2015年09月19日 09時50分
未来のクルマで“保険業界”どう変わる? 「自動運転車」をめぐる最新動向を解説
未来のクルマ“自動運転車”をめぐる保険業界の動きとは?
「自動運転車」は、車自体が標識や道路状況などを検知・判断し、自動で適切な運転を行うもの。現在、事故原因の9割以上といわれている人為的ミスがなくなることで、便利さだけでなく、“事故の軽減”という点でも大きな期待が寄せられている。
とはいえ、技術が完全に確立し、普及が進んだとしても、100%事故がなくなるとは考えにくい。では、運転者のミスが原因でないとすると、責任の所在を明らかにするのは困難になってくる。被害者への賠償責任を負うのは運転者か、それとも車(メーカー)か? 自動運転車をめぐる保険業界の動きを追ってみた。
■責任の所在は現状「運転者」 新たな仕組みが求められる
現在の法律で考えると、たとえ自動運転技術が搭載された車であっても、最終的に責任を負うのは「運転者」ということになる。ただ、現行の法制度や保険の枠組みではカバーしきれないケースも想定されるだけに、国と自動車メーカー、保険会社が連携して新たな仕組みをつくることが求められるだろう。
なかには、すでに行動を起こしている会社もある。例えば、自動運転車を自社開発するGoogleは今年、アメリカで自動車保険の比較サービスを開始した。これを機に業界に本格参入し、ゆくゆくは自社で独自の保険商品を販売するのではと予測する向きもある。
また、東京海上日動火災保険では、自動運転を含む今後の自動車保険の在り方について検討する専門チームを立ち上げるなど、日本の損保でも将来に向けた動きがみられている。
今年4月には、日産自動車のカルロス・ゴーン代表が「2016年に自動運転装置付きの車を販売する」と発表。自動運転車は“未来のクルマ”として注目を集めている。大きなイノベーションをもたらす技術だけに、それを受け入れる社会環境の整備が急務となっている。
(文:前田智行)
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