レンタカー特約とは?自動車保険の補償内容と必要性・検討するポイント解説
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事故で車の修理が必要になった際、修理工場に預けているあいだは代車を借りることが多いでしょう。
しかし、必ず代車が借りられるとは限らず、場合によってはレンタカーが必要になることがあるかもしれません。
そういった際にレンタカー特約があれば、レンタカーの利用にかかる費用を補償してもらえます。
利用するかどうか定かではないレンタカーについて、特約を付帯する必要があるか悩む人も多いようです。
今回はレンタカー特約の補償内容や、付帯を検討するポイントについてご紹介します。
目次
監修者トータルマネーコンサルタント/新井 智美
マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。
自動車保険のレンタカー特約とは?基本的な補償の仕組み
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車の修理期間中や車が使用できない状況において、代替の移動手段を確保するための重要な備えとなります。
この特約により、修理期間中の移動手段に困らないよう、レンタカーの費用を保険でカバーできるのです。
よく似た名称の「ロードサービス」と混同されやすい点がありますが、以降の見出しで「レンタカー特約」と「ロードサービス」の違いを詳しく解説します。
レンタカー特約」と「ロードサービス」の違い
事故や故障で車が使えない間のレンタカー費用を補償する特約
保険会社によって「レンタカー費用等補償特約」「事故時レンタカー費用補償特約」「事故・故障時レンタカー費用補償特約」「代車費用特約」など名称はさまざまですが、基本的な補償内容は同じです。
この特約を付帯するには、一般的に車両保険に加入していることが条件です。
車両保険とは、契約中の車が事故などによって損害を受けた場合に、修理費などを補償する保険のことです。
なお、一部の自動車保険では、車両保険に加入していなくても単独でレンタカー特約を適用できるものもあります。
ロードサービスのレンタカーサポートとの違い
両者の根本的な違いは、レンタカー特約が「修理期間中の代替交通手段」を確保する目的であるのに対し、ロードサービスのレンタカーサポートは「事故・故障現場からの緊急移動」が目的という点です。
ロードサービスのレンタカーサポートは、事故や故障で車が自走できない状態になった場合に、自宅や目的地に向かうための一時的なレンタカー費用を補償するもので、一般的に12時間から24時間までの短期間に限られます。
一方、レンタカー特約は修理期間中など長期間にわたるレンタカー利用費用をカバーします。
両者の主な違いについて、下の表にまとめました。
項目 | レンタカー特約 | レンタカーサポート(ロードサービス) |
利用目的 | 主に事故で車が使用できなくなった場合に、その車の修理期間中にレンタカーを借りるための費用を補償する。 | 事故や故障で車が自走できない状態になった場合に、自宅や目的地へ向かうための一時的なレンタカー費用を補償する。 |
補償期間 | 一般的に30日間 | 一般的に12時間から24時間 |
補償対象 | 車両保険の契約にレンタカー特約を付帯している場合に補償される。 | 加入している自動車保険にロードサービスが自動付帯している場合や、ロードサービス特約を付帯している場合に補償される。 |
レンタカー特約の具体的な補償内容|期間・金額・対象費用
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特に、補償が受けられる「期間」と「金額(日額)」は、保険会社や契約内容によって大きく異なる重要なポイントとなります。
これらの補償範囲を事前にしっかり確認しておくことで、いざという時に慌てることなく適切にレンタカー特約を活用できるでしょう。
レンタカー特約の補償内容
補償される期間はいつからいつまで?「30日間」の数え方に要注意
ただし、故障による利用は15日間までに制限している保険会社もあります。
特に重要なのが、補償期間の「カウント開始日(起算日)」です。
起算日は保険会社によって異なり、下記のようなパターンがあります。
・事故日から30日間
・修理工場への入庫日から30日間
・レンタカーの利用開始日から30日間
また、30日以内であっても、修理完了や代替車両の購入時点で補償が終了するケースがあることも覚えておきましょう。
このような細かな条件は保険会社の約款に記載されているため、契約前に必ず確認することが大切です。
日額の上限金額はいくらが目安?選べる車種と保険料
この金額設定によって借りられる車のグレードが変わるため、普段利用している車種に応じて選択することが重要です。
例えば、日額5,000円では軽自動車やコンパクトカークラス、日額7,000円では普通車やミドルクラス、日額1万円では大型車やミニバンクラスまでカバーできるのが一般的です。
日額上限金額 | 借りられる車種の目安 |
5,000円 | 軽自動車・コンパクトカー |
7,000円 | 普通車・ミドルクラス |
10,000円 | 大型車・ミニバン |
特約の保険料は日額設定により年間数千円程度変わるため、必要な車種と保険料のバランスを考慮して選択しましょう。
レンタカー特約が使えない?補償対象外のケースと注意点
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どのような場合に補償の対象外となるのか、事前に知っておくべき注意点を理解しておくことが重要です。
特に、車の使用不能になった原因が事故によるものか、経年劣化による故障かなど、その原因や車両保険の契約の有無がポイントとなります。
補償対象外のケースと注意点
故障・車検・買い替えは補償される?
