自動車保険料の平均・相場はいくら?任意保険料の年額・月額を年齢別に解説
自動車保険の保険料は、主に運転する人のリスクによって決まります。
この記事では、自動車保険の保険料の相場や保険料が決まる要因、保険料を抑える方法などを詳しく解説します。
これから自動車保険に加入する、または更新を控えている人はぜひ参考にしてください。

監修者 松田 聡子
明治大学法学部卒。
金融系ソフトウェア開発、国内生保を経て独立系FPとして開業。
企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在はFP業務に加え、金融ライターとしても活動中。
保有資格:日本FP協会認定CFP?・DCアドバイザー・証券外務員2種
目次
車の保険料の基本と平均・相場
自動車保険の保険料は、年齢や車種といった要因で大きく変動し、若年層ほど高額になる傾向があります。
最初に、車種別・年齢別の保険料相場や支払い方法による違いについて詳しく解説します。
自家用車の種類別保険料の違い
車種 |
年間保険料平均 |
契約台数 |
保険料合計 |
自家用乗用車(普通) |
72,332円 |
17,478,306台 |
1,264,229,069千円 |
自家用乗用車(小型) |
54,805円 |
14,422,028台 |
790,412,281千円 |
軽四輪乗用車 |
49,511円 |
18,751,412台 |
928,405,974千円 |
年齢別の任意保険料の相場
しかし、保険料が決まる要素は多岐にわたるため、年齢別の保険料相場にも幅があります。
ここでは、複数の自動車保険会社のサイトを参考に、年齢別のおおよその自動車保険の保険料相場を紹介します。
記名被保険者の年齢 | 車両保険なし | 車両保険(一般) |
20代 | 3万円〜8万円 | 7万円〜15万円 |
30代 | 3万円〜6万円 | 5万円〜10万円 |
40代 | 3万円〜5万円 | 5万円〜8万円 |
50代 | 1万円〜4万円 | 3万円〜6万円 |
60代 | 2万円〜5万円 | 4万円〜8万円 |
そのため、20代全体では保険料の相場には大きな幅があるのです。
また、年齢が上がるごとに事故率が下がるため、保険料は下がります。しかし、60代になるとやや事故率が上がるため、相対的に保険料も高くなっていきます。
月払いと年払いの保険料の差
月払いにすると1回あたりの支払額が少なくなりますが、分割手数料相当額が保険料に上乗せされます。
上乗せされる金額は、年払保険料の5%が一般的です。以下は、自動車保険を月払いした場合の年齢別の保険料相場です。
記名被保険者の年齢 | 車両保険なし | 車両保険(一般) |
20代 | 2,625円〜7,000円 | 6,125円〜13,125円 |
30代 | 2,625円〜5,250円 | 4,375円〜8,750円 |
40代 | 2,625円〜4,375円 | 4,375円〜7,000円 |
50代 | 875円〜3,500円 | 2,625円〜5,250円 |
60代 | 1,750円〜4,375円 | 3,500円〜7,000円 |
また、予算管理がしやすい点もメリットです。
反面、総支払額は多くなり、支払いが遅れると契約が解除される可能性がある点に注意が必要です。
年払いは総支払額を抑えられますが、一度にまとまった金額を用意する必要があります。経済的な余裕がある場合は年払いを選択すると、保険料を節約できるでしょう。
自動車保険料が決まる9つの要因
保険業法施行規則第12条第3項には、保険料率の算出に用いる危険要因を、以下の9つに定めています。
自動車保険の保険料が決まる要素
- 年齢
- 性別
- 運転歴
- 営業用、自家用その他自動車の使用目的
- 年間走行距離その他自動車の使用状況
- 地域
- 自動車の種別
- 自動車の安全装置の有無
- 自動車の所有台数
ここでは、主な保険料が決まる要因について解説します。
年齢・性別による保険料の変動
ただし、性別を保険料算出のリスク要因とする保険会社は少ないと考えられます。
一方、年齢は自動車保険の保険料に大きな影響を与えます。2024年の年齢層別免許保有者10万人あたりの交通事故件数は以下のとおりです。
年齢層 | 交通事故件数(10万人あたり) |
16〜19歳 | 976件 |
20〜24歳 | 550件 |
25〜29歳 | 399件 |
30〜34歳 | 310件 |
35〜39歳 | 283件 |
40〜44歳 | 273件 |
45〜49歳 | 272件 |
50〜54歳 | 284件 |
55〜59歳 | 296件 |
60〜64歳 | 292件 |
65〜69歳 | 290件 |
70〜74歳 | 329件 |
75〜79歳 | 358件 |
80〜84歳 | 416件 |
85歳以上 | 496件 |
また、50代後半から増加に転じ、高齢になるほど件数が増加していきます。このことから、20代前半までと高齢者の保険料は高く設定される傾向があるのです。
運転歴と等級制度の仕組み
ノンフリート等級制度では等級は1等級から20等級まで設定されており、等級が高いほど保険料の割引率が高くなる仕組みです。
初めて自動車保険に加入する場合は6等級からスタートし、1年間無事故で契約を継続すると翌年は1等級上がります。
一方、保険を使用する事故を起こした場合、次年度の等級は3等級または1等級下がり、保険料が増加します。特に1等級から4等級は割増料金が適用されるため、事故を防ぐことが保険料を抑える重要なポイントです。
また、すでに自動車保険に11等級以上で加入している人が2台目の車を購入する場合は「セカンドカー割引」が適用され、通常の6等級ではなく7等級からスタートできるため、初年度から保険料が安くなるメリットがあります。
使用目的と走行距離の影響
それぞれについて見ていきましょう。
営業用と自家用の違い
