学資保険の一括払いはお得?メリット・デメリット、全期前納との違いを解説

学資保険の一括払いはお得?メリット・デメリットを解説

学資保険の保険料の払込方法には「月払い」や「年払い」の他に「一括払い」などがありますが、どの方法がよいか迷われている方もいるのではないでしょうか。
この記事では学資保険の「一括払い」のメリットやデメリット、「全期前納」との違いを解説します。ご家庭に合った学資保険選びの参考にしてください。

mokuji目次

  1. 学資保険の保険料の払込方法
    1. 月払い
    2. 半年払い
    3. 年払い
    4. 一括払い(一時払い)
    5. 全期前納
  2. 学資保険で一括払いをするメリット
    1. 払い込む保険料の総額が安くなる
    2. 返戻率が高くなる
    3. 教育資金を確実に確保できる
  3. 学資保険で一括払いをするデメリット
    1. 払込免除特約が無効になる場合がある
    2. 生命保険料控除が1年間しか受けられない
    3. 一時的な出費が大きい
  4. 学資保険の一括払いがおすすめな家庭
    1. 貯蓄が十分にあるご家庭
    2. 共働きなどで契約者に万一があっても対応できるご家庭
  5. 一括払い以外の払込方法がおすすめな家庭
    1. 子どもの誕生に合わせて貯蓄をスタートするご家庭
    2. 一時的でも専業主婦(主夫)を想定されているご家庭
  6. 一括払いと全期前納の違い
    1. 保険料を「払い込む」か「預ける」か
    2. 払込免除特約適用時の違い
    3. 解約時の返金の有無
    4. 払い込む保険料の違い
    5. 保険料控除の違い
  7. 学資保険契約時は、最適な支払い方法を選択しよう

学資保険の保険料の払込方法

学資保険の保険料の払込方法

学資保険の保険料の払込方法は一般的に、次の5種類があります。
それぞれの特徴を見ていきましょう。

月払い

月払いは、毎月一定額の保険料を支払う方法です。

他の払込方法に比べ1回の支払い金額が少なく、家計への負担が分散されるため、多くのご家庭で選ばれています。

保険料の支払い総額で見た場合には、他の支払い方法に比べ金額が高くなります。

半年払い

半年払いとは、6ヶ月分の保険料をまとめて支払う方法です。

1回の金額負担は月払いに比べ大きくなりますが、支払総額で見ると、月払いよりも若干の割引が適用されるケースがほとんどです。

年払い

年払いとは、1年分の保険料をまとめて支払う方法です。

保険料の支払総額では、半年払いよりも高い割引率を適用される場合が多いです。

一括払い(一時払い)

一括払いとは、契約時に保険料を全額支払う方法です。

まとまったお金が必要ですが、他の払込方法と比べて保険料の総額が割安になる傾向があります。

メリットデメリットについては、後ほど詳しく解説していきます。

全期前納

全期前納は一括払いと似ていますが、保険料全額を前もって「預ける」形になります。
保険会社に預けた保険料から、毎月、半年、または毎年保険料に充てられていく仕組みです。

一括払いと全期前納の違いについては後ほど詳しく解説します。

学資保険で一括払いをするメリット

一括払いのメリットは?

続いて、学資保険の保険料の支払い方法のうち、一括払いのメリットについて見ていきましょう。
一括払いには、次のようなメリットがあります。

学資保険で一括払いをするメリット

  • 払い込む保険料の総額が安くなる
  • 返戻率が高くなる
  • 教育資金を確実に確保できる

払い込む保険料の総額が安くなる

学資保険の一括払いは、「月払い」「半年払い」「年払い」といった分割払いと比較して、総額の保険料が安くなる傾向があります。

保険会社は顧客から受け取った保険料を運用して、保険金の支払いなどに備えます。

その際に一度にまとまった保険料を受け取ると効率的に運用でき、多くの運用益を見込めるため、その分を保険料の割引として還元できるのです。

そのため、一般的に一括払いの保険料は、分割払いの保険料の総額よりも低めに設定されます。

返戻率が高くなる

学資保険を一括払いする最も大きなメリットは、返戻率が高くなる点です。

返戻率とは、支払った保険料総額に対する将来に受け取る金額(満期保険金や祝い金)の割合を指します。
たとえば、100万円を支払って110万円受け取れば、返戻率は110%になります。

一括払いの返戻率が高くなる理由は、一括払いでは払い込む保険料の総額が安くなるためです。

たとえば、同じ保障内容の学資保険で一括払いと月払いを比較した場合、一括払いのほうが受け取る金額に対する支払った保険料の割合が少なくなり、返戻率が高くなります。
関連記事
学資保険の返戻率とは?高くするコツや計算方法を解説