経年劣化や摩耗、腐食、サビ、メンテナンス不足による故障、また車検期間中の代車利用は、原則として補償対象外です。
ただし、故障であっても走行不能となりレッカー輸送された場合は、一般的に補償される場合があります。
しかし、事故の場合と比べて補償期間が短い傾向にあるため注意が必要です。
また、事故で車が破損した場合でも、修理を行わず、廃車や買い替えを選択した場合は支払い対象とならない点も覚えておきましょう。
補償範囲は保険会社により異なるため、契約書類で詳細を確認することが大切です。
ケース | 補償の有無 |
経年劣化・摩耗・サビ | 対象外 |
メンテナンス不足による故障 | 対象外 |
車検期間中の代車利用 | 対象外 |
故障で走行不能+レッカー輸送 | 一般的に補償あり(短期間) |
事故による修理 | 補償あり |
事故後の廃車・買い替え | 対象外 |
車両保険を契約していないと利用できない?
車両保険の支払い対象となる事故で車が使用できなくなった場合に、レンタカー費用が補償される仕組みとなっています。
ただし、一部の保険会社では車両保険に加入していなくても、単独でレンタカー特約を適用できる場合があります。
また、車両保険に加入していても、以下のようなケースでは車両保険が適用されず、レンタカー特約も使えません。
・無免許運転や酒気帯び運転によって生じた損害
・麻薬などの影響で正常な運転ができない状態での運転による損害
・地震や噴火、これらによる津波によって生じた損害
・詐欺や横領によって生じた損害
・法令で禁止されている改造を行った部分品や付属品による損害
また、利用できるレンタカーはレンタカー会社が取り扱う車に限られるため、必ずしも希望している車種が借りられるとは限らない点にも注意しておきましょう。
レンタカー特約を使うと等級ダウン?気になる保険料への影響
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レンタカー特約の利用が等級に影響するかどうかは、保険の利用状況によって結論が変わるため、正しく理解しておくことが重要です。
「レンタカー特約のみを使う場合」と「車両保険とあわせて使う場合」の2つのパターンに分けて、等級への影響を詳しく解説します。
等級・保険料への影響
特約だけの利用なら等級は下がらない
レンタカー特約だけを使った場合は、翌年の等級に影響を与えないため、保険料の上昇もありません。
これは、レンタカー特約が車両保険の付随的な補償という位置づけであり、単独利用では事故カウントされないためです。
したがって、車の修理費用を自己負担できる場合は、レンタカー特約を気軽に利用できるというメリットがあります。
この仕組みを理解しておくことで、いざという時に躊躇することなく特約を活用できるでしょう。
車両保険と同時に使うと等級が下がり保険料も上がる
これは、レンタカー特約の利用ではなく、車両保険の利用が等級ダウンの原因となるためです。
事故の種類によって、一般的な事故は3等級ダウン、盗難や火災、飛来物などの場合は1等級ダウンとなります。
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等級と保険料の関係
例えば、20等級から3等級ダウンした場合、車両保険の補償内容によっては保険料が年間数万円上がることも珍しくありません。
このため、車両保険とレンタカー特約を同時に使用する際は、等級ダウンによる保険料の上昇も考慮して判断することが重要です。
レンタカー特約は必要?不要?加入の判断基準
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ですから、レンタカー特約は必ず付帯しておくべきとは言い切れません。
では、どのようなケースでレンタカー特約は必要となるのでしょうか。
レンタカー特約 加入の判断基準
レンタカー特約があるといいケース
・通勤などで車に乗る機会が多い場合
・普段と同じクラスの車を利用したい場合
日常的に車を交通手段として利用していると、修理中に車が使えないことで大きな不便が生じるでしょう。
公共交通機関が使えない地域では特に生活への影響が大きくなります。
修理が長引けばレンタカー費用の負担も増えますが、レンタカー特約に加入していれば経済的な負担を軽減できるのがメリットです。
また、「普段と同じクラスの車を利用したい」という方にもレンタカー特約は有効です。
代車は車種を選べないことが多いですが、レンタカーなら希望に近いグレードを選べる可能性があります。
好みの車を選ぶと費用が高くなってしまう場合もありますが、レンタカー特約で補償されれば安心して選択できるでしょう。
レンタカー特約が必要ないケース
・公共交通機関が利用できる場合
・家族の車やセカンドカーで代用できる場合
・車の利用頻度が少ない場合
また、普段から車をあまり使わない人であれば、修理期間中に車がなくても生活に大きな支障はないでしょう。
自分の生活スタイルに照らして、本当に必要かどうかを見極めて検討することが大切です。
レンタカー特約が必要かどうか見極めて検討を
ただし、適用には条件があり、必ずしもメリットがあるとは言い切れないでしょう。
付帯した場合は保険料も上がりますから、自分に必要かどうか見極めた上で検討してください。
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監修者トータルマネーコンサルタント/新井 智美
マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。
現在年間200本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。
(保有資格)
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
・CFP®
・DC(確定拠出年金)プランナー
・住宅ローンアドバイザー
・証券外務員
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