2012年05月26日 09時00分

居眠り防止も続々 「事故を防ぐ」最先端技術と課題

アイシンのブースではITSデモカーが展示され、“最新安全技術”を体感できた (C)ORICON DD inc. [拡大する]

アイシンのブースではITSデモカーが展示され、“最新安全技術”を体感できた (C)ORICON DD inc.

 自動車関連の最新技術や製品を展示する「人とくるまのテクノロジー展」が、23日から25日までパシフィコ横浜(横浜市西区)で開催された。同展示会は今年で21回目を迎え、今回は出展社数過去最大となる436社が参加。各ブースは大いに盛り上がりをみせた。その中でも特に関心を集めていたのが「安全技術」。“事故を未然に防ぐ”ために各メーカーが取り組む最先端技術や製品への、高い期待感がうかがえた。

◆ここまで来た! 居眠り防止技術最前線

 会場で一際賑わいをみせていたのが、自動車部品メーカーであるアイシンとデンソーの、居眠り運転防止技術。両社の技術はハンドルの中央に設置されたカメラが、運転手のまぶた開度や頭部の位置、顔向きを検出。脇見や居眠り運転などを感知すると、注意・警報を行うというもの。そのほかアイシンの技術はシートに搭載された心拍検知センサーで、ドライバーの心拍と呼吸の情報を取得。運転手が睡魔に襲われている状態を感知し警告するほか、一定時間心拍が感じ取れない場合、外部に緊急性を知らせる対策も講じられている。

 今年2月に発売されたデルタ工業の『Sleep Buster』も、脈から運転手の生理情報を検出する技術を応用。同製品は、背中の脈から居眠りに入る10分前の状態を感知し、警告音と「喝ッ!」という音声で休憩を促すもので、年内には管理者用ソフトの発売を予定。バスやトラックなどの運送業者の管理者が、自社ドライバーの体調や運転状況を常にチェックできるとあって期待が高まっている。同社は今後、自治体と連携し商品の普及と補助金の支援を受けられるよう活動を進めていくという。

◆待たれる実用化 今後の課題も

 前方車や障害物に近づくと自動的にブレーキがかかる、死角に入った対向車や歩行者をセンサーで感知して運転手に知らせるなど、事故を未然に防ぐ技術は大手メーカーも積極的に研究・開発を行っており、悲しい事件が相次ぐ昨今、一般ユーザーからの関心も高い。

 居眠り運転防止技術も各社から続々と発表されてはいるものの、市販化されているものはまだまだ少ないのが現状だ。あるメーカー担当者は「警告音を鳴らしても、睡魔に襲われた運転手が反応してくれなければ…」と今後の課題をあげる。

 メーカー各社は「事故を未然に防ぐ実用性の高い製品」を作るため、最先端技術を駆使して研究・開発を続けている。これらの技術とドライバー一人ひとりの“安全運転の意識”により、悲しい事故かなくなる日が来ることを願いたい。

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