自動車保険を使う目安は?翌年以降の保険料を試算しよう

自動車保険を使う目安は?翌年以降の保険料を試算しよう

万が一の事故の際に役立つ自動車保険ですが、使用すると翌年以降の保険料が高くなる可能性があるため、使用しない選択をする人もいるようです。
では、自動車保険は何を目安に使用すべきなのでしょうか。ここでは、自動車保険の保険料が上がる仕組みや、自動車事故で保険を使う目安についてご紹介します。

自動車保険を使うと保険料が上がる?

自動車保険は事故の際の損害を補償してくれるものですが、使うと翌年の保険料が上がる場合もあります。まずは、自動車保険を使用すると保険料が上がる仕組みを解説します。

自動車保険の等級

自動車保険の等級(ノンフリート等級)は、自動車保険料を決める要素のひとつです。初めて加入したときは基本的に6等級ですが、無事故で自動車保険を使わなかった場合、翌年以降は1等級ずつ上がっていきます。数字が大きいほど割引率は増し、最大の20等級(共済の場合は22等級まである場合も)なら割引率は63%です。
反対に、事故を起こして自動車保険を使えば、翌年の等級は3等級または1等級下がります。4等級以下は割引ではなく割増に転じ、1等級であれば108%割増になってしまいます。

事故の種類で下がる等級数は変わり、「3等級ダウン事故」「1等級ダウン事故」のほか、自動車保険を使っても等級に影響しない「ノーカウント事故」もあります。

等級の事故有係数

事故を起こして等級が下がると、7〜20等級では「事故有係数」が適用されます。事故有係数が適用されている期間は無事故の場合と比べ、同じ等級でも割引率が低くなります。

事故有係数は事故を起こした年の翌年から適用となり、3等級ダウン事故の場合は3年、1等級ダウン事故の場合は1年が適用期間です。なお、事故有係数の上限は6年のため、続けて事故を起こしたとしても6年を超えて加算されることはありません。
事故有係数の適用期間は毎年1年ずつ減っていき、0になったら無事故係数が適用されます。

■自動車保険の等級別割引率(継続契約の場合)
等級 無事故 事故有
1等級 +108%
2等級 +63%
3等級 +38%
4等級 +7%
5等級 -2%
6等級 -13%
7等級 -27% -14%
8等級 -38% -15%
9等級 -44% -18%
10等級 -46% -19%
11等級 -48% -20%
12等級 -50% -22%
13等級 -51% -24%
14等級 -52% -25%
15等級 -53% -28%
16等級 -54% -32%
17等級 -55% -44%
18等級 -56% -46%
19等級 -57% -50%
20等級 -63% -51%
自動車保険の等級については、下記の記事をご覧ください。
自動車保険の等級とは? 上げ方、割引率、引き継ぎについて解説

自動車事故で保険を使う目安

自動車事故で保険を使う目安

事故の際に自動車保険の補償が受けられれば安心ですが、軽微な事故で使えば、翌年以降の保険料の増額分が保険金を上回ってしまうこともあります。そのため、事故があっても自動車保険を使わない選択をする人もいるようです。

自動車保険を使用するかどうか判断する際、修理費用保険を使用した場合の保険料の上昇分を比較して、使用を検討する方法があります。
例えば、現在10等級で保険料は年間5万4,000円の人が、3等級ダウン事故を起こしたとします。受け取れる保険金は10万円でした。

■自動車保険を使用した場合

等級

保険料(割引率)

事故年

10等級(無事故)

5万4,000円(-46%)

翌年

7等級(事故有係数)

8万6,000円(-14%)

2年後

8等級(事故有係数)

8万5,000円(-15%)

3年後

9等級(事故有係数)

8万2,000円(-18%)

4年後

10等級(無事故)

5万4,000円(-46%)

5年間の保険料合計

36万1,000円

■自動車保険を使用しない場合

等級

保険料(割引率)

事故年

10等級(無事故)

5万4,000円(-46%)

翌年

11等級(無事故)

5万2,000円(-48%)

2年後

12等級(無事故)

5万円(-50%)

3年後

13等級(無事故)

4万9,000円(-51%)

4年後

14等級(無事故)

4万8,000円(-52%)

5年間の保険料合計

25万3,000円

自動車保険を使用した場合としない場合では、5年間の保険料で10万8,000円の違いがありました。10万円の保険金を受け取って損害が補償されたとしても、自動車保険を使った場合は元の等級に戻るまでに4年かかり、保険金で受け取った10万円を加味しても、支払った保険料には8,000円の差額があります。さらに、自動車保険を使わず無事故だった場合は4年後に14等級ですが、使った場合は10等級ということも考慮してください。

また、事故をきっかけに車の買い替えを検討する人もいるでしょう。自動車保険は、車の買い替えに利用できる場合もあります。ただし、保険を使った場合は等級が下がり、車を買い替えても自動車保険の等級は引き継がれます。
保険金のほか、現在の等級によっても使うべきかどうかの判断(翌年以降の保険料の幅)は異なりますから、計算してみてください。なお、このような試算は、保険会社が行ってくれる場合もあります。

自動車保険を使わないなら免責金額の検討を

翌年以降の保険料を考えて、損害額が少額なら自動車保険を使わないのであれば、免責金額を設定しておくことも検討してみましょう。自動車保険で免責金額を設定できるものとしては、車両保険があります。

免責金額は自己負担金を指し、免責金額として設定した金額までは保険金が支払われず、損害額の補償は自己負担です。例えば、免責金額を5万円に設定していて、損害額が3万円だった場合は保険金が支払われません。損害額が15万円だった場合、支払われる保険金は免責金額の5万円を引いた10万円です。

ただし、免責金額を設定した分、保険料が安くなるというメリットがあります。損害額が少額なら車両保険を使わないという選択をする場合、免責金額を設定して保険料を抑えることも考えてみてください。

車両保険について、詳しくはこちらにまとめています

自動車保険を使わない場合の賠償の方法

相手がいる事故で自動車保険を使わない選択をした場合、自己負担で賠償を行う必要があります。示談交渉は保険会社が代行してくれる場合があるため、保険を使わない場合でも連絡は行いましょう。
示談交渉が成立したら、保険会社を通して相手の振込先を聞き、自己負担で賠償額を振り込みます。

翌年以降の保険料を試算して自動車保険を使うかどうか検討を

自動車保険は万が一の事故の際に補償が受けられるため安心ですが、使用すると翌年以降の等級に影響し、保険料が上がってしまう可能性があります。受け取れる保険金と、保険を使用した場合の保険料の上がり幅を比較し、どちらの負担が少ないかを使用の目安としてみてください。

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