教育資金を確実に確保できる

学資保険の一括払いは契約時に保険料を全額支払うため、将来的な家計の変動や収入の減少などに左右されず、確実に教育資金を確保できるというメリットがあります。

月払い、半年払い、年払いなどの分割払いでは、病気やケガ、失業など、不測の事態によって保険料の支払いが困難になる可能性もあるでしょう。

しかし、一括払いなら、そのような心配はありません。

契約時に保険料を全て支払ってしまうことで、その後は保険料の負担を気にすることなく、安心して子どもの将来に備えられます。

学資保険で一括払いをするデメリット

学資保険の一括払いには返戻率が高くなるなどのメリットがありますが、次のようなデメリットもあります。
それぞれについて見ていきましょう。

学資保険で一括払いをするデメリット

  • 払込免除機能が無効になる場合がある
  • 生命保険料控除が1年間しか受けられない
  • 一時的な出費が大きい

払込免除特約が無効になる場合がある

ほとんどの学資保険には、契約者(多くの場合、親)が死亡したり高度障害状態になったりした場合に、その後の保険料の支払いが免除される「払込免除特約」(特則)が付いています。

しかし、一括払いの場合、契約時に保険料を全額支払っているため、この払込免除機能はありません。

そのため、仮に契約者に万が一のことがあった場合でも全期前納と違い、保険料は返還されない点に注意が必要です。

生命保険料控除が1年間しか受けられない

学資保険の一括払いを選択した場合、生命保険料控除(一般の生命保険料控除)が保険料を支払った年しか受けられないというデメリットがあります。

生命保険料控除とは支払った生命保険料の一部を所得から控除できる制度で、所得税と住民税が軽減されます。

月払いや年払いの場合、保険料を支払う期間中は毎年この控除を受けられますが、一括払いでは契約初年度に全額を支払うため、控除も初年度の1回限りとなります。

返戻率では一括払いが有利ですが、月払いや年払いのほうが税金面の恩恵は大きいといえるでしょう。

たとえば、学資保険の保険料120万円を一括払いした場合に受けられる所得控除額は所得税40,000円、住民税28,000円で、控除を受けられるのは保険料を支払った年だけです。
しかし、年間12万円の保険料を10年間支払った場合は、同じ額の控除を毎年受けられます。
関連記事
学資保険は生命保険料控除の対象?控除額の上限や計算方法などを解説

一時的な出費が大きい

学資保険の一括払いは、契約時にまとまった資金が必要です。

月払い、半年払い、年払いといった分割払いでは保険料を少しずつ支払っていくため、家計への負担は比較的少なくて済みます。
しかし、多くの場合、一括払いでは100万円以上の保険料を一度に支払う必要があります。

このような出費によって住宅ローンの頭金や、他の資産運用へ充てる資金が不足してしまうおそれがあります。

子育て世代は他にもさまざまな支出が考えられるため、大金の支払いが困難な場合も多いでしょう。
一括払いを選択する際は、現在の家計状況と将来の資金計画を十分に検討する必要があります。

学資保険の一括払いがおすすめな家庭

学資保険の一括払いがおすすめな家庭

これまでの内容を踏まえ、学資保険の保険料の一括払いが適しているご家庭について解説します。
支払い方法を判断する際の参考にしてください。

貯蓄が十分にあるご家庭

学資保険の一括払いは契約時にまとまった資金が必要になるため、十分な貯蓄があるご家庭に向いた支払い方法です。

一括払いは将来の保険料の支払いを心配する必要がなく、確実に教育資金を確保できるという安心感を得られます。
また、保険料総額が割安になる、返戻率が高くなるといった恩恵も受けられます。

ただし、無理に貯蓄を取り崩してまで一括払いをする必要はありません。

ライフプランや家計状況などを総合的に考慮し、余裕資金の範囲内で一括払いを検討しましょう。

共働きなどで契約者に万一があっても対応できるご家庭

学資保険の一括払いは、共働きなどで契約者に万一のことがあっても対応できるご家庭に適しています。

学資保険の魅力の一つに、契約者の死亡時などの保険料払込免除機能がありますが、共働きなどで収入に余裕があり、払込免除機能を重要視しないご家庭には、高い返戻率を期待できる一括払いがおすすめです。

一括払い以外の払込方法がおすすめな家庭

一括払い以外がおすすめな家庭

続いて、一括払いではなく、「月払い」や「年払い」での学資保険の保険料の支払いが向いているご家庭について解説します。

子どもの誕生に合わせて貯蓄をスタートするご家庭

子どもの誕生に合わせて貯蓄をスタートするご家庭にとっては、学資保険の一括払いよりも月払いや年払いなどの分割払いがより適している場合が多いでしょう。

子どもが生まれたばかりの時期は、出産費用や育児用品の購入など、さまざまな出費が重なります。
そのため、この時点で学資保険を一括払いできるほどの余裕があるご家庭は少ないと考えられます。

