2015年05月12日 09時40分

「駐車場」で重大な事故多し! 事例に学ぶ注意すべきポイント

事故が発生しやすい「駐車場」運転時に気を付けるべきポイントは? [拡大する]

事故が発生しやすい「駐車場」運転時に気を付けるべきポイントは?

 駐車場は、意外にも交通事故が起きやすい場所の一つ。先月も、福岡県で立体駐車場の機械に女児が足を挟まれたほか、兵庫県でも出発時に急発進した車が女子高生らに重軽傷を負わせた事故などが発生している。では、駐車場を運転する際、気を付けるべきポイントはどこなのか? 過去の事例から紐解いていこう。

■ミラーに頼らず、目視でも確認

 2007年12月30日午前、大阪府泉佐野市のスーパーの駐車場で、ワンボックス車を運転していたAが微速で駐車枠へ車をバックさせたところ、自転車に接触。乗車していたB(当時88歳)は転倒し、後頭部を打撲して脳挫傷及びくも膜下出血等で救急搬送されて入院。その後意識障害に陥り、回復しないまま約8ヶ月後に肺炎で死亡した。

 裁判では、Bの自転車に痕跡が見当たらなかったことなどから、衝突は軽微だったと判断。Bが頭部を強打したのは、自転車走行や体の平衡感覚が不安定だったことが原因としたが、Bが肺炎を起こして死亡したのは事故による負傷での寝たきり状態に原因があるとして、Aに約1600万円の支払いを命じた(2011年11月25日大阪地裁判決)。

 Aは車をバックさせる際、ルームミラーとサイドミラーは見ていたものの、目視での確認をしていなかった。駐車場では、道路以上に危険を予測した運転が求められるといえるだろう。

■車道に出る際は“歩行者”に注意

 2007年6月18日夕方、愛知県名古屋市のスーパーの駐車場で、ステーションワゴンを運転していたCが急いで車道に出ようとしていた。駐車場の出口付近で交通誘導をしていた警備員に気づかず、急加速して警備員を跳ね、車体の下に巻き込み死亡させた。

 裁判では、「警備員が停止の合図をしていたのに、Cは衝突の直前まで気づかず車を急加速させて死亡させた」ことなどから、Cの過失を100%と認めた。また、Cが遺族に不誠実な対応をしたことなども考慮し、近親者固有の慰謝料を含む約4390万円の賠償を命じた。なお、刑事裁判では、Cは禁錮2年6ヶ月(執行猶予4年)の有罪判決を言い渡されている(2012年12月21日名古屋地裁判決)。

 Cは駐車場から右折して出場しようとしたが、左方から車が近づいてきていた。そのことに気をとられて警備員に気づかず、取り返しのつかない事態を招いてしまった事例だ。

 駐車場の運転時に大切なのは、とにかく“周囲の確認”。その上で、もし事故に巻き込まれてしまった場合、現場で示談交渉をすると後々トラブルになる可能性があるため、保険会社に任せるのが得策だということも合わせて覚えておこう。

監修/新橋IT法律事務所 弁護士・谷川徹三氏

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