車両保険は自動車の盗難で使える?補償内容と保険金支払いの流れを解説

車両保険は自動車の盗難で使える?補償内容と保険金支払いの流れを解説

車の盗難はいつ起きるかわからないリスクの一つです。万が一被害に遭った場合、車両保険に加入していれば補償を受けられる場合があります。

ただし、補償の対象範囲や保険金の支払い条件は契約内容によって異なり、すべての盗難被害がカバーされるわけではありません。スムーズに対応するためには、補償内容を正しく理解し、盗難発生時の手続きの流れを把握しておくことが重要です。

この記事では、車両保険で盗難が補償されるケースや保険金の支払いまでの手続き、防犯対策のポイントなどをわかりやすく解説します。
東本隼之

監修者東本隼之

ファイナンシャルプランナー、マネーライター
独立系ファイナンシャルプランナーとして金融記事の執筆・監修を行う。税金や資産運用などに精通し、初心者にもわかりやすい解説を得意としている。

mokuji目次

  1. 車の盗難は車両保険で補償される?
  2. 盗難された車だけじゃない!車両保険の補償範囲
  3. 車の盗難で支払われる保険金はいくら?
  4. 自動車が盗難された際の手続きと保険金支払いの流れ
    1. 1.警察へ盗難届を提出し「受理番号」を受け取る
    2. 2.保険会社へ連絡する
    3. 3.保険金支払いのための調査、書類提出
  5. 盗難された車が見つかったら?保険金支払い後の所有権と返還
  6. 車両保険を使っても保険金が支払われないケース
  7. 車両保険の利用で翌年度の等級はどうなる?
  8. 盗難に遭わないために!自分でできる車の防犯対策
    1. ハンドルロックやタイヤロックで物理的に防ぐ
    2. イモビライザーや警報装置(カーセキュリティ)を活用する
    3. スマートキーの電波遮断(リレーアタック対策)を徹底する
    4. 防犯カメラのある駐車場を選ぶなど駐車場所にも配慮する
  9. 万全の盗難対策と車両保険で愛車を守ろう

車の盗難は車両保険で補償される?

車の盗難は車両保険で補償される?

車の盗難被害は、車両保険に加入していれば補償対象となります。車両保険には補償対象の広い「一般型」と補償対象を絞った「エコノミー型」の2タイプがありますが、盗難被害はどちらのタイプでも補償の対象となっているのが一般的です。

ただし、保険契約者や被保険者、保険金受取人に過失がないことが条件です。たとえば、エンジンをかけたまま自動車を離れたりドアをロックしなかったりする行為は、重大な過失と判断され保険金が支払われない場合があります。

盗難された車だけじゃない!車両保険の補償範囲

盗難された車だけじゃない!車両保険の補償範囲

車両本体ではなく自動車のパーツが盗難被害に遭った場合も、車両保険で補償されます。ナンバープレートやタイヤ・ホイールなどは、いずれも補償の対象です。車上荒らしに遭った場合、破損した窓ガラスの修理費なども車両保険で補償されます。

しかし、自動車の中に置いていた現金やゴルフバッグなどの物品の被害は、車両保険の対象になりません。多くの保険会社では車内手荷物等を補償する「車内身の回り品特約」が用意されており、特約をつけている場合は補償の対象になります。

車の盗難で支払われる保険金はいくら?

車の盗難で支払われる保険金はいくら?

自動車が盗難被害に遭い、発見されない場合は全損扱いとなり、保険金額の上限まで支払われるのが一般的です。全損の場合は修理を前提としていないため、通常の事故で発生する免責金額(自己負担額)は発生しません。

保険会社によっては、車両保険の保険金額に加えて「車両全損時臨時費用保険金」として車両保険の保険金額の10%(上限20万円)が追加で支払われる場合があります。

自動車が盗難された際の手続きと保険金支払いの流れ

自動車が盗難された際の手続きと保険金支払いの流れ

自動車の盗難被害が発覚した場合、適切な手続きを踏むことで車両保険からの保険金を受け取ることができます。保険金が支払われるまでの一連の流れは以下のとおりです。
  1. 警察へ盗難届を提出し「受理番号」を受け取る
  2. 保険会社へ連絡する
  3. 保険金支払いのための調査・書類提出
これらの手続きを順序立てておこなうことで、スムーズに保険金の支払いを受けることが可能になります。各段階での具体的な対応方法について見ていきましょう。