また、子育ては長期にわたる経済的負担を伴うため、一度に大きな金額を支払うよりも月々や年の収入に合わせて少しずつ貯蓄していくほうが、多くのご家庭にとって現実的です。

分割払いによって家計への負担を分散させつつ、無理なく教育資金が積み上がっていきます。

分割払いを選択すると払込免除特約などの保障も受けられる点は、子育て世帯にとって重要な安心材料となります。

一時的でも専業主婦(主夫)を想定されているご家庭

共働きのご家庭で出産などを機に一時的でも専業主婦(主夫)になることを考えている場合は、一括払い以外の払込方法がおすすめです。

一括払いは一度に大きく貯金を減らすことになります。
共働きから専業主婦(主夫)になると世帯収入が減るため、その他の出費への対応が難しくなる可能性があります。

月払い、半年払い、年払いなど、家計の状況に合わせて無理なく支払える方法を選んだほうが無難です。

将来的に夫婦の働き方が変化する可能性のあるご家庭は家計に負担が少ない払込方法を選び、万一に備えた払込免除機能も確認しておきましょう。

一括払いと全期前納の違い

一括払いと全期前納の違い

一括払いと全期全納は、どちらも保険料を一度に支払う払込方法です。
最後にそれぞれの特徴と違いを確認しておきましょう。

保険料を「払い込む」か「預ける」か

学資保険の一括払いと全期前納の大きな違いの一つは、保険料の扱い方にあります。

一括払いの場合、契約時に全期間分の保険料を一度に「払い込む」形となり、払い込まれたお金は全額が保険料として扱われます。

一方、全期前納は、基本は年払いや月払いの保険契約の全期間分の保険料を「預ける」形です。
保険会社は契約者から預かった保険料を年払いなら毎年、月払いなら毎月保険料に充てていきます。

払込免除特約適用時の違い

契約者が死亡したり高度障害状態になったりした場合に、以後の保険料の支払いが免除される「払込免除特約」が適応された場合の対応方法にも違いがあります。

一括払いの場合は、すでに保険料を「払い込む」形となっているため、未払い分の保険料の支払いが免除される特約は適応されません。

全期前納はの場合は、保険会社に保険料の全額を「預ける」形になっているため、未経過分についてはまだ「払い込み」が完了していません。
そのため、払込免除特約が適応される場合は、未経過分の保険料が払い戻しされます。

解約時の返金の有無

一括払いと全期前納では、解約時の保険料の取扱いが異なります。

一括払いの場合、中途解約時に解約返戻金は支払われますが、保険料の返還はありません。

これに対し、全期前納の学資保険を解約すると、解約返戻金に加えて保険料に充当されていない預かり金に相当する保険料が返還されます。

たとえば、10年満期の学資保険に加入し、5年後に解約した場合、残り5年分の保険料が返還されることになるわけです。

払い込む保険料の違い

「一括払い」「全期前納」「月払い」「年払い」など、払込方法によって保険料総額は異なります。

一般的に、一括払いは、他の払込方法と比べて保険料総額が最も安くなります。
保険会社が保険料を長期間運用できるため、その運用益を契約者に還元できるからです。

一方、全期前納も一括払いほどではありませんが、月払い、半年払い、年払いといった分割払いよりも保険料総額は安くなる傾向があります。

保険料総額は一括払い、全期前納、年払い、半年払い、月払いの順に多くなるのが一般的です。

保険料控除の違い

一括払いと全期前納では、生命保険料控除の扱いが異なります。

一括払いは契約時に保険料を全額支払うため、生命保険料控除を受けられるのは契約した年の1年間のみです。

一方、全期前納は預けたお金から毎年保険料が充当される仕組みのため、毎年生命保険料控除の対象となります。
つまり、全期前納のほうが、長期間にわたって節税効果を得られる可能性があるわけです。

ただし、生命保険料控除には年間の上限額が設定されており、他の生命保険料と合算して上限額を超える場合は、学資保険の保険料全額が控除対象とならない場合もあります。

学資保険契約時は、最適な支払い方法を選択しよう

学資保険の一括払いには高い返戻率や確実な資金確保などのメリットがある一方、払込免除機能が無効になる点や税制面での不利もあります。

各ご家庭の状況に応じて、一括払いか分割払いかを選択することが重要です。

学資保険で重視したいポイントを各ご家庭でよく考え、最適な保険料の払込方法を選ぶとよいでしょう。

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