自動車保険の名義変更の方法は?等級の引き継ぎや注意点を解説
例えば、子供や配偶者に車を譲るなど、車を主に運転する人が変わった際には、記名被保険者の名義を変更する必要があります。
今回は、自動車保険の名義変更が必要なケースや、名義変更した際の等級の引き継ぎについてわかりやすく解説します。名義変更の方法に加え、等級の引き継ぎについての注意点にもふれていますので、参考にしてください。
自動車保険の名義の種類
契約者
記名被保険者
また記名被保険者は、自動車保険の補償の中心となる点もポイントです。特約などで補償範囲を限定する場合、記名被保険者を軸に補償範囲が決まります。
自動車保険の保険料も、記名被保険者の年齢や免許証の色、等級にもとづいて決まります。等級とは、事故歴に応じた保険料の割増引率を定める区分のことです。記名被保険者の事故歴に応じて決まるため、記名被保険者の名義を変更する際には元の等級を引き継げるかどうかがポイントとなります。
自動車保険の記名被保険者とは?契約者との違いや決め方を解説
車両所有者
所有者と使用者は、必ずしも一致するとは限りません。例えば、ローンで車を購入した場合やリース契約をした場合には、ローン会社やリース会社が車検証に記載される車両所有者となります。
所有者と使用者が異なる場合、自動車保険の契約では、使用者を車両所有者として申告します。
自動車保険の名義変更が必要になるケース
主に運転する人が変わったとき
記名被保険者の名義変更を忘れていると、事故が起きたときに補償が受けられないといった事態になりかねないため注意しましょう。
名字が変わったとき
保険料を支払う人が変わったとき
自動車保険の名義変更で等級が引き継げるケース
等級とは、記名被保険者の事故歴に応じた保険料の割増引率を定める区分です。1〜20等級があり、初めて自動車保険を契約する際は6等級からスタートします。20等級に近いほど保険料の割引率が大きくなり、1等級に近いほど保険料が割増になります。
自動車保険の補償が開始される始期日から1年間事故を起こさず、保険金の支払いを受けなかった場合、翌年度に1等級上がるという仕組みです。反対に、等級ダウンに該当する事故を起こして保険金の支払いを受けると、翌年度の等級が下がります。
記名被保険者の名義を変更する際は、等級が引き継げるのかどうかで保険料の割増引率が左右されるのです。
等級は記名被保険者に紐付いていることから、名義変更後は新しい記名保険者の等級が適用されるのが原則です。ただし、下記に該当する場合に限り、名義変更をしても等級を引き継げます。
<名義変更しても自動車保険の等級が引き継げるケース>
- 記名被保険者の配偶者
- 記名被保険者の同居親族
- 記名被保険者の配偶者の同居親族
一例として、親から運転免許証を取得したばかりの子供へ記名被保険者を変更する場合を考えてみましょう。親子が同居していれば、親の等級を子供に引き継ぐことが可能です。子供は本来6等級ですが、親が7等級以上であれば、等級を引き継ぐことで名義変更後の保険料を抑えられる可能性があります。
一方、親子が別居している場合には等級を引き継げないため、記名被保険者の変更に伴い保険料が上がることが想定されます。
等級の引き継ぎ方は?他社乗り換えや家族間での引き継ぎなどを解説
自動車保険と車両所有者の名義変更はどちらが先?
自動車保険の契約においては、実態としての車の所有者が重視されます。そのため、車両所有者の名義変更前でも新たに所有者となる人が決まっているのであれば、契約が可能な場合もあるでしょう。
しかし、車検証を提出して車の所有者を確認するケースもあることから、車両所有者の名義変更を先に済ませておくほうが滞りなく手続きを進められます。
なお、車両所有者の名義変更については、「所有者変更の事由があった日から15日以内に行わなければならない」と道路運送車両法第13条(※)で定められています。車を譲渡・売却したらすみやかに手続きを行い、所有者の名義変更を完了させておくことが大切です。
※e-Govポータル「道路運送車両法」
自動車保険の名義変更の手続きで必要な書類
名義変更で必要な書類の例は、下記のとおりです。
<名義変更手続きで必要な主な書類等>
- 保険証券
- 車検証
- 運転免許証
- 実印、印鑑証明書
- 保険会社指定の申込書類
自動車保険の名義変更の注意点
記名被保険者の名義は車の使用実態に合わせる
自動車保険の契約には、告知義務が発生します。告知義務とは、保険会社が告知を求めた契約上重要な事項について、事実を正確に告知することです。
等級を優先して車の使用頻度が低い人を記名被保険者に決めるなど、事実と異なる告知をした場合は「告知義務違反」として保険金が支払われなかったり、契約が解除されたりすることがあります。自動車保険の契約は、必ず事実にもとづいて行う必要があります。
自動車保険の名義変更は配偶者または同居の親族のみ
名義変更はあくまでも、「配偶者または同居の親族のみ」となる点を間違えないようにしましょう。
名義変更の際には、自動車保険の乗り換えもあわせて検討しよう
オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「自動車保険 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。保険料や事故対応、ロードサービスの充実さなどのランキングを確認することもできるため、保険会社選びの参考にしてください。