1.警察へ盗難届を提出し「受理番号」を受け取る

自動車の盗難被害に気づいた時点で、すぐに管轄の警察署や最寄りの交番へ行き、速やかに盗難届を提出する必要があります。

盗難届を提出すると、その後の保険会社での調査や手続きなどに必要となる受理番号が発行されます。この受理番号は保険金請求の際に必須となるため、必ず控えておきましょう

なお、盗難届の提出にはナンバープレートの番号といった車両の情報が必要になります。日頃から車検証のコピーを自宅に保管しておくと、手続きをスムーズに進めることができます

2.保険会社へ連絡する

警察から受理番号を受け取った後は、契約している保険会社に連絡して盗難被害にあった旨を伝えます。

連絡の際には、盗難の発生日時や発生場所、受理番号などを伝える必要があります。車両本体に加え、車内やトランクに置いていたものについても補償の対象となる可能性があるため、被害状況も忘れずに伝えることが大切です。

この時点で、その後の流れについて不安があれば確認しておきましょう。保険会社によって状況のヒアリングが行われます。

3.保険金支払いのための調査、書類提出

保険会社への連絡後は、保険会社による調査が行われます。調査員が盗難の実態や被害状況を確認する調査です。

調査に要する期間は1〜2ヶ月程度となるケースが多く、自動車の保管方法や盗難時の状況などについて詳しく調査されます。ここで保険契約者等に過失が認められず、車両保険の利用が可能と判断されると、保険金が支払われることになります。

調査が完了したら、保険会社からの案内にしたがって必要書類を提出し、手続きが完了すると保険金が支払われます。

盗難された車が見つかったら?保険金支払い後の所有権と返還

盗難された車が見つかったら?保険金支払い後の所有権と返還

保険金を受け取ると、盗難された車の所有権は保険会社に移ります。これは保険金支払いと同時に発生する原則的なルールです。

しかし、保険金が支払われた後、一定期間内に車が発見された場合は選択肢があります。保険金を支払った日の翌日から起算して60日以内に契約車が発見された場合、保険金を払い戻すことで発見された自動車の返還を受けることができます

自動車の返還を受けられる期間は、保険会社によって異なるので、事前に約款を確認しておきましょう。

一方で、車の返還を求めず、受け取った保険金をそのまま新しい車の購入費用に充てることも可能です。盗難車が見つかっても支払われた保険金を返さずに別の車の購入費用にあてることができます。

車両保険を使っても保険金が支払われないケース

車両保険を使っても保険金が支払われないケース

自動車が盗難被害に遭っても、保険契約者や被保険者、保険金受取人に重大な過失があると認められた場合は、保険金が支払われません

具体的には、「駐車場でエンジンをかけたままトイレに行った」「ドアは閉めたが窓を開けたまま駐車し、買い物に行った」など、盗難防止対策が十分ではなかったと判断される事情がある場合です。

エンジンをかけたまま自動車を離れたりドアをロックしなかったりする行為は、過失と判断されることが多く、注意が必要です。

また、スマートキーの電波を遮断するケースに入れないなどの管理不備についても、過失とみなされる可能性があります。

車両保険の利用で翌年度の等級はどうなる?

車両保険の利用で翌年度の等級はどうなる?

