ノーカウント事故とは?自動車保険で等級が下がらない事故をわかりやすく解説
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これは、保険を使っても等級が下がらない事故のことを指します。
この記事では、ノーカウント事故の仕組みや該当する具体的な例、通常の等級ダウン事故との違いについて詳しく解説します。
この記事では、人身傷害保険や弁護士費用特約の利用ケース、1等級ダウン事故と3等級ダウン事故の種類、さらには保険料への影響まで幅広く解説してます。
ノーカウント事故を正しく理解することで、保険料の無駄な上昇を避け、適切な保険選びができるようになります。
自動車保険の等級制度について詳しく知りたい方や、保険料を抑えたい方はぜひ参考にしてください。
目次
監修者トータルマネーコンサルタント/新井 智美
マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。
ノーカウント事故とは?自動車保険の等級が下がらない仕組み
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通常の事故では保険を使うと翌年から等級が下がり、保険料が上がってしまいますが、ノーカウント事故の場合は保険を使わなかった時と同様に、翌年の等級が1等級上がります。
さらに、保険料の割引率に影響する「事故有係数」も適用されないため、保険料の負担が増えることなく補償を受けられるのが大きなメリットです。
これにより、契約者は安心して必要な保険金を請求できます。
ノーカウント事故に該当する主な例【特約・保険別】
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ノーカウント事故に該当する主な保険・特約の補償内容をまとめました。
保険・特約の種類 | 主な補償内容 |
人身傷害保険 | 契約車両の運転者や同乗者が事故で死傷した際の、治療費や休業損害などを補償 |
搭乗者傷害保険 | 契約車両の運転者や同乗者が事故で死傷した際に、あらかじめ決められた金額を補償 |
弁護士費用特約 | 事故相手への損害賠償請求などを弁護士に依頼する費用を補償 |
ファミリーバイク特約 | 125cc以下のバイクなどで事故を起こした際の対人・対物賠償を補償 |
無保険車傷害特約 | 事故相手が無保険などで十分な賠償を受けられない場合に、自身のケガや後遺障害を補償 |
個人賠償責任特約 | 自動車事故以外の日常生活で、他人にケガをさせたり物を壊したりした際の損害を補償 |
ただし、保険会社によってノーカウント事故の対象範囲が異なる場合があるため、詳細は契約内容を確認しましょう。
「ノーカウント事故」として扱われる特約・保険の具体例
人身傷害保険・搭乗者傷害保険のみを利用するケース
一方、搭乗者傷害保険は、同様の状況で死亡したりケガを負ったりした場合に、あらかじめ決められた金額を支払う保険で、実際にかかった費用を補償する人身傷害保険とは異なり、定額制となっています。
これらの保険は、契約車両に搭乗中の運転者や同乗者のケガの治療費や後遺障害による損害を補償する重要な役割を果たします。
人身傷害保険や搭乗者傷害保険のみを利用した場合は、等級ダウンがなく、ノーカウント事故として扱われるため、翌年の保険料に影響することなく補償を受けられます。
弁護士費用特約やファミリーバイク特約などを利用するケース
ファミリーバイク特約は、125cc以下のバイクなどで事故を起こした場合に補償を受けられる特約で、複数台のバイクにも適用可能です。
また、個人賠償責任特約は、自動車事故以外の日常生活で他人にケガをさせたり物を壊したりした場合を補償します。
これらの特約は車両の損害以外を対象とするものが多く、いずれもノーカウント事故として扱われるため、翌年の等級に影響することなく安心して利用できます。
等級ダウンする事故との違いは?カウント事故の種類
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カウント事故には「1等級ダウン事故」と「3等級ダウン事故」の2種類があり、それぞれ翌年の等級に異なる影響を与えます。
種類 | 事例 |
3等級ダウン事故 | ・相手を死傷させて「対人賠償保険」を使用 |
1等級ダウン事故 | ・車両の盗難、台風や洪水などによる破損などで「車両保険」を使用 |
ノーカウント事故 | ・事故で「人身傷害保険」や「搭乗者傷害保険」を使用 |
一方、3等級ダウン事故は対人・対物賠償や車両保険を使う一般的な交通事故が該当します。
これらの事故では「事故有係数」が適用されるため、同じ等級でも無事故の場合より保険料が高くなる仕組みが適用されています。
カウント事故の種類とケース
1等級ダウン事故|災害・盗難・飛び石など
具体的な例として、以下のようなケースが挙げられます。
・台風、高潮、津波、洪水などの自然災害による車両損害
・火災や爆発による車両の焼失や破損
・車両の盗難被害
・飛来物や落下物との衝突(飛び石、前車からの落下物など)
・落書きやイタズラによる車両への損害
1等級ダウン事故は運転者の過失によるものではなく、その場にあったから起きた被害という性質があるため、3等級ダウン事故よりも保険料への影響が軽減されています。
3等級ダウン事故|対人・対物賠償・物損事故など
対人賠償保険を使う人身事故、対物賠償保険を使う物損事故、単独事故での車両保険使用などが典型例となります。
具体的には、他人を死傷させた事故、他車や建物などの物を破壊した事故、当て逃げ事故での車両保険使用などが含まれます。
3等級ダウン事故で保険を使用すると、翌年の等級が3等級下がり、事故有係数適用期間が3年間となります。
これは保険料への影響が最も大きく、元の等級に戻るまでに4年間を要するため、軽微な損害の場合は自動車保険を使わず、自費での修理を検討する契約者もいます。
自動車保険はノンフリート等級別料率制度を採用しており、ノンフリート等級別料率制度では、事故リスクに応じて保険料を設定するため、事故を起こすほど保険料が高くなる仕組みになっています。
なぜノーカウント事故がある?保険料への影響と注意点
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自分に過失がない事故で保険金を請求しても保険料が上がらないよう配慮されており、人身傷害保険など身体の補償は等級に影響しない仕組みとなっています。
一方、等級ダウン事故では「事故有係数」により数年間保険料が割高になります。
例えば16等級の場合、無事故係数は-54%の割引ですが、事故有係数は-32%の割引となり、同じ等級でも保険料に大きな差が生じます。
前述のとおり、3等級ダウン事故では元の割引率に戻るまで4年かかるため、修理費などの損害額と将来的に増額する保険料を比較して、保険申請を慎重に検討することが重要です。
補償内容を比較検討!自分に合う自動車保険を見つけよう
人身傷害保険や搭乗者傷害保険、弁護士費用特約などのノーカウント事故対象の補償は、安心して利用できる重要な補償です。
一方で、等級ダウン事故では事故有係数により長期間保険料が上がるため、軽微な損害の場合は自費修理も検討する必要があります。
自動車保険を選ぶ際は、補償内容とノーカウント事故の対象範囲を各保険会社で比較し、自分のライフスタイルやリスクに合った保険を選ぶことが大切です。
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特約や割引のような、商品内容の充実さでのランキングを確認することもできるため、ぜひ保険会社選びの参考にしてください。
監修者トータルマネーコンサルタント/新井 智美
マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。
現在年間200本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。
(保有資格)
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
・CFP®
・DC(確定拠出年金)プランナー
・住宅ローンアドバイザー
・証券外務員
公式サイト:https://marron-financial.com/