車両入替とは?自動車保険の手続きの時期・条件・必要書類を解説
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本記事では「車両入替とは何か」をわかりやすく解説し、等級や保険料の変化、注意点まで詳しく紹介します。
監修者東本隼之
ファイナンシャルプランナー、マネーライター
独立系ファイナンシャルプランナーとして金融記事の執筆・監修を行う。税金や資産運用などに精通し、初心者にもわかりやすい解説を得意としている。
目次
自動車保険の車両入替とは?車を買い替えたらなぜ手続きが必要?
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この手続きをおこなわないと、新しい車は無保険状態になります。万が一、新しい車で事故を起こした場合は保険が適用されず、補償を受けられない可能性があります。
保険料を支払っているにもかかわらず、いざというときに補償されないという事態を避けるため、車の買い替え時には必ず車両入替の手続きをおこないましょう。
保険の車両入替ができる条件
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・契約中の保険の記名被保険者
・契約中の保険の記名被保険者の配偶者
・契約中の保険の記名被保険者及び配偶者の同居の親族
・自家用小型乗用車
・自家用軽四輪乗用車
・自家用小型貨物車
・自家用軽四輪貨物車
・自家用普通貨物車(最大積載量0.5t以下)
・自家用普通貨物車(最大積載量0.5t超2t以下)
・特殊用途自動車(キャンピング車)
一見、一般の人が買いそうなほとんどの車を網羅しているようですが、注意しなければいけないのが用途です。
たとえば、「営業用の車を買ったので、自家用車の自動車保険を入れ替えたい」(事業用自動車に車両入れ替え)という手続きはできないのです。また、「車を売却して大型バイクを買ったので、保険を入れ替えたい」というような、車からバイクへの変更もできません。
自動車保険は契約や保険金の支払いに関して、契約条件や免責事項が細かく設定されています。車両入替1つとっても、所定の条件を満たさない場合は手続きができず、新規契約となることもあります。
車を保険ごと入れ替える手続の時期と必要書類
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車両入替手続きには最適なタイミングと、保険会社に提出すべき書類や情報があります。ここでは、いつまでに手続きを完了させるべきか、どのような書類や情報が必要になるのかを解説します。
手続きのタイミングは「納車日まで」が原則
事前に手続きを済ませておくことで、納車当日から新しい車に補償が適用された状態で運転できます。新しい車を運転した時点で補償が切り替わるため、古い車で新しい車を引き取りに行く場合でも、納車前は古い車に補償があり安心です。
手続きが完了していれば、納車日に保険会社への連絡は不要になります。
手続きに必要な書類・情報
現在乗っている車と新しく取得する車の両方について、オドメーター(積算距離計)の数値を申告する必要があります。下取りに出す場合は、忘れずにメモしておくことが大切です。
車両入替で等級や保険料はどう変わる?
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ただし、車両入替と同時に記名被保険者を変更する場合は注意が必要です。等級を引き継げるのは、配偶者(同居・別居を問わず)やと、子どもを含む同居の親族までという条件があります。
新しい車の車種や型式、料率クラスによって保険料は再計算されるため、差額が発生します。保険料が高くなれば追加で支払いが必要となり、安くなれば返金されることがあり ます。新車であれば新車割引を受けられる可能性もあるでしょう。
車両入替を忘れたらどうなる?自動で補償される?
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多くの自動車保険には「ご契約のお車の入替における自動補償特約」が自動で付帯されており、新しい車を取得した翌日から30日以内であれば、以前の車と同様の補償を受けられる場合があります。
しかし、この特約の適用には「入れ替える前の車を手放していること」などの条件があります。特約をあてにせず、必ず納車日までに手続きを完了させることが大切です。
自動車保険の車両入替における注意点
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これらを見落とすと、思わぬトラブルや損失につながる可能性があります。特に等級の引き継ぎや割引の適用、納車日の変更については、事前に理解しておくことが重要です。
ここでは、車両入替をおこなう際に起こりうる問題とその対処法について解説します。
等級が引き継げないケースがある
前の車を売却・廃車してから新しい車を取得するまでの空白期間が8日以上空いてしまうと、等級がリセットされて6等級からの再契約になってしまいます。たとえば、中古車買取店で車を売却し、別のディーラーで新車を購入する場合などに起こりがちです。
このリスクを避けるため、空白期間が長引く場合は保険会社に「中断証明書」の発行を依頼しましょう。中断証明書があれば、保険契約を再開するときに以前の等級が引き継がれます。
適用される割引が変わる可能性がある
「エコカー割引」「自動ブレーキ割引」などは、車種によっては適用されなくなる可能性があります。購入を検討している車が、現在受けている割引の対象かどうか事前に確認することが大切です。
一方で、新しい車が新車であれば「新車割引」が新たに適用されるなど、これまでなかった割引が受けられる可能性もあります。車両入替手続きの際は、保険料や補償内容とあわせて受けられる割引も確認するとよいでしょう。
納車日の変更は速やかに連絡が必要
連絡を怠ると、補償の切り替えタイミングが実際の納車日とずれてしまい、万が一の事故の際に補償が受けられない無保険状態が発生するリスクがあります。
たとえば、予定より実際の納車日が早まった場合、保険が切り替わる前に運転してしまう危険性があります。
車両入替は自動車保険を見直す絶好の機会
新しい車の価値に合わせて車両保険の有無や保険金額を見直したり、新車割引が適用されるかを確認したりすることで、より合理的な保険契約を実現できます。また、ライフスタイルの変化に応じて運転者の年齢条件や範囲を見直すことで、保険料を削減できる可能性もあります。
最適な自動車保険選びには、複数の保険会社を比較検討することが重要です。保険見直しの手段として、オリコンの「自動車保険 オリコン顧客満足度ランキング」をご活用ください。補償内容と保険料のバランスを慎重に検討することで、安心できるカーライフを実現できるでしょう。
監修者東本隼之
ファイナンシャルプランナー、マネーライター
独立系ファイナンシャルプランナーとして執筆業を中心に活動中。金融記事を中心に執筆・編集・監修を担当。税金・社会保険・資産運用・生命保険・不動産・相続分野を得意とし、自身の経験に基づいたライティングを強みとしている。難しい金融知識を初心者にわかりやすく伝えることが得意。
・2級ファイナンシャル・プランニング技能士
・AFP®(アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー)