2018年04月28日 11時00分
自分の預金が使われる!? 「休眠預金等活用法」の仕組みとは
長期間、取引のない預金が民間公益活動のために活用される。どんな預金が対象となるのだろう(画像はイメージ)
2018年1月から施行された「休眠預金等活用法」により、長期間に渡り、取引がなかった預金などを民間公益活動のために活用するという。どんな預金が対象で、預けていたお金はいったいどうなるのだろうか。
■“休眠となる預金”とは?
休眠預金等となった場合には、預金保険機構に移され、民間公益活動の促進のために活用されることになる。該当する“休眠となる預金”とは、2009年1月1日以降の最後の取引から10年以上入出金等の取引(「異動」と呼ぶ)がないものだ。つまり、預金などを預けている人が、今後も預貯金などを利用する意思表示があると認められるような取引をしていないと、休眠預金等になってしまう。
ここでいう取引とは、以下2通りとなる。
【1】入出金など基本的な通常の取引(全金融機関共通の異動事由)
【2】通帳や証書の発行、記帳、繰越のほか、残高照会、顧客情報の変更など通常の取引に付随するような取引など(各金融機関が行政庁から認可を受けて異動事由)
【1】については全金融機関が共通だが、【2】については各金融機関のサイトで公表されている。
この休眠預金等にあたる“預金等”とは、普通預金だけではなく定期預金や貯金、定期積金などが対象となる。一方で、財形貯蓄などの特定の目的のための預貯金や、障がい者のための利子非課税制度(マル優)の適用となっている預貯金、外貨預貯金は対象外となる。この休眠預金等になる預金の額に基準は設けられていない。
■異動を行えば引き続き利用可能に
「自分の預金が休眠預金等になっているかを知りたい」場合にはどうすればいいだろう。休眠預金等は来年2019年1月1日以降に発生するため、預金等のある金融機関に直接聞くのが一番だ。ただし、休眠預金等になりそうなときには金融機関から連絡がないわけではない。1万円以上の残高がある場合は、登録住所や登録アドレスへ通知がくることになっており、また金融機関による公告もされる。なお、1万円未満の場合には通知はないので注意しよう。
そもそも、登録情報の変更がされていないと通知の受取りができないので、引越しなどで住所の変更をしている人は早めの対応をしておこう。では、休眠預金等にならないためにはどうしたらいいのか。先ほど話した「入出金等の取引」を行い、利用しているという意思表示をすることだ。また、休眠預金などに係る通知が届いた場合にもならない。
実は、休眠預金になっても、預金などを引き出すことができなくなるわけではない。引き続き預金がある金融機関で期限なく引き出すことができる。その際に、通帳やキャッシュカード、本人確認書類などの用意が必要だ。
ずっとタンスや引き出しの奥に置いたままの通帳やキャッシュカードがないかこれを機会にチェックしてみよう。お金の整理整頓ができ、思わぬ預貯金が見つかるかもしれない。
【文・監修:SAKU株式会社】
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