる費用は、毎年(または毎月)の収入からまかなうことが多い。教育費の負担が大きいのは高校卒業後の進学費用だ。この費用を貯めるには、毎月いくら貯金したらいいのか“割り算”して考えることが大事だ。

 たとえば子どもが5歳なら、大学進学費用が必要となる年齢まで何年あるかを考える。仮に19歳としたら14年間で割り算すればよい。私立大文科系学部を予定し、おおむね400万円と目標を決めたら、400万円÷14年間で、年間約28万5千円。毎月に換算すると約2万4千円を貯めていく。子どもが小さいうちから始めたほうが毎月のやりくりは軽くなる。大学進学などにかかる具体的な費用を知らない親も少なくないが、子どもが高校生になってから慌ててもすでに遅い。給付型奨学金もあるが、この制度は限られた学生に対する制度だ。学費はかかるものだと割り切って、早めにしっかり準備をしよう。

 教育資金の準備には収入が不可欠だ。内閣府により平成27年4月から始まった「子ども・子育て支援新制度」では子どもの年齢や親の就労状況などに応じた様々な支援が用意されている。身近なサービスを上手に使いながら、子育て世代の“貯める期間”を乗り切ろう。

【文・監修:SAKU株式会社】
しあわせな人生をデザインする会社、人生とお金をコンセプトとする編集制作プロダクション。これまでの金融・経済やマネーのイメージをくつがえす「発想力」を展開中。

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