厳罰化された改正道路交通法

  • 厳罰化された改正道路交通法

 自転車は、子供からお年寄りまで、誰でも気軽に利用できる乗り物ですが、免許制度がないため、交通ルールについては学ぶ機会がほとんどありません。自転車走行における交通ルールを正確に把握していないために、自分勝手で危険な運転をしている人が非常に多いのが現状です。そこで、今回は、「正しいルールを知らなかったので、交通違反をしてしまった」ということがないよう、あらためて2013年6月に公布された改正道路交通法についておさらいをしてみましょう。
 自転車は、道路交通法上では「軽車両」に該当し、車道を通行することが原則です。しかし、自転車が徐行せず通常のスピードで歩道を走行することが常態化しています。またスマートフォンを見ながら、音楽を聞きながら、といった危険な運転も多く見受けられます。

近年の、

●自転車事故が年間13万件以上も発生していること
●対人の自転車事故が10年前と比較して1.5倍近くに増加したこと
●自転車事故に関与した自転車利用者の半数以上に法令違反があったこと

といった問題点を背景に、2013年6月に改正道路交通法が公布され、同年12月から施行されました。

 新しいルールの浸透にはまだまだ時間が必要です。しかし、今回の改正が、自転車走行時の安全や、万が一の自転車事故への関心を抱くきっかけとなって、自転車保険に加入する人が増加してきています。
 改正道路交通法で最も注目すべき点は、明確な罰則規定が設けられた点でしょう。

1、軽車両の路側帯通行に関する規定の整備
 自転車等軽車両が通行できる路側帯は、道路の左側部分に限定されました。
路側帯の右側走行をした場合は、「3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金」が科せられます。

2、自転車の検査等に関する規定の新設
 警察官は、基準に適合するブレーキを備えていない自転車を検査できるようになりました。さらに、危険を防止するために必要な応急措置を命じることや、必要な整備が出来ない場合に運転を禁止することが出来るようになりました。検査拒否や応急措置命令違反の場合には、「5万円以下の罰金」が科せられます。

3、危険な運転を防止するための講習に関する規定の整備(2015年6月施行予定)
 信号無視や、酒酔い運転、携帯電話を使用しながら運転するなどの安全運転義務違反、歩道での歩行者妨害など14項目を「危険行為」として定めました。3年以内に2回以上摘発された違反者には講習の受講を義務付け、受講拒否の場合、「5万円以下の罰金」が科せられます。
 酒酔い運転や、スマートフォンを見ながらの運転では、状況判断力が鈍くなりがちです。そのため、危険な車の接近や、交差点での出会頭の衝突の危険などを事前に認知し、回避行動をとることが難しくなってしまいます。
また、交差点に進入する車や自転車からは、視認範囲の関係から、歩道を走行する自転車は、車道を走行する自転車よりも認知されにくいことがわかっています。そのため、歩道を走行していると、対人事故の危険性が高まるだけでなく、車や自転車との衝突事故の危険性も高まってしまいます。
もらい事故に巻き込まれないためにも、交通ルールを正しく把握し、守ろうと意識することが大切です。
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