車の盗難で車両保険を使うと、翌年度のノンフリート等級が1等級下がります。同時に、事故有係数適用期間が1年加算されるため、翌年の自動車保険の等級が下がる分、保険料は高くなります

下がった等級を戻すためには、無事故を1年間維持しなければなりません。

なお、自動車事故で車両保険を利用した多くの場合は3等級下がって3年間の事故有係数適用期間が適用されますが、盗難の場合は自分に過失がないと考えられ、等級ダウンが少なく設定されています。

盗難に遭わないために!自分でできる車の防犯対策

盗難に遭わないために!自分でできる車の防犯対策

車両保険で盗難被害に備えることは重要ですが、そもそも盗難に遭わないよう事前に対策を講じることが効果的です。

最近では、さまざまな防犯グッズが販売されていますが、窃盗の手口も巧妙化しており、完全に盗難被害を防ぐのは難しいのが現状です。しかし、複数の対策を組み合わせることで、盗難リスクを下げることができます。

自分でできる車の防犯対策として、以下のような方法があります。

ハンドルロックやタイヤロックで物理的に防ぐ

自動車のハンドルを固定して動かなくするハンドルロックや防犯カメラなど、物理的に盗難を妨げ、窃盗犯を心理的に牽制する防犯グッズの利用が有効です。

タイヤのホイールロックなどの盗難防止機器を活用することで、窃盗犯にとって盗難に時間がかかることを視覚的にアピールでき、盗難を諦めさせる効果が期待できます

これらの物理的な防犯対策は、目に見える抑止効果があるため、狙われやすい車種に乗っている場合は特に防犯対策として取り入れることをおすすめします。

イモビライザーや警報装置(カーセキュリティ)を活用する

車とキーのIDが一致する場合のみエンジンがかかるようにするイモビライザーの装着により、盗難被害に遭わないよう備えることができます。

センサーが衝撃・振動・音等の異常を感知し警報音を発する警報装置も、盗難や車上荒らしを検知した際に持ち主に異常を知らせる有効な防犯対策です。

これらの電子的な盗難防止装置は、物理的な対策と組み合わせることで、より高い防犯効果を発揮します。多くの新しい車両には標準装備されていますが、古い車両では後付けでの装着も可能です。

スマートキーの電波遮断(リレーアタック対策)を徹底する

ドアノブにタッチすることで解除できるスマートキーを利用した「リレーアタック」の対策が重要です。リレーアタックは、所有者が持つスマートキーからの電波を受信し、複数人で電波を送受信して車の側にいる人物が開錠できるようにする手口です。

対策として、スマートキーは常に電波を発しているため、電波を他人が受信しないよう、電波を遮断するケースにキーを入れたり、節電モードにして電波を発しないようにしたりして、被害にあわないよう注意しましょう。

防犯カメラのある駐車場を選ぶなど駐車場所にも配慮する

車両本体の盗難の多くは自宅や施設の屋外駐車場で発生していることがわかっています。見通しがよく、防犯カメラや照明等の防犯設備が充実し、管理された駐車場を利用することで、盗難リスクを下げることが可能です。

駐車をする際は、可能な限り屋内駐車場を利用し、人目につかない駐車場は避けることが重要です。夜に人目につかない駐車場では盗難がよく発生しているため、駐車場所の選択には十分な配慮が必要になります。

万全の盗難対策と車両保険で愛車を守ろう

自動車の盗難被害に対する備えは、車両保険による金銭的な補償だけでは十分ではありません。盗難の手口が年々巧妙化している現代において、愛車を守るためには多面的なアプローチが必要です。

車両保険は一般型・エコノミー型のどちらでも盗難補償が受けられ、全損扱いで保険金額の全額が支払われる重要な保障制度です。しかし、何よりも大切なのは、そもそも盗難に遭わないよう事前対策を講じることです。

ハンドルロックやイモビライザーといった物理的・電子的な防犯装置の活用、リレーアタック対策としてのスマートキー管理、防犯設備の整った駐車場選びなど、複数の防犯対策を組み合わせることで盗難リスクを軽減できます。

物理的な防犯対策と車両保険による経済的保障の両輪を整えることが、愛車を守り安心してカーライフを楽しむための最善策といえるでしょう。

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東本隼之

監修者東本隼之

ファイナンシャルプランナー、マネーライター
独立系ファイナンシャルプランナーとして執筆業を中心に活動中。金融記事を中心に執筆・編集・監修を担当。税金・社会保険・資産運用・生命保険・不動産・相続分野を得意とし、自身の経験に基づいたライティングを強みとしている。難しい金融知識を初心者にわかりやすく伝えることが得意。

・2級ファイナンシャル・プランニング技能士
・AFP®(アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー)

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