新築住宅の固定資産税は?計算方法や減額措置を解説
この記事では、新築住宅の固定資産税の計算方法や具体的なシミュレーションのほか、減額措置、固定資産税を抑えるための方法、注意点などについて解説します。
目次
固定資産税は土地や家屋などにかかる税金
それらの資産価値に応じた税額を、土地や家屋などの固定資産が所在する市町村に納めます。
・土地:田んぼ、畑、住宅地、池沼、山林、鉱泉地(温泉など)、牧場、原野などの土地
・家屋:住宅、お店、工場(発電所や変電所を含む)、倉庫などの建物
・償却資産:会社等(事業者)が所有する構築物(広告塔やフェンスなど)、飛行機、船、車両や運搬具(鉄道やトロッコなど)、備品(パソコンや工具など)など
※総務省「固定資産税」
固定資産評価補助員には、地方税法第353条によって質問調査権が与えられているため、調査を拒否すると罰則を受ける可能性もあります。
適正な評価額を出してもらうためにも、家屋調査には全面的に協力することが大切です。
戸建ての固定資産税は3年ごとに評価替えが行われる
また、建物は経年劣化によって価値が下がるため、原則として3年ごとに評価替えが行われ、年数に応じた補正率が掛け合わされて、少しずつ安くなるのが一般的です。
注意しておきたいのは、評価替えの額は、評価する時点の物価水準に影響を受けるという点です。そのときの物価水準において、調査する住宅と同じものを新築した場合に必要な建築費(再建築価格)を基準に算出されるためです。
したがって、物価水準が上がっている時期は再建築価格も上がり、固定資産税評価額も上がる可能性があります。
ただし、固定資産税評価額が上がったときは税負担が考慮され、評価替え前の評価額に据え置くことが決められています。
戸建ての固定資産税の計算方法
下記に仮定した条件をもとに、具体的なシミュレーションを行ってみましょう。
・土地の取得費用:2,000万円
・建物の建築費用:1,500万円
土地の固定資産税
土地の固定資産税評価額は、国土交通省が発表している土地の公示価格の約70%になるとされています。よって、下記の計算が成り立ちます。
2,000万円×70%×1.4%=19万6,000円
建物の固定資産税
建物の固定資産税評価額は、新築の場合は建築費の約60%といわれているため、下記のような計算が成り立ちます。
1,500万円×60%×1.4%=12万6,000円
固定資産税の減額措置
条件があてはまれば、先程のシミュレーションからさらに固定資産税が減額されます。
土地に対する減額措置
固定資産税の減額措置が適用される土地の軽減割合
住宅用地の区分と面積区分 | 軽減割合 |
小規模住宅用地(200平方メートル以下の部分) | 評価額の1/6 |
一般住宅用地(200平方メートルを超える部分) | 評価額の1/3 |
新築の住宅に対する減額措置
税制改正により、2026年3月31日まで適用期間が延長されました。
固定資産税の減額措置が適用される住宅の軽減割合
住宅の種別 | 軽減期間 | 軽減割合 |
一般の住宅 | 3年度分 | 税額の1/2 |
一般の長期優良住宅 | 5年度分 | 税額の1/2 |
なお、長期にわたって良好な状態で使用するための措置が講じられた長期優良住宅の場合、所得税や登録免許税、不動産取得税も軽減されます。固定資産税の減額措置については、対象の住宅がある市区町村に申請しましょう。
固定資産税の納付時期と納付方法は?
固定資産税の納付時期
一般的に固定資産税は、1年分の税額を4期に分けて納めます。例えば、東京都23区における2024年度の納付期限は、第1期が7月1日、第2期が9月30日、第3期が12月27日、第4期が2月28日です。
固定資産税の納付方法
・窓口における納付(市町村役場や金融機関、郵便局、コンビニエンスストアなど)
・口座振替による納付
・eLTAXによる電子納付
・クレジットカードによる納付
・ペイジーによる納付
・スマートフォン決済アプリによる納付(バーコード・QR読み取り)
固定資産税を抑えるためのポイント
複雑な間取りにすると、施工する面積が増えて固定資産税も増えます。また、屋根の勾配の大きさや、外壁材の種類などによっても税額が大きくなります。後々のコストも踏まえて設計するとよいでしょう。
なお、構造的な条件を満たしたロフトなどは、固定資産税を上げずに床面積を増やせる有用な方法です。
同じ床面積でも税額は建て方によって変動するため、節税の視点から的確なアドバイスができる施工業者を選んで家づくりをすることが大切です。
固定資産税を納付するときの注意点
延滞すると延滞金が発生する
例えば、2024年に東京都で固定資産税の納付を延滞すると、納付期限の翌日から1ヵ月間は固定資産税の2.4%、それより後は8.7%の延滞金が発生します。
減額措置期間後は通常の金額に戻る
新築住宅を建てるときは固定資産税の計算方法や減額措置を知っておこう
固定資産税は、土地や建物の規模に比例して高くなります。家の大きさや設備などをできるだけシンプルにすることが、固定資産税を抑えることにもつながります。
生活に合った無駄のない家づくりを提案できる、実績豊富な施工業者にぜひ相談してみてください。
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