使用目的は一般的に以下の3つに分類され、それぞれのリスクに応じて保険料が設定されています。
日常・レジャー使用 |
通勤・通学使用 |
業務使用 |
|
選択基準 |
買い物や休日のドライブなど、業務や通勤・通学以外の目的で車を使用する場合 |
週5日以上または月15日以上、会社や学校への通勤・通学に車を使用する場合(*) |
週5日以上または月15日以上、仕事のために車を使用する場合(*) |
事故リスク |
低い |
普通 |
高い |
保険料 |
安い |
普通 |
高い |
上記から、使用目的による分類では日常・レジャー使用の保険料が最も安く、業務使用の保険料が最も高くなります。
以下は、ある保険会社の使用目的以外の条件が同じ場合の一括払い保険料の一例です。
・通勤・通学使用:41,904円
・業務使用:48,471円
使用目的は、車の使用実態に合わせて正しく申告しなければなりません。
虚偽申告をすると契約解除や事故の際に保険金が支払われないおそれがあります。
転職や転勤などで使用目的が変わった場合は、保険会社に速やかに申告しましょう。
年間走行距離による保険料の変化
一般的には「3,000km以下」や「10,000km超15,000km以下」などの区分が設けられ、走行距離が短いほど保険料が安くなる仕組みです。
走行距離はオドメーターやトリップメーターで確認し、過去1年間の実績や今後の予定距離をもとに申告します。
申告距離を超過した場合でも補償は受けられますが、保険会社による調査で追加保険料が発生する場合があります。
正確な申告が重要で、虚偽申告は契約解除や補償対象外となる可能性があるため注意が必要です。
地域・車種による保険料の違い
まず、地域別では都道府県ごとの事故率のデータが保険料に影響を与えます。
保険会社は全国を複数のエリアに分け、地域ごとのリスクを評価して料率を設定しているのです。
車種に関しては、「型式別料率クラス」という仕組みが適用されます。
これは、車両の型式ごとの事故実績に基づき、17段階(軽自動車は7段階)でリスクを評価する制度です。
リスクが高い型式は保険料が高く、逆にリスクが低い型式は保険料が安くなります。
さらに、自動ブレーキなどの安全装置を搭載した車両には「ASV割引」が適用され、保険料が割引される場合があります。
自動車保険を安く抑えるためのポイント
運転者限定・年齢条件の見直し
運転者限定特約は契約車を運転する人を限定して事故リスクも限定し、その分保険料が割り引かれる仕組みです。
運転者限定の種類とそれぞれの一般的な割引率(運転者限定なしを基準とする)は以下のとおりです。
・本人・配偶者限定:約6〜7%の割引
・家族限定:約1%の割引
・運転者限定なし:割引なし
また、年齢条件による保険料削減効果は非常に大きく、同じ契約内容でも年齢条件の設定によって保険料に大きな差が生じます。
以下は、ある保険会社の年齢以外の条件が同じ場合の一括払い保険料の一例です。
・21歳以上補償:32,730円
・26歳以上補償:22,260円
・35歳以上補償:22,170円
車両保険の必要性の検討
車両保険には「一般型」と「限定型(エコノミー型)」があります。
一般型は補償範囲が広い代わりに保険料が高く、単独事故などが補償対象外となる限定型は保険料が比較的安いタイプです。
以下は、ある保険会社の同じ条件での一括払い保険料の一例です。
・一般型:36,240円
・限定型:26,440円
そのため、車両保険の付帯は慎重に考える必要があるのです。
車両保険が必要となるのは、主に以下のようなケースです。
・新車や高級車を所有している場合
・車をローンで購入し、残高がある場合
・日常的に車を使用し、代替手段がない場合
・貯蓄が十分でない場合
一方、以下のようなケースでは車両保険の必要性は低いと考えられます。
・年式が古い車や中古車を所有している場合
・車の使用頻度が低い場合
・修理費用を自己負担できる十分な貯蓄がある場合
車両保険が必要な場合、限定型を選択すると保険料負担を抑えて最低限の補償を確保できるでしょう。
加入方法による保険料の比較
ここでは、従来の代理店型からダイレクト型自動車保険に変える、または一括見積もりサービスを利用して自分に有利な保険会社を選ぶ方法を紹介します。
ダイレクト型保険のメリット
代理店型で必要となる店舗運営費や人件費、代理店手数料といった中間コストを削減できるためです。
また、インターネットや電話を通じて契約手続きが完結するため、時間や場所を選ばず手軽に利用できます。
事故対応についても代理店型と大きな差はなく、24時間365日の事故受付体制を整えている会社が多いため安心して利用できます。
一括見積もりの活用方法
利用手順は簡単で、まず保険証券と車検証を用意し、車両情報や運転者情報、希望する補償内容を入力するだけです。
入力時間は約5分程度で、複数社の見積もりを取得できます。
比較する際は保険料だけでなく、補償内容やサービス面も含めて総合的に判断するようにしましょう。
ただし、提携していない保険会社の見積もりは取得できない点や、細かい条件設定には向いていない点に注意が必要です。
自動車保険を賢く選んで保険料を最適化
保険料を抑えるには車の使用実態に合わせた運転者限定の設定や車両保険の適切な付帯、加入方法の変更などが考えられます。
必要な補償は確保する賢い自動車保険選びで、保険料を最適化していきましょう。
オリコン顧客満足度調査では、実際にサービスを利用した14,015人にアンケート調査を実施し、調査企業17社を対象にした「自動車保険(ダイレクト型・代理店型)」ランキングを発表しています。
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監修者 松田 聡子
明治大学法学部卒。
金融系ソフトウェア開発、国内生保を経て独立系FPとして開業。
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